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第275回本会議代表質問 中村まさひろ
2003年6月24日

■質問■私は日本共産党県会議員団を代表して、平和問題、財政を中心とした地方自治のあり方について、さらに福祉や教育問題について知事に質問いたします。

有事法制の成立と国民保護法制

■質問■今国会における有事関連三法の成立は、海外において米軍の引き起こす「侵略戦争」に、自衛隊が武力行使をもって参加し、国民には罰則つきで強制的な動員をする危険なものであり、憲法九条と相入れない暴挙であります。国連憲章の平和のルールを守る闘いを発展させ、周辺事態法と共に有事法制の発動を許さず、廃止をめざして奮闘する決意をまず表明するものであります。

 米英軍によるイラク侵攻が国連安保理の決議もなく、国連憲章違反であることは明白でありますが、さらに、先制攻撃の口実となった大量破壊兵器が現時点においても痕跡すら発見されないままであり、米英の国内でも情報操作によるものとして批判の声が高まっています。このような米国の引き起こす戦争に協力し、わが国を戦争する国家へかえようとするこの悪法に対して、全国的な反対運動や、全国各地の自治体や地方議会からの批判、さらに韓国・中国をはじめ、アジア諸国からの憂慮・反撥など、国内外からの批判がますます強まっています。

 ノ、ムヒョン韓国大統領はわが国の国会で、日本の「過去の歴史問題や有事法制と平和憲法改正論議に韓国を含むアジア諸国と国民は疑いと不安の目で見守っている」と述べています。

 この有事法制について井戸知事は5月29日、西川福井県知事と共同アピールを発表、有事法制は開かれた場でのわかりやすい議論がなされたとはいえず、国民の理解は不充分として、国会の場で議論を重ね、国民の理解を充分に得ることを要望されました。

 ところがその要望は聞き入れられることなく、直後に参議院で可決成立させられてしまったのであります。

(問1)そこで、この要望は無視され、採択が強行されたことに対して知事はどう考えられるのか、まず端的にお答え頂きたい。

 又有事法案は国が武力攻撃事態への対処に関する主要な役割を担い、自治体は国の方針に基づく措置の実施を担うと明記し、それが自治体の責務だとしています。つまり自治体は国の方針に黙って従うことが義務づけられています。

 そして国から膨大な戦争業務を強制されます。米軍や自衛隊への物品施設役務の提供で自治体管理の空港・港湾、公営バスや救急車の提供をはじめ、病院診療所などの管理、市民の土地家屋の取り上げ、物資の保管命令、収容、医療や土木建設工事・輸送関係者への業務従事命令などが自治体に強制させられます。

▼答弁▼井戸知事:今般、武力攻撃事態等対処法など有事関連3法が、国会内外における論議を経て、与野党を通じ、大多数の議員の合意により成立したことは、有事という事態に対応して、自衛隊をはじめ、各機関を事前に民主的コントロールのもとに機能させる担保措置になるものと理解しております。

 今後、国民保護法制など関連法など、いわゆる「事態対処法制」について、国会の場で議論が重ねられ、国民の理解を十分に得て制定される必要がありますので、福井県との「共同アピール」の趣旨は、このような過程のなかで反映されていくものと考えます。

(問2)このように「国民保護」の名の下に市民の暮らしを脅かし財産権など基本的人権を奪う仕事をさせられる国民保護法案について、私は地方自治権を守る基本的立場から明確に反対するべきと考えますが、県としてどのような意見をもち、国に対してどのような要望をしているのか明らかにして頂きたい。またこの際、県民に知事の見解を示されることを求めます。

▼答弁▼井戸知事:国民保護法案について、有事法制の問題については、基本的には、国の事務を地方が実施する法定受託事務であり、地方公共団体が円滑に事務を処理する上において、今般成立した武力攻撃事態法のみでは、まだ十分とは言えません。したがって、国民保護法制の整備にあたっては、地方公共団体が国や関係機関等から情報等を入手できるネットワークをつくること。国や地方との役割や責任、権限を明確に定めること等について、地方の意見を十分に反映して確定するよう、国にたいして要望しております。

 わたくしは、有事に際して、自衛隊等の行動を一定の枠組みのなかで行なうことにより民主的コントロールを担保することが不可欠であり、その枠内において国民保護法制の検討がすすめられるべきことを、再三表明してきております。また、今後の制定過程においても必要に応じてわたくしの考え方を発信していくつもりであります。                  

小泉内閣の「三位一体改革」

■質問■質問の二番目は、深刻な経済情勢の中で、国の果たす責務と地方自治体が果たさなければならない役割がますます重要となっており、これにかかわっていくつか質問します。

 まず、先週18日、経済財政諮問会議がいわゆる「三位一体改革」の方針を決定しました。 小泉内閣のこの二年間、「構造改革」路線の破綻が目を覆うばかりの惨状を示し、経済危機がいっそう深刻になっている時に、地方自治体の財源確保の要求を逆手にとって出されたこの「三位一体改革」はまだ大きな問題を残しています。

 第1に国庫補助負担金の廃止・縮減では、重点項目として義務教育費国庫負担制度や保育所関係の負担金が明記されていること、第2に税源移譲についても結局8割程度と全額ではないことに加え、税目や期限が明記されておらず消費税増税の可能性が出ていること、第3に地方交付税の総額抑制など、全体として住民サービスの後退と地方自治体の財源保障の縮小につながる可能性を持った危険なものといわざるを得ません。

 このような問題点を含んでいるにもかかわらず知事は「分権改革の方向が明らかにされた点で望ましい」と評価をされました。さらに、この間の知事の発言の中で一貫して、義務教育費国庫負担金など、福祉・教育にかかわる国庫補助負担金の廃止も、税源移譲があれば良しとする態度は問題があります。手をつけるべきはこれまでの無駄な公共事業のひも付き的な補助金、特に公共事業を地方に押し付け、あわせて地方の借金を増やしてきたやり方にメスを入れることではないでしょうか。国庫補助負担金の中には憲法25条・26条や関係法令で負担支出を義務付けられている社会保障や教育関係分野が8割を占めているなかで、財源との引き換えでこれらを廃止・縮減の対象とすることは本来の国の責務を放棄することであります。

(問3)このたびの「三位一体改革」において、社会保障や教育など本来、国が法に基づいて責任を果たすべき国庫補助負担金まで廃止・縮減の対象にしていることに明確に反対を表明するとともに、税源移譲は地方に必要な全額移譲を行うこと、その際、消費税など庶民増税を前提としないよう国に強く求めるべきだと考えますがいかがですか。答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事:このたびの方針において、税源移譲を含む「三位一体改革」の基本的枠組みが示されたことは、これまで長年、地方行財政の自立を求めてきた者として、分権に一歩踏み出したものとして、評価いたした。しかし、国と地方の税源配分が1:1になっていないこと、国庫補助負担金の廃止・縮減にともなう税源移譲が、全額になっていないことなどの問題があることも事実です。これらは、これからの具体化にあたって、地方側の意見として、存分に申し述べていきたいと思います。また、税源移譲にあたっては、所得税や消費税のような基幹税が適当である旨強く主張してきており、ましてや増税の際に行なうべきものではないと考えます。ご指摘の「義務教育費国庫負担」のあり方については、国として義務教育の責任をどう果たしていくべきかについて、明確にする必要があると考えます。憲法との関係でも不可欠だと思いますが、その際に国が単にその経費の2分の1を負担しているから責任を果たしているという財源の問題だけではなく、分権改革がすすむなかで、「指導要領」も含めて、国がどこまでの責任をはたすことにより、国としての責任を果たすことになるのか、見極めていく必要がある。

市町合併押付け・誘導する兵庫県

■質問■この項の二点目は、市町合併の問題です。この問題で県は、まるで国になりかわったかのような対応を指摘しなければなりません。

 市町合併問題をとりあげた「これでいいのか 平成の大合併」という書物では、「合併慎重県から急展開」「合併積極県」として兵庫県が登場し、「副知事や県民局が合併促進の露骨な介入」とまで書かれています。

 実際、ある郡で開かれた自治振興会で、藤本副知事の基調講演を聞いた参加者から、「合併誘導だ」との批判の声が出されています。

 さらに見過ごせないのは、「合併やむなし」に誘導する2つの「仕組み」です。
 1つは、昨年県が作成した「市町合併に関する行財政シミュレーションマニュアル」です。わが党は、以前から、合併押付け・誘導になるのではないかと危惧し、反対してきましたが、住民や研究者からも様々な問題点が指摘されています。とくに、歳入見通しについては「少子・高齢化で人口が減るから税収が減る」と予想する一方で、歳出は公債費や人件費、その他の行政経費について「平成12年度の決算額」を将来にわたって「固定」するとしています。これでは、人口減の市町はすべて収支不足になるのは間違いありません。このような試算を元に説明をうけた住民は、「赤字になるから合併やむなし」の気持ちにならざるをえないではありませんか。

 もう1つは、地方交付税についての誤った「資料」です。県が昨年つくった資料では、地方交付税の全国の総額が2006年には今年より約2兆円も減ることになっています。

 その試算の根拠となった内閣府の資料原本は、確かに、地方交付税の減額が試算されていますが、景気回復で地方税が増額することを前提として交付税が減額されるというあたりまえの試算です。ところが、県はその資料から地方交付税の減額「のみ」をとりだして強調するという「誤った」資料作成をしています。

 そしてこの資料が、県民局などの「別冊関連参考資料」として、市町合併の研究会や協議会に持ち込まれています。昨年出された「神崎郡・夢前町合併調査研究会」の「報告書」を見ても、「地方交付税が一律に大幅削減される」根拠として使われています。

 今年3月の国会で、この内閣府の試算の使い方について「交付税は国会で認められた制度に基づいているもので、勝手にやれるわけがない。慎重にやっていただきたい」との政府答弁がされています。それを県は「減る」と勝手に利用しているのです。

 県はこれまで、「自主的合併だ」とか「メリット、デメリット両方の情報提供をしている」などと繰り返し答弁してきましたが、今回のような「情報提供」は、市町の財政運営が「破たん」することを前提にして、「試算」をさせていると言っても過言ではありません。市町にこのような合併誘導をしている兵庫県が、「地方分権」を語る資格があるのでしょうか。

(問4)知事、この県の資料について、撤回・回収し、市町はじめ各地の合併研究会・協議会にも正しい説明をし、今後再びまちがった情報提供をしないことを約束していただきたい。

 また、県の「シミュレーション・マニュアル」について、根本的に改善するとともに、市町に一律におしつける今のやり方をあらためて、市町の独自判断を最大限尊重する方向に転換するべきです。いかがでしょうか。知事の明確な答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事:本県が作成した「行財政シミュレーションマニュアル」でありますが、もともとあくまで一つの試算方法を示したものであり、「地域の実状に即して検討すべきもの、改善すべきもの」と明確に位置付け、示しております。地方税・地方交付税については、昨今の地方税の動向や、最近の経済情勢を含めて、まず平成12年度決算額と同程度と見込んだ上で、人口の動向や高齢化の進行等による影響を加味した試算法を示したものです。これらは、経済成長率の増加等を見込んでいないのは事実でありますが、これがベースとした、「構造改革と経済成長の中期展望」(経済財政諮問会議・平成14年1月18日)、国内総生産が、名目でマイナス0.9%、実質0.0%という事実をふまえたものであります。また、地方交付税についても、経済財政諮問会議で示された活用可能な出口ベースの見込み値、および段階補正の見直しによる影響額を加味したシミュレーションの方法を示したものです。これらは、現時点で客観的に想定しうる最善の試算方法をしめしたものだと思っておりまして、活用にあたっては、「留意点」として「試算する市町において、適宜修正・改善するように」指導しておりまして、もともと、それぞれの地域における自主的・主体的な検討の材料として提供しているもので、県としてなんら「合併誘導」する意図でもって作成しているものでなく、試算のひとつの方法としては妥当なものと考えております。

 なお、市町合併においては、県は「自主的な市町の判断によるべし」という基本原則をいささかも変えたつもりはありません。

県の「行財政構造改革」の基本方針の転換へ

■質問■この項の三点目は、県の行財政構造改革についてです。
 知事は、先月5月の記者会見で、「今後5年間で、収支不足が2,550億円増加する」ため「平成11年度から始めている行財政構造改革の総点検をする」としています。そして、その対象は「行財政構造改革推進方策に掲げている施策のすべての項目」で、「全庁挙げて総点検作業を進める」とし、その点検は、7月下旬までにまとめ、9月には中間とりまとめを出し、来年度の予算編成への具体的取組を行うとしています。

 しかし、ここには、県政の歳出構造の何がどう問題であり、また、県民の差し迫った暮らしや雇用についてどう応えていくのか、また、全国的にも大問題になっている公共事業についてどう考えるのか、公共事業の総額をどうするのか、という、行財政点検の新たな理念も視点も示されていません。これでは、結局、県民の実生活と切実な声に関わりなく、福祉・医療、教育、環境などを徹底的に切り縮め、ますます県民と職員の犠牲でこれまでの「行革」の一層の徹底、推進を図ろうとするものではありませんか。

 この間、老人医療費の公費負担対象の削減、在宅介護手当の廃止、特別養護老人ホーム職員への給与補助の廃止、私立学校経常費補助の県独自上積み分の削減など県民生活に関わる事業は次々縮小・廃止し、この不況下でますます県民生活と地域の購買力を冷え込ませる措置を強行しています。

 一方、年間3,900億円にのぼる投資事業は「聖域」として温存しています。
 今年度の予算を見ても、投資的経費は社会保障関連予算の1.4倍にもなっており、相変わらず「公共投資優先」で社会保障が後景に追いやられています。
 これでは、県民の生活や地域経済がますます厳しくなるのは当然です。しかもそのため、この5年間で、一般会計だけでも県債残高(借金)が4,400億円以上も増加し、県の財政を圧迫することにもなっています。

 「改革」というのであれば、県財政をひっ迫させ、雇用・地域経済活性化に効果が薄くなっている公共事業を全面的・抜本的に見直すことが必要であり、県の行財政改革にとって、避けて通れない問題であります。

(問5)知事、行革「見直し」の基本的方針として、公共事業、投資的事業にメスを入れ、公共事業と社会保障の逆立ちした予算編成のあり方をあらためるため、公共投資事業の大幅削減を実行する立場にたつことを決断すべきであります。

▼答弁▼井戸知事:本県の行財政構造改革は、中長期にわたる財政の健全性と弾力性を維持しつつ、21世紀のあたらしい時代の県民の要請と社会経済構造の変化に対応するため、既存制度の見直しを行なう中で、新規施策財源を確保し、県民福祉のさらなる向上をめざすものであります。今後もこのことを基本として改革をすすめることが重要だと考えます。

 毎年度の予算編成においても、行財政構造改革推進方策のフレームを基本として、限られた財源のなかで、県民生活の安定をめざす施策に積極的に取り組んでまいりました。

 投資事業につきましても、事業の必要性や効果等を評価・検証するとともに、既存の社会資本ストックの有効活用を図りながら、その時々の景気動向を勘案して、機動的・弾力的な経済対策を講ずるなかで、必要な事業量を設定してきたつもりであります。

 この推進方策の基本的なフレーム策定後、年々きびしさを増す歳入環境や、三位一体改革の具体化、市町合併、医療制度改革の進展など、地方行財政を取り巻く状況は大きく変化してきております。これらを踏まえながら検討する必要がありますので、具体的には現在総点検をいたしておりますが、組織や定数、給与、行政施策・一般事業と投資事業とのバランス、外部団体等の行財政推進方策にかかげる項目ごとに検討を加えて評価した上で、課題を設定し、これへの対応を検討し、さらなる改革にとりくむ。現在、総点検作業を行なっておりますので、その結果を待って、具体的な課題設定をしていきたいと考えています。

公共事業のチェック、事業評価制度の改善

■質問■次に、具体的に公共事業にメスを入れるための事業評価の改善について提案をします。

 全国的な公共事業見直しの国民の声に押されて公共事業評価制度が1998年から導入され、本県においても取組みが行われてきました。
 しかし、現在の評価対象事業は、総事業費1億円以上、未着工は5年毎、継続中は10年毎のチェックとなっていて、このシステムにのらないものは、事実上ノーチェックであります。現にこの5年間、県の事業評価委員会が審査したものは、わずか250件の事業にとどまり、その内11件についてのみ中止・休止の決定をしています。

 しかもこの11件のいずれも、県が中止や休止を求めて事業評価委員会へ提案し、評価委員会は県の提案を了承しただけの話、すなわち100パーセント県当局言いなりの結果となっています。また、2000年から総合事業審査会や県庁内部での「部内審」も始まり、3年間で317件が審査されていますが、休止になったのは部内審のたった1件というありさまです。

 これは、評価委員会がその役割を全く果たしていない証拠であり、行財政構造改革調査特別委員会で指摘された「事業評価委員会の審議公開や大型公共事業の採択に当たっては、住民の意見を十分に反映するように」という指摘すら実行していないからです。

 例えば、武庫川ダムは、評価委員会では、4回の審査をしていますが、住民や専門家からの指摘を無視して当時の県の主張そのままの結論を出しました。しかし最近では県自らが洪水の試算をやり直し、住民も参加して治水計画の再検討が始まっているではありませんか。

 適切な評価と判断を下せるようにするためには、評価する事業の選択に関係住民が参加して住民発議で審査対象事業を大幅に広げるとともに、評価委員会を県から独立させるような抜本的な改革が不可欠です。

 評価委員会のメンバーは知事が一方的に指名して決めていますが、関係住民の代表を加わえたものに変えるべきです。県当局の見解を一方的に聞くだけで、しかも非公開で進めるという時代遅れのやり方を直ちにあらためて、会議は公開し、傍聴も認め、傍聴者や住民の意見を聞く場を設けるべきです。

 また審査の中身も、たとえば砂防ダムは森林整備と比較検討することや、県道整備と農道整備の重複的事業がないかどうか、地域的な過剰投資はないかなど代替案を広く検討することも必要です。

(問6)以上、委員会は住民代表を加え公開とし、傍聴者の声も聞く、審査対象事業を拡大する、広く代替案を検討するなど事業評価委員会の抜本的改革を行い、すべての投資的事業について不要不急の事業でないかどうか、厳しく総点検することを重点課題とするよう求めますが、知事の英断を求めます。

▼答弁▼藤本副知事:投資事業審査会は、環境・土木・農林・経済等の各分野の学識経験者のほか、幅広く一般県民の意見を聞くために、マスコミ・文化人・弁護士等、多方面にわたる委員を加えましたて、様々な角度から論議をおこなっていただいている。

 特に公共事業の社会基盤整備の基本方向、方針・プログラムの策定にあたっては、各県民局において、事業箇所・内容等をしめし、ひろく県民の意見を聞いて策定したところであります。さらに審査会の審議におきまして、有効性や効率性はもとより、事業手法の代替性等もふくめ協議し、多くの意見を踏まえ事業をすすめているところであります。

 さらに、審査会における討議内容につきましては、審査会資料や議事録などを公表し、審査内容の主要な部分について、ホームページに掲載するなど、評価過程への透明性の確保にも努めております。今後ともこうした制度を活用することにより、適切な投資事業の評価につとめていきたいと考えます。

 なお、評価対象としている国庫補助事業については、維持補修費や災害関連をのぞいた新規事業総額の95%の事業を対象としておりまして、1億円未満の事業は、緊急対応を必要とする事業が多く、評価に適さないことから、評価事業はこれ以上拡大する必要がないと考えております。

公共事業依存型からの脱却

■質問■次に、公共事業依存型からの脱却についてです。
 私は、経済対策や雇用の確保を旧来型の公共事業に過度に依存するやり方ではなく、福祉・医療の充実、教育、環境、地場産業など地域産業に力をいれて地域経済の活性化、雇用の拡大をはかる方向に改めることを提案いたします。

 大規模な公共事業ほど雇用効果は乏しく、経済波及効果も低いという結果は、さまざまなデーターや研究から明らかになっています。一方、県民の切実な要求である福祉や医療の充実、教育、環境はいずれも人手のかかる産業です。建設する時の雇用に加えて、現在の特別養護老人ホーム入所希望者数に見合う施設建設を実行すれば常用雇用が4,000人近く、30人学級の実現では4,750人の雇用拡大となります。

 県内の地域経済への波及効果でも、大型開発は県外のゼネコンへの発注が多く、せっかくの投資も県外にその多くが流出しますが、この分野への投資は県内を循環し、県内経済への効果はより大なるものがあります。たとえば福祉に力を入れる施策に本格的に切り替えるとすれば、民間住宅のリフォームをはじめ、歩道整備などまちづくり、鉄道駅舎や交通機関などにバリアフリーを全面的に広げることで、県下の中小業者の仕事づくりになり、地域経済の活性化に大きな役割を発揮することになります。このように公共事業の中身も、中小企業の受注の多い、生活型・福祉型のものに重点を移し、そのための予算を抜本的に増額することを提案するものです。

(問7)そこで県の行財政構造改革「見直し」の柱として、旧来型の公共事業に過度に依存するやり方から脱却し、福祉・医療の充実、教育、環境、地場産業など地域産業などに力を入れて、地域経済の活性化、雇用の拡大をはかるやり方に抜本的に改めるべきと考えますが、知事の答弁を求めます。

▼答弁▼藤本副知事:本県の投資事業は、これまでから福祉や教育、生活環境整備など、県民生活に密着した生活関連社会資本整備を、重点的に推進してきた。昨年度は、現下のきびしい経済・雇用情勢に鑑み、1月補正予算において公共投資を追加し、地域経済への即効性の高い事業を重点的に推進するとともに、生活関連施設等の維持・修繕の促進にも意をもちいたところです。

 また、ひょうご経済・雇用再活性化プログラムにもとづき、セーフティーネットの構築、地域産業の活力増進等に取り組んできた結果、昨年度の仕事・雇用創出は、目標の1万7500人を上回る、約2万1000人の実績を確保いたしました。本年度当初予算では、投資事業費総額を前年度比96.4%にとどまるなかで、社会福祉施設等整備費は98%、県立学校整備費は102%、県営住宅の修繕費は100%、民間住宅のリフォームを促進する「人生80年いきいき住宅整備費補助」は128%、歩道整備費は115%とするなど、着実に整備をすすめております。さらに中小企業の発注率にも意をもちいており、78%を前年度を上回る目標に設定しております。

 今後とも地元産業が求める需要の創出、短期対策、中小企業の活動展開の強化等をはかるなど、経済・雇用の再活性化を着実に推進してまいりたい。

 本年度実施する、「行財政構造改革」の点検にあたりましては、組織・定員・給与等、業務執行体制、さらには福祉・医療・教育・環境などの行政施策、そして公共事業などの投資的事業等について、評価・検証を行なうとともに、これらがバランスのとれた見直しになるよう配慮してまいりたい。

介護保険 減免など負担の軽減、特養ホーム待機者の解決

■質問■質問の三番目は福祉の施策充実についてです。
 その第一は、介護保険制度についてお尋ねいたします。

 今年4月、介護保険料の改定が行なわれ、県下でも21市55町で保険料が値上げされました。県平均で年額約4,900円、14%もの値上げとなり、値上げ幅が最も大きかったのは、稲美町、八鹿町で年15,600円、5割ものアップです。

 今回の保険料の値上げは、わずかな年金暮らしで介護保険料の負担に苦しんできた高齢者にとって、医療費の値上げに加えて年金支給額のカットと、2重にも3重にも負担は重くなり、不安を募らせるものとなっています。

 わが党はこれまで法第128条に基づいて、保険料の軽減策など市町への財政支援を繰り返し求めて参りましたが、県は「既に各市町で減免制度が作られている。」とか「国が5年をめどに行う制度見直しの動きを注意深く見守っていきたい」などと答えるだけで、責任を国や市町に押しつけてまいりました。

 そもそも介護保険制度は、施設やサービスを充実すればするほど経費がかかり、保険料に跳ね返って値上げしなければならないという大きな矛盾をはらんでいます。

 さらに、やむを得ず財政安定化基金の借り入れをしている2市15町すべてが保険料を年額で6,000円から15,600円も値上げしています。この財政安定化基金を借りると3年以内に返済しなければならず、それがまた保険料の値上げにつながるという悪循環にもなっているのです。

 そんな厳しい財政状況の中で、介護給付費準備基金を取り崩したり、一般財源の繰り入れをするなどして少しでも保険料の値上げを抑えようと努力をしている市町も少なくありませんし、年金収入の少ないお年よりのことを考え、減免制度を創設している自治体も、県下では16市19町とこの1年間に約2倍にも広がっております。このような高齢者の不安を解消し、安心して介護を受けられる体制づくりに向けて市町が苦悩しているときに、県として国の保険料減免についての「三原則」を押し付けることはもとより、市町の努力に無責任な態度でいることは許されるものではありません。

 昨年3月の参議院厚生労働委員会でわが党の井上美代議員が、国の「三原則」の撤回を求めたのに対し、坂口厚労相は、「自治体がやるというのなら、その自主性を尊重する」と答弁をしています。

(問8)そこで、減免制度の拡充を行おうとする市町の自主性を尊重する事は勿論、市町の努力を県として支援するため、低所得者に対する県独自の減免制度を創設するようあらためて求めるものです。

▼答弁▼斎藤副知事:介護保険制度は、介護を社会全体で支える観点から社会保険方式をとっておりますことから、受益と負担の関係が明確であり、サービス需要量が増加すれば高齢者の保険料も字上昇します。この点におきまして矛盾が生じているわけではないと承知しております。

 さらに、介護保険の給付財源には、公費も導入されておりまして、市町の収支不足が生じました場合は、国・県も拠出の場に加わった財政安定化基金で支援しているところです。また、市町が実施いたします、低所得者への減免措置の実施におきましては、保険者の主体的な判断と受け止めており、これについても、社会保険制度であることを踏まえ、一般財源を投入することは適当ではないと考えており、県として独自の減免措置を創設することは考えていないところでございます。

■質問■次に、特別養護老人ホームなど施設整備についてです。
 わが党は、深刻な特養ホームの待機者の解消を繰り返し求めてまいりました。

 県はこの間、特養ホームの待機者数について、正確に把握するとして、2001年1月、2002年1月と実施しました。その結果、申し込み者数は2001年は4,697人、昨年は8,593人と大幅に増大しています。私たちは、その都度、「施設不足は明らかであり、実態にあわせて計画を見直し、大幅な増設を」と求めましたが、県は「予約的な申込者がいる」とか、「要介護度の低い人が含まれている」などと理由をつけて県民やわが党の要求を拒否しつづけてまいりました。

 さらに昨年10月、県は独自に定めた基準に基づく「コーディネート・マニュアル」によって、特養ホームの「再申込み」を行い、申込者総数9,257人のうち、第1グループの1,557人だけを「入所の必要性が高い」と判定し、残り8割以上の第2・第3グループおよび、老健施設での待機者全員を入所対象から事実上除外してしまったのです。コーディネートマニュアルの四項目はすべて在宅の困難性を示すものであり、一項目でも該当すれば特養ホームの対象となるはずです。それを三つのグループに分けること自体、実質的な「絞込み・入所制限」です。

 県が「恣意的に」定めた基準からひとつでも外れると「特養対象ではない」と切り捨てる姿勢は、「援護を要する人が、自らの意思でサービスを選択し、いつでも、どこでも利用できるとともに質の高い、ニーズに即したサービスが、総合的、一体的に提供できるよう基盤整備を促進する」とした本県の「介護保険事業支援計画」の理念が全く「絵空事」であったことを証明しているではありませんか。

 しかもこのように絞りに絞り込んだ1,557人の「入所の必要性の高い」人ですら、新規整備施設で対応しようとすれば、最長2年待たなければ入所できないのです。その上、第2、第3グループ3,374人も特養に入所する必要があり、県が「在宅の困難性を抱えている」と認めている人たちです。その他、県が除外している老健施設や療養型病床群に入っている2,567人を加えれば、不足数は5,000床を超えます。
 さらに今後、特養の希望者は増加することはあっても、減ることは考えられないことからも、抜本的な計画の「見直し」がなければ、待機者問題の解決はありえません。

(問9)県はこれまで問題解決を放置してきた反省の上にたち、待機者解消のためには、実態に見合った計画に見直し、大幅な特養ホーム増設を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

▼答弁▼斎藤副知事:介護保険事業支援計画につきましては、保険者である市町が、今後必要なサービス量を見込んだものを積み上げて本年3月に改定したことでございます。これを今見直すことは考えておりません。なお、マニュアルの運用につきましては、老健施設等入所者はすでに個々の状況に応じた介護保険サービスを受けておりますので、待機者から除外をしております。また、第2・第3グループは、在宅生活の可能性を総合的に勘案いたしました結果、「入所の必要性が高い第1グループに次いで、入所を支援することが適当」とされたところであります。県として、本計画にもとづき、着実な施設整備を促進するとともに、入所マニュアルの円滑・適正な運用を通じまして、真に入所の必要性の高い人がすみやかに入所できるよう取り組んでまいりたいと考えている。

障害者支援費制度の問題点の改善

■質問■次に障害者の支援費制度についてお尋ねします。

 今年4月から「障害者支援費制度」がスタートしました。
 これまで、本県ではホームヘルパー派遣など居宅生活支援に8,700人余、施設訓練等支援に9,000人以上が支援費申請をし、ほぼ全員が支給決定、受給者証が発給されたとなっています。

 私は、昨年11月の代表質問で、「支援費制度は障害者の福祉施策に対する公的責任をあいまいにしようとするものであり、県の市町に対する指導責任を果たし財政支援を行うこと」を求めました。知事は「きめ細やかな指導助言を行い、着実に準備は進んでいる」と答弁されたのです。

 しかし、スタートしてまだ3ヶ月もたっていないのに、マスコミで報道されたように、サービス量の上限が定められたことで、24時間介護が必要な重度障害者への対策があまりにも不十分であったことも明らかになりました。

 また、初歩的な問題として「支援費制度」について知らされていない障害者が数多く存在していること。受給者証を交付されても契約する事業所がない。事業所が見つかっても、資格を持ったヘルパーなどが少なく、希望どおりサービスを受けることができない。などの苦情が相次いでいます。

 また、障害者にはその人にあった具体的なケアプランこそが重要であるにもかかわらず支援費の制度ではそれがなく、大まかなサービスの種類とサービス時間を決めるだけとなっています。介護保険と比較してあまりにも不十分です。また、支援費専門のケアマネージャーがいないため、障害者や家族が市町の担当者に相談しても説明はしてくれるが、親身に相談に乗ってもらえない。専門知識をもったケースワーカーや施設職員などに相談出来ればよいが、介護保険と違いケアプラン策定に対する費用が一円も出ないため、勤務時間外にボランティアで頼まなければならない。その他、「重複障害」などの加算金が通所施設にはつかないために施設の収入が減り運営に支障が出ている。などさまざまな問題点が出てきています。

 「支援費制度」は障害者の選択と決定を尊重する利用者本位の制度であると宣伝されてきましたが、これらの現実から介護保険同様「理念倒れ」になっていることは明らかです。

 これらの問題点を整理しますと、第一に、制度そのものに不備や不十分さがあること。 第二に、施設など基盤整備の遅れで、利用者の障害やニーズに合った事業所が少ないこと。 第三に、事業所特に施設の運営経費の後退。 第四に、県の責任であるケアマネージメント従事者など人的養成や市町の担当者への指導の不十分さなどがあげられます。

(問10)そこで、国に対して専門性を持ったケアマネージャーの制度化やケアプランへの財政保障など制度改善を求めると同時に、県としてケースワーカーの増員やヘルパー養成、財政支援など直ちに実施することを求めます。すべての障害者が安心して必要なサービスを受けることができるように、積極的な答弁を期待いたします。

▼答弁▼斎藤副知事:支援費制度の導入にあたりましては、市町職員等にたいしますケア・マネイジメント従事者の養成に努めますほか、確保が急がれるガイドヘルパーの養成をはかっているところでございます。また、サービスの提供態勢におきましても、居宅サービス事業者が増えてきておりまして、サービス不足の地域におきましても広域的な対応や、市町独自の事業者の認定等により、個々のニーズ対応が可能であると考えておりますが、今後とも市町と連携いたしまして、事業者の確保にいっそう努めるとともに、支援費制度の周知についても、いっそう努めてまいりたい。

  一方、ケア・マネイジメントの制度化、実態にあわせた支援費基準の見直し、市町の相談支援等に要する経費の財政支援措置などにたいしては、政府に対して強く要望している。

教育問題 30人以下学級の実施

■質問■最後に教育問題として30人以下学級の実現について質問いたします。

 いじめや不登校、学級崩壊など子どもたちを取り巻く環境は、年々深刻さを増しています。これらの教育問題を解決するため、少人数学級の取り組みは各地に広がり、全国29の道府県で実施され大きな流れとなっています。

 少人数学級に踏み切った自治体では、どこでもその効果が認められており、一部の学年だけでなく全学年に広げてほしいという要求があがっています。

 本県でも、30人以下学級の実現を求める請願が議会ごとに提出されるなど県民の声は日増しにたかまり、わが党議員団も、知事や教育長に繰り返しその実施を求めてきたところです。

 しかし、県はあいかわらず「義務教育は国の責任で行うべき」「少人数学級の効果に決め手がない」などと責任逃れを繰り返すばかりです。いつまで県民の切実な願いに背を向け続けられるのでしょうか。

 姫路市が行った児童・生徒対象のアンケート調査では、小学校で61.2%,中学校で71%の子どもたちが「学級の人数が今より少ないほうが良いと」少人数学級を望んでいる結果が出ています。この結果を受けて、少人数学級のあり方を検討しようと「姫路市立小学校学級編制検討会議」が設置され、今年1月に「学級編制のあり方についての提言」が発表されました。

 『提言』では、「子どもたちに、基本的な学習・生活習慣を身につけさせ、社会生活上のルールを学び、人と人との関わりの中で、望ましい人間関係を築くと共に、真の『学力』を身に付けさせるために」と、少人数教育の必要性を明確にうちだしています。そこで、「検討会議」では、少人数学級と複数担任制の両案が検討されましたが、少人数学級は県の同意なしには導入できないことから、結局4月から、原則として小学校1・2年生に一学級でも36人以上の児童が在籍している場合には、非常勤講師を配置する市独自の複数担任制が始まりました。

 しかし、『検討会議』の提言にも明記されているとおり、姫路市が本当に実施したかったのは少人数学級であります。県の同意さえあれば少人数学級編制を実施できるようになったにもかかわらず、県がかたくなに少人数学級を拒否し続けるばかりに、結果的に市町が独自に実施したいという「願い」すら抑えこんでいるではありませんか。

 県下ではその他、赤穂市や尼崎市などいくつかの市町においても、少人数学級の実施に向け検討・研究が始められ、県としての実施が切実に待たれています。
 大阪府教育委員会は通達で、市町独自に少人数学級を実施する事への同意を明記し、岸和田市などで少人数学級が始まっているところです。本県でも、それぐらいのことをやって当然ではありませんか。

 県は少人数学級をしない理由を色々と言われますが、知事は、定例記者会見の中で30人学級についての質問に対し「要は財政問題だ」と明言しています。 義務教育については本来国が行うべきものであることは間違いありませんが、国の不十分さを補うのが県の責務であり、結局知事の政治姿勢の問題であります。国が実施してもその経費の二分の一は県負担でありますから、せめてその分だけでも出して支援をすれば市町の負担も少なく実施できるのです。

 かたくなに拒否をされるのではなく、県としても予算を組んで教員を配置すれば、子どもたちや父母、関係者から、どんなに喜ばれるでしょうか。ぜひ知事に、そのような姿勢を示していただきたい。

(問11)わが党が今年二月県議会代表質問で提案したように、当面小・中学校1年生からはじめるとすれば45億円あれば実施できるのです。「県行財政構造改革」の本格的な洗い直しをするのであれば、不要・不急の大型プロジェクトこそ見直し、人間を育てるための教育予算の財源を確保し、30人以下学級の実施に県としてふみきるべきです。全国の大きな流れに遅れないよう、改めて知事の英断を求めまして、私の質問を終わります。

▼答弁▼武田教育長:少人数学級のあり方につきましては、国の教育政策研究所等におきまして、調査研究がすすめられておりまして、あわせて本県におきましても平成13年度から学級編制の弾力的取りあつかいにかかる調査研究校を指定して研究をすすめています。現時点では、メリット・デメリット双方あり、少人数学級編制を画一的に実施することについて、なお解決すべき課題があると考えております。こうした観点から一律に学級編制基準を引き下げるのではなく、国の第7次教職員定数改善計画を最大限に活用しながら、各学校で主体的に総意工夫をこらすとともに、加配教員など、学級担任以外の多くの教職員も加わる中で、新学習システムを5ヵ年計画で、市町教育委員会と連携しながら着実にすすめていくことにしていきます。

市町合併誘導、障害者支援費の県の責任、30人学級実現せまる

■再質問■答弁は、どれをみても中を突っ込んだものになっていないと実感しながら、3点について再質問をさせていただきます。

 一点目は、市町合併の問題であります。わたくしが指摘をしました、県としての一方的な資料であって、市町にとって、それを見れば、よほど気をつけてやらない限り、「合併誘導」「合併せざるを得ない」という方向に誘導しているではないか、その結論は知事は認められませんでしたが、わたしが指摘した資料、シミュレーション・マニュアルの現状と県の交付税(資料)の指摘というのは、認めたと思います。そういう資料を出すこと事態、いくら「地域の実態に合わせて試算をしなさい」ということを言っても、現に県下25団体、4市40町がこの県の資料をもとに収支見通しを作成し、公表しているわけで、そのほとんどが合併、合併とすすめられています。その根拠を調べてみると私が質問でとりあげたものになっているわけです。ですから、その結果が大きく誤っているのではないかと指摘をしているのです。もう一度正しい資料、試算をしなおし、わたくしは原点に返るべきだと考える。そのためにも資料の撤回・回収、そしてシミュレーションマニュアルそのもの「間違っている」と厳しく指摘をしたい。あらためて答弁を求めたい。

 次に、障害者支援費の問題です。ケアマネージャーの制度化を国に要請しておられることは評価できますが、県として本当にやるべきことをやっているのかどうか、ケアマネージャー従事者の養成をされて、346人が研修を受けておられますが、そのうち一体何人が現場で対応しておられるのか、県としてはつかんでおられない。市町や障害者の方にお聞きしますと、県の責任をもっと果たしてほしい、もっとちゃんと責任をもってほしいと言われております。ガイドヘルパー養成、これもまだまだ不充分であります。県として、ケアマネージャーが制度化されるまでは、専門家であるケースワーカーの増員をぜひ求めたいと思いますが、いかがですか。

 3点目です。30人以下学級です。今日の教育長の答弁は、従来と変わっていません。「研究しているが、なお解決する課題がある」ということですが、そうすれば、せめて大阪府のように標準法第5条にもとづく県の同意、これをしないのか、市町が自分達でやりたいと思っても、県の同意がなければできないわけであります。大阪府は、条件はついていますが、この同意を出しているわけです。兵庫県は市町の意見に対して、すくなくとも同意をしっかりと出していただきたい。

▼答弁▼井戸知事:市町行財政シミュレーションマニュアルは、昨年春に策定したものでありますが、その際におきます一番最新の知見、知るべき情報は、経済諮問会議におきまして示されておりましたフレームでありまして、そのフレームにもとづいて試算することが望ましいという意味で、交付税等の試算のベースを示したものでありまして、さらにそれよりも望ましい計算をなさるのであれば、当該市町が自主的に計算をなさったはずであります。われわれは、これをやるべく強制したわけではありません。参考にされたのは、合併を議論されている市町の側であります。われわれは、基本的に当事者ではないわけですから、当事者がそれらの試算結果をベースに議論を深められた。そして、そのような議論を展開されたと承知しております。

▼答弁▼斎藤副知事:ケアマネージメント従事者の研修につきましては、平成11年度から昨年度までで、合計346人養成しており、そのうち市町で相談に従事している人数はのべ170人です。 また、人事異動によりあらたな担当となった人など、現在相談業務に従事していながら、研修を終了していないものについては、市町における研修のほか、県としても引き続き障害者ケアマネージャー養成研修を中心として、対応してまいりたい。

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