■質問■ 姫路から選出されました杉本ちさとです。よろしくお願いいたします。
私は、これまで中小商工業者の営業と暮らしを守る活動に30年間携ってきました。
今、大不況のもとで中小業者や県民の暮らしは大変深刻な事態になっています。
厳しい県民の実態を直視し、住民の暮らし福祉増進に努める地方自治体の本来の役割を果たすことを求める立場から国民健康保険の問題、借換融資の問題、ヤミ金融問題、Nox・PM法にもとずくディーゼル車規制について質問を致します。
国保証の未発行をなくすなど、滞納者の対応の改善を
■質問■ まず、国民健康保険についてです。県民の46%の世帯が加入する国民健康保険がいま重大な危機に直面しています。保険料が払えない世帯が急増し、昨年は17万1517世帯、市町国民健康保険世帯の約18%にも達し、まさに国民皆保険制度の空洞化が進行しています。
兵庫県商工団体連合会婦人部が小規模事業者の実態調査を行いましたが、営業収入だけでは生活ができない、食べていけないと答えた方は約8割にものぼっています。国民健康保険制度は社会保障制度の一環として発足しましたが、失業者や高齢者そして零細な中小業者たちが多く加入し、社会保障制度として国の手厚い援助がなければ成り立たない制度です。
ところが、政府は国保制度への国庫負担を大幅に削減し続けてきました。その結果保険料が値上げされ、その上に大変厳しい不況が暮らしを直撃しています。これが滞納者増大の原因と政府も認めています。ところが、政府は平成12年4月から資格証明書と短期保険証の発行について改定を行い、より一層の制裁措置が強化されました。
兵庫県下の市町では、窓口でかかった医療費の全額を支払う資格証明書の発行をこの4年間で8倍に増やし、1ヶ月や3ヶ月間だけしか使えない短期保険証の発行は13倍に増やしています。そのうえに、保険証を被保険者に届けない、事実上の未交付が広く行われ、その数は昨年12月1日の時点で6万1694世帯に増加していると神戸新聞にも報道されました。国保料滞納者に対してこのような冷酷な制裁措置が強行されるなかで、必要な医療が受けられない、まさに命が脅かされる事態が広がっています。
姫路市のある建設業を営む50代の男性は、かねてから高血圧症です。大手企業の孫請けの仕事をしていますが、4〜5年前までは年間の売上が1億円ぐらいあり、従業員も10人ほど雇用していましたが、不況で仕事が激減しました。
売上は落ち込み、収入が7割も減少してしまったのです。借金の返済に追われ、40万円の国保料が払いたくても払えなくなりやむなく滞納するようになりました。保険証がないために病院に行けないから薬も飲んでいない、頭がふらふらする、いつ倒れるか分からないと不安を抱えて困っています。保険証がないために病院に行きたくてもいけない、そのために重病になってしまった方もあります。
保険証は命綱です。本来国民健康保険証は無条件に加入者全員に交付されなければなりません。ところが、兵庫県は国保料の滞納者にたいして「資格書」「短期証」の発行は、納税意欲を喚起し、滞納対策として有効だと大変評価しています。また、県下の市町に対して平成15年度国民健康保険事業運営方針では、資格書、短期証の発行を強化していただきたいと強調し、ことこまかに文書で指導しています。県が命綱の国保証を取り上げる先頭にたっていることは見過ごせません。
保険料を滞納している圧倒的多数の世帯は、不況による売上減少や倒産、廃業、失業などで、「払いたくても払えない人」です。国の規定でも事業や生活に著しく損失を受けた場合など特別な事情のある人からは保険証を取り上げてはならないとしています。空前の失業と不況にあえぐ実態は特別の事情そのものです。悪質滞納者と一律にしてはならないことは当然ではないでしょうか。「資格書」「短期証」発行が滞納対策として有効策でないことは、滞納世帯が逆に増大していることで証明されています。むしろ滞納者への制裁措置の強化を迫る県の姿勢こそが、県民の命を脅かす重大な事態を招いていると率直に指摘せざるをえません。
また、いわゆる未交付の問題ですが、保険料滞納者の保険証が市町窓口に大量に残されたままになっています。姫路市では今年4月末で1900世帯の保険証が市の窓口に残されていました。そのうち居所不明の456世帯を除くと、1444世帯の加入者に保険証が渡されず、事実上の未交付になってます。
このような国保運営が現に多くの市町で行われています。「保険料を払えない苦しい事情をよくわかってほしい。保険証を交付してほしい」と滞納者の多くは願っています。
また、資格書、短期証の発行の際には滞納者から正規の保険証の返還を求めることになっています。保険証そのものが交付されていないわけですから、変換の手続きはできません。保険証の未交付は、制度上からみても合理性をもたない、あってはならないことです。
保険証はすべての加入者に交付されなければならない事は当然です。国保運営が健全に行われるよう指導・助言する県の立場として改善を求める事が必要と考えます。
(問1)県が平成15年度国民健康保険事業運営方針で、市町に「資格書」「短期証」の発行をよりいっそう強化するよう指導を行っていますが、これをただちに改め、悪質滞納者と一律にするのではなく滞納者の実情をよく聞いて、実情にあった対応を行い、すべての被保険者に正規の保険証を届けるよう改善を徹底されることを求めますが、いかがでしょうか。
▼答弁▼神田健康生活部長:保険証交付に関わる事業運営方針の改善についてのご質問でございますが、資格証明証は国保法によりまして市町村の保険者に交付が義務付けられているものでございまして、意図的に納付しないものへの対策を強化することにより、被保険者間の負担の公平性を確保を目指し、あわせて保険者の財政基盤の安定化を図るという事になっております。
こういった資格証明書の交付にあたりましては、ご指摘の15年度の指針におきましても単に保険料の滞納によって一律に行うのではなく、被保険者に弁明の機会を与え、その弁明に正当な理由がない場合に限って行われている。
今後とも県としては、各保険者が積極的に納付相談を実施するなど個々の滞納者の実情を十分把握した上で、被保険者証の交付事務が法令等にもとずき適正に行っていけるように、助言を行って行きたいて考える。
被保険者の未交付につきましては、保険料の滞納により窓口を訪れないものや、居所が不明の者がいるため保険者において預からざるを得ないというような場合に生じているものでご了承いただきたい。
高すぎる国民健康保険料の軽減を
■質問■ また、高すぎる保険料の負担を軽減することこそ健全な国保制度に必要な施策です。
この点でも、県の国保事業運営方針では、安易な保険料引き下げや単独の給付率を拡大するために基金の取り崩しを行わないよう市町に指導しています。このような県の姿勢はただちに改めるべきと考えます。今、県がなすべきことは国保制度への助成を増額して高すぎる保険料を引き下げるために努力することではないでしょうか。兵庫県保険医協会のアンケート調査では県費助成増額を8割の市町が願っています。
しかし、本県の助成額は近畿他府県に比べても少なすぎます。
(問2)深刻な不況で大変なときだからこそ県民の保険料負担を軽減し、だれもが払える国保制度にするために県費助成を大幅に増やすことを求めますが、いかがでしょうか。 答弁をお願いします。
▼答弁▼神田健康生活部長:国民健康保険は市町村が保険者となり国が国民健康保険事業の健全な運営に勤める義務を負うというかたちで国において財政基盤の強化を図ってきたところです。
県におきましては、H14年度に新たに国民健康保険事業広域化等支援基金を設置しますとともに、H15年度には保険者に対する助成として一つは、国民健康保険基盤安定負担金として53億、高額医療費費負担金として約10億、さらに県単独事業として国民健康保険事業費補助金として14億予算措置いたしまして、これらの総額は対前年度125%計84億円となっております。
こうした措置によりまして、県下の国保世帯の約4割がなんらかのかたちで、軽減措置あるいわ減免措置をうけているところでございます。県としてはこれらの制度を積極的に活用し、保険者に対して財政支援をおこなっている。
なお、県単独の補助金につきましては、H13年度実績で被保険者一人当たりの支出額は都道府県のなかでは7位ということになっておりまして、決して低い水準ではないと考えている。
中小企業むけ借換融資制度 使いやすく改善を
■質問■ 次に中小企業金融支援の借換融資制度について伺います。
先日もりそな銀行に公的資金の導入が行われました。貸出先の半数近くの中小企業がその処理のために整理改修機構(RCC)に送られる危険性があります。また、他の大手銀行が国有化を逃れるために貸出金利の引き上げ競争が熾烈になるのではないかとの危惧があります。長引く不況で中小事業者の経営は非常に厳しい状態です。この上に、先ほど述べましたような不良債権の処理が行われては「弱いものは潰れよ」といわんばかりです。多くの中小業者は必死で頑張っていますが、借金の返済が重くのしかかっています。
国は、中小業者の切実な要望に一定こたえて、今年の2月に借り換え保証制度を創設しました。
本県でも5月末で6477件と多く利用されています。ある製造業の方は、この制度を利用して毎月の返済が半分になり、助かりましたと話されています。
しかし、同時期に創設された兵庫県の借り換え融資の利用数は5月末で約146件と非常に少ないものです。制度そのものは私たちもその必要性を繰り返し主張してきましたし、創設にあたっては一定の評価をしています。
しかし、今一度その内容を見直す必要があるのではないでしょうか。
本県の借り換え制度は県の融資制度に限っていること。また返済期間が5年とあまりに短い上、据え置き期間もありません。
例えば京都では、融資の全てを対象にし、返済期間も一律8年で、据え置き1年となっています。融資限度額は無担保で8000万円、さらに担保付で新たに2億円の枠を追加し、非常に借りやすいものになっています。その結果、約三ヶ月間で3179件687億円の利用と好評です。
今、京都の例を申し上げましたが、他にも24の道府県であい前後して借り換え制度の創設が始まりました。返済期間は兵庫県以外すべて7年〜10年で、据え置き期間を設けているところも少なからずあります。
県下の中小企業が県の借り換え融資制度を利用することによって、経営の見直しを行い、少しでも安定した事業展開が出来るために、もっと利用しやすい制度に見直すことが必要です。
(問3)借換融資制度の 返済期間の延長と据え置き期間の創設をもとめるものです。いかがでしょうか。
▼答弁▼産業労働部長:中小金融支援の借換融資制度についてでございます。資金繰り支援貸付はデフレの進行現下の厳しい経済情勢に鑑みまして、県融資制度の借り入れ債務につきまして、借換一本化が可能になることによりまして、毎月の返済負担が軽減をされ資金繰りが改善される事を期待しまして、本年2月に創設したものでございます。全国的にも早い実施をした部類に属するものだと考えております。融資期間につきましては、県下中小企業の借り入れ実態とか既存の貸し付け制度、特別経営資金、長期運転資金、これも融資期間5年であります。こういった状況に鑑みまして、融資期間5年でも現在の厳しい中小企業の資金需要に応えられるのではないかとゆう判断をさせていただきまして、5年とさせていただきました。また、据え置き期間におきましては貸し付け制度が毎月元金を返済中の方が、返済期間を軽減し、厳しくなる経営の中で無理をせずに返済をしたいという方を支援するのを目的にしておりまして、当面据え置き期間を設定しないという事にさせていただきました。
なお、この貸付制度に限らず県の中小企業融資制度につきましては、これまでから景気動向あるいは、金融環境の変化に対応しまして融資条件等の見直しを随時行ってきております。中小企業の資金調達変化も見極めて行きたいと考えている所でございます。
ヤミ金融の取締りの強化を
■質問■ 次に、ヤミ金融問題について質問します。
いま小泉内閣のもと、不況型倒産件数は戦後最悪、完全失業者は増加の一途をたどり国民生活は苦境にたたされています。
こうした中で、多重債務に陥り、さらにはいわゆる「ヤミ金」による超高金利の債務に苦しむ被害者は今や全国で100万人以上ともいわれる状態になっています。
ヤミ金融業者とは、出資法の上限金利を超える金利、ひどい場合は「トハチ(10日で8割)」「明けの1割(1日1割)」というような超高金利で貸金業を営んでいる者、または無登録で貸金業を行っている者をいいます。最近こうしたヤミ金融業者が横行し、常軌を逸した電話や電報などによる脅迫、営業や生活もできなくなるような取立行為がまかり通っています。
去る14日未明、大阪府八尾市で起きた夫婦ら3人の心中事件は、借りた1万5000円に対し、10万円返しても、完済を認めず、過酷な取立てが続く中で、八尾市長あてに「悪徳業者のため悔しいけど死にます」という遺書を残して自殺したことが明らかになりました。
この夫婦は、事件前に八尾警察に2回、大阪府警に3回も相談していたにも関わらず厳しい取立てが続いていたと見られ、警察の対応の甘さに対する怒りと批判の声がまきおこっています。私の地元・姫路でも一家離散、夜逃げや自殺者までだす深刻な状況です。 これ以上被害者を出さないために一刻も早い対策がもとめられています。
警察庁は、2001年7月6日付けで「事務連絡」文書を全国の警察に出しています。そこには高金利や取立行為違反の悪質な事件については、「積極的な取締りを行なうこと」「積極的に事件化を図ること」などと明記されています。また、昨年4月日本共産党の国会議員団の質問に対し、(当時の黒沢正和)生活安全局長は相談や届出があれば、「犯罪等によることが明らかでないものでも、刑罰法令にかりに抵触しない事案についても、適切な措置を講ずるように第一線を指導している」と答弁しています。
私たちも制度上の問題として営業手続きを現在の登録制から許可制にし、罰則を強化するなどの法改正は必要と考えています。
しかし、今述べたように、現行法の下でも相当の取りしまりができることは明らかです。ところが、その後も警察が敏速・適切に対応してくれないという苦情は後を絶っていません。現に本県の各警察署に寄せられた相談件数は年々増え続け2002年度で600件にもなり、5年前と比べれば2.5倍にも増加しています。一方「金融関係事犯検挙件数」は過去5年間をみれば逆に減少しています。1998年度の貸し金業規制法違反・無登録件数は44件だったのに対し、2002年度は6件と7分の1に。
出資法違反・高金利は12件が6件と半減している有様です。これでは、ヤミ金融業者がはびこっていても仕方のない状況です。その背景の一つは、警察官の中に「借りた者が悪い、返すのはあたりまえ」という考え方が根強く、ヤミ金業者の違法性、犯罪性に対する認識が弱いことです。
もう一つは、「人手がたりず、なかなか体制がとれない」「いたちごっこで取り締まれない」という警察署におけるこの分野の体制上の問題があります。
結局、実質「ヤミ金融」問題は放置され、警察が本来おこなうべき「住民の生命・財産」を護るという役割を果たしているとは到底いえません。ヤミ金が暴力団の大きな資金源となっていることは周知の事実です。
(問4)県警本部として県民から「ヤミ金問題」の相談や訴えに直ちに親身に対応し、犯罪行為として各警察署の窓口で機敏に対応するよう徹底をはかること。
同時に県警本部に取り締まるための特別体制をつくり、県下全域の状況を把握し適切・機敏に摘発するべきと考えますが、如何ですか。
▼答弁▼警察本部長:ヤミ金融問題のうち、取締り等について申し上げます。
いわゆる、やみ金融業者による高金利被害等の事犯が増加をし社会問題となっています。警察といたしましては、的確な対応と:厳正な取り締まりにつとめております。取り締まり状況ですが、H13年は14件11名、H14年は12件10名を検挙し、本年は金融事犯の厳しい情勢を踏まえ取り締まりを強化し本日現在昨年同期を上回る無登録、高金利事犯9件10名を検挙しているところでございます。尚、この件数、人員についての数え方というのは難しいところがございますが、一件の事件あるいは一業者についての事件を検挙すると言う事は100名200名の被害者の方といいますか、お金をかりている人が関連した事犯になるという事であります。今後とも近畿財務局や兵庫県経営支援課等、の関係行政機関との連携を密にしますと共に県内はもとより他府県警察との積極的な合同捜査によって体制の確立をはかりつつこの事犯による苦情を分析し方と証拠にもとずいた厳正な取締りを推進して参りたいと考えております。
ヤミ金問題で、県の全庁的な取り組みを
■質問■ さらに、この無法なヤミ金問題に全県庁あげての取り組みが必要です。
昨年度、県の窓口におけるサラ金・ヤミ金問題の苦情・相談件数を見ますと神戸生活創造センターなど県立7施設で843件。10県民局で4624。それに警察600件あわせて県の窓口だけで6067件にのぼります。さらに市町の窓口や市民団体、組織等を含めるとおそらく年間1万件以上の相談がもちこまれている事は容易に推測できます。
この問題を解決するためには、それぞれの相談窓口が個人バラバラに取り組んでいたのでは、悪質業者が次々手口を変える巧妙なやり方には対応出来ません。県全体として状況を全面的に把握し、問題点の分析や対応策の検討を行い、情報を共有し、各相談窓口が一致した方針で対応し、違法業者の取り締まりも機敏にできるようにする体制づくりが緊急にもとめられます。
私たちは、各府県の取り組みを調査しましたが、長野県ではすでに全庁的な取り組みが進められています。
知事部局、県警本部、国の関東財務局長野財務事務所、そして弁護士会、司法書士会、商工会議所、貸金業協会、ヤミ金融を告発する長野県連絡会と幅広い機関や団体が参加する「ヤミ金被害者救済緊急対策会議」がもたれ、取り組みが行われています。
例えば、悪質な業者に対する警察からの注意勧告を行うことやさらに、「対策会議」で協議させた事項を県民に広報するために市町村広報誌に大きなスペースで掲載。有線放送でくり返し知らせる。サラ金のテレビスポットを多くの視聴者が見る時間帯には放映しないなど実施されています。本県でもこうした取り組みが求められます。
(問5)ヤミ金融問題を根絶させるために「ヤミ金110番」窓口の開設をはじめ、各機関が連携して被害者救済と悪徳業者の取り締まりにとりくめるよう、特別体制をとるべきだと思いますが、明解な答弁を求めます。
▼答弁▼産業労働部長:ヤミ金問題について県民からの相談苦情につきましては、県民局に消費者金融相談窓口を設置させて頂いております。これらの相談機関におきましては、被害を防ぐ為の対処法や警察への被害届け刑事告発等につきましての助言の他法律相談などを斡旋しております。特に多発しております神戸、阪神間の各相談機関におきましては、連携をはるために情報交換会を開催している所です。さらにやみ金融は不法行為であり、警察の取り締まり対象ですので相談機関が日常的に警察等情報交換をおこなっております。他に国の監督官庁であります近畿財務局、神戸財務事務所、県警察本部と県の行政部門とが定期的に会議を開催し、やみ金融業者の取り締まり強化につきまして連携をはかっているところです。尚、やみ金融の被害にまきこまれないためには、被害の未然防止が必要でございます。県民向けのパンフレットや県広報誌で悪質業者の手口を紹介しまして、あわせて各市町広報誌への記事掲載を依頼するなど悪質業者を利用しないよう注意喚起も勤めているところであります。今後とも近畿財務局や県警本部との連携を深めまして、やみ金融被害の防止に努力をしてまいりたいと考えている所です。
ディーゼル車の後付け装置の早期実用化
■質問■ 最後にディ−ゼル車の排ガス規制をめぐる問題について質問します。
自動車NOx・PM法が施行され、ことし10月からは車種規制が実施されます。この法律によって県下では大気汚染の厳しい尼崎市から太子町まで瀬戸内側の海岸線11市2町が対策地域に指定され規制の対象となります。
また、県はNOx・PM法不適号車の県内対策地域内の通行を禁止する条例の制定をめざしています。トラック、バス、建設機械など排出基準を満たさない不適合のディ−ゼル車は全国で約320万台、兵庫県で24万台あるといわれています。特にトラックについては現在、使用されている車の内、7割が規制の対象となります。
これらの規制対象となるディ−ゼル車は、後付けの排ガス減少装置をつけるか、新しい低公害車に買い替えなければ車検が通らなくなり使用を禁止されることになります。
その影響は運送業はじめ、建設業、製造業、造園業、などあらゆる事業所の製品や資材運搬車両にも及び、特に中小企業への打撃は死活問題です。
私の地元姫路市で4tトラック15台を保有し関東方面も含めて、食品から建材など多くの荷物を取り扱う運送業者の方は、この1年以内に使用できなくなるトラックが5台あります。この中には約1000万円する冷凍車が1台、800万円する横の扉が開くウィング車3台が含まれております。これを新車に買い換えるとすれば、約4000万円の新たな資金が必要です。こうした新たな投資が1年では終わらず2年から3年続くことになるのです。
今日の大気汚染、公害問題を引き起こした責任は、あげて国と自動車メ−カ−にあります。メ−カ−は環境基準の厳しい欧米向けにはその基準に適合する低公害車を開発し輸出する一方、国内向けには、高濃度のNOxやPMを排出する車輌を生産・販売しつづけ莫大な利益をあげ、この長期不況の中でも自動車メ−カ−だけは空前の大儲けをつづけています。
一方で国は、地球的規模で環境対策が強められ、国内では、公害裁判でことごとく敗訴に追い込まれる中で、おそまきながら、また、いくつかの弱点を残しながらもNox・PM法の改正、実施に踏み切らざるを得なくなったものです。
本来なら、法の実施に当たっては、国とメ−カ−が全責任を負うのが当然です。ところが政府は、国とメ−カ−の責任を全く不問にし、何の責任もないディ−ゼル自動車のユ−ザ−だけに責任と負担を押しつけています。それどころか、またもやこの機会に新車を大量に販売し大もうけ企む自動車メ−カ−を後押しする姿勢であり容認できるものではありません。
日本共産党県議団は、これまで一貫して自動車公害を根絶し、環境をまもり公害患者を救済する立場で何度も取り上げてきました。こうした立場から、NOx・PM法の実施と県がめざす「不適合車の県内の対策地域内の通行禁止条例」の制定が一日も早く実施されることを強く望んでおります。
そのために、この法と条例を円滑に実施するためには、この規制によって計り知れない影響を受けるトラック運送事業者をはじめ中小企業、個人事業者等に対する支援が不可欠となっており、その施策の実施を強くもとめるものです。
その第1は、NOx・PM法の排出基準を同時にクリアできる後付装置の実用化の問題です。現在使用されているディーゼル車には、「まだNOx・PMの両方を除去できる装置はない」と言われておりますが技術的にはいろいろな所で研究開発が進んでおり、実用化のために本腰を入れるかどうかにかかっています。
(問6)そこで、知事が国と自動車業界とメーカーにたいし、後付け装置の早期実用化を図るよう強力に要請されるよう求めます。
▼答弁▼知事答弁:後付け排ガス減少装置の早期実現化についてですが、自動車NOx・PM法車種規制に適応するためには、減少装置の装着も対応策のひとつであります。
しかしながら、使用中の自動車に装着し、排ガス中の窒素酸化物及び粒子状物質の両方を減少する装置は、国による性能評価制度がありますものの現時点では認定された装置がない。このため、県としてはその減少装置の開発促進について、国に対して要請しており、自動車メーカーに対しても実用化をはかるよう働きかけて行きたい。
自動車NOx・PM法を円滑に推進するために、ディーゼル車の排ガス17年規制はエンジン本体の改善はもとより、精密な電子制御やディーゼル微粒子除去装置の組み込みなど、高度な技術を駆使して初めて可能となる世界一厳しい排ガス規制であり、自動車メーカーがその達成に向けて努力されていると聞いている。また、環境省では技術開発を促すなかで、自動車排ガス規制の一層の強化を検討されていると予定されている所であります。
県としてはこのような技術開発実用化の状況を踏まえながら、環境基準の達成と手立ての有効性についても流入規制の制度化を検討しているところ。
県の買い替え補助、融資制度の創設を
■質問■ 二つには、新車に買いかえる際の支援策についてです。現在国や県の融資制度を申し込んでも既に借りている融資の返済条件の変更をおこなっていたり、昨年赤字だったりするなど経営状況が少し悪いと融資が断られる例がいくつも出ています。
今回のような場合は、通常の融資ではなく「環境対策資金」のような別枠の対策資金の創設が必要です。
(問7)新車に買い替える場合は、補助制度を創設するとともに、環境対策資金として融資制度を設けるよう国に対し申し入れること。また、県独自に同様の補助金制度と融資制度を創設して中小企業を支援して頂きたいと思いますがいかがでしょうか。答弁を求め、私の質問を終わります。
▼答弁▼井戸知事:県としては、自動車NOx・PM法の車種規制に適合する車の買い替えについて、「最新規制適合車等購入資金融資制度」を設け、中小企業者を対象として低利融資の斡旋、及び利子補給をおこなっている。また、低公害車の導入にたいしても「低公害車導入補助事業」「特定分野への集中導入モデル事業」、「運送事業者への低公害車普及促進補助事業」等を実施しています。県としても、国に対して最新規制適合車代替促進、助成事業等の助成措置の拡充について要望しておりますが、法による規制対象地域が限定されておる矛盾点についても、指摘をし一律に適応すべきだとゆう主張をしております。尚流入規制を行うさいには、法対象地域外の事業者にも地域内と同様の負担がかかることになりますが、所要の対策をとる必要があると考えております。現在環境審議会で委員会を設置して、流入規制のあり方について検討をいただいており、その意見を踏まえて流入規制、規制のあり方、支援方策この三つを組み合わせて、三点セットとして検討し県として取りうる方策をとってまいりたいと考え現在検討をすすめておりますので、よろしくご理解を頂きたいと存じます。
国民健康保険の滞納者を未交付とせず、すべて交付せよ
■再質問■1点だけ再質問を行います。これについては、知事にお答えいただきたい。
国民健康保険の未交付の問題ですが、さきほどの答弁では、未交付になっている方は役所の窓口に保険証が残されているのですが、取りに来ない、だから仕方なく、役所においてあるのだという市町の態度だと言う答弁でしたが、実際に未交付で保険証がなくて、病院にいけない人たちにとっては、「役所にいけない」という状況なんです。お金を滞納した保険料を持っていかないと保険証が交付されない。それが、条件になっているからです。その点について、そういうことではないのか、それとも認めるのかそのお答えをしていただきたいと思います。みんなに交付していただきたい、このことを改めてお答え頂きたい。
▼答弁▼井戸知事:実態の問題ですので、後ほどまた部長からお答えいただきたいと思いますが、国民健康保険をめぐる財政環境は大変厳しい状況になっています。これ以上どうしても滞納が増えてくることによって運営が厳しいという実情が現実にあります。そのような中、保険ですので、みんなが拠出しあってともに相互扶助を続けるというのが基本ですから、そのような意味からすれば、自ら進んで説明をして、理解を受けるべきであり、それを交付されないから行かないで、そのままにしておくというのは、「権利に眠れるもの」になってしまうのであります。自らきちっと実情を説明して、理解を得る努力をしていただきたい。と私は思います。それだけ、国保の財政事情は厳しいという事にも理解を頂きたいと思います。
▼答弁▼神田健康生活部長:だいたいの趣旨は今知事が説明したととおりであります。
保険証の更新にあたりましてですね、趣旨として保険制度として維持していかなければならないという一方、先ほど私の方から答弁させていただきましたとおり、個々の方々には市町の窓口とよく相談をしていただく、それで事情があれば市町の方でしん酌をしていただくというような形で指導もしておりますし、そういうような取り扱いを市町の方でもしいるものと理解しております。
保険証の更新にあたっては、滞納の方、窓口へ行って是非ご相談をしていただきたいと考えているところでございます。 |