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第276回本会議議案反対討論 中村まさひろ
2003年10月09日
 

私は日本共産党県会議員団を代表して、ただいま上程中の議案のうち、第163号議案、第166号議案、第168号議案、第169号議案、第192号議案、第200号議案、第224号議案、第240号議案、第244号議案、第247号議案ないし第250号議案、以上13件に反対し、討論を行います。

 まず、第163号「兵庫県税条例の一部を改正する条例制定の件」についてです。
 今年の通常国会において地方税法の一部が改正されたことに伴い、県税条例を改正しようとするものであります。国においては、「4兆円負担増」の一環として、国税を含む庶民増税を行う一方、大企業には相変わらず減税を続けています。今回の県税条例「改正」も、その流れを受けて、これまで税負担の無かった赤字企業に課税する一方で、黒字企業への減税とされる外形標準課税の導入が盛り込まれています。当面は資本金一億円以上の企業が対象で、一定期間赤字が継続している法人に対し、最長6年間の徴収猶予制度が創設されていますが、これまでの外形標準課税導入の論議から、「応益負担」「受益者負担」の名目で資本金基準の引き下げなどにより、今後、中小企業への導入や赤字企業への課税を強行する第一歩となるおそれがあり反対であります。

 第166号「産業の集積による経済及び雇用の活性化に関する条例の一部を改正する条例制定の件」について、今回の改定は、特定の地域に限って一部の企業を優遇して進出を促進しようとするものです。もともと4%の不動産取得税の税率を2%に半減してきたものを、今後3年間さらに0.5%引き下げ1.5%にし、不動産取得税の軽減を図ろうとするものです。わが党は先の6月議会において、「不動産取得税の税率の大幅引き下げは『都市再生』の名によって土地の流通促進をねらう大企業への優遇措置であり、県にとっては大幅減収となるもの」と反対いたしました。今回の改定は、一部企業に対してさらに優遇措置をとるものであり、本来の中小企業対策にはなっていないばかりか、県税収入の減収ともなり反対です。圧倒的多数の県内既存産業への支援こそ優先すべきであります。

 第240号「通常砂防事業(六甲山系グリーンベルト整備事業)観音寺川用地取得の件」についてです。
 グリーンベルト整備事業は、宝塚市から神戸市須磨区までの表六甲の区域、全面積8360ヘクタールを取得し、整備しようとするもので、わが党は「崩壊のおそれのある山地を保護するとの口実で、周辺も含めてすべての用地を購入しなくとも、治山事業で十分対策がとれる」との立場から問題点を指摘し、改善を求めて参りました。今回は観音寺川用地の内、六甲摩耶ケーブル株式会社が所有している7.5ヘクタールを取得するものです。しかしこの土地は、震災の翌年1996年(H8年)3月に策定された「(六甲山グリーンベルト整備事業)基本計画作成業務報告書」の中で、「良好な樹林が形成され、土砂災害防止の観点から当面現状のまま保全」する区域とされたところです。しかも、神戸市の第3セクターである六甲摩耶ケーブル鉄道株式会社が良好な管理をするべきところであり、何のために3億4500万円も出して買い上げ、急いで工事を行わなければならないのか、その根拠は明らかになっておりません。しかも今回の用地の内86%が保安林です。中止することを主張し反対いたします。

第244号「兵庫県立津名高等学校校舎建築工事請負契約締結の件」について
 わが党は、校舎建設について異論はなく、一刻も早く生徒たちがすばらしい教育環境のもとで勉強できることを強く望むものでありますが、そのためにも工事を行う企業は安全管理の面で万全を期さなければなりません。ところが今回、この事業の入札募集期間中、7月29日に工事契約の相手方の代表である「淺沼組」が、神戸市の脇浜で行っていた、「近畿地方財務局の宿舎」建設工事現場で、作業員の死亡事故を起こしていることが新聞で報道されました。
 兵庫県指名停止基準では、事故等に基づく措置基準として「県内の一般工事で建設工事等関係者に死亡者を生じさせたとき」は1ヶ月の指名停止が決められています。県はこの死亡事故発生の事実を承知していながら、また安全管理を監督する神戸労働基準監督署が、まだ結論を出していない中で、「事故報告や顛末書」も提出させないまま、8月28日の入札に参加させ、この淺沼組が代表である共同企業体と仮契約を交わしたのです。
 入札の時点で事実が明確であったにもかかわらず、適切な手だてを行わず、「疑いが解明され尽くしていない」中で仮契約を行い議会に提出したことは問題であり、反対するものです。

 次は県営住宅家賃滞納に伴う出訴の件です。
 わが党は今回も、入居者の状況を把握し、判断するために鋭意調査を行いました。その結果、第192号、200号、224号の3件について反対するものです。いずれも家賃支払いの意思がありながら生活が極めて困難な状況となり滞納したもので、個々の問題に具体的に言及することはさけますが、いずれも生活面を含めた何らかの相談・支援策を講ずる必要があるにもかかわらず、担当職員が少なくて十分な対応が出来ていないことが明らかになりました。特に、但馬、丹波、淡路地域の県営住宅の管理については、地区管理員が配置されておらず、神戸事務所の職員が4月から配置された「滞納整理員」と、たった2人でこれらの広大な地域の滞納事務に対応しているだけです。「直接本人と会って相談に乗ってあげれば解決の方向が出てきたのではないか」と思われる事例が多いことからも、早急に体制の充実やシステムの見直しなど改善が求められます。その点を放置しておいて「強制退去」を行うことには反対であります。

 つぎに、第169号議案「県が行う建設事業について市町の負担すべき額を定める件」ですが、本議案についてわが党はこれまでも、その事業が広範囲にわたって一般県民が利用するものや、災害関連、危険箇所改修など県民の安全・安心に関わるものであれば事業費の一部を該当市町にのみ負担をさせることに反対であることを表明して参りました。そのような視点で今回の議案を精査しますと、自然公園の整備、防災ダムや県営森林基幹道整備、急傾斜地崩壊対策事業、街路事業、鉄道高架事業、流域下水道事業の一部などについては、市町負担を求めることに問題があると考え反対であります。
 また、第168号議案「国営加古川水系広域農業水利施設総合管理事業について市町の負担すべき額を定める件」について、本事業は広域的なものであり、本来国が一元的総合的に管理する事業です。市町に負担を求めるべきではありません。

 最後に、第247号ないし第250号議案、県営住宅建設や大規模改修工事の業務委託契約の件です。わが党は、県民の住宅要求にこたえるため、県営住宅を増設し、あるいは老朽化した住宅の建てかえや大規模改修等は積極的に推進するよう従来から求めてきました。こうした立場から、建てかえや改修等は、大いに進めるべきであります。
 しかし、県営住宅の建設、維持、管理のすべてを住宅供給公社に業務委託するのではなく、事業内容、入札業者の選定、入札の公平性・透明性などを確保するため、県議会の審議対象にすることを求める立場から、この4件に反対するものであります。

 以上、議員各位のご賛同を期待して、私の討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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