■質問■ 私は、日本共産党県議団を代表して、県政の主要課題と県民の暮らしにかかわる問題について質問します。
高病原性鳥インフルエンザの対策強化を
■質問■ まず初めに、いま大問題となっている、高病原性鳥インフルエンザに関連して質問いたします。
世界中で猛威を振るう鳥インフルエンザは、国内でも山口、大分の両県に次いで、先日京都府丹波町で発生しました。感染した鶏が兵庫県八千代町の食鳥処理現場に出荷され、さらに感染が広がり、香川県にまで汚染物が運ばれるという最悪の状態となりました。
連日千羽以上の鶏の死亡を確認しながら京都府に報告せず、出荷をつづけてきた業者は、言語道断で、きびしい対応が求められます。
しかし、県行政として対応がどうであったのかについてのきびしい反省の上にたった施策と取り組みが求められます。
第一点は、疾病のまんえん防止の問題です。
県の発表が、二転三転して、県民への不信感をひろげています。しかも、香川にまで問題が広がっており、際限がないかのような事態です。
今ごろになって、処理場の伝票の照合をはじめるなど、このような対応の不徹底と遅れが、きわめて重大な事態をまねいているのです。
これまでの対策を抜本的に見直し、聞き取りと目視中心の立ち入り調査だけでなく、鳥やフンなどの検査、全養鶏箇所について、ただちに行なうなど、拡大防止策を講じるべきです。
第2は、経済的補償制度を早期に定める事が必要です。
現在の家畜伝染病予防法では、伝染病家きん防止のため処分された家畜の所有者にその評価額の三分の一から五分の四の額の手当て金を国が支給します。また、家畜の埋却または焼却に要した費用も国が二分の一を担します。
補償規定のない、いわゆる「移動自粛要請区域」でも、わが党の紙智子参議院議員の国会での質問を受けて農水省は出荷制限の損失額を助成する方向となりましたが、いずれにしても県の助成が必要です。山口県は周辺養鶏場にも国と県とで全額補償する支給等を実施しております。本県においても、移動自粛区域も含めて、被害を受けた周辺養鶏場にも国と県で全額補償する制度を早期につくる事を求めます。
その事が同時に、今後問題が起きたときにも早期報告を促す事にもつながります。
また、関連業者に対しても特別の融資制度を設け、直ちに実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第3点目は、監視指導体制についてです。県下全体で、養鶏農家への指導監督を担当する家畜保健衛生所は、姫路、和田山、洲本の三事務所と神戸出張所があるだけです。今回の八千代町の事件については、ウイルスの分離検査には、姫路の家畜保健衛生所にまでもって行かねばなりません。広い兵庫県で県下全体に広がる養鶏農家への指導が、このような状況で対応できるでしょうか。
そこで、緊急措置として、獣医の資格を持った民間人や県職員OBの協力などをおこないつつ、計画的に、人的体制の強化、事務所の増設など、対応の強化を図っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
以上、あわせて、鳥インフルエンザ対策の強化について、答弁を求めます。 ▼答弁▼井戸知事:ご指摘のまんえん防止対策でありますが、京都府からの発生連絡を受け県では直ちに防疫対策本部を設置すると共に自粛区域の設定、家畜伝染病予防法に基づく移動制限の設定、感染した鶏の殺処分、食鳥処理場の消毒、移動制限、消毒ポイント設定等によりまんえん防止に努めてきております。
また経済的補償については、養鶏農家等に対する経営安定の緊急支援策の検討をすすめており、関係3県で国にも緊急要望をしたところであり、早期に具体的対策を講じてまいります。移動制限区域内および自粛要請区域内における監視指導については、所管の姫路、和田山両家畜保健衛生所が中心となり行っておりますが、管轄区域外の洲本家畜保健衛生所をはじめ日常畜産行政に携わっている農林振興事務所、農業改良普及センター等部内関係機関および畜産界等関係団体との連携をはかり、監視、消毒、情報収集等農家指導に万全を期しております。
一方、緊急対策として県民に対して24時間危機管理ホットラインや、食の安全安心相談室、さらには各家畜衛生保健所での相談窓口など相談体制の充実強化を図っております。なお情報提供に今後とも一層努めるなど、県民の不安を払拭する相談活動や適宜適切な情報発信にも努めてまいります。いずれにしましても、この間調査の不徹底による情報の混乱等により県民に不安感を与えたことについては、お詫び申し上げます。
今後の対策に万全を期してまいりますので県民のみなさまのご協力ご理解をお願い申し上げます。
県民いじめの「行革」の中止を
■質問■ 国民の暮らしでも、自民、公明政権の小泉政治は、年金改悪などすでに4兆円、新年度からはさらに3兆円の国民負担増を押し付けようとしており、この国民負担増への怒りと不安の声が噴出してきています。
私の地元西宮のある連合自治会の集まりでも、主催者の連合自治会長さんが、年金改悪に対し「なぜ日本は高齢者にこれほど冷たいのか」、さらに「神戸空港や武庫川ダムなどのむだな公共事業はやめるべきだ。」と厳しく政治のあり方を問われましたが、これがまさに国民の声ではないでしょか。
政府は、新年度の予算において、「三位一体改革」と称して、実質交付税総額を12パーセント削減しましたが、全国の知事から「交付税の調整機能や保障を否定する危険を感じる」などといっせいに批判の声がおきています。「三位一体改革」は、地方への税源移譲どころか、憲法25条や、26条などの国の責任の放棄であり、地方自治と住民の暮らしの土台を崩すもの以外何ものでもないことは明白であります。
地方自治と県民の暮らしを守る立場から、「三位一体改革」に毅然たる態度をとるべきであります。
さて、県政自身でいえば、県自身も、県下の市町に対して国と同じ事をしているのではないですか。
県の新年度予算では、「三位一体改革」の影響で、国の地方交付税削減や国庫補助負担金などの廃止縮減で、681億円の減収にたいし、基金の取り崩し、さらに県債発行額は、3000億円を突破し、県の借金総額は、ついに4兆4千億円をこえ、県民1世帯あたり207万円となっています。
その一方で、投資単独事業を前年度より4パーセントもアップし、投資事業全体では、前年度並み3370億円を維持し、但馬空港や神戸空港、関西空港2期工事、生活ダムなど本来抜本的見直しや中止をすべき事業がそのまま計上されています。
ところが、新年度予算で、県民の暮らしに直結する、福祉施設に働く人々への処遇改善費廃止、入院生活福祉給付金を廃止し、弱者いじめの県政を推進しています。
この間、県民の大きな怒りの声で、県行財政改革の助産学科廃止方針の見直しや、福祉医療改悪の予算を組めなかったなどいくつかの点で県は再検討を余儀なくされましたが、 この際、県民いじめの「行革」はきっぱりと中止すべきです。
県先行取得用地の買戻しや利子補給などに新年度予算、今年度補正予算あわせて1092億円を投入しますが、県はやりくり算段を強調しますが、やりくりは無駄な開発の後始末ではありませんか。
やめるべきはムダな公共事業であり、景気回復のためにも県民の暮らし中心の予算編成に改めることが県民に応える道です。知事の明確な答弁を求めます。
▼答弁▼井戸知事:行財政構造改革と予算編成についてです。本県の行財政構造改革は、成熟社会にふさわしい行財政システムを確立し、新しい時代の県民の要請に応える県政を機動的に推進することのために行うものでございます。
今回策定した「推進方策後期5か年の取組」におきましても、第1に社会経済情勢の変化特に歳入面での厳しさへの対応、第2に国や他の精度との整合性をとる必要性、第3に受益と負担のバランスが不可欠であることを踏まえると共に、第4に制度の目的を達した制度の見直しを行う、第5にストックの活用、第6に県民本位の県政運営の視点に立って全事業を総点検し「選択と集中」を基本に、第7にこれからの時代に求められる県民ニーズに対応してこれを重点的に展開しようとするものであります。
新年度予算の編成においても、地方交付税等が500億円以上も減少する厳しい財政環境の中で、こうした改革の考え方に沿ってスクラップ・アンド・ビルドの徹底と限られた予算の重点配分に努めました。
この結果、震災復興をはじめ防犯防災や家庭、子ども、コミュニティ、経済雇用対策など本県の今年の目標であります、元気と安心を基調とする諸施策を積極的に展開できるものと考えます。
投資単独事業につきましても、地方財政計画の地方単独事業の大幅な抑制に対応しつつ、県有施設の耐震化や合併支援県道整備等、県民生活に密着した社会資本整備に必要な事業量を確保をしたものであります。
なお、三位一体改革については県内市町長とともに地方分権の理念に沿った改革の実現等を求める「緊急アピール」を行いましたが、地方分権の実現を進める手段でありますことを踏まえて、今後とも国に強く三位一体改革の実現その内容充実を働きかけてまいります。
少子化対策の抜本的な強化を
(1)青年のサービス残業是正、正規雇用を増やす取り組みを
■質問■ 次に、少子化対策に関連して質問します。
わが国の出生率が毎年低下し、一昨年は、人口を維持する最低基準2・08を大きく下回る1・32まで低下し、毎年過去最低を更新する状態です。このまま推移すれば、日本社会の維持にも関わる問題として、少子化問題が重要な社会問題、政治問題となってきました。そして、昨年、政府は、「次世代育成支援対策推進法」を決め、新年度は、地方自治体で、行動計画を策定することとなっています。
もちろん結婚や出産は個人の選択に属する問題で、国民一人一人の人権や価値観が尊重されなければならないことは当然です。
さて、この日本の出生率の低下は、アメリカの2.13やイギリスの1.65、デンマークの1.77などのヨーロッパ諸国と比べても異常な低さです。その原因として、長時間労働や育児環境の悪さ、女性が働き続けられない、男女差別や格差など日本独自の固有の問題が指摘されています。
政府の少子化社会対策大綱検討会でも、若い世代が、「子どもがこれから生まれてきても幸せな時代と考えられない」ことや日本社会の「生きずらさ」「生きにくい社会」が出生率低下の原因と指摘がなされています。
青年や若い世代が希望を持てない、人間が大事にされない社会になっている問題にどう取り組んでいくのかが、少子化対策の第一に問われる問題です。
そのなかでも特に重要なのは、労働の問題です。
政府の資料でも、長時間労働比率が高い地域ほど出生率が低いという結果が出ています。長時間労働比率の高い京阪神は、最低クラスの出生率です。
この長時間労働の温床となっているサービス残業について、わが党は国会で再三取り上げ、この兵庫県下でも18億円の残業未払いを解決させてきましたが、全国2位の多さです。これは氷山の一角で、少子化対策のためにも、サービス残業、長時間労働問題は避けて通れません。
私もこの間青年と対話をしてきましたが、サービス残業を違法とも知らされずに、不満を思いつつも働かされている青年がいかに多いか、なかには、最初から残業代は払わないなどをいわれている青年もいます。この日本の異常なサービス残業を無くすだけでも、160万人の雇用拡大になるとの指摘がなされていますが、このサービス残業をなくすことは、二重三重に少子化対策の力を発揮することは明らかです。
ところが、県の「すこやかひょうご子ども未来プラン」「行動計画編」には、この青年がおかれている深刻な状態への問題意識や、不安定な労働条件や、サービス残業、長時間労働の解決の課題などは一言も触れられていません。
国の所管だなどと逃げるのでなく、県民の暮らしに責任を持つ知事として、県下の労働者や青年のおかれている状態の改善に努めるべきです。
また、若者が自立できる社会にするためにも、青年の不安定雇用の増大は、逆に少子化を促進することになってしまいます。県が今、ワークシェアリングと称して進めている内容は、正規職員を減らして青年の不安定雇用を増やすことになっており、少子化対策と逆行するものです。
以上、あわせて、青年のおかれている実態の調査と、サービス残業なくすための県下青年への働きかけや広報の取り組み、青年の不安定雇用を拡大する施策でなく、青年の正規雇用を拡大する施策に転換することを求めるものです。知事の答弁を求めます。
▼答弁▼井戸知事:少子化対策ですが、まず青年の雇用問題についてでありますが、ご指摘の点につきましては直接言及しておりませんが、労働時間の短縮など仕事と家庭生活が両立できる労働環境づくりを「こども未来プラン」においても重要課題として明記しております。
また、サービス残業の解消に向けては、県としては労働者へのきめ細かな相談情報提供に加えまして、労働時間短縮のため労使がとり組むべき内容を幅広く含んだ県独自のパンフレットを作成するなど、青年層を含む労働者、企業それぞれへの啓発を行っています。
さらに青年の安定した雇用機会確保を図るため、昨年11月に若者仕事クラブを開設し若者専門のきめ細かな就職支援に着手しております。来年度は本クラブにおきまして、インターンシップなどを組み合わせより実践的な取組を進めます。
また、各労働者のライフステージに応じた労働時間の最適化と若者の雇用創出を目指す世代間ワークシェアリング導入モデル事業を新たに実施します。なお、子ども未来プランの改定にあたりましては、県内在住在勤の青年を対象に少子化等に対する意識調査をすすめており今後調査結果について詳細な分析を行いくだんの改定に生かしてまいります。
(2)女性が働きつづけられる施策を
■質問■ 2番目に、女性が働き続けられる施策への転換です。
政府資料の中でも20代後半から30代前半までの女性の働いている割合が高いほど、出生率が高いことが示されていますが、ここでも近畿は、全国平均より大きく下まわっています。男女差別をなくし、女性が働き続けられる兵庫にしていく取り組みが特に求められます。
しかし、今県が進めている施策は、このような方向になっているでしょうか。
現在、保育に対する国の責任放棄にあわせるかのように、県自身も保育の待機児童の算定の仕方を変えてきましたが、その県の数値でも一昨年の4月が736人、昨年の4月が730人と実態はなんら改善されていません。しかも、この間の阪神間各市の認可保育所への入所申請は、一昨年3700人、昨年は3832人、今年4月の見込みは4157人とますます増加の一方です。改善されるどころか、実態は、ますます深刻です。
公立保育所への運営に国が責任を持つことを厳しく要求するとともに、県としても公立保育所を増設し、保育所の待機児童が本当の意味でゼロとなるように市町への支援を強化すべきです。
また、足元の県できちんと女性の働き続けられる保障がなされているのかということです。育児休業法がつくられて13年あまりになりますが、県の知事部局や県立病院での育児休業取得状況を見ると、一昨年度は取得者246人のうち男性はゼロ、昨年度は、268人のうち、男性は3人と極端な格差です。
また、県立病院では、看護職や技能労務職は、産休中・育休中は、臨時職員を配置されていますが、女性医師の場合も、育児休業の全期間、代替医師をきちんと配置しているのでしょうか。この間、99年度、2000年度、2001年度、2002年度と、出産を迎えた女性医師が、7名おられますが、育休をとることができた方は、3名にとどまり、中にはわずか1ヶ月の育休で出勤せざるを得なくなっています。
県は、「代替の医師を確保しているから、育児休業はとれる」と言いますが、ある県立病院では、この1月から産休に入った女性医師の代替医師が確保されていないではありませんか。そのため、「これでは育児休業もとれない。退職しないと補充されないのか」と、同僚医師から声があがっています。
このような状況を放置して、知事に少子化対策を語る資格があるでしょうか。
以上、あわせて、女性が働き続けられるために、公立保育所の増設、拡充への真の待機児童対策の取り組みと、県立病院での女性医師のこのような状況をただちに改善し、男性、女性、また職種、職階を問わず、安心して育休をとれる職場づくりのために県自らにすべきです。直ちに改善することを知事に求めるものです。知事の明確な答弁を求めます。
▼答弁▼井戸知事:女性が働き続けられる施策への転換についてです。助成が働き続けられる環境を作ることは「ひょうご男女共同参画プラン21」の基本課題の一つとして、家庭地域生活と職長生活の両立支援を掲げ、保育サービスの充実や育児休業が取得しやすい環境整備等の各施策を実施しています。
待機児童対策については、各市町の保育需要見込みに基づいて保育所の創設や増改築などの整備を推進しておりますが、今後とも保育需要を的確に把握し、待機児童の解消等を図るとともに、国に対しましては国庫補助の拡充を要望してまいります。
来年度は特に私立幼稚園において朝7時から夜8時までの長時間保育を実施していただくことになっております。
県職員の育児休業においては、制度の衆知に努める中で昨年5月策定の男女共同参画県率先行動計画に基づき知事メールメッセージや、毎月発行の男女共同参画推進メールにより男性の子育て参画を呼びかけております。ある育児休暇をとった職員から職員提案も受けたところでもあります。
ご指摘の県立病院医師職についても、指摘のあった例は代替医師の確保という例外的なケースであって、基本的には育児休業について代替職員の配置により適切な対応を図っております。今後とも新たな人材登録制度の創設も検討しながら男女が共に家庭を担う職場環境づくりにとり組んでいきます。
少人数学級のさらなる拡大を
■質問■ 次に、子どもたちの成長をはぐくむ少人数学級実現についてです。
私たちは、30人学級、少人数学級の実現を一貫して求めるとともに、低学年からの実施の予算案を具体的に提案もし、また、県下市町教育委員会の少人数学級を求める声を独自に調査して、県に速やかな決断を強く求めてきました。今回、県が、ようやく、4月から小学一年生で35人学級を実施することを決定したことは多いに歓迎するものです。
わたくしは、ぜひ、兵庫県でいよいよ始まったこの小学校1年生での35人学級実施の取り組みを実りある取り組みに前進させ、子どもと父母の期待にこたえる教育、子どもの成長が育まれる教育にぜひ進めていただきたいと思います。
すでに、兵庫県より先行して全国で26府県で少人数学級を実施していますが、少人数学級の教育効果向上の研究と取り組みがすすめられています。特に、山形県では、少人数学級を全国に先駆けて実施した経験をふまえ、毎年、少人数学級編成研究会を開催し、今年ですでに4回を数えています。少人数学級を実施した自治体・検討中の自治体や、文部科学省との意見交換と調査、研究を進め、「先生の丁寧な指導」「子どもたちが話をよく聞く」「友達が増えた」「学習に集中する」など学習でも、学級生活でも少人数学級が、大いに効果を発揮しているとの結果を生み出しています。
残念ながら県はこの研究会に一度も参加されていませんが、ぜひ、少人数学級取り組みの先進事例に学び、取り組みを強め、順次、各学年に広げていっていただきたいと思います。それはまた、子どもを大切にする兵庫県だと、少子化改善の大きな力となっていくことも明らかです。
少人数学級拡大への予算措置を国に求めるとともに、県として、順次、35人学級を2年生、3年生へと引き上げる取り組みを行うことを求めるものです。知事の誠意ある答弁を求めます。
▼答弁▼武田教育長:私から少人数学級についてご答弁申し上げます。小学校1年生ではこどもたちに基本的な生活習慣や学習習慣を身につけさせますために大切な次期と考え、国の加配を活用し、来年度から希望する市町に対し新学習システムの中での研究指定として35人学級編成を認めることとしたものでございます。
しかしながら、少人数学級のあり方につきましては、従来から本県におきましても、また国立教育政策研究所におきましても調査研究が続けられてきたことでありますが、現時点ではメリット、デメリットがあり、少人数学級編成を全学年に画一的に実施することについては、なお解決すべき課題であると考えているところであります。
本県といたしましては、国の第7次定数改善計画を最大限活用しながら新学習システムを着実にすすめてまいる所存でございますのでご理解を賜りたいと思っております。
住宅再建支援制度へ兵庫県の役割発揮を
■質問■ 次に公費による住宅再建支援制度についてです。
震災から9年。ようやく、住宅再建に関わる制度ができようとしています。わが党は震災以来一貫して住宅再建支援制度の必要なことを明らかにして、その制度の実現と阪神淡路大震災への実施を求めて議会内外で取り組んできました。昨年、秋になってようやく、知事もその必要性を認め、県議会でも全会派挙げての国への意見書を採択するにいたりましたが、わが党は引き続き公費による住宅再建制度確立のため全力で頑張るものです。
さて、今回の国の制度では、いわゆる住宅本体に届かない問題や厳しい収入基準が設けられているなど重大な問題が残されています。
住宅本体への支援が無いもとで、解体支援だけでは、補強すれば住めるのに住宅を解体してしまう、また仮設住宅の建設など経済全体を見ても不合理です。
そのため、鳥取県知事は、「本来、知事会が要望したのは住宅本体の再建や建て替えに支給する制度だ。再度、知事会で検討し合意形成を図るべきだ」と発言されています。
また、厳しい収入基準のために、収入基準にあわない被災者が解体をあきらめ、解体も再建もできない、荒れ果てた被災地が長く残る危険すら内包している制度です。
今回、国が制度を作ったこと自体は一歩前進とはしても、このままでは、今後、阪神淡路のような大災害が起きたとき、また、同じ苦渋をなめさせられる、たくさんの被災者が生まれることは明らかです。
住宅再建支援制度実現を国に求める兵庫県のこの半年間の取り組みをみる時、住宅再建支援制度がないために、いかに阪神淡路の被災者が苦汁をなめさせられてきたかなどの具体的な資料もデータも示そうとしないことに、非常に違和感を覚えました。痛切な震災とその後を体験した被災地の県の要請としてこれでいいのだろうか。これで、世論を動かし、政府を動かす取り組みになるのだろうかと思ったのです。
県は、国の制度に欠陥があるから県が補完制度を作るとしていますが、はやばやと欠陥ある国の制度を認めてしまうのでなく、鳥取県や山形県の知事のように堂々と国にものもうす姿勢こそ、あの大震災を経験した被災地の知事がとるべき態度ではないでしょうか。それが、兵庫県が全国に果たすべき責任です。
大震災の生のデータや資料を調査公表し、本格的な住宅再建公費支援制度を作り上げるために全力であたることを求めるものです。知事の勇気ある決断を求めます。
▼答弁▼井戸知事:住宅再建支援制度についてです。国において新たに創設される居住安定支援制度では、個々の被災者の被害状況等により支援額に格差が生じることから県議会における活動と軌を一にして阪神淡路大震災の実態に基づく具体のデータを示しながら改善を求めてきました。
しかし、残念ながら、建築費本体を支援対象としない方針のもとで今国会に被災者再建支援法改正法案が上程され、現在審議されております。建築費本体については自然災害議連におきましても、動かしがたい政府の基本方針から現時点で支援対象とすることは困難の認識であり、また、全国知事会もまずは制度創設を優先することで一致しております。
本県としては、大規模地震等の発生が危惧されるなか、一日も早い制度の創設が必要であると考えており、不備な点については近い将来の制度見直し規定を法案に盛り込むことなどを政府および関係国会議員に働きかけてまいりました。
また、県単独の補完措置は制度の不備を容認するものではなく、その改善に向けた本県の強い意志を示すとともに、問題点を指摘してきた責任を果たすことにつながると考えて提案をさせていただいております。
一方公費の制度のみでは給付の水準や大規模災害時の財政負担等においてどうしても限界がありますので、住宅所有者間の相互扶助を基本とした共済制度の実現に向け県民の意向も踏まえながら詳細な検討をすすめ、その実現をめざすこととしています。こられを通じてかねて主張しております「自助、共助、公助」、三位一体の組み合わせによる仕組みの構築に努めてまいります。
兵庫「県民住宅倒壊ゼロ計画」を提案
■質問■ 震災対策の項の2点目に、住宅の耐震化の問題です。
わが党はこの間、住宅耐震化の助成制度の実現を求め、また、予算の拡大を求めてきました。
県は、昨年、ついに住宅耐震化助成制度をつくりましたが、住宅耐震診断・改修計画策定費補助は、250戸を予定して1月末時点で34ケース123戸の実施、住宅耐震改修工事費補助は、75戸目標に対して、14戸実施です。目標数も少ない上に、実績はさらに少ない。
しかし、県の目標戸数は、新年度200戸で、5カ年計画全体でも875戸です。これで、どうやって78万戸もある新耐震以前の住宅を耐震化するのでしょうか。何よりも、県にはどのような手法でいつまでに耐震化を実現するのかという計画も方針もないことです。これで、住宅倒壊で命を失った人が5600名を超える被災地兵庫県の防災対策だといえるのでしょうか。知事は、県民の住宅の耐震化を本気で考えているのかといわざるを得ません。
私は、県民の住宅をどのような手法でいつまでに耐震化された住宅にするのかの計画、いわば「県民住宅倒壊ゼロ計画」をつくることを求めるものです。
無料の簡易耐震診断制度を復活せよ
■質問■ 次に、住宅耐震診断についてです。
県は、設計とセットでなければ、耐震診断の補助をしないとのことですが、自分の家がどの程度危険なのか、知らないままで、耐震化が進みむでしょうか。
2000年から3年間かけて取り組まれた住宅耐震診断は、簡易診断でしたが、3万9千戸実施されたのに、工事まで行かなかったから、設計とセットだとのことですが、先にふれたように自己負担額の多さが、工事まで進めなくなっているのです。
現在、各地大雨や津波などに対するハザードマップづくりが取り組まれていますが、正しい情報が防災の基本です。住宅も同じです。県民自身が、自らの住宅がどの程度危険か、知ってこそ、次の防災の正しいステップ・取り組みへと進めるのです。
通常、診断と設計は5、60万円かかるのに、補助は24万円止まり、大きな自己負担がかかります。これでは、耐震診断そのものが進みません。
耐震診断は、いわば住宅の健康診断です。
この際、「県民住宅健康診断」として、静岡県で行っているように耐震診断を独立して無料で受けられるようにし、自分の住宅の安全度を県民自身が知ることができるようにすべきです。
住宅耐震化補助の増額を
■質問■ 次に住宅の耐震化についてです。2000年度、2001年度と行われた住宅耐震簡易診断の際に行われたアンケート調査では約5割の方が耐震化工事をのぞんでいます。しかし、自己負担額の多さを聞いて工事をあきらめる方が多いといいます。
新年度予算で、若干補助を増額したとはいえ、200万円、300万円の工事で、9割も自己負担がでる、これまでの施策とあまり変わりありません。これで耐震化が進むでしょうか。
耐震化補強工事の補助率の抜本的な引き上げが必要です。
中小業者の画期的な仕事起こしともなる、「住宅倒壊ゼロ計画」、無料「住宅健康診断」、住宅の耐震化工事助成の大幅増額など住宅耐震化の取り組みの改善・強化を求めますが知事の明快な答弁を求めます。
▼答弁▼井戸知事:住宅の耐震化の促進についてです。住宅の耐震化については、旧耐震基準で建築された昭和56年以前の78万戸に危険性が高いものが多いと推定されております。これらの住宅の耐震化については建て替え、増改築、リフォーム等の機会に合わせて耐震化が図られることがほとんどであり、耐震化のみではなかなか進んでいかない実情にあります。
平成12年度から14年度の3カ年に約3万9千軒の無料耐震診断を実施しましたが、診断後のアンケートによれば、耐震改修工事をやりたいなどなんらかの耐震改修を求める声が半数以上ありました。このため次の段階として平成15年度から計画策定や工事費の一部を補助する「わが家の耐震改修促進事業」を開始したものです。
しかし、耐震診断を積極的に進め、相当の助成を行っております横浜市の申請状況も参考にしまして、この事業が利用される見込みとしては、5年で数百戸弱の改修工事と見込んでいるものでございます。
なお、今後建て替えや増改築等を合わせれば平成20年度には78万戸の半数が耐震化されると推定しております。来年度からは補助限度額を50万円まで増額するとともに一方で、簡便で低コストの耐震改修工法を開発し、同施策があいまって耐震化のよりいっそうの促進を図っていきたいと考えています。
さらに、身近で専門的に相談できる建築士や耐震改修を実際に行う工務店等への講習会を開催するとともに、市町に耐震相談の窓口を設けていただくなど県民に対しても十分なピーアールに努め耐震化促進を図ってまいりたいと考えます。以上私からの答弁とさせていただきます。
武庫川ダム委員会で十分な調査ができる予算を
■質問■ 最後に、全国でもむだな公共事業の典型として大問題になっているダム問題についてです。
最初に、武庫川ダム問題についてです。
武庫川ダム計画について我が党はこの間、環境を破壊し、治水対策をしても問題ある武庫川ダムでなく、「ダムによらない総合治水対策」を一貫して要求もし、提案してきました。県は、住民からの大きな反対と批判の声の高まりの中で、3年前、県は治水計画をゼロベースから検討するとの方針に転換し、今年はついに住民や住民団体が推薦する専門家も加わった武庫川流域委員会で、武庫川の治水計画を検討していくこととなりました。
この取り組みが、真に住民参加の総合治水計画づくりになることが求められています。
この間、準備会議での取り組みを見ると、傍聴者の発言を認めるなど住民参加の改善もありますが、いっぽう傍聴者からも指摘があるように、県が運営に介入することがあっては絶対にならないことは明らかです。また、私も鮎がもどれる武庫川渓谷の提案をしてきましたが、いよいよ委員会での議論が始まるにあたって、委員会での自主的な旺盛な研究、検討が発揮されるように保障する必要があります。そのために、県の既存の資料や県が行った検討結果だけを参考に議論するのでなく、総合治水や環境保全など、様々な角度から、コンサルなども使った新たな検討や調査もおこなえるように保障することが必要です。
ところが、新年度の県の予算案に計上されているのは、委員会運営を委託されるコンサルへの委託費のみです。委員会が新たな資料収集や調査、検討などが行えるようにその予算措置をおこなうべきです。知事の誠意ある答弁を求めます。
▼答弁▼藤本副知事:私からダム問題について答弁させていただきます。1点目の武庫川ダム問題についてでありますが、武庫川の計画策定にあたりまして設置をしております「(仮称)武庫川委員会」につきましては、昨年より準備会におきましてメンバーの選定や運営方法につきまして議論がされました。
2月18日に提言書としてまとめられ知事に答申をいただいたところであります。県ではこれを受けまして近く「武庫川流域委員会」を発足する予定としているところでございます。この委員会には、準備委員からの答申も踏まえ、責任ある立場での議論、透明性を確保をはかり関係住民の意見についても反映されるよう配意していきたいと考えております。委員会で議論するための資料につきましては、かねてから治水では雨量、流量、河川の現況、土地利用状況など基礎的な資料や、流出解析による計画流量の検討資料、利水では、集水状況の資料、さらには環境面では魚類、昆虫類、植生などの自然環境や水質、水上空間などの河川環境に関する資料等を調査蓄積をしてきております。
今後、これらの資料を委員会で十分理解が得られるよう適切に提供し、議論に対応してまいりたいと考えております。しかしながら、委員会で議論を進める中で新たに検討を要する調査などが生じた場合には、経費の確保を含め適切に対応してまいりたいと考えております。
生活ダムの見直し・中止を
■質問■ ダム問題の2点目に県下で進められている生活ダムについてです。
これらのダムは、生活貯水池建設事業として、1991年から1994年にかけて次々と、事業認可を受け、治水対策、生活用水の確保など多目的ダムとして進められています。しかし、昨年の決算特別委員会で、指摘しましたように、治水、利水、環境いずれの面からも再検討が求められる問題です。
ここでは一例として八鹿ダムを取り上げますが、必要な流下能力に対して、川底を3、40センチほど下げるとか、逆に堤防を3、40センチほどかさ上げすれば十分対応できるものを、この比較検討はせずに、莫大な工事費となる河川全面改修と比較し、ダムの方が安いとしています。恣意的なやり方以外何者でもありません。
また、生活用水の確保のためという点でも、人口減少が続き、水の使用量も減ってきているのに、1割も水需要が増えると言う右肩上がりの過大水需要計画です。
しかも渇水対策を掲げながら次々と簡易水道水源を放棄していることです。良質の近くの水を放棄し、遠い水、ダム開発を進める。全国共通のむだなダム開発の典型がここでも進められています。また、円山川などの水利権の整理見直しなど在来水源の活用も検討すべきですが、こういった検討も調査も行われていません。
問題は、県の検討が恣意的なだけでなく、肝心の公共事業等審査会でもきちんと議論もされていない、県からも詳細な資料の提供もされていないということです。
これで、数十億円もの事業にゴーサインがでる。このようなやり方に県民は納得できるでしょうか。他の案件の審議の中でも、委員の方からもさすがに「われわれは県がすでに決めた結論を認めるだけの仕事か」と県の運営に怒りの発言がでています。しかも、環境保全の問題でも、八鹿ダムと与布土ダム予定地で絶滅危惧種のクマタカの生息が確認されています。生活ダムはただちに中止すべきです。
さらに、このような公共事業等審査会についても、少なくとも武庫川流域委員会準備会議でしているように、住民の傍聴や発言を認めるとともに、住民側推薦の専門家を委員に加えるべきです。
生活ダムについては、直ちに中止し、公共事業等審査会で審議をやり直し、あわせて、公共事業等審査会の改革を求めるものです。知事の答弁を求めます。
▼答弁▼藤本副知事:生活ダムと公共事業等審査会についてであります。
公共事業等審査会においては、各分野の学識経験者の他はば広く一般県民の意見を聞くためにマスコミ、文化人、弁護士等多方面にわたる委員を含めまして、専門的かつ多面的な幅広い視点から活発な審議を賜っているところでございます。
これらの審議内容につきましては、議事録や評価証書等を県のホームページや中央県民情報センターで公表いたしまして、評価課程の透明性の確保にも努めているとこでございます。今後ともこうした制度を活用することにより適切な投資事業の評価に努めてまいりたいと考えております。
生活ダムの審査にあたってもその、費用対効果をはじめ、治水面の必要性や環境適応性などについての説明を行い、工事コストの縮減、工期短縮による事業効果の早期発現、環境への十分な配慮などの意見を指摘された上で、「事業継続は妥当」との結論をいただいているところでございます。
しかしながら、生活ダムにつきましては今後とも社会経済の変化や地域の意向を踏まえながら、将来の水需要の動向、安定水源の確保等についても検討を行うと共に、予算がきわめて厳しい状況にあることから、審査会で指摘された留意点を十分に踏まえつつ優先順位をつけ県民の理解を得ながら事業を進めてまいりたいと考えております。
県の水余りのデータを生かし
丹生ダム・余野川ダムの中止を
■質問■ ダム問題の最後に淀川水系の水資源開発に関わるダム建設についてです。
全国で、巨大ダム開発が問題になる中で、淀川水系の水資源開発として、滋賀県の丹生ダム1100億円や猪名川の余野川ダム500億円などの工事が強行されています。
一昨年の10月、国土交通省土地資源局が、本県に文書で「淀川水系における水資源開発基本計画需要想定調査」の報告を求めてきましたが、県はこの1年半近くの間、何の返事も行わず、また、国もいっぺんの通知を出しただけで返事も求めていないという実態です。県は、この間、2000年、2001年、2002年度と県下の水の需給調査を行い、冷房の普及や人口が17万人も増加するとして、水需要を一日あたり、最高155万1千トンと予測しています。しかし、現在すでに完成している供給能力は、一日あたり、202万トン分もあり、兵庫県分でいえば、丹生ダム10個分もあまっています。さらに工業用水でも4万トン近くの水が余る予測となっています。あらたなダム建設など全く必要ないのです。
ところが、県自らこのような予測を出しておきながら、未だに国にその結果を報告もしない。その間に巨大ダム開発は進む。むだなダムを見直す姿勢が全くありません。
これから神戸空港などの新たな開発で水需要が増えるとか、渇水が起きるかもしれないと県は言い訳しますが、県の水資源計画では、「宝塚新都市開発などの水需要の伸びを予測」し、ダム開発を進めてきた結果が、現在の水余り現象ではありませんか。
渇水対策をいうなら、巨大ダム建設を理由に都市近郊の貴重な水資源を破壊し、水循環を断ち切る流域下水道を推進してきた県の水政策こそ見直すべきです。さらに余っている工業用水を渇水対策の水資源として確保するなど柔軟な水資源対策への転換こそ検討すべきです。
この際、淀川水系に関わる県の検討結果を国や関係自治体、県民にも示し、淀川水系のこれ以上のむだな水資源開発を見直す取り組みの先頭にたつことを求めるものです。知事の英断を求めます。
▼答弁▼藤本副知事:淀川水系の水源開発に関するダムの建設でございますが、淀川水系の水源は神戸・阪神地域320万人の生活や産業活動の基盤であり兵庫県といたしましては、これまでから国や関係府県、市町と連携して良質で安定した水の供給に努めているところでございます。こうした中で近年渇水が頻発する一方で人口の減少期を迎え産業構造の転換もすすむなど水資源をとりまく環境が大きく変化をしております。国においてもこうした認識のもとに、淀川水系水源開発基本計画の改定作業をすすめておられまして、その一環として本県にも将来の水需給の見通しにかかる調査の依頼がありましたが、同時に淀川水系の治水、利水、環境を含めた総合的な河川整備のありかたについて流域委員会を中心に幅広い議論が行われているところでございます。県といたしましては、中長期的な水利用のありかたを示す兵庫ビジョン?の策定をすすめるなかでこうした動向と共に関係の水道事業者の意向も勘案しながら将来需給見通しの検討を行ってきたところでございます。そうしてこのほど2年間にわたる検討のまとめの案といたしまして神戸阪神地域の水需給の見通しを高位と低位の幅をもたせて明らかにいたしましたところであり、今後これを基礎として淀川水系における水源開発計画に対応してまいりたいと考えておるところでございます。以上です。
■再質問■つづき議員:3点再質問をさせていただきたいと思います。
まず1点ですけれども、少子化問題で具体的な県の事例として県立病院での女性医師の問題をとりあげさせていただきましたけれど。知事の答弁ではこれは例外だということですけれども、知事としては例外と思っても、該当する女性医師のかたにとっては例外でも何でもない。まさに一生に一度あるかないかという生活と仕事を続けられるのかどうかというこういう問題について、知事が本当に真剣に対応するかどうかということが少子化問題と知事をしている問題として関わりがあるわけで、そういう意味でも女性医師の産休、育休をちゃんと保障できるように、代替医師はきちんと責任をもっT対応すると、当然県立側にもそのための財政措置をするというこということに知事としての明快な答弁を求めたいと思います。
2点目の鳥インフルエンザの問題ですけれども、なぜそのように今後手後手になってきているのかということでお詫びの言葉がありましたけれども、問題は国の定めた方針では、県は「防疫要領」を策定して関係者のよく衆知をするということが国の方針でも決められているわけです。ところが私も県にお聞きしますとこの問題についての防疫要領は県としては持っていない。その都度その都度国と協議して考えているんだというような状況だから、いわば方針のないままに対応を考えるということが今の問題を起こしてきていると。しかも国の方針では民間の獣医師との連携調査こういうものをあらかじめ計画をして段取りを持って組織も作って、いざというとき対応できるようにしなさいということになっているのに、この対応が今できていないと。
ここんところをまず直ちに改めてこの防疫要領を直ちに決めると共に民間の獣医師にも協力を要請して直ちに取組を強化をするということを求めたいと思います。
つぎ3点目ですけれども、生活ダムの問題です。私が質問しましたクマタカの問題については全く答弁で答えられませんでした。昨年の9月議会でも決算特別委員会でも再三資料を求めましたが、この問題明らかにされなかった。こういう経過がありますけれども、現在クマタカの営巣地が私が指摘しましたように、八鹿ダムと与布土ダムの工事現場近くにあるということがはっきりしているわけです。
審査会の議論でも「これが問題起きると話がふりだしに戻る」と指摘がされています。当時からもこのままずるずると八鹿ダムと与布土ダムの事業を続けるのであると、一旦この2カ所については事業をストップをして、クマタカ問題含めて環境対策をきちっと対策考える必要があるという取組を求めたいと思います。以上3点明確な答弁求めます。
▼答弁▼井戸知事:女性医師の代替医師の確保の問題につきましては、問題が非常に女性医師の代替医師を見つけるのが非常に困難であるということこういう事情でございまして、財政措置ですとかそういう問題で育児休業をとることができなかったということではいということを私は承知をしております。ただ、そのような難しい問題だから放置していいかということではございませんので、これからも非常に女性医師というのは数が少ないいんでありますが努力をさせていただきたいと思っております。そういう極端な職場での対応もきちっと目配りをせよというご質問であろうかと考えております。
第2番目の防疫マニュアル等につきましては、マニュアルとしては持っておりますし、連絡会議等の設置などもすることになっているんでありあますが、問題はその運用がご指摘のような点があったということではないかと、そのような意味をこめまして私は、今は、防疫体制、蔓延を防ぐということに意をもちいさせていただいた上で、事後的確な点検をさせていただきたい。そして不十分なところは、先ほども危機管理体制を充実しますと申し上げたように対応させていたくつもりでございます。
▼答弁▼藤本副知事:生活ダムの問題でございますけれども、さきほど答弁の中では、将来の水需要の動向等々についても答弁を申し上げましたが、今ご指摘のありました具体的なダムの問題につきましては、専門委員会などの意見も聞きながら、そういう環境面にも配慮しながら、今後検討を加えていきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
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