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第277回本会議議案反対討論 杉本ちさと
2003年12月19日

 ■質問■   私は日本共産党議員団を代表して今議会に提案されました議案のうち、認第1号ないし第4号、第6号、第8号、第10号、第12号、第14号、第17号、第20号および議案第256号、第257号、第259号、第262号、第324号について反対をし、その主な理由を述べて討論を行います。
まず、平成14年度決算全体についてです。わが国の経済は、トヨタ自動車が過去最高の利益をあげるなど一部大企業にもちなおしが出てきている一方で、生産調整やリストラが強力に進められ、失業や倒産が広がり、そのうえに社会保障の連続改悪などで国民の暮らしは大変厳しい状況が続いています。
 兵庫県下の経済情勢もこれとほぼ同じで、大企業を中心に景況感に回復がみられるとしていますが、一方中小企業の倒産件数や完全失業率は高水準にあり、個人消費、住宅投資、設備投資など内需はいぜんとして低迷し、県民のくらしの実態からは景気が回復している実感などは全くありません。
 このようななか、今期の兵庫県決算は、景気低迷の実態を反映して、県税収入は法人事業税の大幅減をはじめ、個人県民税、地方消費税、不動産取得税、自動車取得税などほとんどの税目で減少し、実質単年度収支は昨年に続いて赤字となりました。基金の取り崩しを809億円もおこない、残高はピーク時の約半分に減少しています。相変わらず大型公共事業、大型開発をすすめた結果、借金を膨らませ、借金返済の度合いを示す公債費負担比率は22%と危険ラインの20%を超え、財政構造の硬直化がさらに進行しています。決算委員会でも指摘しましたが、債務負担行為も含めた、将来にわたる財政負担である実質将来財政負担額は3兆6901億円、その負担比率は413%と、全国都道府県平均を大きく上回る借金大県です。
 まさに、深刻な事態と指摘せざるをえません。税金の使い方を根本的に切り換えて、県民の暮らし応援に重点をおき、県民の所得をふやして消費購買力を高め、景気をよくする方向に転換することが必要です。 ところが本県の税金の使い方はまったく逆立ちしています。 

 以下、決算内容に基づき反対の理由をのべます。
 まず、第1に福祉や医療、教育などの削減で、県民にいっそうの痛みを押しつけている点です。
 国がすすめる小泉構造改革で痛みを押しつけられ、もう耐えられないと悲鳴をあげているときこそ県は地方自治体本来の役割を発揮して、国の悪政の防波堤となって、県民のくらしや福祉、安全をまもることが求められています。
 しかし、本県は県民の負担をさらに増やし、一層県民のくらしを痛めつけています。 乳幼児医療費公費負担は、入院については就学まえまで無料にしましたが、通院についてはあらたに負担を増やしました。
 不況下で小さな子どもをかかえた若い世代の世帯にとって、子供の通院費負担の増額は痛手です。老人医療費公費助成制度の削減で、対象者がさらに3万人も大幅に減らされました。国の医療や年金の改悪で高齢者のくらしが脅かされているもとで、このような削減は傷口に塩をこすりつけるようなもので、許せません。
 また、介護保険料が大幅に引き上げられ、介護が受けたくても受けられない事態が広がっています。
 その上に在宅老人介護手当ての削減はあまりにも冷たいといわざるをえません。
 今こそ、保険料や利用料の減免制度を県独自で持ち、安心して介護が受けられる制度が必要ではないでしょうか。また、特別養護老人ホームへの入所を多くの県民が待たされたままになっています。基盤整備の遅れは許されません。
 また、特別養護老人ホームの職員に対する処遇改善費の削減は、多くの施設経営者や職員から元に戻すよう要望がたくさんでています。
 次に、教育についてですが、いまや30人学級の実現は国民の世論です。30人学級の願いに背を向けるのではなく、未来をになう子供達に豊かな教育を保障するためにこそ税金は使われるべきです。また、不況のもと、経済的理由で私学を退学する生徒が増え続けていますが、県は私学への助成を生徒一人あたり6000円も削減をしました。本来増額すべき県費補助が減らされているのです。
 2つ目の反対理由は、中小企業支援と雇用対策が遅れていることです。
中小企業は地域経済を支える大黒柱です。大切な役割をになっている中小企業が、未曾有の不況で瀕死の状況にあります。地域経済を活性化させ、雇用を拡大するためにも中小企業への支援が大切であるにもかかわらず、工業技術センターの職員を減らしました。また、借り換え融資制度をつくりましたが、あまり利用されていません。業者の願いにこたえる制度になっていないからです。
雇用対策もなおざりです。県下の失業率は全国平均を大きく上回り6.6%と高水準が続いています。
一方で、サービス残業や超過密労働が横行し、雇用の改善が急務です。企業の一方的なリストラ規制や不安定雇用の是正が求められますが、県は企業に有効な対応をキチンととってはいません。それどころか、県職員の給与を引き下げ、正規雇用をおさえて臨時雇用をふやし、福祉や教育などの大切な分野でも人減らしを広げています。  
 3つめは、不要不急の大型公共投資を優先し、借金を増大させていることです。
 わが党はこれまでも一貫してムダな大型の公共事業について問題点を指摘し、予算の組み替えも具体的に提案をしてきましたが、今年度においても反対の声が大きい神戸空港建設に対して県は本格的な支援を開始し、今後引き続いて75億円支出することになっています。県民の多くは納得しません。
 また、必要性のない関西空港2期工事、過大な予測に基づくダム事業、採算の見通しもない高速道路の建設、過大な箱物建設で破綻した淡路夢舞台への支出、その他港湾整備事業など不要不急の大型公共事業に県民の税金を多額に使うことは認められません。
 また、問題の莫大な未利用地も含め、このような事業に多額の借金を重ね、県債残高は全会計で4兆2073億円、1人あたり765,000円になるなど借金を増やし続けています。
また、決算委員会審査でも指摘したように、生活ダムについては見なおしもされないまま事業展開され、事業評価委員会のあり方についても全く改善されていません。
 一方で、多くの県民が望んでいる県営住宅の建設や改修、修繕などは不十分な10カ年計画にも届かない実績です。このような決算は認められません。 

 次にその他の議案についてです。
第256号と257号は、電子証明発行手数料にかんする条例制定の内容ですが、国民の懸念と不安の高まりのなかで強行された住基ネットが土台になっています。個人情報の保護が充分になされていないなかで、電子署名の認証業務を民間に委託するなど、不安や懸念はさらに増大します。よって賛成はできません。
次に第259号は、職員の退職手当を100分の110から100分の104に引き下げるものです。職員の給与と賞与引き下げが今議会冒頭で議決されましたが、引き下げにつづく引き下げです。人件費の削減は景気を一層悪くし、悪循環をもたらします。
 第262号は市の廃置分合の件です。この度、八鹿町、養父町、関宮町、大屋町の4町が合併し、新たに養父市となるむねが調印されましたが、合併協議会は、はじめに合併ありきで議論がすすめられ、地元住民の意思はまったく反映されていません。 
 そんな中で、庁舎設置について八鹿町と養父町で意見があわず、合併協議会から八鹿町代表が脱退するなどいがみ合いが続くなかで、もう時間がないからということで合併が強行されました。
 地元住民にすべての情報を公開し、住民のなかで議論が行われ、住民の合意がなされなければなりません。よって反対です。
 最後に第324号議案「尼崎の森中央緑地スポーツ健康増進施設整備事業契約締結の件」についてです。2006年度兵庫国体に合わせ、競技用の50mプールと温水プール、ファミリープールなどの設計・建設、完成後の運営などを近畿菱重興産など4社によって新たに作られた「あまがさき健康の森株式会社」とPFI方式で契約する内、今議会では設計・建設について77億円で契約しようとするものです。
 わが党は、市街地から離れ工場跡地の広がる臨海部でのプール建設について、交通アクセスも懸念される中、国体後に尼崎市民や遠隔地の県民がわざわざ利用しにくるかどうか、採算性に疑問が残ることを指摘して参りました。そのうえ、このたび委員会審査において、PFI方式での契約について、新しく設立された企業による運営が破綻、または予測以上の赤字が出てきたときその責任と負担のあり方について異論が多く出され、新しく作った「あまがさき健康の森(株)」へ出資している企業の「法的責任」は明確になっていないことが明らかになりました。
 さらにプール建設に関わって尼崎市が2006年国体までに関連インフラの整備に要する経費も22億6000万円にもおよび、財政状況が極めて厳しい尼崎市に負担させることにも問題があり反対するものです。
 以上、主な理由を述べましたが、その他議案についての反対理由はこれまで度々申しあげてきた通りですので、省略いたします。議員の皆さんのご理解とご賛同を求めて私の討論といたします。 

 以上、主な理由を述べましたが、その他議案についての反対理由はこれまで度々申しあげてきた通りですので、省略いたします。議員の皆さんのご理解とご賛同を求めて私の討論といたします。


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