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第274回本会議追加議案討論 増井きみえ
2003年2月27日

 私は、日本共産党を代表して、今議会に追加上提されている議案129件のうち、議案第333号、第335号、第337号、第339号、第340号、第342号、第344号、第347号ないし350号、第352号、第353号、第356号、第358号ないし361号、第382号、第390号、第401号、第438号ないし440号の24件に反対し、以下その主な理由を申し述べます。

ムダな用地などを借金ですすめる補正予算

 一般会計など補正予算案は、総額897億円を減額補正するとしています。減額の大部分を占める424億円もの県税収入の減という結果は、長期の消費不況が県民のふところを直撃したもので、その深刻さを表しています。
 これは小泉内閣の「構造改革路線」、不良債権処理による中小企業いじめやリストラによる大量失業など本県の経済に大きな打撃を与えていることの表れです。
 さらに県民犠牲の県「行革」が福祉や医療などを中心に県民に負担増を押しつけた結果が県税収入の落ち込みを加速させていることを証明しているのではないでしょうか。
 こういう中、一方で200億円をこえる借金を増やし、急いで取得する必要のない用地取得や県事業の失敗である夢舞台のウエスティングホテルなどを買収。また、国直轄事業の負担など補正予算の中には多くの問題のある事業が含まれています。 
 以下、個別に、反対理由を述べます。

神戸東新都心 「日赤新病院」へ土地無償提供で63億円も

 まず、第333号議案、「平成14年度一般会計補正予算案」についてです。
 この補正予算案は、例えば介護予防・生活支援事業費補助を当初予算の3分の1に相当する7億円余りも減額カットしています。また、住宅対策費のうち住宅復興ローン貸付金など借りたくても借りられない実体に対処せず約22億円も削減しています。
 このように県民の福祉・医療・住宅分野を犠牲にする一方、1月補正で公共事業など310億円の増額をした上に今回さらに道路など県土整備部の国直轄事業負担金は多額の借金をしてまで約79億円も増額、ゼネコン向け開発予算は確保しています。
 さらに神戸東部新都心に、「日赤新病院」用地を約48億円、「赤十字血液センター」用地を約15億円。合計63億円余で買収する予算を借金までして計上しています。元々この土地は、震災後土地開発公社が震災復興のために先行取得した用地です。これを県が買い戻し日赤病院に無償提供するとの方針が今回初めて明らかにされました。
 日赤は神戸日赤と須磨日赤の2病院を廃止して東部新都心に新築移転することにしています。須磨日赤の地域住民からは、病院を存続して地域医療を守ってほしいとの切実な要望があるにもかかわらず廃院・移転を強引に進めたもので、住民のみなさんは今も不安を抱いています。
 しかも、日赤はこの2病院の用地は民間業者に売却すると言っているのですから、新日赤病院と血液センターの用地費は当然日赤に負担してもらうべきです。厳しい財政事情にあるにもかかわらず、地域住民の切実な要求に背を向けている日赤に県が用地を無償提供するなどとうてい認めることはできません。
 また、今回の補正予算案の特徴の1つは県職員の給与を90億円以上削減していることです。これは県民と県職員に犠牲を押しつける県「行革」の一環であり、職員の志気や兵庫県経済に与える影響からも認められません。民間と公務員の賃下げ競争が、ますます経済破綻の悪循環を生み、さらに県民のくらしを疲弊させ、不況に拍車をかけることが懸念されます。
 兵庫県職労県庁支部が行った経済連関表による試算では、県職員の今回の賃下げが兵庫県経済に与えるマイナス効果は、654億円にも相当するとの試算さえあります。これが県税収入をさらに落ちこませることなることは目に見えています。
 特別会計補正予算案のうち第339号議案、「平成14年度兵庫県流域下水道事業特別会計補正予算案」は、日本下水道事業団の流域下水汚泥処理事業施設を東西合わせて658億円で県が買い取ろうとするものです。必要財源はすべて起債です。これらの施設のうち「西エース」は、近い将来大規模改修が必要であることをはじめ、維持管理費など負担増が想定されるなど将来見通しが不明確であり、本案は認められません。関連する第359号及び第360号並びに第439号及び440号の4つの議案は、同様の理由で賛成できません。
 また、県営住宅特別会計など6件については、職員給与の削減問題が含まれており一般会計と同様の理由で認められません。

第3セクター淡路夢舞台 過大な投資のツケ、131億円でホテル買収

 第二に、病院事業会計及び公営企業会計についてです。
 第351号議案を除き、職員の人件費削減予算が各会計に入っており反対です。
 特に、第352号議案、「地域整備事業会計」で企業庁が、43億円の累積赤字を抱える第3セクター「株式会社淡路夢舞台」のために約131億円を計上してウエスティンホテルと関連施設を買い取り、改めて同社に賃貸することにしています。これによって原価償却費と固定資産税を肩代わりする「リースバック方式」を導入しようとしています。私たちは当初より投資が過大であること、経営見通しが甘すぎることなどを指摘し、事業に反対してきましたが、当局は強行し、今回このような事態になったのです。しかも今回の計画も他の共同出資者にも応分の負担を求めることをせず、予想以上の赤字の原因分析も甘く、将来の見通しも曖昧であり、認めることは出来ません。

市町合併押し付けのなか「国保広域化」条例

 第三に、条例案件に移ります。
 第356号議案「国民健康保険事業広域化等支援基金条例制定の件」についてです。
 これは国民健康保険法の一部改正により、国と県とが2分の1ずつ負担し、合併に伴う保険料の市町間格差を平準化するために、必要な資金を市町に無利子で貸し付けること、または一部事務組合の国保財政の安定化のために貸し付けるために基金を設けるためと称して条例を制定しようとするものです。
 しかし、対象となる一部事務組合は全国でも二つしかなく、本県には一つもないのですから、まさに合併促進のための激変緩和措置であり、小規模自治体切り捨て、合併押しつけがすすめられている中、住民自治を守る立場からこの案件を認めることはできません。 第358号議案、「県が行う建設事業について市町の負担すべき額を定める件」についても、これまで主張してきたとおり市町への不当な負担を求めるもので認められません。

県営住宅家賃滞納出訴の3件を反対、あらたな対策を求める

 次に事件議案についてです。
 県営住宅の家賃滞納者に対する出訴案件についてです。
 私たちがご本人に直接面談し、県当局からも聞き取りをした中で、第382号、第390号、第401号議案の3件は、現段階では当人たちの努力を激励・支援すべきで、出訴には賛成できません。
 なお、県住の家賃滞納に伴う出訴が急増しておりますが、今議会の一般質問でも我が党の議員が述べたように、家賃滞納の早い時点で相談に応じられる専門職員を配置した横断的な機構を整備すること、また、ホームレス自立支援法の具体化、世界人権規約の遵守をこの際強く要望しておきます。 
 第438号議案、「通常砂防事業観音寺川用地取得の件」は、六甲グリーンベルト整備事業で、2億1000万円もかけて土砂災害防止を口実に必要のない用地を買収するもので認められません。
 
 以上で追加議案に対する反対討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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