このサイトは旧サイトです。最新情報などはこちらをご覧ください。
メニューをスキップする TOPページへ 本会議へ 予算決算特別委員会へ ニュースへ 政策見解へ 県会報告へ リンクへ スケジュールへ
本会議 第278回本会議2003年度予算繰越議案討論 毛利りん
2004年03月29日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、上程中の繰越議案4件のうち、議案第449号「平成15年度兵庫県一般会計補正予算」に反対し、討論を行います。今回の繰越しは、一般会計、特別会計あわせて728億円余にのぼる繰越しを行おうとするものです。
  これらの繰越しは、単年度予算でありながら、「計画・設計協議に日時を要した」「地元の合意を得るのに時間がかかった」など、名目による繰越しが例年同様あたりまえのようになっています。昨年と比べ実質昨年1月補正を除けば、123.2%と増加しています。今一度、事業そのものが県民の望むものであるのか、事業執行のため人的体制はどうなっているのかなど問題点を明らかにし、今後に生かすべきです。
  以下、具体的に反対理由を述べます。
  第一に、事業そのものに問題があり、繰り越しをしてまで事業を進める必要がないものです。
  その一つは、 生活貯水池ダムの与布土ダム、但東ダム、みくまりダムはいずれも、工事用道路や付け替え道路事業で、用地交渉・相続発生により遅れています。また、八鹿ダムは、測量の遅れとのことですが、いずれもこの間、私たちが、「治水・利水から見ても必要が無く、クマタカなどレッドデータブックに載っている『絶滅危惧種』や貴重種が多数発見されている場所で、環境保全の観点からもダム工事は中止すべき」と主張してきたものであり、認めることは出来ません。
  二つ目は、尼崎の森中央緑地事業です。PFI事業は10億7000万円、PFI以外で尼崎市が行うべき区画整理の工事積算が遅れたため4億5000万円の繰り越しを、行おうとするものです。私たちは、「中央緑地」の事業そのものは急ぐ必要がない上に、PFI方式については、これまでも指摘してきた通り、契約した企業が経営破たんした場合の責任や負担のあり方について、企業の法的責任が明確になっていないなど、問題が多く反対です。
  三つ目は、河川改良事業受託事業のうち山手幹線、芦屋工区設計受託費についてです。本事業は、芦屋市が施工主体ですが、天井川である芦屋川の地下をくぐる道路の設計を県が受託して今回全額繰り越すものです。これについては地元住民が「環境問題など」で反対しているもので、繰り越してまで事業を進めることは認められません。
  四つ目には、全国育樹祭開催準備事業についてです。
  この事業は、50年前に神戸市垂水区小束山で行われた植樹祭に対して平成17年秋に、小束山とメイン会場を三田市有馬富士公園で育樹祭を行おうとするもので、当初予算6680万円に対して2840万9000円を繰越するものです。
  新年度予算は1億8719万円、開催年度の予算も見込めば、合計約8億円も費やそうとしています。
  しかも、それは式典会場の整備に関してのみの予算で、アクセス道路や警備など、ハード・ソフトの関連予算を考えれば、どれだけ膨大なものになるでしょう。
  お聞きしますと、もともと「育樹祭」は、国から押し付けられるものではなく、県自らが申し出るということです。「県行革」で入院給食費補助など切り捨てながら、一方では、このような事業に莫大な費用をつぎ込むなど、本末転倒であり、全く必要ありません。
  そのうえ、会場整備の中身はといえば、有馬富士公園のうち6ヘクタールにあたる森林を伐採し、さらには周辺の木々も間引きするというのですから、何のための「育樹祭」でしょうか。到底、認められるものではありません。

 五つ目には、公共事業漁港改良事業の香住漁港ルネッサンス事業で、今回も4億2480万円を繰り越すものです。これまでも指摘してきましたが、リゾート計画そのものがバブルの崩壊で破綻し、地元の反対があるにも拘わらず、平成3年から10年以上もたったこの事業を漫然とつづけているもので認められません。

 第二に、警察の「庁舎新増改築事業」の繰越についてです。本事業は神戸市西区の西警察署増築に関わって当初予算5512万5000円のうち3300万円余を繰り越そうとするものです。繰越理由は請負業者が倒産し、事業が中断されたためです。
  わたし達が、その実態を調査するなかで、「建設業法違反」が生じている事が明らかになりました。建設業法3条および16条では、合計3000万円を超えて下請けさせるには、「特定建設業者」の許可が必要とされますが、この請負業者は「一般建設業」の知事認可しかとっていないのに、3000万円をこえる、4546万5000円の仕事を下請け業者に回していたのです。明らかに「建設業法」に違反しています。このような状況を放置してきた、県警察本部の責任は重大です。
  さらに、この請負業者はDランクの事業者ですが、Aランクの大企業に下請け工事をさせており、「丸投げ」の疑惑が生じていることからも、賛成は出来ません。

 最後に、今後、事業遂行にあたって問題点を指摘しておきます。
  それは、三木総合防災公園事業です。「のじぎく国体」に間に合わせるため、昨年1月に15億円の補正を組んだものの全額繰り越され、平成15年度、その事業1年間費やし、本来の平成15年度予算26億円がほとんど消化出来ず次年度に繰り越すものです。そして、新年度はさらに24億円の予算が付いており、合わせて50億円もの事業を1年間で消化しなければならないというものです。
  そのうえ、今回3億円余の「事故繰り越し」まで発生しています。当初の計画が「巨大」すぎたのではないでしょうか。
  そして、当初計画の見通しが甘かったため、事業が進まず計画変更を余儀なくされた結果であり、改善を求めるものです。
  以上、私は議員各位のご賛同を期待し、反対討論をおわります。
  ご静聴ありがとうございました。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2018 日本共産党兵庫県会議員団