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本会議 第278回本会議一般質問 宮田しずのり
2004年03月04日

 多くの患者、医師の反対のある福祉医療改悪

■質問■宮田議員: 私は行財政改革、小児救急、介護、商店街対策について質問いたします。まずはじめに行財政「改革」の問題で質問いたします。
  知事は去る2月県行財政構造改革推進方策後期五ヵ年の取組みを発表しました。その内容については、私も約半年にわたる行革特別委員会の中で、縷縷主張してきたように県政の失政のつけを県民に負担転嫁するもので、断じて容認できるものでなく、再検討を強く求めるものであります。
  この行財政「改革」の一点目は福祉医療、特に重度心身障害者(児)の助成をこれまでの自己負担なしから外来で一日500円(月1000円)、入院は定率1割負担(月2000円)負担を求める問題であります。
  これに対して患者は勿論のこと各障害者団体、県医師会、神戸市医師会、歯科医師会、薬剤師会や各市町からも「福祉の大きな後退」と指摘され、反対のうねりが広がっています。
  先のパブリックコメントで福祉関係は503件の声が寄せられ、また去る2月16日には、県医師会から県下各地の診療所の待合室等で集められた約10万人の反対署名が提出されたところであります。
  こうした多くの方々からの声により、2004年度当初実施を見送られたことは評価するものでありますが、1年過ぎたからといって患者の状態が変わるわけではありません。
  多くの障害を持つ重度の患者は一つの病気や障害だけでなく、合併症をもち複数の医療機関を受診しているのが実態です。
  また、人工呼吸器や、抗血液凝固剤などを必要とする患者の方々は、生涯その装着や服用を続けなければなりません。
  生活も年金のみ収入と生活保護が大多数であります。
  私の近くのある一人暮らしの「全盲」で障害1級の視力障害者は訴えられます。「健常者が歩いて10分で行けるところをタクシーを利用しなければならず、本を読もうと思えば1000円の本を買い、さらに点字に翻訳してもらうのに3000円もかかる。数千円でも医療費負担がかかるのは耐えられません。」このように障害があるがゆえに社会的に不利な立場に立たされているのです。    
  今回、当局の出された「行革」による効果額から逆算すると一人平均年間1万6千円の負担増となります。障害者の置かれている状態を見て知事は、「わずかな負担」などといえるのでしょうか。余りにも冷たい議論です。
   この医療費助成の制度はもともと、障害者の社会的不利益を補うために行われている施策である事は言うまでもありません。これを「受益者負担」として押し付けることは逆に「不公平の拡大」につながるものです。

  • そこで、障害者はもとより多くの県民の切実な訴えに応えて、重度心身障害者の医療費の一部負担導入の方針は撤回し、2000年度以降もこれまでどおり助成を続けるべきと考えますが知事のぬくもりのある答弁を求めます。

▼答弁▼ 神田健康生活部長:行財政改革についての重度心身障害者の医療費助成でございますが、今回の福祉医療の行財政改革についての背景といたしまして、急速な少子高齢化の進展あるいは厳しい社会経済状況の変化に加えまして、社会保険の本人負担などの負担割合が3割に引き上げられました。福祉医療制度の受給者とその他のものとの負担の格差が拡大するなど福祉医療制度を取り巻く環境が大きく変化していると言うことがございます。重度心身障害者(児)につきましては、本来医療であります更正医療、育成医療におきましても一部負担精度が導入されておりました。制度を支えるものと支えられるものとの均衡や将来にわたり精度を維持する観点から一部負担のあり方を含めた見直しが必要と考えているところでございます。
  制度の見直しにあたりましては事業主体であります市町等との十分な協議検討を行いますとともに、新制度の移行にあたりましては、対象者に説明衆知徹底することとしております。このページの上へ

県立厚生専門学院(尼崎市)の存続を

■質問■宮田議員:次に、わが党は総合衛生学院、厚生専門学院の統廃合については存続を求めてまいりました。ここでは、改めて厚生専門学院の存続について伺います。
  尼崎にある県立塚口病院に隣設された厚生専門学院は02年度までで3342名の卒業生を送りだし、県立病院をはじめ医療や公衆衛生の現場を支える優秀な人材として高く評価されている看護師養成の専門学校であります。
  この厚生専門学院を廃止する行革案に対し在校生は勿論、教職員や医療関係者など多くの県民から存続を求める声が高まっています。
  その中にあって、「厚生専門学院の18年度廃止」という文言が削除されたことは歓迎するところですが、今後は「廃止も含めて検討」するということになっています。
  廃止の理由として当局は、2005年には看護師の数は充足するという試算をしておられますが、実態はどこの医療現場でも毎年看護師を確保するのに大変苦労されています。
それに加え高齢社会を迎え介護現場での看護師の需要が新たに大幅に増大しています。
  県の今後の看護師需要見通しの中では、一応介護分野も入っておりますが介護施設数などが低く見積もられており、施設に従事する看護師の必要数は実際よりも大幅に少なく計算されていると言わなければなりません。
  また、在宅での介護・医療が増え訪問看護の需要が増えています。「在宅ホスピス」という考え方も広がり、数の面でもまだまだ不足しているのが実態です。       14の県立病院や老人施設をもつ県の立場からも看護師の養成は引き続き必要である事は言うまでもないことです。
もうひとつは、今後ますます重要となる看護師の質的向上の上で厚生専門学院の役割は重要であります。
  厚生労働省は、昨年7月、全国の看護師養成所の自己点検、自己評価基準を示し、「医療の高度化、専門化の進展に対応した看護師を」という国民の期待に応えるため、大臣指定の養成所は質の高い看護師を養成していく責任と義務があるとしています。
  厚生専門学院の教員は、現在、県が実施している県下の看護学校の教員を養成する8ヶ月に及ぶ「教員養成講習会」で講師を務めるなど、教師陣の教育力の高さは周知のところでもあります。ここで学ぶ学生も、看護師国家試験合格率はほぼ100%を誇っています。それだけに入学希望者は今年も4倍を超え、非常に人気の高い学校であります。

  • 厚生専門学院の重要な役割を再度見直して県民の強い要請にこたえてぜひ存続の方向で検討していただきたいと思いますがご答弁願います。

▼答弁▼ 神田健康生活部長:厚生専門学院についてでございますが、まず看護職員の量的な需給見通しにつきましては、保健医療計画、老人保健福祉計画および介護保険事業支援計画に基づきまして、医療施設、訪問看護を含めまして介護保険に関わる必要数を十分見込んで算定しているものでございます。
  また、看護職員の質の向上につきましては、医療の高度化、専門化や在宅医療の進展にともない、看護の実践力、保健医療福祉全般にわたる広い視野が必要と考えておりまして看護教員養成講習会等を実施をいたしまして看護教育の充実にとり組んでいるところでございます。総合衛生学院および厚生専門学院につきましては、こうしたなかで、県内の看護職員の確保のため補完的な役割を担ってきましたが、民間養成所における養成がすすんでいること等を踏まえまして、県の役割を見直しまして再編統合をすることとしたところでございます。このページの上へ

小児科医の確保と救急体制の充実を

■質問■宮田議員: 第二は、小児科医の確保と尼崎における小児救急医療の体制整備についてお伺いします。
  まず、一点目は小児科医の確保の問題についてであります。 
  今、全国各地の病院で医師不足から診療科の廃止や休診などが相次いで、社会問題となっています。医師の不足と偏在は地域間だけでなく、診療科の間でも起きています。最も医師の確保が難しいのは小児科です。
  全国的に1992年と2002年の10年間に、他のほとんどの診療科医が増加しているのに対し、小児科医は1126人も減少しております。
  小児科は医師の間でも、難しく、きつく、危険である上、診療報酬が低く経営も困難など「3K」とも「7K」とも言われる環境が医師減少の要因である事は、疑いありません。こうした小児科医の不足の影響は、都市部でも具体的に現れています。
  その一つ、私の地元尼崎市の休日・夜間急病診療所でも顕著です。
  現在、尼崎市では市内の開業医や、病院の勤務医26人の小児科専門医を中心に平日の夜間は午後10時から翌朝6時まで、休日は朝の9時から翌朝6時まで、ほぼ全時間帯をカバーする診療体制がとられています。
  この救急診療所は、7割が尼崎市内の患者で、3割は西宮、宝塚、伊丹の各隣接市からの患者で、阪神間の子育て世代の安心のより所の一つとなっています。
  これは、尼崎市と同医師会の努力と協力によって実現したもので、高く評価している所であります。
  ところが、ここに今大きな問題が横たわっています。26人の小児専門医のうち65歳以上の医師と女性医師が4割を占め深夜勤務が困難なため、専門医以外の医師の協力を得ることになりますが、専門医に大きな負担となり、輪番制を組むのに大変な苦労をされています。
  また、平日夜間の当直に当たる医師は、自らの診療所の一日の診療を終えた後、この休日・夜間急病診療所で午後10時から翌朝6時までの当直を勤めます。そして、そのまま、自分の診療所に戻って診療を続けるということになります。
  「若いうちは出来るが、歳をとるととても出来ない」と言われるのも当然であります。 こうした中、救急診療所が続けられるのは、尼崎市当局のテコ入れとともに小児科医の方々の「子どもは専門医がみるべきだ」と言う強い使命感によって、支えられているのが実態です。
  これは、尼崎市という限られた地域での一つの例ですが、全県的にも小児科医の不足は深刻であります。

  • そこで、知事に提案でありますが、全県的に小児科医を確保していくために、国に小児科の診療報酬の抜本的な改善などを働きかけるとともに、若い小児科医の育成・確保のために県としても奨学金制度など本腰を入れた取組みが必要と考えますがいかがでしょうか。

▼答弁▼ 井戸知事:小児救急体制のうち、小児科医の確保等についてです。小児診療科医の減少の大きな原因は、基本的にはこどもの減少にありますけれども、あわせてサービスに比べて診療報酬が低いとの指摘もありました。県としては従来から診療報酬の改善を要望してきた所であります。今回、16年度の診療報酬の改定におきまして、時間外診療などの引き上げがなされることになりました。例えば乳幼児の時間外加算額は、初診時1020円でありましたものが、1150円、あるいは新生児入院医療管理加算額が2500円でありましたものが7500円等であります。今後とも国へ診療報酬の改善を引き続き要望してまいります。
  小児初期救急医療に対応できる医師の確保につきましては、平成14年度から内科医を対象とした小児救急医療研修事業を実施してきています。この充実にも努めてまいります。また、小児科医の育成については、本年4月からの新たな臨床研修制度において小児科研修が必須となりますことから将来的には小児科対応の医師の不足が改善できるものと期待をしているところであります。いずれにしましても小児科医の確保につきまして県としても努力をしてまいるつもりでございます。

■質問■宮田議員: もう一点は、小児科の救急医療体制についてであります。
  現在、阪神南圏域における小児科の二次救急体制は、県立尼崎病院、県立西宮病院、市立西宮病院、市立芦屋病院の4つの公立病院が輪番であたり、それ以外に各市毎に一般には公開されていないいくつかの病院の協力体制がとられています。
  しかし、初期救急医療機関では重症患者を二次救急医療機関へ送る際、その転送先を探すのに、大変な苦労をされております。
  尼崎市の休日夜間急病診療所の小児専門医師は、入院の必要な患者が発生したため、尼崎や伊丹の病院に電話をかけ、入院できる病院を探したが次々に断られ、五回目にしてやっと受け入れてもらったという事です。
  こうした状況が日常的に続いている中で一日もはやい重症患者受け入れの体制の強化が待ち望まれています。
  しかし、この課題は医師の確保や現在の病院経営の実態から民間病院では不可能です。 そこで、具体的には尼崎市当局をはじめ、医師会や広く県民の間からも県立塚口病院の小児科を抜本的に拡充し、救急体制の整備を求める声が高まっております。

  • 知事、是非この地域の切実な声に応えて県立塚口病院を現在の総合病院としての機能を確保しつつ、子どもたちの命を守るために重症患者を常時受け入れる施設と体制の整備を行われるよう提案し、積極的な答弁を求めるものであります。

▼答弁▼ 後藤病院事業管理者:小児救急体制のうち塚口病院における重症患者の受け入れについてお答えをいたします。
  現在塚口病院は救急告示医療機関として地域の小児救急医療の確保にも貢献させていただいておりますが、小児救急医療体制については平成16年度2次医療圏ごとに小児救急医療対策近域会議を開催し、小児救急輪番病院の拡大や中核的病院の選定など2次小児救急医療体制の対策を検討いたします。同時に小児救急医療に特化して情報システムも充実整備することとしておりまして、これにより県内の小児救急医療機関における患者受け入れの可否、空きベッドの数などの情報を消防本部でも把握でき、より的確な患者転送にも活用できるようになるものと考えます。
  また、病院局においては、平成16年度中に各県立病院の基本的方向を定めることとしておりますが、塚口病院につきましては阪神南圏域の患者動向や医療提供体制の状況のほか、小児救急医療をはじめとする政策医療提供に果たすべき役割や、他の県立病院との連携も視野に入れてその担うべき診療機能等を明確にしたいと考えております。
  なお2次救急医療機関への入院転送が困難な場合3次救急医療機関である子ども病院や災害医療センターでも空きベッドがあれば受け入れることとしていますのでその旨初期救急医療機関に衆知させていただきたいと存じます。このページの上へ

特別養護老人ホームの増設を

■質問■宮田議員:次に、介護に関連して特別養護ホームと住宅改造について質問致します。
  まず、尼崎、西宮、芦屋の3市を区域とする阪神南地域における特別養護老人ホームについてであります。
  介護保険制度がスタートしてから4年。在宅介護が様々な問題をかかえている中で施設介護も、益々深刻な事態を迎えています。
  尼崎市在住のある夫婦2人暮らしの75歳の男性は、約3年前に痴呆症を発症し、以来、まさに24時間の介護が続きました。しかし、痴呆症は急速に進行し、夜、昼無く徘徊や問題行動が多くなる中で、奥さんは、介護による腰痛にも耐えながら、夜中でも徘徊に一緒について行けるようにパジャマに着替えたことは無かったといわれます。この間、いくつもの特別養護老人ホームに入所を申し込んでも入れず、ショートステイを利用できただけです。
  現在、病気治療のため入院中ですが、、近く退院を迫られています。車椅子生活となったため在宅介護が不可能な中、どこの施設にも入所できる見通しも無く、家族は途方にくれています。
  こうした事態は、決して特殊な事例ではありません。
  尼崎市内に2つの施設をもつある特養ホームは、県の「入所コーディネートマニュアル」にもとずく書類だけでは生活実態の正確な把握が困難なため、入居申し込み者741人に対し郵送によるアンケート調査を行った結果56%にのぼる416通の回答があり、それを分析した結果その悲惨な生活実態が浮き彫りになりました。
  例えば、入居希望は「すぐに入居したい」「1年以内の入居を希望する」が7割を占めておりますが、1年間に入所できるのはわずか1割か2割です。
  待機している期間は1年未満は28%。1〜2年が35%。3年以上が40%近くなって年々長くなる一方です。申し込み理由は、老老介護など在宅介護が困難を理由に挙げた人が50%近くなっています。
  こうした阪神南地域における特養ホームの待機者は、県の調査では、2101人です。
現在、老健施設の入所者は特養待機者からはずされておりますが、多くの方が3ヶ月、6ヶ月で退所を迫られており、事実上、老健施設も待機場所となっており、これを含めると実際の特養待機者は2500人を超えております。
  ところが、特養の建設計画は03年から07年までの5年間にわずか720床で、待機者の3割分しかありません。このままではあと何年たてば入れるのか見通しは全くありません。
  この県の建設計画は尼崎、西宮、芦屋の三市の計画を合計しただけのものであります

  • そこで県は、特養の待機者をなくしていく事を真剣に考え、市任せでなく県有地の提供なども含めて、特別養護老人ホームの建設計画を大幅に増やし建設を促進されることを求めますが知事の誠意ある答弁を願います。

▼答弁▼ 神田健康生活部長:介護問題についての特別養護老人ホームについてでございますが、特養などの整備目標等につきましては、まず保険者であります市町が介護保険事業計画策定段階での待機者の状況、あるいは介護保険料への影響、住民の意向等を踏まえまして策定したものでございます。
  県ではそうした市町計画の実現を円滑にするために策定をいたしました介護保険事業支援計画に基づきまして特養の着実な整備を促進いたしますとともに入所の必要性の高い人が速やかに入所できるよう昨年度策定した入所マニュアルの運営を図っておりますが、さらにその運用の目安といたしまして具体的事例などを盛り込んだ手引きを作成いたしました。
  マニュアルの一層円滑・適正な運用をはかることとしているところでございます。なお県有地につきましては整備場所や用地面積等の諸条件が折り合えば活用が図られるよう努めてまいりたいと考えております。このページの上へ

高齢者・障害者向け住宅バリアフリー
助成制度の負担増の中止を

■質問■宮田議員:次に高齢者住宅のバリアフリー化の推進について質問します。
  今述べたように特別養護老人ホームなどの入所が容易でない状況がある中で、高齢者が自宅で安心して生活出来る住宅改造が切実に求められております。
  この住宅改造を進める上で、県が実施している自宅をバリアフリー化する費用にたいし、最高100万円まで補助する「人生80年いきいき住宅改造助成(特別型)」は重要な役割を果たしています。
  この制度を利用して住宅内の段差をなくしたり、風呂やトイレを改造した高齢者の方から「これで安心して生活できます」という喜びの声を私も直接何人もの方から聞いております。
  県下全体での利用実態も01年度が1921件。02年度が2374件と除除に広がりを見せています。
  また、この制度を利用している世帯のうち市町村民税非課税世帯と均等割のみ課税世帯が5割を超えており、所得の低い高齢者にとって大きな支援になっていることは明らかであります。
  ところが、県は今回の行革後期五ヵ年計画の中で、この事業で100万円までの改造ならこれまでの自己負担なしで出来ていた市町村民非課税世帯と均等割のみ課税世帯に対し、一割負担を導入しました。ここでも最も所得の低い人への負担増です。どこまで高齢者に痛みを押し付ければ気が済むのでしょう。
  年金ぐらしの高齢者にとって6万円、7万円もの負担増になれば、あきらめる人も多くなり折角のバリアフリーの住宅改造の希望に水をさすことになります。

  • 知事、在宅介護を重視すると言われるのなら「人生80年生き生き住宅改造助成(特別型)」制度における市町村民税非課税世帯、均等割のみ課税世帯への一割負担を求める方針を再検討し、これまでどうり自己負担なしで住宅改造できるよう支援を行うことを強く求めるものであります。

▼答弁▼ 神田健康生活部長: 住宅改造への助成見直しについてでございますが、住宅改造につきましては、高齢者が住み慣れた家庭で安心して自立した生活を送るための基盤づくりといたしまして重要なものの一つとして認識しておりまして、市町からも持続可能な制度とするようにとの要望を受けているところでございます。
  今回の行財政構造改革に伴う見直しにつきましては、このような市町の要望も受けまして介護保険制度の住宅改修の自己負担1割というような状況を踏まえまして、原則1割の自己負担を導入することとしたものでございますが、生活保護世帯につきましては、引き続き自己負担なしとするなど低所得者層については大きな負担とならないよう配慮しているところでございます。このページの上へ

民間住宅のバリアフリー促進の計画策定を

■質問■宮田議員:住宅統計によりますと、県下の住宅で「手すり設置」「段差解消」というバリアフリーの最低の基準をみたしている住宅はわずか5%程度に過ぎず、残りの95%はこれからであります。
  これは、大工さんや中小企業の仕事を増やしていく事にもなり、地域の経済活性化にもつながります。

  • 今後、県として、高齢者世帯の住宅のバリアフリー化をどうすすめるのか全体の方針と計画を早期につくり年次計画をもって推進する必要があると考えますが、いかがでしょうか。高齢者に暖かい答弁を求めるものであります。

▼答弁▼ 陰山県土整備部長: 私から住宅全体の計画的なバリアフリー化につきましてご答弁申し上げます。
  県では平成13年度に住宅の居住性能水準の目標などを定めました第8期兵庫住宅5カ年計画を策定しておりまして、その中では高齢者所帯数がピークとなると予測されております平成27年度におきまして手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消等がなされた住宅ストックの割合を現況の5%から20%とする目標を掲げましてバリアフリー住宅の整備をすすめることといたしております。人生80年いきいき住宅助成事業はこの目標を達成するための一つの方策でございます。高齢者、障害者におきまして毎年約3千戸のバリアフリー化を計画しているところでございます。この事業の実施に加えまして、高額所得者によります自主的な改善やあるいは、バリアフリー対応の新築住宅の建設、公営住宅の建て替えなどを合わせることによりまして先に掲げました目標は達成可能と考えているところでございます。なおこれらの事業は事業規模から考えまして町の大工さんあるいは小企業でも十分対応可能な工事でございます。地元企業等の仕事の確保の一助になると県としても考えている事業でございます。このページの上へ

大型店の規制・誘導を実効あるものに 4つの提言

■質問■宮田議員:第四に、新年度の予算案の新規事業として提案されている「広域土地利用プログラム」の策定について、提言を含めて質問いたします。
  今回のこの提案は、大型店舗の進出と地元小売業者の衰退という問題の解決のため阪神地域全体をエリアとして「まちづくり」の面から接近し都市計画法にもとずく用途地域をベースに工業地域、商業地域、居住地域などをさらに細かく区分けし、スーパーなどの進出を規制、売り場面積の制限、誘導などを行おうとするものです。
  2000年6月大店立地法が施行され、事実上出店が自由となり、それ以来の大型店の新規の出店は尼崎市でコストコ、カルフールなど外国資本を含む9店舗、売場面積約6万7千u、駐車場4200台、それに隣接する西宮・宝塚・伊丹の3市で、伊丹の5万2千uのダイヤモンドシティーなど、合計14店舗、15万uが進出しています。
  わずか3年あまりの間に、まさに無政府状態の進出ラッシュとなった訳であります。
  また、新規出店に対抗して、既存の大型店は、先の4市で43店舗が営業時間の延長をおこない、24時間営業や、深夜まで営業する店も次々とあらわれています。
  一方、尼崎市の商店数は、1999年から2002年までのわずか3年間に約674件減り、従業員数で3600人減少しています。年間販売額でも19%減となり、空き店舗率は、阪神南県民局管内で15.2%、で目を覆うばかりです。
  この大型店の出店は、市場・商店街のもつ身近な買い物の場と地域のコミュニティーの場を破壊することにつながり、交通渋滞やゴミ処理問題など周辺環境にも大きな影響をおよぼし、さらには商業地域以外の工場跡地などへの出店で、都市や地域の構造にも著しい影響をあたえるなど、さまざまな問題を引き起こしております。
  こうした中で、これまで大店立地法の「商業調整はできない」という面だけをみて野放し状態をつくりだした反省の上にたって、全国各地でいわゆる「まちづくり三法といわれる大店立地法、都市計画法、中心市街地活性化法を駆使して、まちづくりの面から接近し、地域ごとの街づくりと商業集積の方向、大型店の誘導・規制についての条例やガイドラインづくりなどが進められ、全国的には約50の自治体で取り組みが行なわれています。 とくに京都市のまちづくり条例は、全国の注目をあつめ、県内では、尼崎市が最近「尼崎市商業立地ガイドライン」をまとめ、市内を8つのゾーンに分け、まちづくりと商業機能の方向性を示し、大型商業施設について、誘導・規制の考えを示し、条例化をめざしております。
  一定の方向性を示した点では、有効性があるものと評価するものですが、狭い一つの市のなかで細かくゾーニングすることには、限界があると指摘せざるをえません。
  こうした状況下で、県が新年度の新規事業として、「広域土地利用プログラムの策定」の提案をされました。わたしは、この本会議で何回となく大型店問題をとりあげ、昨年10月の阪神南県民局における政策懇話会でも、知事に直接要望もしたところであります。今回の提案は、遅きに失した感もなきにしもあらずですが、私どもの意見も反映したものと受け止めております。
  その内容については、今後、調査・検討するということですから、次の提案を行なうものであります。
第1点は、これまで策定されている各市のガイドライン等をみますと、主要な駅周辺等は、広域型あるいは地域型商業集積地域として、「店舗面積の上限は定めない」として、巨大店舗の進出も可能となっています。
  しかし、これまで各駅ごとに行われた再開発で、大規模店舗を誘致した結果、駅周辺の地元商店が大きな打撃を受けた教訓を生かし、主要駅周辺も規制・制限を設ける内容にすべきだと考えます。
  2点目は、営業時間についてですが、今後、大型店同士の競争が激化するなかで、長時間営業がさらに増加すると考えられます。これは、自動車の騒音や渋滞、治安、こどもの健全育成など、地域の生活環境に悪影響をおよぼすことは明らかであり、何としても深夜営業を規制する内容とすることが必要であります。
  第3点目は、大型店の出店届出にあたっては、地域住民への説明会の案内を全戸配布などで周知を徹底すること。
  第4は、大型店出店の店舗運営や、環境負荷にかんする県の事後調査・チェックができるようにし、必要な体制を確立すること。

  • 以上、4点の内容を盛り込んで、既存の市場・商店街が存続できるための、実効性ある「広域的土地利用プログラム」となるよう提言いたしますが、いかがでしょうか。知事の明解な答弁を求めて私の質問を終わります。

▼答弁▼ 井戸知事:「広域土地利用プログラム」の策定についてです。大規模小売り店舗を始め集客施設等の立地誘導抑制をはかる手法としては、都市計画精度を活用し、用途地域を補完する特別用途地区や地区計画を市町が定めることにより実施することができるものとされております。
  しかし、集客施設等の立地は道路交通や都市機能の配置などに広域的な影響を及ぼす恐れがありますので、広域調整の観点から市街地が連担している阪神間都市計画区域を対象に平成16年度より県と市町が連携をして広域土地利用プログラムの計画に着手することといたしました。
  このプログラムにおきましては集客施設等の立地誘導抑制が図られますよう市町が行う特別用途地区等の都市計画制度の活用支援を主たる内容となります。  プログラムの策定にあたりましては、関係市町の意向の反映に留意することはもとよりでありますが、学識経験者で構成する委員会の設置も検討し、あわせてパブリックコメントの手続きを行うことにより県民の意見を反映することとします。なお、この検討にあたりましては適正な土地利用をはかる観点から行うものでありますので営業時間等、店舗の営業にかかる事項は、対象とならないのではないかと考えます。また手続きや審査のありかたにつきましては、その必要性の有無も含めましてこのプログラムの策定課程の中で検討させていただきます。以上私からの答弁とさせていただきます。
  広域土地利用プログラムの策定についてです。大規模小売り店舗を始め集客施設等の立地誘導抑制をはかる手法としては、都市計画制度を活用し、用途地域を補完する特別用途地区や地区計画を市町が定めることにより実施することができるものとされております。しかし、集客施設等の立地は道路交通や都市機能の配置などに広域的な影響を及ぼす恐れがありますので、広域調整の観点から市街地が連担している阪神間都市計画区域を対象に平成16年度より県と市町が連携をして広域土地利用プログラムの計画に着手することといたしました。このプログラムにおきましては集客施設等の立地誘導抑制が図られますよう市町が行う特別用途地区等の都市計画精度の活用支援を主たる内容となります。プログラムの策定にあたりましては、関係市町の意向の反映に留意することはもとよりでありますが、学識経験者で構成する委員会の設置も検討しあわせてパブリックコメントの手続きを行うことにより県民の意見を反映することとします。なお、この検討にあたりましては適正な土地利用をはかる観点から行うものでありますので営業時間等店舗の営業にかかる事項は、対象とならないのではないかと考えます。また手続きや審査のありかたにつきましては、その必要性の有無も含めましてこのプログラムの策定課程の中で検討させていただきます。このページの上へ

重度心身障害者の医療助成の改悪をやめよ

■再質問■宮田議員:2つ再質問をします。これはぜひ知事に答弁を求めたいと思います。一つは重度心身障害者への医療費の助成についてであります。今の答弁では他の保健の負担が上がったから障害者の負担も引き上げるという答弁でありますけれども障害者の実態を全く無視した県の予算を削ることしか考えていないそういう答弁としか受け取れない内容であります。これは県の仕事の優先順位が逆立ちしている。命と健康を守るという県の一番大事な仕事が後回しになっている。だからこういう答弁になるんじゃないかと思います。現にですね公共事業は、知事が優先課題だと考えているから莫大な借金してでも公共事業は予定通りすすめられる。しかしこの命と健康を守るこういう施策が後回しになっている。ここのところを政策に優先順位を転換してもらう。これを第1にお願いしたい。
  それからもうひとつはこの医療費の助成をこのまま続けてほしいと全県で10万人の署名が集められて医師会から提出をされました。今回のこの議会にも新たに1万7千人からの署名を添えて請願が出されています。この県民の声をもっと知事に重く受け止めていただきたい。本当にこの県民の声に真摯に耳を傾けてぜひこの医療費の助成については続けていただきたいこのことの答弁を求めたいと思います。このページの上へ

特養ホームを訪問し、実状をつかめ

■再質問■宮田議員:もう一つ特養ホームですね。これはもう是非知事に特養ホームの現場で実情を知っていただきたい。是非尼崎の特養ホームを訪問して待機者がどんな状態にあるのか。これをよく理解していただくことが今のいろんな方針をさらに充実してもらうことになると思いますのでそのことを一つだけ要望しておきたいと思いますが、2つ知事に答弁願います。

▼答弁▼ 井戸知事:「行財政構造改革」のご検討の過程でいろんな議論もございましたが、私どもとしましては、重度心身障害者医療費助成制度をやめるなんてことを言った覚えは一度もありません。私どもがまとめました案は今無料になっております精度におきまして本来医療であります更正医療ですとか育成医療、それでも一部負担が導入されているというしかも2千円以上のような一部負担が導入されているという状況を勘案した時に無料ということでよろしいんでしょうか。無料ではなくて本当の少しの一部負担であります1回限度5百円2回まで。最高千円入院の場合は2千円の負担をお願いできないでしょうか。こういう要請をさせていただいているものでありまして、「優先順位を私は逆転させたり、県民の福祉を守らないでいいんだ」ということをこの行財政構造改革の方策見直しで主張していくのでは全くありません。そのことを是非ご理解をいただきたいと存じます。県民のみなさまにもそのような意味で理解を求めるべく努力をしていきたいとこのように私は思っております。
  やはり、こういう時代だからこそ「受益と負担」との関係ということを厳密に議論をしていき制度化をしていく必要があるのではないのか。それが、持続可能な制度であるとこのように私は考えております。
  「特養ホームを見ろ」というご指摘いただきました。私もすでに何度か特別養護老人ホームを伺ったことがございますが、特に県が設置しております玉津の特養ホーム等も視察したばかりでございますけれども、機会がありますれば実情を是非拝見させていただきくつもりでございます。

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