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本会議 第280回本会議議案討論 筒井もとじ
2004年10月07日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、上程された議案など26議案中14件に反対し、討論いたします。即ち議案第136号、第138号、第140号、第144号、第146号ないし第150号、第153号、第156号ないし第158号、報第5号について、以下その理由を申し述べます。

 まず、第136号、「兵庫県税条例の一部を改正する条例制定の件」は、個人県民税で妻に対する均等割の非課税措置を廃止するもので、この配偶者控除の廃止による県民への影響は、38万人に対し、3億6300万円の増税となります。また、高齢者に対する老年者控除の廃止では、影響は10数万人、14億1400万円にのぼります。老年者控除の廃止は所得が205万3000円の県民から課税されることとなり、所得税・住民税だけでなく国保料・介護保険料にまで及ぶもので、試算すると年金額250万円の人は、65才で年間9万2400円の増税となります。年金収入は減るばかりなのになお、税金や社会保険料が増え、まさに勤労者の老後を直撃するものです。政府は、年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1にするための財源といいますが、それを年金生活者に負わせるのは本末転倒であり、反対であります。

 議案第138号「保健所の名称、位置及び所管区域を定める条例の一部を改正する条例制定の件」でありますが、現在26ヶ所の保健福祉事務所のうち、12ヶ所を地域事務所として精神保健対策や感染症対策、食品許認可事務などを廃止や機能縮小し、さらに相生及び美方の事務所を統合廃止するものです。 これらの分野はむしろ充実すべきであり、地域住民の声も無視した行革には反対であります。

 議案第140号は「長寿祝金条例の一部を改正する条例制定の件」でありますが、高齢者のささやかな喜びや楽しみを奪い2億円余の金を浮かせる非情な行革にはあきれるばかりです。敬老の言葉を投げ捨てるような措置は中止すべきではありませんか。

 議案第144号「屋外広告物条例及び知事の権限に属する事務に係る事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件」であります。屋外広告物についてはこれまで「みだりに氾濫する広告物を規制する」としながら正当な政治活動、平和運動、市民運動への規制が行われてきたことから、わが党は問題にしてきましたが、今回「はり札及び立て看板」から「はり紙はり札等広告旗及び立て看板等」という表現で規制範囲をさらに拡大することは賛成できません。

 次に、議案146号ないし第148号は市町合併でありますが、政府は平成の大合併の流れを作り出そうとしていますが、私たちは、基礎的自治体は住民自治こそが根本であると考え、住民間で自分たちの将来のまちづくりについて十分議論し、最終的には住民投票など住民の総意をくみつくす努力によって決められるべきものであると考えています。残念ながらこれら3市のそれぞれの合併には、行政上の手続きに不備はなくても、住民の総意をくみつくす点で不備があり、賛成しかねるものであります。

 次に議案第149号「国営加古川水系広域農業水利施設総合管理事業について市町の負担すべき額を定める件」は、国営東播用水土地改良事業については、広域的なものであり、本来国が管理も含め一元的に行うべきもので市町に負担を求めることに反対です。

 議案第150号「県が行う事業について市町の負担すべき額を定める件」でありますが、農林水産・県土整備部の両部にわたって多くの事業が並べられております。
  わが党は、(1)事業そのものに問題があるもの(2)特定の市町に負担を求めるべきでないもの(3)市町負担もやむをえない事業の三つの角度から検討してまいりました。その主なものをあげてみますと、かねて指摘してきた千町段ヶ峰線など県営森林基幹道整備事業は、生態系の分断破壊、林業や地元費用対効果で見ても妥当な事業でなく、地元住民の賛成も得られていないので反対であります。また、街路整備事業園田西武庫線は三菱電機構内、約1キロの距離を幅18メートル以上の道路が横断する事業です。総工事費は、200億円近いと予測され、三電への移転保障費だけで100億円前後といわれており、財政難のなか巨額な地元負担となり、特に急ぐ事業ではないと判断します。

 また、大規模な急傾斜地崩壊対策や港湾・海岸整備事業における防潮堤や消波工事のように災害予防・災害復旧に関わる事業、不特定多数の県民が利用する街路整備や鉄道高架事業、流域下水道設備関係、自然公園の整備などは県の責任で整備すべきものであり反対です。また、氷ノ山の自然学習歩道整備や上山高原国定公園の遊歩道整備は、自然保護の立場から最小限の工事にとどめるべきことを指摘しておきます。
 県は国直轄事業について「直轄負担金をなくせ」と国に要望しておきながら、本来県が責任をもって行う事業に市町負担を求めるのは全く矛盾した考えではありませんか。

 次に、第153号議案「姫路港広畑地区公共埠頭クレーン取得の件」についてです。
 神戸港の中古クレーンを購入、姫路広畑港に移設するというものですが、使用見込みや採算の見通しもたっていないもので賛成できません。

 次に、第156号「県営南多聞台第4住宅第2期建設工事」、第157号「県営明石南王子住宅第3期建設工事」、第158号「県営姫路夢前台住宅建設工事」の「業務委託契約締結の件」は、それぞれ建て替え後の戸数が31戸減、26戸減、24戸減と合計81戸の減となっています。老朽化など建て替えの必要性から整備が進むのは歓迎しますが、特に希望者が多い都市部での削減には反対であります。これは、国の公営住宅施策改悪の先取りとなることを指摘しておきます。

 最後に、報第5号、県立近代美術館にかかる絵画引き渡し請求事件の和解と損害賠償の額を定めた「専決処分をしたものにつき承認を求める件」です。これは、「梅原龍三郎」や「小磯良平」、「林武」などの貴重な絵画50点のうち18点の絵画を散逸したもので全く不可解な事件です。
  和解条項には1億9500万円を画商が県に支払い義務があることを認めてはいますが、支払方法は「協議をする」としたままで、何ら県に支払われる保証はありません。いったい責任はどこにあるのでしょうか。
 絵画の持ち主の了解もなく、県が、画商に絵画を渡し18点を散逸してしまったわけですから県の責任の所在は曖昧にはできないはずです。1990年から1993年の間に事件が発生していますが、当時の美術館長や次長も死亡。また、当時の教育長や学芸課長も退職してしまっているとして誰も責任をとっていません。18点の貴重な絵画が散逸して県民に公開展示できず県民共通の文化財産として活用もできません。この不思議な事件の疑惑は広がるばかりです。
 前述した長寿祝金をへらす措置で節約するのとほぼ同額を真相の解明もなく責任の所在も明らかにならないまま1億9500万円もの公金を専決で決済した知事の専決処分は認められないことを指摘して私の討論を終わります。

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