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本会議 第278回本会議請願討論 杉本ちさと
2004年03月29日

 私は日本共産党県会議員団を代表して請願の討論をおこないます。
  今議会には、県民から11件のあらたな請願が寄せられました。わたしは、請願・第40号、第42号、第45ないし第53号は、不採択でなく採択を主張いたします。

 まず、第45号の消費税の増税計画中止を求める意見書提出の件です。政府の2004年度「税制改正大綱」は2007年度を目途に、「消費税を含む抜本的税制改革を実現する」と明記し、日本経団連など財界も2007年度までに消費税を少なくとも10%に引き上げ、法人税率をさらに引き下げるよう要求しています。
  それに向け、消費税二ケタ増税への布石がすすめられています。その1つは4月1日から商品やサービスの価格を消費税込みにする「総額表示方式」の義務付けです。
  消費者の目から消費税を見えなくしてしまう、消費税率引き上げの準備であることは明かです。 また、免税点の引き下げや簡易課税制度の見なおしで、消費税を商品に転嫁できにくい弱い立場にある中小零細業者に大変な負担増となります。
  配偶者特別控除の廃止や年金控除の縮小、老年者控除の廃止、住民税均等割りの引き上げなど大増税計画で、国民の暮らしはますます痛めつけられます。
  一方、トヨタ自動車が1兆円以上もの純利益をあげるなど大企業は減税とリストラ効果で空前の利益をあげていています。消費税が導入されて15年になりますが、この間の消費税収入は136兆円、これにたいして法人税の減収は131兆円。 消費税が福祉のために使われたのではなく、大企業減税のための財源とされていたことが判明しています。「負担ばかりふえてどうやって生活するのですか」という悲痛な国民の声にこたえて、消費税の増税計画中止、食料品を非課税にすることを求める意見書提出の請願を採択するよう求めます。

 次に第46号、47号、イラクへの自衛隊派兵を中止し、早期に国連を中心とした支援に切りかえることを求める意見書提出などの件です。 
  3月20日、イラク戦争開始から1周年の日、イラク戦争反対、占領の早期終了を訴える大規模なデモや集会が、アメリカ、イギリスをはじめ中東諸国、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカなど世界各地で開かれ、数百万人が参加しました。
  大量破壊兵器はみつからず、アメリカの政府調査団長は「大量破壊兵器はもともとなかった」と議会で証言しました。 ノーベル平和賞を受賞したカーターアメリカ元大統領は「イラク戦争は嘘に基づくものだった」と新聞紙上で批判をし、スペインでは「国連主導にならないかぎりイラク駐留軍を撤退させる」と次期首相が言明しました。 アメリカのブッシュ政権、イギリスのブレア政権の責任が世界で厳しく問われています。 イラクでは治安がますます泥沼化し、罪のない多くの人々が殺され、テロの脅威はなくなるどころかいっそう広がっています。戦争は何も解決しません。 小泉内閣はイラクの大量破壊兵器保有を断言し、いち早く米英のイラク侵略戦争に支持を表明、憲法を踏みにじって自衛隊のイラク派兵を強行しました。 国際世論に逆行し、世界から孤立する道へと突き進んでいます。 米、英の無法な侵略戦争、軍事占領に加担するのではなく、イラク国民が主権となる国連中心の復興支援の枠組みで、日本は憲法にもとづいた人道支援、国際貢献を行うことが求められています。
  イラクへの自衛隊派兵を中止することを求める意見書提出の請願は不採択ではなく採択を求めます。

 次は第48号、乳幼児医療費の無料化等を求める件です。
  子供を安心して生み育てる環境作りをすすめるための子供の医療費助成制度が、いま全国の自治体で大きく広がっています。 兵庫県でも入院については乳幼児医療費無料化を行いましたが、通院時が1割負担であるために若い親たちの負担になっています。 全国的にも制度拡充が大きな流れになっている今、通院も含めて完全無料化は必要です。 また、治療に必要な入院食事給付金が廃止されれば、病弱なこどもをかかえて大変なうえに、さらに大きな負担が若い子育て世帯にのしかかります。 乳幼児の心身の健やかな成長を保障するために、通院時1割負担をなくし無料にすること、入院生活福祉給付金制度を廃止しないことを求める請願を採択するよう求めます。

 次に、請願第42号、第49号、第50号の福祉医療制度の負担増計画や民間社会福祉施設処遇改善費の廃止の撤回などを求める件です。
  県が今回打ち出した「行財政構造改革推進方策5ヵ年の取り組み」については、福祉・医療のあまりのひどさに、県民から強い批判が相次ぎました。 県保険医協会が取り組み、今議会に提出された請願署名は、患者さんをはじめ1万7600筆に及び、その後も増え続け2万筆を越えているとのことです。 
  県は、医療費助成削減の実施を、今年度は事実上見送らざるをえませんでしたが、入院給食費補助は10月廃止しようとしています。 社会的弱者の医療費負担を軽減するために行われてきたもので、暮らしが厳しい状況の今、むしろ拡充が求められています。 
  また、民間社会福祉施設処遇改善費についても、 請願が指摘しているとおりで、県は財政難を口実に県民の福祉を支える人材確保から手をひいてはなりません。 切実な願いである請願の採択を求めます。
 
  次に請願第51号、2004年度の「年金改革」に反対し、最低保障年金制度の創設を求める意見書提出の件です。
  かつてなく年金への関心が国民のあいだに大きく広がっています。 今国会に政府与党が提出した年金改革法案は保険料を大幅に引き上げ、給付は自動的に15%も切下げるという内容です。 株式投資や大型リゾート施設経営破綻の損失など、ずさんな年金基金の運用などが年金への不信をいっそう広げています。 基礎年金への国庫負担引き上げは2009年度までと先送りし、その財源に消費税増税でという議論がでていますが、社会保障の財源を弱い立場の人ほど負担が重くのしかかる消費税に求める議論は納得できません。 大企業はヨーロッパなみに応分の社会保障負担を行い、リストラ合理化をやめて雇用の拡大、賃金引き上げを行うこと、税金の使い方を改めて社会保障費を増やすこと、過大な年金積立金を計画的にとりくずなどで、最低保障年金制度創設も含めた国民が安心する年金制度を確立することができます。 これ以上の年金改悪を行わないことなどを求める意見書提出の請願を不採択でなく採択を求めます。

 次に第52号 災害復興公営住宅家賃滞納者への対応改善を求める件です。
  阪神・淡路大震災から10年目になりましたが、被災者の生活再建は、とりわけ社会的に弱い立場の被災者に一段と厳しいものとなっています。 これは、兵庫県が行った調査結果で明らかですが、災害公営住宅の入居者の高齢化率が43.1%、その他の住宅の16.5%に比べて極めて高い数字にも表れています。 家賃滞納にいたる経過はさまざまですが、震災でこうむった大きな被害の上に今の厳しい経済情勢が加わり、生活がたちゆかない人たちがたくさんおられます。 家賃滞納の面だけで画一的に対応するのではなく、被災者が住み続けられることを基本にして、福祉や生活支援など総合的な相談体制を拡充することなどを求める請願の採択を求めます

 次に請願第40号、私学助成の抜本的拡充で、行き届いた教育の実現を求める件です。
  親がリストラや倒産など経済的理由で退学せざるをえない私立学校の学生が増え続けています。 不況で子供の学ぶ条件が奪われてはなりません。 ところが、国からの交付税は増額されていますが、県は逆に助成を減らしています。 私学学費の父母負担を軽くし、教育条件を改善するために経常費補助を大幅に増額することを求めた請願を採択するよう求めます。
   
  最後に、請願第53号、我が国の食の安全と農業・稲作を守るWTO農業協定の実現を求める意見書提出の件です。 
  鳥インフルエンザやアメリカのBSE牛など食の安全が大変脅かされています。 また、我が国の食料自給率が40%に落ち込むなか、農産物の輸入増加など安全な食料確保について国民は不安を募らせています。 ところが、WTO農業協定は、農産物輸入を基本的に自由化することを各国に義務づけるもので、国内生産拡大のための推進を事実上禁止する内容となっています。
  昨年9月、メキシコ・カンクンで開かれたWTO閣僚会議が交渉決裂しました。我が国と世界の食料・農業問題の解決のために、協定の改定は重要な課題となっています。
  我が国の農業と稲作が守られるWTO農業協定成立のために努力することや牛肉の輸入にあたっては、全頭検査と危険部位の除去などの基準が守られるよう国に意見書提出を求める願意は当然であり、採択を求めます。

 以上、議員各位の賛同を求めて私の討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。 

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