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本会議の目次へ 第274回本会議代表質問 筒井もとじ
2003年2月20日

■質問■ わたしは、日本共産党県会議員団を代表して、本年度の予算編成の基本姿勢、県民の命にかかわる福祉・医療の問題、経済・雇用対策の充実をはじめ、被災者支援や教育、平和、公共事業の談合問題、ハンセン病問題の8つの柱で、知事に質問いたします。

不況を深刻にさせた県「行革」をやめ、予算の見直しを

■質問■小泉失政による不況の一層の深刻化で、県民生活の苦しさは増すばかりであります。いま、県民にとって、兵庫県政、その予算が県民のくらし・福祉や中小企業に手厚く応援する予算にすることが、痛切に求められています。
 知事は、来年度の予算編成にあたって「税収が落ち込むなかで、前年なみの予算確保した」とし、「投資的経費を、いかに確保するかが最大の焦点」と説明しています。つまり、従来型の公共事業中心の景気対策です。そして、県民に負担増を押し付けてきた「行財政構造改革」は、来年度も続ける方針です。
 この路線の「破綻」は、もはや誰の目にも明瞭となっています。確かに県税収入は、対前年比で、2000年から、毎年軒並みダウンを続け、3ヵ年で1000億も減少しており、県民税と法人関係税の減少は深刻です。問題は、この減少の背景、原因についてです。
 われわれは、従来から、一貫して、97年に強行された橋本内閣の消費税増税をはじめとする9兆円の国民負担増と、その後、兵庫県が2000年2月からはじめた「行財政構造改革」による県民への負担増が大きく影響していることを指摘してまいりました。
 県「行革」は、3年間で276億円もの負担増をし、今年はさらに老人医療費公費助成などの医療・福祉や私学助成の削減など、98億もの削減をする計画です。
 これが、小泉自・公内閣がすすめている、「不良債権処理」の名による中小企業つぶし、健保の本人3割負担、介護保険料の大幅値上げ、所得税、発泡酒などの増税とあわせると4兆円を超える負担増と相まって、地域経済をさらに冷え込ませることは明らかではないでしょうか。
 一方、全国の自治体で、くらし・福祉をまもる自治体本来の姿をとりもどす動きが、急速に広がりました。長野県では「脱ダム」宣言を行い、90年代には年間4000億円だった公共事業を、2年間で2400億円に大幅削減しています。さらに「財政改革推進プログラム」(案)では、公共事業4割削減、県単事業5割削減という方針で、4年後には公共事業費を1700億円まで縮小するという大胆な方針であります。
本県の「行革」が、「削るべき」公共事業を温存し、「強めるべき」県民の福祉や医療を削減しており、長野県と同じ「財政改革」という名前でも、中身はまったくちがう対照的なものです。
 特に、関空2期は、利用が伸び悩み、国の審議会でも「供用開始」の結論が出せないほど見通しがないにもかかわらず、県は無批判に税金から「出資」を続けています。また、神戸空港にも昨年にひきつづき補助を増額しています。国の悪政の「防波堤」になるどころか。相も変わらず無駄な公共事業をどんどん推進し、4兆円の借金をさらに積み増し、財政運営は行き詰まらざるをえません。
 わが党は、県の新年度予算編成にあたっての重要政策提言や予算申し入れで、541項目の提案を行い、県民犠牲の「県行財政構造改革」推進方策の見直し、ムダな公共事業優先を改め、福祉、くらし、被災者支援に転換し、公共事業の中身も生活や環境型重視にすれば、地元中小業者に仕事が多くまわり、経済たて直しにもつながると提案しました。
 そこで、まずはじめに知事に伺います。
国といっしょに県民に「痛み」を「増幅」させる県「行革」が、不況を深刻にさせたことを「認め」ますか。県「行革」を中止し、社会保障の充実やムダな公共事業の削減で、「地方自治の本旨」にたち帰ることが何よりも望まれます。新年度予算を抜本的に見直しするよう、知事に明快な答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事
 まず、新年度予算編成の基本姿勢についてです。本県の「行財政構造改革」は、厳しい経済状況を踏まえ、これへの対応を先取りして、中長期にわたる財政の健全性と弾力性を維持しつつ、21世紀という新しい時代の県民の要請と社会経済構造の変化に対応するために、平成11年度から取組み既存制度の見直しを行う中で、新規財源を確保し県民福祉のさらなる向上を図るものとして推進をしているものであります。
 新年度の予算編成においても、限られた財源の重点配分と新規施策等の財源を確保して、県民生活の安定や未来への期待を育む施策等に積極的に取組むこととしました。
 また、投資事業につきましても既存の社会資本ストックの有効活用に取組みながら、厳しい経済雇用情勢を踏まえ、「デフレギャップ」を少しでも埋めるため、県内需要を喚起することとし、必要な事業量を確保したところであります。「兵庫再生予算」としての推進をはからせていただきます。
 また、構造改革により新年度予算と併せて373億円の負担増とのご指摘もありますが、スクラップ・アンド・ビルドを基本としてこの間に既存の事務事業の見直し額を大幅に上回る約818億円の新規施策、今年度は約100億円の新規施策を展開しておりますことを申し添えます。
 さらに今年度は「推進方策」の中間年でもありますので、総点検を行う中で、成熟社会にふさわしい兵庫県政の推進これを実現する行財政構造の確立をめざしてまいりたいと考えております。このページの上へ

健保本人3割の「凍結」! 
   県老人医療費公費助成の改悪中止を!

■質問■  次に福祉・医療に関わって2点質問いたします。
 まず、医療の問題です。昨年10月高齢者の医療機関での窓口負担の定率化が行なわれてから、日本医師会の調査でも、10月と11月の、一人あたりの受診日数が減り、診療所外来では前年比で15%も医療費が減っています。
 開業医の方々によって組織されている兵庫県保険医協会にも受診抑制の実態がよせられています。「往診回数を減らして、薬だけ出してほしい」という患者さんや、70代の男性で糖尿・気管支の治療で在宅酸素療法をしていたが、「月1万円もの負担はできない」と在宅酸素を中止するなど、生命にかかわる重大な受診抑制の事例まであります。
 政府は「必要な医療は抑制しない」と言っていましたが、「抑制」どころか、現実に治療の中断が起こり、必要な治療がされていないのです。
 4月からさらに、健保本人3割負担がされれば、高齢者以上の広範な悪影響を及ぼし、国民の命がおびやかされることは疑いありません。
 県はこれまで、政府の医療改悪を、「長期的に安定した医療制度のために必要なもの」と答弁されてきましたが、このような深刻な現実を見ても、同じような認識なのでしょうか。
 日本医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会は、連名で「医療改悪」に対し、国民の健康への国の責任を放棄し、国民皆保険制度を根底から崩壊させるものとして、本年4月からの健保本人3割負担の凍結や、高齢者負担の軽減を強く求めています。
 県として、この動きを支持し、国にたいして健保本人3割負担の「凍結」を申し入れるとともに、こうした時にこそ、県自身も老人医療費公費助成制度で今年の3万人対象者削減を中止すべきですが、いかがですか。

▼答弁▼斉藤副知事
 急速な少子高齢化など、医療を取り巻く環境の大きな変化に対応いたしますために行われました今回の医療制度改革は、すべての国民が安心して良質な医療が受けられるよう、中長期的に安定した制度の確立をめざして行われているものと承知しているところであります。
 また、本県の老人医療費公費負担助成制度につきましても、昭和48年の制度発足以来、高齢者を取り巻く環境が身体面や所得面で大きく変化しており、単に高齢者であるとの理由で老人医療費について公費負担をする必要性は低下していると言えるところでございまして、このため一般所帯と高齢者所帯との間の負担の均衡を図るため、県民の理解を得た行財政構造改革推進方策の一貫として、所得制限の見直しを実施しているものでございます。このページの上へ

介護保険料の負担の軽減と、実態に見合った特養ホーム建設計画を

■質問■  次に、介護保険制度について伺います。
 介護保険が導入され3年がたちます。高い保険料や利用料の問題。また「施設に入りたくても入れない」など地域や所得によってその利用に大きな差が生まれています。
 今年の「見直し」による各市町の保険料の改定値は、全国平均の11%よりも大きく上回り、1000円から、2000円近くもあがる所も出て、県全体でも、現行から平均456円、16%も上昇する見込みです。
 お年寄りからは「これ以上の負担はとても耐えられない」と悲痛な声が聞かれます。そのなかで、保険料を従来と同額かわずかの値上げに据え置く努力をしている市町もあります。県としてそのような市町への財政的支援が求められます。
 また、低所得者向け「特別対策」としての訪問介護利用料の軽減措置がなくなる予定となっていますが、今まで通りの負担軽減の継続を、国に求めるとともに、県としても支援すべきです。
 介護保険の2つ目には、わが党が一貫して主張している特別養護老人ホームの待機者解消のため、施設増設の問題です。
 県は「第2期介護保険支援計画」を3月に作成します。「第1期計画」では、待機者が大問題となり、建設・整備を「前倒し」してきましたが、その原因は、「国基準」がもともと低すぎて、実際に希望する申し込み者と大きな「ずれ」を生じたことに加え、県も待機者の把握と対応が後手にまわったことです。
 この失敗・教訓を生かし、次期の計画は、国基準にあわせるのではなく、県下の実態に見合った大幅な増設計画にするべきです。
 実態をつかむ上で、昨年の県の「入所コーディネートマニュアル」による特養ホームの「再申し込み」後の状況の掌握が欠かせません。依然として、各施設が多くの待機者をかかえている問題は解消されていません。この実態について、次期計画策定前に、早急に掌握することを求めます。
 以上、市町が介護保険料の上昇を抑えることのできる独自の財政支援と、実態、要望に見合った、「次期」特養ホーム建設計画をつくることを提案いたします。知事の決断を求めます。

▼答弁▼斉藤副知事
 介護保険の財源は被保険者の保険料と公費で賄うものとされており、県におきましても給付費の12.5%分、14年度では約255億円を負担することで保険料の軽減を図っておるところでございます。
 その上で、高齢者の保険料につきましては、各市町において地域の介護ニーズ等を勘案しながら住民の意見等も踏まえつつ決定しているものでございます。
 低所得者に対しましては保険料が所得段階別に設定されているほか、市町の判断によりまして減免も行えることとなっており、次期運営期間におきましても、引き続き各市町において必要に応じてこれらの措置が講じられるものと考えているところであります。
 また、保険料負担のあり方や低所得者につきましては、国が介護保険施行後5年を目途に行う制度見直し作業におきまして、制度の安定的な持続を図る観点から検討されることになっており、県といたしましてはこれらの動きを注意深く見守っていきたいと考えております。
 また、特別養護老人ホームにかかわります現行の整備計画は、各市町が参酌標準を参考にしながらも、地域の実状に応じて見込んだ数値をもとに、県計画として策定したものでございます。具体の整備にあたりましては、必要に応じて前倒しも図りながら計画的に整備を進めているところであります。県の2期計画におきましても、各市町が同様の手法で積み上げた数値を県の整備計画とするところとしております。
 なお真に施設サービスを必要とする人の速やかな施設入所をはかる「入所コーディネートマニュアル」の運用後の再申し込み等の状況につきましては、現在調査中でございます。このページの上へ

失業者対策、公的就労の創設を

■質問■  次に、経済・雇用対策についてです。
 中小企業は不況の影響を大きく受け、倒産・失業は減る気配がありません。失業率は全国で戦後最悪の5.4%で、兵庫県はワースト3位の7.4%と、19万7000人もの完全失業者をかかえています。
 中でも55歳から64歳の中高年は8.8%と全国ワースト1位です。
 家計をささえる中高年の失業者は、家庭生活が維持できなくなります。しかし、県の支援制度としては、借りにくい失業者向けの融資制度や、再就職の受講セミナーなどがあるだけで、実質的に国の「緊急雇用創出事業」だのみの状況です。とても失業者の規模や実態に見合ったものではありません。ぜひ、県として、県民に役立ち、失業者の雇用拡大になる公的就労を創設することを求めます。

▼答弁▼斉藤副知事
 雇用の場の確保につきましては、経済の活性化を通じて民主導により雇用機会の拡大をはかることが基本でありますが、現下の厳しい雇用情勢の元では、公的な雇用機会の創出も必要であると考えているところでございます。
 そのため、緊急雇用創出事業では、里山林の再生など「緑の公共事業」など新たな事業の実施や、既存事業の拡充により上積みをいたしたのをはじめ、売り上げ等の現象しております中小企業への事業委託を通じて、雇用の安定にもつとめているところでございます。このページの上へ

全国ダントツ2位 兵庫の悪質なサービス残業の一掃のために

■質問■
 雇用問題の2つめは、蔓延するサービス残業についてです。
 わが党がこの問題をとりあげ、積極的な対策を求めた際に、当時、井戸副知事は、「国が的確な指導と監督をしていると承知している」(平成13年度6月)と答弁されましたが、実態はまったく異なっています。
 兵庫労働局によると、一昨年4月から1年6ヶ月の間に、7413人に、総額18億2654万円の未払い割増賃金が支払われています。これは東京都に次いでダントツの全国2位の数字です。
 労働者は、夜遅くまで不払い労働をさせられ、家庭生活もままならず、過労死など、家族にとっても深刻な問題です。
 このようなサービス残業を一掃するような抜本的な対策と体制が求められていますが、国は逆に監督官の削減をしています。
 労働基準監督署がしている「定期監督」は、全国の職場のうち4%にまで低下し、兵庫では99年には7031ヶ所だった定期監督が3分の1も減らされています。逆に「労働者からの申告」は、県下で400件も増えていますが、その申告や相談に対応した体制強化はされていません。
 この状況で、井戸知事が以前答弁されたように、「国の的確な指導」が望めるでしょうか。監督を抜本的に強化するために、強く国へ要望するとともに、県も、これまで以上の啓発と相談体制の強化を求めます。特に、単なる「サービス残業が違法であること」だけでなく、「申告や告発」ができることや、実際に未払い金が払われている実績があがっていることを、労働者やその家族を含め、広く県民に知らせることが必要です。答弁を求めます。

▼答弁▼斉藤副知事
 ご指摘のございましたこのたびのサービス残業の是正結果につきましては、監督を行いました兵庫労働局としても重く受け止め、今後ともサービス残業の排除を図るため労働時間管理の適正化を重点に監督指導につとめるとともに、重大悪質な事案にたいしましては厳正に対処する考えであるとうかがっております。
 県といたしてましても国のこうした取組みと連携しつつ、兵庫仕事情報ひろばや地域労働相談、仕事情報広場でのきめ細かな相談、情報提供につとめ、さらに労働時間短縮に関する啓発をはかるため、県独自に製作配布しておりますパンフレットにおきまして労働時間についての労働者の権利にかかわります内容を盛り込みますなど充実をはかりますとともに、労働者に対する周知方法についても工夫を講ずるなど、サービス残業の解消に向けたいっそうの効果的な普及啓発につとめてまいりたいと考えております。このページの上へ

中小企業対策の予算の抜本増額を

■質問■  地域経済をささえる「カナメ」である中小企業はどうでしょうか。
 昨年末の県内の経営相談所が6業種800社対象にした中小企業の「景気動向調査」では、前年同期と比べ4期ぶりに悪化し、来期の見通しも「悪化」を予想する企業が大半となっています。
 「営業をなんとか続けたい」という中小企業者の願いはますます切実となっています。従来からわが党が求めてきました「借換融資制度」が第一歩を踏み出したことは評価しますが、この制度のさらなる拡充と同時に、さらに、県下中小企業への抜本的な支援策の充実へのステップにしていくことが求められています。
 日本共産党県議団は、昨年の9月議会に、「中小企業・地域経済振興基本条例」を提案いたしました。そこでは、県の商工予算のうち、融資のための預託金をのぞいた実質的な中小企業対策の予算が93億、一般会計の0.4%しかないことも指摘し、予算の大幅な増額を求めました。条例案は否決されましたが、県議会の討論で「中小企業対策は県政の最重要課題」であることが浮き彫りになりました。
 そのような流れを、県当局がどう受け止めたかは、今年度の予算に反映されなければならないはずですが、商工費全体が1割アップのなか、実質的な中小企業対策予算は、1億3000万円も減らされています。このページの上へ

銀行の「貸し渋り」から中小業者を守るために

■質問■  また、中小企業の大きな苦境のひとつに、政府のすすめる「不良債権の早期最終処理」にともなう、金融機関による「貸し渋り」「貸しはがし」があります。大手銀行は中小企業を「ランク分け」し、下位ランクは高い金利で、引上げに応じないところには回収を迫るなど、ひどい実態です。
 この点でも、わが党は、県で金融機関の地域の活性化への貢献度を評価する「貸し渋り・貸しはがし防止条例」をつくり、中小企業と地域経済に責任をもった「まとも」な金融機関を育成していくことを提案しました。昨年の決算特別委員会で、知事は「適当かどうか、自信がない」と申されましたが、県下の中小企業を守るためには、県が可能なことを何でもやる「気構え」が求められています。
 以上、中小企業むけ予算の増額をすることと、「貸しはがし」防止のための条例などの施策を求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事
 現下の厳しい雇用・経済状況におきましては、まず県内の需要の喚起、創造をはかる必要があります。投資量を確保する必要がありますので、厳しい財政需要にもかかわらず、また国や地方財政計画が抑制基調であるにもかかわらず、県単独投資につきまして先の補正予算計上額とあわせて100%を確保し、またその中小企業発注率にも配慮しているものであります。
 そして、今のような緊急自体でありますことから、中小企業を含む企業の継続を確保する上でのセーフティネットとして、県制度金融の充実強化や中小企業への相談機能の強化、商店街・小売市場の活性化支援等を行うほか、やる気のある中小企業への支援を強化し第2創業や新分野進出、ステップアップ対策等を重点的に進めていくことにしています。このために「兵庫県中小企業振興公社」を「兵庫中小企業活性化センター」に改組して総合力を発揮させるとともに、全体が横ばいの中で商工費は2958億円と前年度比10%の増額を確保したものであります。
 なお、県融資制度にかかる預託金は、中小企業の様々な資金需要に対応するものでありますので、これを除外して「実質的な中小企業対策予算」ととらえるのはいかかでしょうか。
 また、工業技術センターについても効果的な研究につとめるとともに、技術支援等に支障が生ずることのないよう必要な予算措置をいたしております。
 金融機関の地域への貢献度がどう評価されるかということにつきましては、本来、顧客・出資者をはじめ、市場において様々な観点から行われれるべきと考えます。条例の制定により県が一律の基準で行うのは適当ではないのではないかとこう考えております。このページの上へ

被災者本位の震災計画へ、支援法の抜本改正を

■質問■  次に、6433人の尊い命を奪い、今なお自殺や孤独死を始め震災が引き金となって、苦しみ続けている被災県民の、8年の歳月が経過した中での問題点について知事に質問します。
 まず、「震災復興計画最終3カ年推進プログラム」についてです。
 昨年の議会で、わが党は、震災と関係なかったとして「削った3兆円をこえる一般事業費を、被災者のために使う計画に見直せ」と迫ったのにたいし、知事は、これまでの計画に反省なく、見直しをせずに「10年という、ゴールをめざして」いくと答弁されました。
 さらに、先日の記者会見でも、「残された課題」として、「高齢被災者の生活再建」、「街の賑わい回復」「地域の活性化」の3つをくり返し、「粛々」と最終3ヵ年を迎え、「ポスト・フェニックス計画を検討していく」と発言されています。
 知事の言明からは、被災者の実態とかけ離れ、矮小化された「残された3つの課題」と、「10年でなんとしても復興計画を終わらせたい」という思いしか伝わってきません。
 平成13年度の県の生活復興調査報告書を見ても、回答者の68.9%が震災前に比べ家計は減収になっていると答え、被災の大きかった人、高齢者、低所得者ほど生活は復興していないことが明らかにされています。
 また、昨年11月の「産業復興の実態に関するアンケート調査」を見ても、中小企業の74%が震災前の売上利益が回復せず、震災による借入金の負担が重くのしかかっていることが浮き彫りになっています。
 日本共産党が加わった各種調査でも、災害公営住宅でのコミュニティーが希薄な生活実態や、働き盛りで資金がないと自宅再建がかなわなかった被災者の実態。また、新長田の受け皿住宅に住む人の7割が再開発を疑問視していることなども明らかになっています。
 災害援護資金の借受人の状況からは、生活再建に苦闘するも挫折しつつある被災者が少なくない事が明らかになっています。
 さらに、今年は、「被災者生活再建支援法」の改正される年です。被災地からどのようなメッセージが発信されるのか、注目されています。
 兵庫県からは、国へ「法適用基準の見直し」「領収書なくてもいいなど、手続きの簡素化および使途制限の緩和」「被災を起因とする収入減世帯への対応」の3点の意見をあげており、県独自の「被災者住宅再建支援制度」の検討をはじめていますが、あい変らず「共済」にこだわった中身となっています。
 日本共産党は、一昨年に「支援法」を抜本的に改正する「くらし復興支援法」の案を発表し、国会にも提出しました。
 その中身は、支援金の上限5百万円や、あわせて住宅再建支援金も新設すること。中小業者への事業再建支援も対象にすること、既存ローンの負担軽減策などのほか、「法適用基準」は「廃止」をすることや、「被災世帯」の制限を削除し、すべての被災者・被災業者を対象にすることを盛り込んでいます。また、阪神・淡路をはじめ、この間に発生した災害にも支援措置を講じることも必要です。
 このように、「支援法」改正にあたって、兵庫県の意見もより踏み込んだ内容にしていくことが、被災地の役割ではないでしょうか。
 そこでお尋ねします。知事、残り2年間で被災者が震災前の生活に戻ったと言える状況をつくる事。例えば、震災関連融資の条件変更などのさらなる改善や、今でも住み慣れた町に戻りたいと願う人々に公営住宅の住み替えやコレクティブ・ハウジングなど民間住宅借り上げも含めた検討を始めるべきです。
 また、先にあげた「被災者生活再建支援法」の改正にむけて、兵庫県のより踏み込んだ意見を積極的に働きかけることも求められています。
 このように、被災者本位の「3ヵ年計画」に見直し・充実して、取り組んでいくなかでこそ、10年以後に、どのような対策をするべきか準備できるはずです。知事の被災者への思いと国に対して求めるべきことを、明確にお聞かせください。


▼答弁▼井戸知事
 次に震災復興計画最終3カ年推進プログラムについてであります。震災復興計画最終3カ年推進プログラムは、復興10カ年計画の経過期間が残り3年弱を迎えた現在の時期で、これまでを検証し、これに基づく課題の抽出、対応の基本的方向等を整理してラストスパートをかけて、被災者の生活復興や「まちのにぎわいづくり」などの対策を重点的に推進していくことを目的としております。
 ご指摘のあった課題のうち、厳しい経営環境におかれている被災中小企業等に対する融資につきましては、新たな資金需要への対応や、融資借換えの負担軽減等の支援を継続しております。
 住み慣れたまちに戻りたいという被災者のニーズに対しましては、県外被災者に対する帰県に向けたきめの細かい支援を継続しますほか、入居者のニーズに対応した住み替えを促進するため住宅交換制度の改善活用をはかります。
 被災者生活再建支援法の改正については、被災者自立支援金の運用実績等も踏まえ、被災者の視点に立った見直しを働きかけることなどの取組みをすすめてまいります。
 今後ともプログラムのフォローアップを通じて被災者や被災地の現状を的確に把握し、施策の充実を図るとともに、例えばLSAの派遣対象住宅の拡大など、国に対する要望も必要に応じて行い、被災者の生活復興等、残された課題に全力を傾け創造的復興の実現をめざしてまいる所存であります。ご協力をお願いいたします。このページの上へ

30人以下学級の実現を

■質問■
 次に、30人以下学級の実施について質問いたします。
 わが党は度々この問題を取り上げ、知事や教育長にその実施を迫ってまいりました。しかし、「国の責任として財政措置を行うべきであり県独自には無理」との姿勢でその実施に背を向けています。
 確かに、国の責任で予算措置がおこなわれることがベストなのは当然ですが、兵庫県の国への要望では「少人数授業をすすめるための定数改善」はあっても、「少人数学級」については一言もありません「国の財政措置」を言うのであれば、国に対しても要望をあげるのは当然ではないでしょうか。
 全国的には国の財政支援がないまま、独自で少人数学級に踏み出している自治体が多く生まれています。
 28の都道府県が参加してひらかれた「少人数学級編成研究会」では、多くの自治体がその取り組みや成果を報告されています。山形県からは、少人数のメリットを生かして「きめ細かな指導を行った」とか、「こどもとの対話も良好だ」と報告され、参加した鳥取の担当者は、「堂々めぐりの議論をしてきたが、まずは議論するより踏み出すことが先。今の子どもたちの状況を見ていると議論しているゆとりはないと強く感じた」と語っています。
 国は、一部の学年でしか認めていなかった少人数学級編成を、さらに緩和をし、全学年で実施することも認めるようになりました。知事の姿勢、「やる気」さえあれば、実現はできるのです。
 わが党が何度も提案しているように3カ年計画で行うと年間64億円で実施できます。当面小・中学校1年生からはじめるとすれば45億円で実施可能です。先生方の年齢別構成を見ると20代の先生は、現状ではわずか数%にしか過ぎません。教員を新規採用にすれば、子どもたちが身近な存在と感じる若い人材を配置することができるのです。不要不急の公共事業を見直す事で財源は確保できるのではないでしょうか。
 本県でも「少人数学級」の実施に向け、検討・研究を開始している市町が出始めています。少なくとも市町が独自で努力しようとしている時に県として支援するのは当然ではないでしょうか。
 どういう角度から考えても一日も早い30人以下学級の実現は必要です。
 ぜひ一日も早い実現を求めます。知事の決断を願うものです。

▼答弁▼井戸知事
 詳細は教育長から答弁いたしますが、30人以下学級については、これを実施した場合の国の財源措置はなく、すべて地方の負担となります。そもそも憲法26条に規定された義務教育の実施が、国の責務であることを踏まえると、なぜ県において単独で対応しなければならないのか、義務教育としての体裁を国においてきちんと整えて対応すべきであると考えております。

▼答弁▼武田教育長
 少人数学級のあり方については、国立教育政策研究所等において調査研究がすすめられてきたところでありますけれども。現時点では決め手がなく結論に至らず引き続き調査研究がされるという状況にございます。
 本県におきましてもすでに平成13年度から学級編制の弾力的とりあつかいにかかる「調査研究校」を指定いたしまして研究を行ってきたところでありますが、現時点ではメリット、デメリットがあり、少人数学級を画一的に実施することにつきましては解決すべき課題があると考えているところでございます。
 このような観点から、一律に30人以下学級を実施するものではなく国の教職員定数の改善計画を最大限に活用し、各学校で主体的に創意工夫をこらしますとともに、さらに生徒指導あるいは不登校などに対応いたしますために加配いたしました教員や、スクールカウンセラー、生活指導補助員など学級担任以外の多くの他の教職員も加わる中で、少人数の学習集団の編制だけではなく、生活集団にも対応できる「新学習システム」を5カ年計画で実施しているところでございます。
 今後も国の調査研究等の推移を見守りながら、この新学習システムを着実に推進し柔軟で多面的できめ細かな指導を、市郡町教育委員会とも連係をしながら進めてまいる所存でございますので、ご理解を賜わりたいと思います。このページの上へ

有事法制、国民保護法制へ反対を

■質問■  「どこの国が攻めてくるのかはっきりしない。国民は眉唾で聞いている」という批判や、「住民をどう守ればいいのか、わからない」という困惑。
 政府が1月末におこなった「国民保護法」の「輪郭」を市長などに説明したときに出された意見です。それも当然で、「国民」の「保護」を名目に「土地・家屋の使用」や、「物資の保管命令」などをあげ、戦争に反対し、協力しなければ罰則も明記されています。
 基本的人権や地方自治の原則をさだめた憲法を蹂躙する中身です。
 もともと、「国民保護法制」は、「有事法制には国民をどう守るのかの視点がない」との批判をうけ、有事関連法案で2年以内に整備するとなっているものを、成立のための「地ならし」的にまとめられたものです。
 いま、アメリカの一方的なイラク軍事攻撃の危険と、アメリカ国内も含め、国際的な反対の世論が大きく高まっています。そのなかで、日本政府はイージス艦派遣など、「戦争にいかに協力するか」という軍事的対応しか頭になく、小泉首相は、国会で「アメリカは対イラク攻撃を決定していない」「今後の事態の推移を注視」などとごまかして、まったく異常な態度です。このような中で、有事法制を通してしまおうという動きです。
 井戸知事は、これまで有事法制に反対表明を求めたわが党の質問にたいし、「国の専管事項」とし、一般的に「有事法制を準備しておく必要性を十分議論すべき」、「国民的コンセンサスのもとに制定された法律に基づ」き、「県民の生命・財産を守る使命をもつ」県として、「役割を果たしていくことが有りうる」と答弁してきました。「国追随」、「受け身」の姿勢ではないでしょうか。
 今回示された「国民保護法」の中身は、県民の財産や権利を侵害する中身を明確にもっています。この法案が通れば、知事、あなたが県民にむかって命令をしなければならないのです。
 一方、米軍の夜間離着陸訓練(NLP)施設の沖美町(おきみ町)への誘致にたいし、広島県知事は、「軍事施設は、平和を希求する広島県民の願い」から一貫して反対の姿勢を明確にし、町でも白紙撤回されました。
 兵庫県でもこのような姿勢こそが求められています。県は国の指示で、県下の市町へ「国民保護法制」の「質問・意見を聞く」として、質問用紙をとどけ、2月中にまとめ、国に報告するとしています。
 兵庫県が自ら意思を明確にした上で、市町に呼びかけて、市町といっしょになって、有事法制と国民保護法制を廃案にする働きかけを行なうことこそすべきです。
 国民・県民の平和の意思と、有事法制は絶対に相いれません。知事として勇気をもって政府に反対の意思表明をされることを求めます。

▼答弁▼井戸知事
 次に国民保護法制についてであります。国民的コンセンサスのもと有事法制を準備していおくことは、有事の際の、国・地方公共団体・国民それぞれの役割や機能を明確にし、その行動枠組みを事前に用意しておくこととなりますので、民主的コントロールを有事にも及ぼすことができる担保措置として必要性が認められるものと考えております。いまの厳しい国際社会において、何もない状況が許されるかどうかは冷静に考えるべきではないでしょうか。
 したがって、今後国民的コンセンサスが得られるように、国会で十分議論され制定された法律の基づき、国の委任事務であることを基本に、地方公共団体の機能や役割を規定されるならば、現下の法制度のおいても、県は県民の生命財産を守る使命を持つものでありますので、有事事態が県民の安全にかかわる問題であることから、それに基づく役割を果たしていくこともありうると考え、そのように答弁したものであります。
 現在国から国民の保護ための法制についての「輪郭」が示されておりますけれども、今後具体的内容が示されてまいると考えます。国と地方公共団体等との役割や機能について、地方公共団体の意見を十分に反映して明確化されるよう、全国知事会とも連係しながら必要な意見を述べてまいります。このページの上へ

公共事業の談合疑惑、入札制度の改革へ

■質問■  次に、公共事業の談合問題について伺います。
 長野県の第三者機関・公共工事入札等適正化委員会の報告が衝撃をあたえています。浅川ダムについて、全国初のダム入札談合認定をおこなったからです。
 決め手となったのは「山崎文書」と呼ばれる、大手ダム工事下請け会社・山崎建設の内部資料です。これは、2001年8月に「赤旗」が報道し、「本命企業はこれを見ればわかる」と元「談合の仕切り役」(奥村・元飛島建設副会長)も証言していた文書です。
 この文書が作成されたのは1995年(平成7年)8月。長野県の浅川ダムの入札は4年半も後の2000年7月。「山崎文書」は、「前田・フジタ・北野」という「本命企業」を共同体の構成も含めて予測し、予定価格の96・32%と極めて近い入札でした。長野県の委員会が「談合認定」を行なったのは当然です。
 この「山崎文書」には、兵庫県の石井ダムの「本命企業」も記載されています。これも報道される前の、00年11月2日、「山崎文書」作成から5年とに3ヶ月後に、入札が行なわれ、浅川ダムよりも予定価格に近い98.98%で。本命とされた「西松建設」他4社の共同企業体に落札されました。
 このような経緯から考えると、当然、石井ダムも談合の疑いが極めて高いと言わざるをえません。兵庫県でも、しかるべき第三者の「検討委員会」を設置し、談合の調査をおこなうことを提案いたしますが、いかがですか。
 あわせて、談合の起きない「入札制度」への改善が必要です。横須賀市では、「指名入札」を全廃して競争を高めた「条件付き一般競争入札」を導入し、20億円の税金の節減につながっています。
 このような一般競争入札の徹底の他、予定価格を事前公表すること、落札後に入札の経過や、入札時の内訳書など明細のわかる資料を公表するなど、「入札改革」を平行してすすめるべきです。答弁を求めます。

▼答弁▼藤本副知事
 石井ダムは、地元からの強い要望と県民の安全安心の確保を図る、こういったことから建設を進めております。
 この入札は平成12年11月2日に実施をいたしましたが入札の際談合等は、いっさいの情報はなく、適正に執行したところであります。本県では工事の発注に際しまして談合情報があった場合には必要に応じまして事情聴取、誓約書の徴収を行い調査権限を要する公正取り引き委員会等への報告を行っているところであります。
 長野県の例でも第三者機関の調査機関について、公正取引委員会へ報告をし、談合に関する最終的な判断をゆだねているところでございます。

 また、一般競争入札は、契約金額1500万SDR、現在の円換算では22億2000万でございますが、これ以上の大型工事に導入をしておりますが、それ以下の工事では、地域要件を加味した公募入札や、小額の工事につきましては工事規模等を勘案して指命競争入札を実施し、県内の中小企業の受注機会の確保と競争性と向上のバランスを図っているところでございます。
 なお、予定価格の事前公表につきましては、談合を助長する恐れもあることから実施をしておりませんが、指命基準、指命業者、理由、改札結果などの公表や談合事案に対する厳罰の強化、あるいは、電子入札制度の導入の検討、第三者機関であります入札監視苦情処理委員会の設置等、入札契約制度のさらなる透明性の向上を図るためにとりくんでいるところであります。今後とも厳格な入札の執行を図ってまいりたいと考えております。このページの上へ

ハンセン病問題 真の反省と過去の施策の検証を

■質問■  最後に、ハンセン病問題についてです。
 去る2月14日、井戸知事あてに、ハンセン病違憲国賠訴訟・瀬戸内原告団と弁護団、それに関西退所者の会が、共同で「申入れ」をされました。
 県が発行したリーフレットについて、「差別・偏見を助長する」もので、国や県の隔離政策の責任について全く触れていないと批判し、知事の責任で回収し、直接面会での謝罪を求めています。また、兵庫県弁護士会も同様の趣旨の要望をあげています。
 知事は先日の記者会見で、「差別を助長する内容とは認識していない」と言われましたが、「申入れ」の意味を理解していない発言です。
 この問題は、単に「記載内容がどうこう」ではなく、県行政が過去に犯したハンセン病患者の絶対隔離政策、「無らい県運動」という人権侵害の行為を、どうとらえるのか、行政全体が真摯な反省の立場にたてるのかどうかが問われているのです。
 その点で、知事のこれまでの「県の責任」へ甘さ、あいまいな態度が問われざるを得ません。岡山の2つのハンセン病療養所へ行って「謝罪」をされていますが、その「謝罪」の意味は、県議会で答弁したように「国の機関委任事務として法律の執行を行なってきた知事としての立場からのおわび」であり、過去の県施策の「検証」にも、「国の事実検証調査に協力する」など、消極的な態度に終始してきました。
 熊本判決は、「無らい県運動によって生み出された偏見・差別は、それ以前にあったものとは明らかに性質を異にする」もので、「差別・偏見の原点」とまで指摘し、県が国の指示で、法にもとづき患者を入所させたことも「人権侵害」にあたると判断しています。この判決文を知事は読まれたのでしょうか。
 わたしは、3者の申入れをうけて、知事が真の反省と、真相究明、過去の兵庫県施策の検証をする決意を表明することが求められていると思います。
 今議会はテレビで生放映されていますが、岡山の療養所でも、県下の元患者の方も、テレビの向こうで知事がどのような答弁をするのか聞いています。兵庫県が過去に絶対隔離した元患者に向かって、もはや、県の責任をあいまいにした態度は、許されません。真摯な答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事
 ハンセン病問題についてご指摘がありました。らい予防法に基づく長期の隔離政策がハンセン病の元患者の方々への偏見差別を助長してきたのは、否めない事実であります。県として国の機関委任事務として国立療養所への入所等を行ってきたことについて、立場のいかんを問わず、県知事として率直に謝罪を申し上げました。現在もまさしくその通りであると考えております。
 ご指摘のリーフレットについていは、平成13年度に作成したものであります。ハンセン病を正しく理解していただくために、医学的な見地から客観的に記載しており、過った記載はなく、偏見差別を助長するものではないと考えておりますが、隔離政策への言及等足りない部分があったことも事実です。平成14年度に作成したリーフレットでは言及しております。今後は関係方面からもご意見を伺いながら、十分に内容を吟味して作成してまいります。
 ハンセン病問題の真相究明と検証については、一定の基準にしたがって統一的な手法で行うことが望ましいので、国の「ハンセン病事実検証調査事業」に協力することとしておりますが県としても独自に記録集を作成する予定にしており、その中で元患者の方々からの聞き取りや県内外の資料等の調査を実施し真相究明と検証にもとりくんでまいる所存でありますこのページの上へ


被災者の「住み替え大作戦」 
    ハンセン病の過去の県施策の検証を

■再質問■  知事、孔子は「60にして意に従う」という。あなたはまだそこまで行かないけれども、もうすぐ。
 私が聞いてもおらん工業技術センターのことまで答弁する。あなたは私の質問を聞いていたですか。下から上がってくる答弁をそのまま棒読みしているんじゃないですか。
 その点は一つ申し上げておきたいのと、もう一つ申し上げておきたいのは、「住み替え」の話です。もともと戻りたいというこの気持ちはコミュニティを復活させたいという高齢者ほどそういう気持ちは強いんです。これをね、住み替え交換制度の改善のような簡単なことじゃなくって、ちらばらしたんだから帰りたいといういまだに10年近く経っても帰りたいという人は、「住み替えの大作戦」をやるその体制を作りたい。作ってほしい。そのことを申し上げたい。創造的復興なんてしなくても元の生活に戻りたいんですよ。本当に生活を創造的に復興させるのなら、コレクティブハウジングやそういうのをたくさん作らなきゃならん。県営住宅だってもっとたくさん作らなあかんのです。震災は終わっていない。そのことをもういっぺんお聞きしたい。こんな小さなことをおっしゃっているのかどうかをお聞きした。
 最後に、ハンセン病患者の問題であります。これは、ここに私も持っておりますけれどもね、県の出したものを。基本的人権について知事の「人権感覚」について問うている。いろんな後遺症があるから差別があったかのような書き方がされているが、「そうではないんだ」ということを指摘をしているんです。「無らい県運動」、絶対隔離をしたことが差別を深刻にしたんだ。差別の状況がそれによって変ったんだということを主張している。そこらへんのところを、県政の責任者として前知事は「一目一行に至まで知事の責任だ」と言っていたんです。あなたはいままでの兵庫県政を継続させてきている知事として、過去のこの問題について真摯に謝罪をし、「無らい県運動」の検証もやるべきであると私は思いますが、もう一度お答え下さい。

▼答弁▼井戸知事
 工業技術センターは、中小企業振興策の具体的な事例の一つとして上げさせてもらったものでございます。それから住み替えにつきましては住宅交換制度の改善活用をはからしていただきながら、現行制度の中での活用を図る必要がある。積極的な対応をしていこうというものであります。
 それからハンセン病患者の皆様方に対しましては、立場のいかんを問わず、私は誠心誠意謝罪を率直にさせていただいたつもりでありますし、今後ともハンセン病患者の皆様方の状況に応じた適切な対応をさせていただくつもりでございます。

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