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第276回本会議請願討論 杉本ちさと
2003年10月09日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して請願の態度について討論を行います。 今議会は継続審議含めて8件の請願を審議しました。深刻な不況が続くなか、県民の暮らしが大変厳しいものとなっています。生活不安、将来不安がかつてなく広がっていることは政府の統計でも明らかとなりました。
 今議会に寄せられた請願はまさに県民の切実な声と受け止め、請願第16号、第17号、第20号ないし第22号について、不採択ではなく採択を求め、以下その理由を申し述べます。

 まず、請願第17号、消費税の大増税に反対する意見書提出についてです。
 今、消費税が国民、県民の中に関心が大きく広がっています。日本経団連は法人税の引き下げと同時に消費税を18%にするべきと提唱していますが、この9月には来年度税制改正に関する提言で「遅くとも2007年度までに地方消費税とあわせて10%まで引き上げることが不可欠となる」と言っています。経済同友会は最終的には20%にせよと言い、政府税制調査会は6月に中期答申で「2桁の税率に引き上げる必要もあろう」と税調として初めて2桁という数値を明確にしました。そして、さきほど10月6日の記者会見で石会長は「消費税増税の時期が決まれば1年前倒しで法整備をしなければならない」「消費税引き上げの枠組みはできている」「あとは政治日程の問題だ」と発言をしました。まさに消費税大増税の大合唱です。 大増税はありえないという意見もありますが、論拠は全くありません。 消費税が国民・県民の営業と暮らしを大変脅かしていることは8割以上もの人が増税に反対していることで明らかです。 税率が3%から5%に引き上げられて景気がいっきに悪くなったことは多くの県民が実感しています。消費税は経済の動向を左右する消費購買力に直接影響を与えます。消費税増税は消費を冷え込ませ景気をいっそう悪くすることになります。所得のない人にも課税する不公平税制の消費税は、福祉のためといって導入され、また税率が引き上げられてきましたが、医療費や年金など社会保障はつぎつぎ改悪され国民の負担が増やされ続けています。 福祉のために使われているのではありません。 事実、消費税が導入されて15年になりますが、この15年間の消費税収入は136兆円です、一方法人税は131兆円の減収になっています。 消費税が、経団連などの要望にこたえて法人税率や所得税の最高税率を引き下げた穴埋めになっている、と指摘しなければならないと思います。いま、議論をしているところだから、それを見守るべきという意見もありますが、まさにこういうときだからこそ、兵庫県民の切実な声を国に上げていくことが大切なのではないでしょうか。「これ以上消費税が上がれば、生活していけない、商売をつづけていけない」という県民の声を真摯に受け止め、本請願を不採択ではなく採択するよう主張します。

 つぎに第20号、年金に関する請願です。
 今年4月から年金受給額がはじめて引き下げられました。内閣府が発表した世論調査でも、67%が生活に不安をかかえていると過去最高の結果がでています。悩みの中でもっとも多いのは老後の生活設計です。老後の生活を支える年金に多くの方が不安をつのらせています。その大きな理由は、来年度の年金改定に向けて政府から出てくる案が、どれもこれも大幅な削減案ばかりだからです。
 年金財政を悪化させている原因は1つは、企業のリストラが大規模に行われ、厚生年金の加入者など年金の支え手が急速に減少していること。2つには、基礎年金への国庫負担2分の1への引き上げを先送りしていること。これは1999年までに引き上げることが国会で決定しています。3つには、株式運用やグリーンピア売却など積立金の運用で多額の損失をだしていることがあげられます。 年金財政を悪化させたこれら3つの原因を改めることこそ年金財政を立て直すみちです。175兆円もの世界に類のない積立金を計画的に取り崩して年金給付の充実と保険料の軽減にあてる、雇用を増やし年金の支え手を増やすことで年金制度は改善することができます。 若者などのなかに年金制度への不信感から未加入が増えていますが、これは度重なる年金制度の改悪が原因です。
 年金制度への信頼を回復するためにも、年金保険料の引き上げや、給付の引き下げを行わないこと、また、大幅な増税となる公的年金等控除の縮小・廃止は行わないこととする請願者の願意をくみ取るべきと考えます。 深刻な年金制度の空洞化を解決するために、国庫負担による最低年金保障制度の創設は、無年金者や低額年金者をはじめすべての高齢者が安心して暮らせることを願うものであります。また、年金改革の財源を消費税増税にもとめないことは当然です。よって、不採択ではなく採択を求めます。 

 請願第21号は、「兵庫県障害児学校寄宿舎指導員の採用試験を実施し、正規採用者の増員を求める件」です。 採用試験が7年も実施されず、臨時採用者の割合が5割から8割にのぼる寄宿舎もあることを指摘し、正規採用者を増員するよう求めています。
 寄宿舎指導員には、夜間も含め、常に敏感に変化しやすい子ども達の体調などに注意しつつ、生活・教育を担うため特別の力量が求められます。経験を積み、指導力を蓄積した職員の存在が多く必要です。 正規採用を減らしていては、こうした蓄積がなされず、寄宿舎を重要な障害児教育の場として充実させていくことはできません。 「障害児教育の方向性が大きく変わる可能性があるから臨時採用はやむをえない」との意見がありますが、障害児教育において寄宿舎が現実に果たしている役割を見ないものだと思います。
また、請願第22号「兵庫県障害児学校寄宿舎の居室等にエアコン設置の実施を求める請願」は、エアコンが設置されていない部屋では、夜でも30度を超える暑さがつづき、泣き出す子どもや熱中症に近い症状が出たひどい実状をのべ、児童生徒の命を預かる寄宿舎にエアコンを設置してほしいと切実に訴えています。
 県は、平成13年度からエアコン設置を計画的に進めていると言いますが、現場では、いったいいつになったら設置されるのか、本当に設置されるのかわからない状況です。例えば、はりま養護の寄宿舎では今年7月の予定だと言われていたのに、9月に延期になり、いまだに設置されずに夏が過ぎてしまいました。生活の場である寄宿舎の生活環境は、健康を大きく左右するものであり、体調のコントロールの難しい子どもたちも多くいるのですから、一刻も早くエアコン設置をとの願いは当然です。「計画がある」というだけでなく、実際の設置を急ぐべきです。以上のことから、これらの請願の採択を強く求めます。

 最後に、第16号の浜岡原発震災を未然に防ぐことを求める意見書提出の件です。浜岡原発では、配管破断事故や、放射能を含む冷却水漏れなど安全性に関わる重大事故が相次いで起こりました。国や電力会社が「安全神話」にしがみつき、安全対策をおろそかにしてきた責任がきびしく問われなければなりません。また、阪神大震災規模の揺れに耐えられるかどうか、耐震設計に重大な疑惑が持たれています。全国各地の原発についても、ひとたび地震が起これば致命的な事故を起こしかねないことが指摘されていますが、なかでも浜岡原発は東海地震が想定する地域の真ん中で稼動しています。周辺市町議会からは、廃炉や運転停止も含めた対策を求める意見書が提出されるなど、安全確保を求める声が高まっています。チェルノブイリのように、全世界的な取り返しのつかない被害が予測される災害は未然に防がなければなりません。よって、不採択でなく採択を主張します。

 以上、議員各位のご賛同を心からお願いし、私の請願討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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