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第276回本会議代表質問 新町 みちよ
2003年10月01日

■質問■わたしは、日本共産党県議団を代表して、「行財政構造改革」、公共事業、地域経済、雇用、市町合併、30人学級の6点にわたって知事に質問いたします。

 さて、自民・公明・新保守3党の小泉第二次内閣がスタートしました。小泉首相はこれまでの「構造改革」路線を「微動だにしない」と繰り返し強弁しておりますが、いま国民が直面している苦しみなど、まったく眼中にありません。
 小泉内閣は、外交では、戦後はじめて戦闘状態にあるイラクへの自衛隊派兵を決め、憲法9条改悪によって、アメリカいいなりで戦争をする国への歩みを一層すすめようとしています。国内政治では、大銀行には何十兆円も注入し、至れりつくせりの支援を行なう一方、不良債権処理の加速で中小企業を倒産に追い込み、失業率は、5%台が27ヶ月も続いています。その上、この不況下で医療・介護・年金をはじめ、社会保障のほとんどが負担増と給付減が強行され国民には耐えられない痛みを押しつけ、経済も財政も悪化を続けています。自殺者は年間3万人を超えるなど、治安も悪く、社会不安をまねいています。この「弱肉強食」の小泉・自公政治をさらに推し進めようというのですからたまりません。
 9月20日付の日経新聞世論調査によると、「小泉内閣の経済政策に不満」と答えた人は6割近くを占め、優先課題では「年金、福祉など社会保障改革」がトップで59%、続いて「景気対策」56%となっております。国民はけっして小泉内閣の政策を支持しているのではなく、政治の中身の転換を求めていることは明瞭です。
 そこで、知事におかれては、政府の政策に追随するのではなく、県民のくらしの実態に、まっすぐ目を向けた県政運営をされるよう、強く求め、以下具体的質問に入ります。

公共事業優先の県政から、福祉・県民のくらし応援へ

■質問■第一の質問は、県「行財政構造改革」についてです。
 当局は、2000年度から進めている「県行財政構造改革推進方策」について、経済の長期低迷の下、県税収入が大幅に落ち込み、今後5年間にあらたに2500億円の収支不足が生じるとして、「推進方策」の総点検を行い、見直しを行うとされています。
 「総点検」というのなら、第1に、これまでの4年間に実施した内容が県民のくらしにどんな影響を与えたのか、第2に「財政困難」の真の原因とは何かを深く検討しなければなりません。ところがこうした問題点の検討や反省は全くありません。
 まず県民生活では、国の「構造改革」路線が強行されるなか、県は、福祉・医療・教育などの事務事業を2374件、約250億円を廃止・縮減し、県民生活は大きな痛みや打撃をうけています。
 例えば、老人医療費公費助成は、所得制限の強化によって、6万人近い対象者が助成をうけられなくなり、国の相次ぐ医療改悪とあいまって、受診率の大幅な低下をまねいています。早期発見・早期治療に逆行していると、医療関係団体から指摘されています。
 また、特別養護老人ホーム職員の処遇改善費は介護保険導入で経営が良くなると廃止されましたが、良くなるどころか厳しくなり、さらに今年度からの介護報酬引き下げで、職員の賃金も上がらず、手当てや福利厚生費がカットされるなど、処遇は後退しているのが実態です。
 私学助成の削減も、倒産・リストラなど親の経済的理由によって学費が払えず、退学を余儀なくされている生徒が増えているなか、関係者の重い負担となっています。その他の福祉施策や市・町への助成金等の削減も様々な悪影響を与えていることは言うまでもありません。
 第二の税収減、財政困難については、その根本的原因は、景気低迷を長期化させてきた政府の失政にありますが、兵庫県も、そうした不況下にもかかわらず、公共投資事業を最優先に、この2年間だけでも1兆7000億円も投入した結果、借金を重ね、財政困難を拡大してきたことにあります。
 にもかかわらず、県は、今回の収支見通しの試算でも、公共投資はほとんど見直すことなく、今後5年間で1兆8500億円を優先確保することを「前提条件」としております。これでは、今後さらに約1兆円を超える借金が見込まれ、財政の硬直化が進み、結局、県民に一層のしわ寄せが押しつけられることにつながります。
 知事は、ことあるごとに「県民のニーズに沿った県政運営」をといわれますが、真にそのお気持ちがあるなら、この借金体質からぬけ出し、優先順位を見直して、県民のくらしを支える分野にこそ予算を優先配分する、この方向へ思い切った転換をすべきではありませんか。

  • そこで、お尋ねします。まず、公共投資の3700億円の優先確保をやめ、当面総額で2割から3割の削減を行うべきと考えますがいかがですか。
     また、福祉など事務事業については、これ以上の削減をやめ、特に老人医療費公費助成や民間福祉施設職員の処遇改善費、私学助成などを削減前の水準にもどして、充実を図ることを求めますが、いかがですか。知事の答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事:日本共産党を代表しての新町みちよ議員の質問についてお答えをします。
 まず「行財政構造改革」についてです。本県の行財政構造改革は、中長期にわたります財政の健全性を保ちながら、県民の要請・ニーズに的確に応えるためには、既存制度の見直しを行う中で、新規施策や新しいニーズ等に対応する財源を確保して県民福祉のさらなる向上を図ろうとしているものであります。これまでも推進方策の基本的な枠組みに沿って、県民生活の安定を目ざす諸施策に取組んできたつもりです。
 一方、年々厳しさを増す歳入の状況や、これから具体化されます「三位一体改革」、そして並行して行われております市町合併の動き、国全体としての社会保障制度改革の進展など、地方行財政を取り巻く状況は、大きく変りつつあります。
 本年度当初から、改革「進捗状況」等の点検を行い、県議会とのご意見を踏まえながらさらなる改革に向けた今後の課題と新たな視点について取りまとめを行って来たのも、このような主旨からです。
そのような中で、投資事業については、既存ストックの活用や、コストの削減、事業の重点配分、事業量等の検討が必要でありますが、現行フレームに一定の仮定をおいて試算した試算に、ご指摘のような前提をおいたもので、何も今後5年間の事業費を固定しているものではありません。誤解のないようにお願いを申し上げます。また、事務事業については、県と市町の役割分担や民間活力の活用、受益と負担の適正化等についての観点からの検討が必要としております。
 今後、県議会をはじめ、県民関係団体、学識者等のご意見もうかがいながら、定員・給与、事務事業、投資事業等のバランスにも留意しつつ、具体的な見直しの検討項目について逐一検討をすすめてまいり、先ほども御答弁申し上げましたように、11月中ごろには、素案を提示させていただき具体の議論に入らせていただきたいと考えております。このページの上へ

学校や民間住宅の耐震化の促進を

■質問■ 次に公共事業について質問します。
 わたしたちは、県の来年度予算編成にあたっての重要政策提言で、県民のくらしに役立ち、中小業者への仕事作りになる公共事業への転換」を要望いたしました。
 多くの待機者をかかえる保育所や特別養護老人ホーム、障害者施設など福祉施設の建設や、県営住宅の建設・改修など、地域経済を活性化し、県民が望む公共事業はいくらでもあります。
 知事は、「県民のくらしの基盤整備となる、安全安心の社会づくり」を掲げておられますが、掲げるだけでなく、実現するために、私は、急いでやっていただきたい公共事業を具体的に提案いたします。
 その第一は、教育施設や個人住宅の耐震化の向上です。
 東海、東南海、南海地震に備えるためには、いざというとき避難所になる学校や公民館など公的施設や民間住宅の耐震性を急ぎ高めることは誰もが認めるところです。
 ところが、阪神淡路大震災で大きな被害を被った本県において、小・中学校の耐震化率が43.1%と全国平均を下回っています。また、耐震の診断そのものも大幅に遅れ、必要な学校の3分の1にも達しておりません。聞きますと、耐震診断は今後3年を目途に行う予定で、改修計画はその後考えるとのことです。先日も、今年3月に今後30年以内に発生すると予測されていた十勝沖地震がもう発生したわけですから、備えを急ぐ必要があると考えます。
 さらに、阪神淡路大震災で死亡した人の8割が、家屋の倒壊などによる圧死であったことからも、民間住宅の耐震化も急務です。県下の古い建築基準で建てられた民間住宅78万戸のうち、約8割、62万戸が倒壊の危険性がある住宅であると、県も推計されています。ところが「耐震改修工事」を行えば20万円を限度で工事費の5%程度を補助するという、「わが家の耐震改修促進事業」は、補助額も、対象戸数も少なく、今年から5年間で875戸の予定です。これは危険性のある住宅のわずか0.1%でしかありません。あまりにも少ない計画戸数です。
 しかも最近の専門家の調査では、新建築基準法以後に建てた住宅であっても、危険性の高いものが県内でも多数存在していると聞いています。

  • 小中学校の耐震強化については、計画を思い切って前倒し、診断はもちろん、いつまでにやるのか計画立てて実施すべきです。
     また、民間住宅については、住宅のバリアフリー化とも結びつけ「人生80年いきいき住宅助成事業」と合わせて使いやすくし、補助金も大幅増額することを求めます。

▼答弁▼藤本副知事:本県の投資的事業については、すでにご承知の通り、これまでから福祉あるいは教育、生活環境等、県民生活に密着したいわゆる生活関連社会資本整備を重点的に推進しているところでございます。
 公立の小中学校施設の耐震化につきましては設置者であります市町の責任で行いますが、本年7月に文部科学省から示された「学校施設耐震化推進指針」では、耐震診断結果を受けて、耐震化の緊急度や年次計画等を内容とする耐震化推進計画を早急に策定することとされております。県といたしましても、この指針に基づきまして市町に対し指導や技術的な助言を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 個人住宅の耐震化につきましては、今年度から設計段階から改修工事までの補助をする「わが家の耐震改修促進事業」を実施し、県民が安心して暮らせる耐震改修を促進しているところであります。今年度の申請状況を踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えております。なお当該事業につきましては高齢者等のいわゆる住宅にバリアフリー化を行う「人生80年いきいき住宅助成事業」との併用も可能であり、県民にこのことについて広く周知をしてまいりたいと考えております。このページの上へ

県道の歩道整備や防犯灯の設置を

■質問■ この項の第二に、県道の歩道整備や防犯灯の設置など、県道の整備について質問します。
 今年6月29日に、県道明石―高砂線、旧浜国道で、視力障害者介助ボランティアの女性が死亡するという、いたましい事故がおこりました。わたしも直接現場を調査しましたが、歩道がなく、狭い路肩を介助のため並んで歩いていての事故でした。
この県道では、明石市内の人身事故だけでも昨年1年間で150件を超え、死者も3名となっています。このように生活道路にもかかわらず歩道も無く、あっても大変狭いなど、危険な県道は至る所にあり、県民から早く整備をと切望されてきました。しかし県道の歩道の整備率は57%と市町道の78%に比べても大きく立ち後れています。また、自動車も通行できないところや、淡路島由良の洲本ー南淡線のように、台風がくるたびに通行不能になるようなところも、県内に数多く残されたままになっています。 
 さらに最近、路上での強盗やひったくりなどの犯罪が激増していますが、「道路の暗さ」が原因のひとつにあげられます。
 私は、今年春、先ほどの県道明石−高砂線周辺の住民の方から、照明をつけてほしいとお聞きし、県に要望したところ、県当局は、県道であっても歩道の照明は「防犯灯」であるからと市の責任で行うべきとの見解で、責任をとる姿勢はありません。しかし、1961年の閣議決定「防犯灯等整備対策要綱」では、「地方公共団体が管理者である道路及び公園等の新設または改築にあたっては、防犯灯等の整備に一段の努力をすること」としています。設置義務でないからと、市町に押しつけるべきではありません。県道における防犯灯の設置や維持管理は、その管理者である県が責任を持って整備をすべきと考えます。

  • そこで、県道明石―高砂線を始め、遅れている県道の歩道整備を一刻も早く実施するとともに、県道の照明は歩道も含めて県の責任で整備することなど生活道路の整備を最優先でおこなうよう求めますがいかがですか。

 知事は、兵庫の高速道路の延長距離は全国一だと自慢しておられますが、今年3月に開通した、山陽自動車道から播磨科学公園都市までの「播磨自動車道」は、560億円もかけながら、一日平均の自動車通行量はたった742台。将来中国自動車道への接続で通行量は増えるという説明ですが、延伸はいつになるのか目途も立っていません。このような高速道路建設を急ぐ必要があるでしょうか。 それよりも、県民が切実に求める耐震改修や生活道路の整備をすすめるべきです。そうすれば、知事の掲げられた県民の暮らしの基盤がつくられ、高齢者や障害者にも安全でやさしいまちづくりと合致するとともに、不況に苦しむ中小建設業者の仕事づくりに大いに役立つことにもなります。最優先でとりくまれることを求めます。知事の英断を期待いたします。

▼答弁▼藤本副知事:県道の歩道整備は、これまで交通安全施設等整備計画に基づきまして安全で快適な歩行空間の形成をめざし、事故多発区間、通学路、福祉の街づくり重点地区などにおいて、重点的に取組んでいるところでございます。ご指摘の「明石−高砂線」につきましても現在6カ所で整備中でございます。
県道の照明は夜間の交通安全の観点から交差点等で道路照明等を設置しておりまして、防犯灯の役割も果たしているところであります。その他の防犯灯につきましては、県・市町両者の役割を決めている中で、市町で設置することとしているところでございます。今後とも生活道路の整備を積極的にすすめる中で、歩道整備、照明灯設置など交通安全対策の推進に務めてまいりたいと考えているところでございます。このページの上へ

兵庫の経済を冷え込ませる「消費税増税」に反対を

■質問■ 質問の3点目は、地域経済や産業の活性化についてです。
 地域経済の活性化のためになにより求められるのは景気の回復です。景気回復に逆行する消費税増税が今大問題になっています。小泉首相は、「任期中の三年間は消費税の増税はしない」と繰り返していますが、「議論は妨げない」と増税の議論をむしろあおりたてています。政府・与党も、財界も16%、18%へと消費税 増税の大合唱です。
 もともと消費税は、低所得者ほど負担の重い天下の悪税です。増税して年金など福祉にまわすなどというのはとんでもないごまかしです。実際、消費税導入以降の15年間に国民が支払った消費税は136兆円にのぼりますが、福祉の面では、年金も医療も介護も雇用保険も改悪につぐ改悪だったではありませんか。
 また、今年3月の通常国会で自公保の与党三党の賛成で強行された免税点の引き下げなど消費税の改悪は、消費税をもらえない小さな商店にとっては、身銭を切って払わなければならず、死活問題です。

  • そこで、県民のくらしと商店の営業を守るため、消費税増税反対と免税点引き下げなどの消費税改悪の凍結を、知事として強く国に要求することを求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事:消費税の増税についてまずはお答えをいたします。税のあり方については、所得、資産、消費の各税負担が全体として国民負担や社会経済上の枠組みにおいてバランスがとれた体系とされていることが必要であります。このような意味では、消費課税については、今後十分に検討されるべき項目であると私は考えています。
 政府税制調査会が昨年6月に示した「あるべき税制の構築に向けての基本方針」におきましても、「消費税は勤労世帯に過度の負担を求めず、経済活動に対し中立的であるとの性格を有することから、その役割がますます重要になる」とされております。平成15年度税制改正においても、事業者免税点の引き下げや、単位課税制度の適用範囲の縮小など、制度に対する国民の信頼性、制度の透明性を向上させるための措置が講ぜられています。
 いずれにしましても、今後、国地方を通ずる税配分のありかたや、地方への移譲税としての基幹税を何に求めるかの視点も含めまして、十分今後検討されるべきものと考えます。このページの上へ

商店街、小売店の活性化
    福祉・環境など役割発揮を

■質問■ この項の2点目は商店街の活性化の問題です。
 地域の経済が活性化するためには、地域でお金が回らなければなりません。小売店、商店街はそのために大きな役割をはたしてきました。
 大阪府立商工経済研究所の試算では、小売店や商店街の商業地域で100万円の買い物がされた場合、その多くは近隣地域で平均して1ヶ月3回転から5回転し、年間の経済効果は2,400万円になりますが、大型店が中心の地域では、同じ100万円が使われても、その大半は即日、多くの本社が集中する東京などへ集められ、効果額も120万円と当該地域にはほとんど還流していません。
 県が昨年実施された「兵庫県商店街等実態」調査結果を見ますと、1人から4人の小規模店舗は、1991年に約5万6千店ありましたが、2002年には約1万8千店減っており、平均で毎年毎年1,500店づつ減り続けたことになります。一方で大型店はおよそ2倍に増え、売り場面積も全県店舗面積のおよそ半分を占めるに至っています。商店街の6割が大型店舗の影響を受けていると回答しています。
 にもかかわらず県は、調査の結果を受けた「今後の中小商業支援施策の方向」として、「賑わいのある街づくり」のためには、「再開発事業等による面的整備」を第一にあげ「積極的に活用」するとしています。しかし、これでは、これまでの大型店中心のまちづくり、県下の再開発の失敗に全く反省なく、破綻したやり方を、そのまま続けようとするものでしかありません。
 再開発事業などでは、商圏の重なる大型店同士の競争が激化し、身勝手な出店取り消しや撤退などがくり返され、自治体も地元商店街も大きな負担をしながらも結局、地元商店は入居できないなど、地域経済は疲弊するばかりです。
 さらに小売店や商店街には、経済効果と同時に社会的に重要な役割があります。もともと八百屋さんや魚屋さん肉屋さんなどは、毎日売り買いの場であると同時に、コミュニケーションの場所でもあり、地域の祭りや行事の担い手など文化面でも大事な役割を果たしてきましたが、障害者や、高齢化社会がすすむ中で、その役割がますます重要視されています。
 また、環境面からも商店街の役割が注目されています。
 神奈川県茅ヶ崎市では、商店街連合会が中心になり、商工会議所や専門家や市民の知恵を集めて、「エコシティー茅ヶ崎」事業を昨年から進めています。行政の助成も受けて、商店街と酒販組合との共同で、ビンの回収事業から「茅ヶ崎ワイン」までつくるとか、「マイバック」や「エコレンタサイクル」など、環境に配慮した、商店街ならではの取り組みが行なわれています。これらの事業はイベントなど一時的ではなく、毎日とりくまれ、商店街がその中心になっています。また、事業のとりくみ開始や継続のためにも、地元をよく知る専門家や市民の協力が不可欠でした。

  • 知事、市場・商店街の社会的役割を改めて、見直し、環境や福祉分野などの事業に県の支援策を強め、専門家の系統的・継続的派遣や、身近な相談窓口の設置で、商店ががんばろうとやる気が起きる支援を求めますがいかがですか。

▼答弁▼井戸知事:商店街の活性化です。昨年度約830の商店街、小売市場を対象に実体調査を実施し、また2万軒にわたります商店につきましてもヒアリングを行い、本年5月にその現状、課題、活性化の方向等を取りまとめました。この調査で明らかになりましたのは、衰退しているといわれましたのが約53%、横ばいが約43%、頑張っていると答えられましたのが約4.5%でありまして、まあ半々の状況だということでございました。
 頑張っている団体の特性から、商店街の今後の活性化の方向を考えてみました時に、中心市街地であります「街なか」に住む人を増やすそして購買力を高めること、2つには、町中を訪れる人を増やすこと、3番目には、商業者自らの意欲やチャレンジ精神の喚起を促すこと。ある意味で、商店街の振興も「人」です。4番目にご指摘のあった高齢者にやさしい商店が、子育てを支援する商店街等地域の交流拠点としての再生をはかること。5番目に創造的で活力のある行動力のある商業者を育てること。これらが必要になると考えております。町の顔とも言える商店街の活性化を図るため、これまでも商店街競争力の強化をはかります事業や、空き店舗活用をはかります事業などにより、環境や福祉、子育て支援をめざす商店街などの自発的な取組みをしてまいりましたし、専門家派遣や相談事業も含めて支援をしております。
 今後とも活性化の方向を踏まえ地域の実状に応じ、街づくりの一貫として再開発による核店舗の誘致を行うとなどハード面の整備とともに、商店街、小売市場に対しましては、地域の交流拠点として、街の顔としての再生がはかれますようソフト面をより一層重視しつつ支援をしてまいりたい。また商店街のみなさんがたにもそのような状況を踏まえての積極的な対応をお願いしてまいりたい。このように考えております。このページの上へ

養殖ノリの色落ち対策と瀬戸内の環境保全・回復を

■質問■ 地域経済の問題の最後に、私の地元・明石や淡路などの重要な産業である漁業・ノリ養殖の色落ち問題と、瀬戸内の環境保全・回復について質問します。
 本県のノリ養殖は、年間200億円を超える生産額で全国1、2位を争う重要な産業です。ところが、近年色落ちによる被害が著しくその早期解決が求められています。
 ノリの色落ちの直接原因となっているのは、「赤潮」、つまり植物プランクトンの異常な発生ですが、それは結局、瀬戸内の「水質悪化」や「生態系の崩壊」が原因です。
 問題の解決のためには、海の環境改善のとりくみが不可欠です。
 まず、「藻場・干潟」の問題です。浅い海の「藻場・干潟」に生息する、底生生物や魚介類、とくに「二枚貝」などは、高い浄化能力を持っており、海の環境にとって、大きな役割があるといわれていますが、環境庁の「自然環境保全基礎調査」の94年の調査結果によると、過去16年間に、藻場は10%、干潟は45%もなくなっているのです。その主な原因は、「港湾の浚渫」や「埋め立て」となっています。
 最近の赤潮調査では、姫路沖がその発生地域として重視されていることからも、とりわけ姫路で八ヘクタール、赤穂で47ヘクタールもの干潟の消滅は、大きな問題ではないでしょうか。あの花火事件や陥没事故のあった明石の大蔵海岸は、かつて魚が多く生息する「よい藻場」でしたが、その大切な藻場を264億円かけて埋立てし、陥没事故のあとさらに10億円かけて砂浜の復旧事業が行われています。
 公有水面の埋立て許可は、港湾管理者である知事の認可です。さらに瀬戸内法上では「特別の配慮」が定められています。海の環境悪化と、藻場・干潟の消滅との関連をしっかりと調査し、回復のための措置をする責任があるのではないでしょうか。
 また、瀬戸内海の「海砂採取」も、焦眉の問題で、海底を深くえぐって砂利を採取することは、環境に大きな影響を与え、生態系を壊すとの指摘がされています。
 兵庫県では漁業者の反対などで、60年代に禁止されましたが、岡山では今年から、香川では2005年、愛媛では2006年からようやく禁止に踏み出すとのことです。
 兵庫県は、閉鎖性海域の課題解決を目的とした「エメックス」の活動を知事が先頭に立ってすすめておられますが、「海砂採取」の早期「全面禁止」実現のため、各県がただちに禁止するよう、強力に働きかけるべきではありませんか。そして、悪化した環境の修復についても、兵庫県のイニシアティブの発揮を強く求めたいと思います。
 ノリの色落ち問題で県は、県漁連と共同で、昨年度より5ヵ年かけて「珪藻赤潮被害防止対策事業」をされ、そのなかで、「環境予測モデル」の「検討委員会」をつくり、赤潮発生の予報の提供や河川水量や水質の改善で栄養塩を増やすなど、被害を少なくするための「短期対策」を行うことと抜本的な「長期対策」を提言するとしています。

  • そこでお尋ねします。短期対策はもちろんのこと、長期的なノリの色落ちを防ぐ根本対策のため、「播磨地域をはじめとする藻場・干潟の保全と再生」「海砂利採取の早期全面禁止、環境回復」という2つの環境改善対策を含め、ゆたかで安全な瀬戸内の海を取り戻すことを積極的にすすめることを提案いたします。知事の答弁を願います。

▼答弁▼斉藤副知事:ノリ養殖の色落ち問題と瀬戸内の環境保全回復についてお答えをいたします。ノリの色落ち被害を防止いたしますために、県では県魚連と共同で当期の漁場調査を実施し、海洋の栄養塩の濃度、植物プランクトンの密度等のデーターを蓄積いたしますとともに、最新の情報を漁業者へ発信し、とりわけ今年度からは珪藻赤潮の移動と拡散を解明するための解析をすすめているところでもあります。今後とも、引き続きまして、播磨灘全体の窒素やリンなどの物質環境や生態の解明を行いまして、赤潮の発生しない海洋環境づくりに取組むことといたしております。
 一方、20世紀後半の急激な都市化などにより失われました自然や、健全な水環境・水循環などの再生回復などを目ざしまして、昨年の5月「ひょうご、森、川、海再生プラン」を策定いたしたところでございます。この中で、海の再生に関わる事業といたしまして「藻場・干潟の保全と再生」についても、目標を定めて取組んでおるところでございます。
 さらに、「海砂利採取」の問題につきましては、「瀬戸内海環境保全知事・市長会議」で検討いたしました成果として、瀬戸内海沿岸各府県で、可能な限りの前倒しの全面禁止が実現したところでございます。
 今後とも瀬戸内海の環境保全の創造に向けまして関係府県と連係をはかりながら瀬戸内海を水産資源の宝庫として回復させる取組みを積極的に推進してまいりたいと考えているところでございます。このページの上へ

若者などの不安定雇用でなく、正規雇用を増やす取り組みを

■質問■ 次に雇用問題について、2点質問します。
 雇用不安の拡大は、国民のくらしと日本経済に深刻な打撃を与えています。
 ところが、小泉、自公保政権は、大企業の身勝手なリストラを応援し、派遣労働を製造業に拡大するなど労働法制の改悪をはじめ、正社員は減らしながら、パートや派遣、契約社員などの不安定な就労を増やし、雇用不安と失業を増大させています。
 完全失業率は高い水準が続き、とくに近畿・兵庫県は全国平均より更に悪く7.4%です。また、完全失業者の内、その半分が34才以下の若者であることも深刻です。
 大学卒の就職率は55%、高校卒も落ち込み、417万人もの若者が「フリーター」です。低賃金と不安定就労は、ものづくりの技術継承や若者の自立を妨げ、少子化の原因にもなり、大きな社会問題となっています。
 政府の「国民生活白書」によれば、若者の就職難と「フリーター」の急増は、「企業側の要因が大きい」としていますが、政府の「企業側」への対策はありません。
 先月9月13日に県は緊急に措置すべきとして「雇用対策」を発表しましたが、若者に安定した雇用を保障するという根本的課題に応えるものにはなっていません。
 若者の安定雇用に、県がもっと力をそそぐべきではないでしょうか。
 過去6年間、若者を正社員として雇用した数を見ますと、中小企業は3万人雇用を増やしているのに、大企業は108万人も減らしています。これは、大企業が若者を、必要な時に必要なだけ安上がりに調達しようと、不安定雇用を増大させているからです。若者を「使い捨て」扱いする企業や社会に未来はありません。
 企業にルールある社会的責任を果たさせるべきです。
 さて、県で働く職員の雇用実態はどうでしょうか。一般行政部門だけでみても、正規職員が8913人に対し、臨時的任用職員や非常勤職員、日々雇用職員など、正規でない職員は1950人に達し、全体の約18%も占めています。これでは、手本となるべき県自らが不安定雇用を拡大していることになるではありませんか。

  • そこで、県下の企業、とりわけ大企業に対して、知事自ら積極的に働きかけ、若者や高校新規卒業者の採用枠を広げること。また、県職員の臨時的採用職員を、正規雇用にするよう合わせて求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事:不安定雇用についてであります。若年者、若者とりわけ高校生を取り巻く就職環境は厳しさを増すなか、これら若者の雇用機会の拡大をはかるため、昨年度も私自ら経済トップに採用枠の拡大を要請をしました。この結果、来春の高卒者の求人状況を見ますと、全体としては若干下回っていますが、大企業では、若干好転したところであります。今般の「緊急経済・雇用対策」にも高校生に対する人材需要を拡大するための求人開拓や、若年労働力の活用方法などに関する企業セミナー開催等の事業を新たに盛り込みましたし、県内企業に若年者雇用を強く要請することとしております。
 今後、これらの事業の成果を見極めつつ高校生等の就職促進に向け県内企業に対し、私自身もさらなる効果的な働きかけを行ってまいりたい、このように考えております。また、県の業務は多種多様であり、補助的常務や臨時的業務については、臨時的任用職員を活用するなど、業務内容に即応した雇用形態で対応することが適切であります。
 なお、既に職員の超過勤務を見直して定職につくまでの間のキャリア研修を行うことととしてキャリアアッププログラムを実施しておりまして、現在170人が従事してもらっておりますが、これもこのような観点から取組んでいるものであります。県としてもできるだけの努力をしてまいります。このページの上へ

サービス残業根絶へ、とりくみ強化を

■質問■ 雇用の2点目は、サービス残業根絶の取り組みについてです。
 いまリストラで人が減らされ、残された職場では、少ない労働者で長時間労働とサービス残業が増えつづけています。男性の5人に1人が週60時間以上も働いており、サービス残業は、労働者1人あたり年間200時間を超えると推定されています。
 その分新規雇用に振り向ければ、160万人もの雇用が生まれ、失業率も2.4%引き下げることができるのです。
 サービス残業は、あきらかに労働基準法違反です。一昨年4月、この違法をただすため厚生労働省が「サービス残業撤廃通達」を出しました。そして、労働者の告発をきっかけにして、本県でも、川崎重工、三菱電機、神戸製鋼などが勧告をうけ、これまでに、7,400人分、18億円を超えて支払われました。つい先日も、大阪労働局の強制捜査にもとづき、サラ金大手の武富士が35億円の未払い残業代を支払ったところです。
 しかし、「ただ働き」はあとをたたず、今年5月「サービス残業解消対策指針」いわゆる「新通達」が出されました。これは企業側の責任を一層明らかにしたもので、労働時間を適正に把握するための責任体制を明確にし、チェック体制の具体化や、労使の協力体制を整備することなどうたっています。
 県は1999年6月、経営者協会と連合兵庫の3者で、「雇用対策三者会議」を開き、2年前には「雇用に関する三者合意」がなされています。しかし「サービス残業の根絶」については、一切ふれていません。

  • そこで、「サービス残業」根絶のため、知事がリーダーシップを発揮され、雇用創出に力を注ぐべきと考えます。そのため、あらゆる機会を活用し、「二つの通達」の立場にたって企業・労働組合に対して積極的に働きかけることを求めます。同時に、県のあらゆる広報手段、テレビ、ラジオ、「県民だより兵庫」などを活用し、広く啓発活動をすすめるべきだと思いますが、知事の明確な答弁を願います。

▼答弁▼藤本副知事:いわゆる「サービス残業問題」につきましては、ご指摘の通り厚生労働省にあっても企業への指導上の重点事項と位置付け、監督の強化にあたっているものと承知いたしております。
 県といたしましても国のこうした取組みと連携しつつ「ひょうご仕事情報広場」や「地域労働相談」「仕事情報広場」での、労働者に対しますきめ細かな相談、情報提供に努めますとともに、労働時間短縮に関する啓発をはかりますために県独自に作成・配布いたしております「パンフレット」につきまして、労働時間にかかる労働者の権利にかかる内容を盛り込むなどの充実をはかりまして、あらゆる機会を通じて企業労働組合等への啓発に努めますとともに、県のホームページにもその内容を掲載する等、周知方法についても工夫を講じているところでございます。今後とも、国や労使の協力を得つつサービス残業の解消に向けた一層効果的な普及啓発に努めてまいる所存でございます。このページの上へ

市町合併押し付けと、誘導の「合併支援県道」やめよ

■質問■ 次に、市町合併の問題について質問します。
 現在、県下の法定協議会は12設置されていますが、そのなかで、役場の位置、市の名前など、将来のまちづくりの「あり方」をめぐって議論が対立・紛糾するところがでてきています。そしてついに美方郡四町と城崎郡香住町の五町合併協議会は、廃止されました。
 国と県の市町合併「押し付け」によって、「合併ありき」の議論が先行し、肝心のまちの将来像が「後まわし」にされてきた結果ではないでしょうか。
 わが党は、これまで「合併押し付け」に反対し、先の6月議会では、県が、国の資料を恣意的に利用し、「地方交付税が大幅に減る」など「あやまった」情報提供をしていることを批判し、改善を求めましたが、明確な答弁はありませんでした。
 先ごろ報道された神戸新聞の県下の市長・町長へのアンケートで「交付税抑制が合併推進に影響を与えているか」との問いに、75%もの市町が「大きな要因」もしくは「要因の一つ」と答え、交付税問題が大きく影響していることを示しています。
 さらに県は、今年から「合併支援のための県道整備の事業」をはじめています。これは国の「合併推進債」を使って、400億円を超える予算を新たにつけて県道を整備するというものです。つまり、合併する地域には県の借金を増やしても道路をつくるというもので、強力な合併誘導策です。
 合併する市町に莫大な借金できる仕組みの「合併特例債」と同様に、将来の交付税の「先食い」だという批判が強まっています。
 鳥取県の片山知事は交付税を「これからまた、たくさん先食いをしようというようなものについて手厚く財源保障するというのは見合わせたほうがいい」とくりかえし主張されています。 地方自治や地方財政の存立をおびやかす危険な方向に、県が力をかすようなことがあってはなりません。

  • 地方自治の本旨に立ち返り、交付税などの財政のおどしや、知事を先頭にした強引な押し付けをただちにやめるとともに、「推進債」による県単独の合併支援県道整備事業をやめ、国に対しても、交付税の「先食い」となるこのような制度をやめるよう進言すべきと考えますが、いかがでしょうか。

▼答弁▼井戸知事:市町合併については、かねてから申し上げておりますように、地域における自主的、主体的合意形成が基本であります。
 県としては、21世紀の成熟社会における市町の適正な規模や街づくりの方向等それぞれの市町の将来のありかたについて十分議論をしていただく必要を訴えてきておりますが、最終的な判断は当事者である方々が決めるべき問題でありまして、決して国や県が合併を押し付けるものではない、このように基本的に認識し行動してまいりました。
その上で、「三位一体改革」において交付税の総額を抑制する方針が示されている中、自主的な市町村合併をよりスムーズに推進するため「合併推進債」や「合併特例債」といった有利な財政措置のある起債制度を効果的に活用することは必要なことではないか、このように考えます。
 また、ご指摘の「合併支援県道整備事業」については、合併への取組みが具体化した地域につきまして、これを対象として、県が地域の要請を踏まえ地域の一体性の情勢が確保のために必要な広域交通ネットワークを整備するものであります。その実施にあたって有利な合併推進債を効果的に活用してまいります。
 なお、将来の交付税財源が見直されて窮屈になるとすれば、これら特例債を、今こそ活用して将来の交付税を確保しておいて、しかも不可欠な社会基盤を先取りして整備していくことも、必要な措置ではないか。そのような意味で積極的に取組んでまいりたいと考えているわけであります。このページの上へ

30人学級の実現への決断を

■質問■ 最後に教育の問題、30人学級実施についてです。
 わたしたちは、この問題を、本会議ごとに毎回とりあげて参りました。全国的にみても、30道府県がすでに「少人数学級」を実施していますし、一人ひとりにゆき届いた教育実現のために、教育的効果をあげていることが明らかになってきています。
 子育てのあり方や教育方針については、様々な意見があります。しかし、少人数学級の実施が、山積する教育課題の解決や、なにより子どもたちに生きる力を与えるために必要な条件・環境であるということでは、多くの県民の意見は一致するのではないでしょうか。
 文部科学省は、今年4月1日、1学級の人数について、国の基準である40人を下回ることを認める「通知」を出し、来年度からは、全学年・全クラスで40人以下の「少人数学級」の実施が全面的に可能になりました。 知事は、わが党への本会議答弁でも、先日の来年度予算編成のための「重要政策提言」の申入れの際にも、30人学級の実施については、「要は財政問題」だと、繰り返し明言されています。また、「国への来年度予算要望」では、「学級編制の弾力化措置にあたっては、増員となる教職員の給与についても国の役割と責任において」「財源措置の実施を求める」と要望されています。国への財源措置を要求するのは当然ですが、もう待ったなしです。国実施をいつまでも待っている状況ではありません。まず県独自で率先して実施に踏み出すべきではありませんか。
 私たちがこれまで提案したように、3ヵ年計画で実施すれば、初年度65億円で実現できます。
 年々減りつづける一般会計に占める教育費の割合を1%増やすだけでも二百億円が確保できます。「財源問題」だと実施しないのは、知事が30人学級実現を「最優先課題」と認識されていないということではありませんか。
未来を担う子どもたちのためにまず優先的に予算を確保するべきです。

  • 来年度の予算編成にあたって、兵庫県においても30人学級実施に足を踏み出すよう、知事の答弁を求めます。

▼答弁▼武田教育長:私から30人学級の実施について答弁申し上げます。少人数学級のあり方については、ご案内の通り国の政策研究所等において調査研究が引き続きすすめられているところでありますし、また、本県におきましても平成13年度以来学級編成の弾力的取り扱いにかかる調査研究校を指定いたしまして研究を続けているところでありますが、現時点ではメリット、デメリットがあり、少人数学級編成を県下画一的に実施することにつきましては解決すべき課題があると考えているところでございます。
 なお、「平成15年4月1日付け文部科学省通知」において、県の判断で国の標準を下回る学級編成基準を定めることは、可能とはなったところでありますが、この場合に必要となる教職員定数については、国からなんら措置はないわけであります。
 県教育委員会といたしましては、一律に学級編成基準を引き下げるのではなく、国の教職員定数改善計画を最大限に活用しながら、各学校で主体的に創意工夫をこらすとともに加配教員など学級担任以外の多くの教職員も加わる中で、「新学習システム」を5ヶ年計画の中で、市町教育委員会とも連携をし、着実に推進していくことといたしておるところであります。このページの上へ

「県民の命をまもる政治を」
 民間住宅の耐震化、県道の歩道整備の促進を

■再質問■新町議員:いずれも具体的に私たちが提案をいたしました問題に、県民の実体からほとんど引き離れた答弁になっていると思います。
 民間の改修診断、住宅の耐震化の問題ですが、先だって十勝沖地震ではマグニチュード8・震度6、大きな地震でしたけれども、全道で全壊をした住宅は1戸だけだったという報道がされています。北海道の住宅は耐震化がすすんでいたということで、備えが十分あれば人の命も奪われないという事態を端的に証明をしていると思います。今後、30年以内にこの南海地震も起こるといわれいますけれども、先ほども申しましたように、十勝沖地震も30年以内と今年の3月に言われていたわけですから、半年後に起こっても不思議でないこういう状況です。人の命がかかっている問題ですから是非とも少ない計画戸数ではなく、それで十分だとの認識をあらためていただいて、民間住宅の耐震化を早急にすすめていただきたい。
 もう一つは、県道の歩道の整備です。これも、例にあげました県道明石−高砂線は、戦後都市計画がおこなわれておりますけれども、50年経ってもほとんど進んでおりません。「やれるだけやる」「できるだけやる」ということでは、あと50年経ってもどれだけ歩道が整備されるかという事態です。年間、数名の方がここでも命を落とされているのですから「県民の命を大事にする」こういう立場にたてば、当然、優先して行われるべきで、建設業者仕事づくりにもなります。
 一方では、合併をしなければ必要のない合併支援の道路を、400億円もかけて行なうわけですから、これと対比しても、歩道の整備が緊急に求められていると思います。ぜひ知事の答弁をお願いします。

■再答弁■井戸知事:北海道の今回の十勝沖地震で、家屋に対する被害がすくなかったのは、直下型地震ではなかったという基本的な差があります。プレート型地震であったという。だからこそ逆に津波の被害、津波の大きさが問題になったわけで、防災センター長4人を派遣したもの、そのへんの実状を把握して今後の対処の参考にするためであります。 ご指摘のように、民間の住宅につきまして、できるだけ耐震工事をすすめていく、これは基本でございますので、現在の制度の運用実態などを見極めながら、さらに検討をすすめさせていただきたい、「備えあれば憂いなし」でありますから、そのような観点から検討をすすめたいと思います。

■再答弁■藤本副知事:歩道整備でありますが、計画的な県下各地におきましても整備をおこなっているところでありますが、特にご指摘の県道明石−高砂線につきましては、明石地域で19.4キロあります。なかには、段差のある地域もあり、わたしも明石に住んでおり十分承知をしておりますが、そういったことで鋭意とりくんでいる所であります。いまは、林崎校区や西二見校区等で実施をし、今後も鋭意すすめていきたいと思いますので、よろしくお願いいたいします。

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