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本会議の目次へ 第272回本会議一般質問 増井きみえ
2002年12月2日
■質問■ 日本共産党の増井きみえです。私は、盲導犬の育成と利用促進、交通バリアフリー、在宅酸素療養患者への医療費補助、廃棄物対策、空き交番の改善、教育、そして関西3空港について質問します。

盲導犬の育成と利用促進について

■質問■増井議員:  まず、盲導犬の育成と利用促進についてです。
 視覚障害者が社会参加をしていくうえで、盲導犬は、日常生活のパートナーとして大きな役割を果たしています。「積極的に外出するようになり、行動範囲が広がった」という利用者の喜びの声にもあらわれています。しかし、盲導犬の普及は、イギリスの4500 頭、アメリカの1万頭と比べて日本では900頭と、その遅れは歴然としています。
1998年に、社会福祉の識者、障害者団体、盲導犬使用者、盲導犬育成施設の代表などでつくられた調査委員会が行った「盲導犬に関する課題についての全国アンケート」によると、盲導犬を「今すぐ希望する」人は、1級の視覚障害者で4.3%、2級では0.8%です。これを兵庫県にあてはめると、本県の1級と2級の視覚障害者は、今年3 月末現在でそれぞれ6289 人と4525 人ですから、「今すぐ希望する」人は、およそ300 人と考えられます。
ところが、現在県下で活動している盲導犬は約50頭で、しかも、日本盲人社会福祉施設協議会の「盲導犬訓練施設年次報告書」によると、神戸市と兵庫県をあわせても盲導犬の新規育成実績は、年間わずか6頭です。
 実際には、犬と使用者とのマッチングの問題など難しい課題がありますが、ある視覚障害者が「今の実態から言えば、希望者は10年も待たなければならないだろう」と語っておられるほど盲導犬が不足している状況は一日も早く解消すべきです。
先のアンケート調査の結果のまとめで、「盲導犬の育成頭数の拡大や訓練職員の増員、専門職員の配置など、盲導犬育成事業の強化にむけた事業計画を実現するためにも、公的な助成金の増額など財政支援が不可欠である」と指摘されていることは重要です。盲導犬を1頭世に出すには300 万円から500 万円かかるとうかがいました。本県でただひとつの盲導犬育成施設である兵庫県盲導犬協会は、犬は無償貸与、犬と使用者の共同訓練の費用も食事と用具代の負担だけというように、障害者へ負担を極力かけないという方針をとっておられます。しかしその財政基盤は不安定で、調査委員会の調べでも、育成施設の収入額の70%が会費や寄付に頼っているのが実態です。
 兵庫県盲導犬協会の職員のみなさんが休みを返上して街頭募金やチャリティーなど懸命の努力をされていますが、それも限界があります。希望者の願いにこたえていくためにも、善意の寄付に頼らざるをえない実態を看過するのでなく、県として育成施設への財政支援を行うことを求めます。また、盲導犬にかかる予防注射や健康管理・病気治療の費用、視覚障害者を誘導するハーネスは無償にすることを求めますがいかがですか、あわせてご答弁ください。

▼答弁▼神田県民生活部長:  本県では、平成元年度から大阪の日本ライトハウスに委託をいたしまして盲導犬の育成を行いました。これまで16頭を育成し、貸与してまいりました。
 平成12年4月には、社団法人兵庫県盲導犬協会の神戸総合訓練センターが設置されましたため、その整備費を助成いたしました他、本年度から同センターにも委託を行い、訓練を進めている所でございます。
 盲導犬の訓練には、約8カ月程度要します。育成には相当の時間がかかりますが、県といたしましても盲導犬の育成は重要と考えているところでございます。
 なお、県といたしましては盲導犬の無償貸与を行っていいるところでございますが、日常管理等に要する費用負担のあり方につきましては、今後関係団体等のご意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。このページの上へ

交通バリアフリーの促進

■質問■増井議員:  次に鉄道駅舎のバリアフリー化について質問致します。
 2000年11月に、「交通バリアフリー法」が施行され、公共交通事業者等に対し、旅客施設の新設や大規模改修を行う際に、バリアフリー化が義務づけられ、さらに「努力義務」にとどまっていた
既存の駅舎についても、国土交通省が「移動円滑化の促進に関する基本方針」を定め、1日あたりの乗降客数が5000人以上の駅舎について、2010年までに、エレベーター、エスカレーターを設置するとしています。
現在、兵庫県下にある1日あたりの乗降客数5000人以上の鉄道駅舎175駅のうち、バリアフリー化は、来年3月末には126駅となる見込みですが、49駅がなお残されています。残されたこれらの駅のバリアフリー化のめどは立っているのでしょうか。
 県は、残された駅舎のバリアフリー化の課題や問題点を示していますが、それぞれの駅ごとにどのようにバリアフリー化を進めるのかと言う肝心の具体的なプランは、いまだ示されていません。「駅舎ごとに改修計画の有無のヒヤリングをおこなう」程度に終わっているのでは、バリアフリー化の達成はおぼつきません。残された49駅の駅舎ごとに、エレベーターやエスカレーターをどこにどうつけるのか、など具体的なバリアフリー化の計画をつくり、利用者や県民に示し、駅舎のバリアフリー化を進めるべきです。
 私の地元にある、1日の乗降客が2万6000人を超える神戸電鉄の鈴蘭台駅や3万人を超える神戸電鉄湊川駅は、バリアフリー化のめどが全く立っていません。駅舎の構造上の理由から巨額の費用がかかるとのことですが、県は、エレベーター設置の場合、1基あたりの補助基本額を、設置に必要な駅舎の改造も含めて1億5000万円と上限を設定し、その6分の1の2500万円しか補助していません。実態に合わない上限額は撤廃し、バリアフリー化に必要な県負担費用はきちんと確保すべきです。
以上、私の地元鈴蘭台駅も含め、49駅のバリアフリー化の具体的プランの明示と1か所あたりの上限額の撤廃で駅舎のバリアフリー化の目標達成を求めますがいかがですか。

▼答弁▼山口県土整備部長:  既存の鉄道駅舎のバリアフリー化につきましては、「交通バリアフリー法」におきまして鉄道事業者の努力義務とされております。
 本来それぞれの鉄道事業者が、具体的プランの作成も含め、その責任において実施すべきものでございます。それを支援いたします、県の補助制度におきましては、エレベーター1基に対する補助基本額「1億5000万円」は、工事実施額から見て妥当な額とみておりまして、他府県制度と比較いたしましても水準以上のものでございます。
 構造上エレベーター設置大改修を要する駅舎につきましては、鉄道事業者に対し当面の措置として車イス用階段昇降機の導入等対応策についても検討するようはたらきかけております。
 今後ともバリアフリー−化の実現に向け達成努力をするよう考えています。このページの上へ

在宅酸素療養患者への支援強化を

■質問■増井議員:  次に、在宅酸素療養患者への支援についてです。
 10月から医療の改悪がなされ、高齢者には深刻な状態が起きています。
私が、お話を伺ったお宅の奥さんは心臓が悪く、少し風邪をひいたり、疲れたりすると息切れが起こり、酸素不足になるため、自宅に常に酸素吸入器を置かなければならない状態で、奥さんを介護するためにと、ご主人が仕事をやめられたとのことでした。ところが、これまでなら、月々3000円程度の負担で済んでいたのが、この10月の医療改悪で、毎月1万5000円も払い込まなければならなくなった。わずかな年金生活なのにどうしたらいいのだと怒っておられました。お金がなければ生きていけない本当にひどい改悪です。  
 しかし、私たちが、9月議会本会議で、在宅酸素療養患者への県としての支援を求めた際、重度心身障害者への医療費助成で対応できるとの答弁でしたが、これは全くのごまかしです。県の重度心身障害者の医療費助成制度は、一級、二級を対象としていますが、在宅酸素療養患者の障害認定には、二級はありません。そのため、二級に匹敵する症状の重い患者さんも三級と認定され、県の重度心身障害者の医療費助成制度を受けることが出来ません。
 いま、呼吸器障害と認定されている患者さんは4400人程おられますが、その内、県の公費助成の対象になっている人は、1級の1084人と、他の障害と合算で2級と判定された82人の合計1166人だけです。3200人以上の患者さんがはずされています。これらの患者さんの中には10月からの医療費の改悪に耐えられず、すでに酸素吸入器設置を手控える状態まで起きているといわれています。酸素吸入という、生きていくうえで不可欠の問題なのに、お金がなければ受けられないなどという事は絶対にあってはならないことです。
 このような中で、県下の自治体においては、県の制度では医療費助成を受けられない在宅酸素療養患者への支援を独自に行う取組みがはじまり、現在、11市5町で行われています。しかし、まだ多くの自治体では救済策が実施されていません。
知事、県としても取組みを進め、県下どこの自治体に住んでいる三級四級の在宅酸素療養患者も安心して暮らせるように、医療費公費助成制度の対象とするように求めますが、いかがですか。知事の誠意ある答弁を求めます。

▼答弁▼神田県民生活部長:  在宅酸素療養患者への支援でございますが、在宅の酸素療養患者など呼吸器機能障害者等につきましては、重度の障害を細分できないということで、2級を1級に含めるものとされておりました。
 これらの方々は県単独の重度心身障害者医療費公費負担助成制度によりまして、医療費の自己負担額の全額が助成されることになっております。
 また、軽度につきましても境界が困難であるということで、4級までということにされておりまして、3級及び4級の方々につきましては、医療保健制度におけます自己負担の月額限度額が低所得者は8000円、一般の方々は、1万2000円とされておりまして、負担が高くならない措置がとられておりまして、当面現状の施策で対応してまいりたいと考えています。このページの上へ

廃棄物対策 残土処分規制条例の制定を

■質問■増井議員: 次に、廃棄物対策についてです。
 私たちは、委員会審議で、残土処分規制条例の必要性を求め、県も検討を約束されてきましたが、その際、次から次へと不法投棄が行われている実態の防止に役立つ有効な条例制定とすることが求められています。私は、千葉県などの規制条例を調査してきましたが、その結果を踏まえ、以下のような点を盛り込んだ条例を作ることを求めます。
その一つは、赤穂市での事例のように、建設残土と称して産業廃棄物を不法投棄する抜け道を許さないことです。
 現行法では、産廃であることが判明すれば、一応規制の対象となりますが、住民がそのことを立証できなければ、悪徳業者は開き直り、行政も動き出さないのが実態です。よほどの被害が現実に起きない限り、業者のやりたい放題となり、行政が動いた時はすでに遅く、不法投棄の山、産廃混じりの土がうず高く積まれる事態が各地で起きています。 このようなことを許さない措置が必要です。
 そのためには、保管であるか処分であるかを問わず、実態として一定量以上のものを山積み、あるいは埋める場合はすべて、土の情報について県に提出し、許可を受ける形にすることです。
 どういう土質か、安全か、産廃が混じっていないかなど安全性について立証する責任を残土処分業者に義務づけることが必要です。また、土の発生元の明示、発生元の土と現地搬入土砂との同一性や安全性についての証明書を発生元事業体から取ることなどを、業者に義務付けることが必要です。
 さらに、飲料水の安全性を確保するため、飲料水の水源の保護が不可欠です。水源地においては、表流水であれ、地下水であれ、その汚染を防ぐために、残土そのものの規制を厳格にする必要があります。安全性が立証されていないさまざまな物質が次々と生産され、使用されている現状では、水源地をこれ以上汚さぬために、水源地汚染を防ぐ規制措置を盛り込む必要があります。
 また、手遅れになった理由として、不法投棄をされていても県がなかなか把握できなかったという報告を受けていますが、パトロールなどの体制確立、市民からの通報への体制強化も必要です。
 以上、3点を盛り込んだ水源保護を含む残土処分規制条例を制定することを求めますがいかがですか。

▼答弁▼井戸知事:  廃棄物対策について、建設残土については、廃棄物処理法の規制対象外のものでありますし、また各種開発関連法におきましても建設残土を直接に規制する規定がございません。
 したがって、その処分は開発業者の良心にまかせられているのが実情でございます。このため建設残土と称して廃棄物を混入し、廃棄物処理法の網をくぐりぬけ、建設残土の埋め立てや投棄等を行う事例等も発生しているわけでございます。
 県としては、建設残土を限定せず廃棄物の混入される恐れのある土砂の一定規模以上の埋め立て、盛り土、堆積等に対しまして、規制の対象・内容・方法等について、専門家等からなる「廃棄物適正処理防止方策検討委員会」において、現在検討していただいておりますが、その結果いかんによりまして条例化に向けて検討をすすめることとなると思います。
 また、通報等を含めた監視体制の強化につきましても不適正処理の未然防止の観点から強めてまいる所存でございます。このページの上へ

空き交番の対策強化を

■質問■増井議員: 次に空き交番の改善について質問します。
 昨年6月3日、私の地元、神戸電鉄唐櫃台駅前で、お母さんの帰りを待っていた、小学校3年生の宮崎早紀ちゃんが、駅前の飲食店のご夫婦に声をかけられたのを最後に行方不明になりました。自治会やPTAなど地元の方たちも捜索を行い、「無事でいて欲しい」と願ったにもかかわらず、7日の朝、駅前から2.5q離れた有野川の川下で遺体となって発見されました。
 飲食店のご夫婦は、早紀ちゃんが夜遅くまで駅前に立っているのを心配して、駅前にある交番まで行ったところ、誰もいなかったのでしかたなく、「ここでちゃんと待ってなさいよ」と言って気にかけながらも駅前で別れたとのことです。
 このとき交番に警察官がいれば、事件は防げたかもしれないと悔やまれてなりません。地元唐櫃台の自治会から有馬警察署長に当てた要望書では「あの日、唐櫃交番に警察官が在席していてくれたならとの思いは全ての住民の感情ではないでしょうか。この感情の裏にあるものは、唐櫃交番は警察官が不在勝ちであるという我々の不安であり、不満でもあったわけですが、このようなかたちで事件の遠因として顕在化したことはまことに遺憾なことであります。」と述べ、交番に警察官がいつもいて欲しいと訴えておられます。先日開かれた「さわやかフォーラム」の席上でも、神戸市北区の自治会代表が空き交番の改善を訴えられたのを知事ご自身お聞きになったとおりです。
 交番の配置人員を見ると、現在、1人勤務が約250箇所、2人勤務が約150箇所で、3人以上の体制になっているのは50箇所あまりにすぎません。1人勤務の交番なら、パトロールに出れば空き交番なるのは当然で、この点での改善が不可欠です。交番相談員の配置では抜本的な解決にはなりません。
 ところが、県警本部は、先日公表された「初動対応力強化検討結果」の中で、県下の交番・駐在所の数は全国3位で、「これがひいては治安維持力の分散や空き交番問題の一因になっている」と述べ、交番を減らそうとしています。これは県民の願いとは逆行しているではありませんか。交番の数が多すぎることが問題なのではありません。むしろ、地域での多発する事件や事故に対応してほしいと、住民から交番設置の要望が多く出されています。人員が限られているというならば、県民の命と財産を守り、地域の安全を確保するという警察の最も重要な任務を果たすための人員配置にするべきです。
 交番の数を減らさずかつ、県警本部の他部署からの配置換えを含め交番の人員増強をおこない、空き交番を解消するよう求めます。ご答弁ください。

▼答弁▼岡田警察本部長: 空き交番の改善についてお答えを申し上げます。
 「常時警ら」あるいは「常時警戒」という県民の要望が強いことから、これに応えるため現在255人の「交番相談員」を不在がちとなる交番に配置をしておりますが、より効果的な運用をはかるため休日、夜間の配置についても検討をすすめているところであります。
 また、パトカーの交番駐留、警察署と直結している不在転送電話の整備など、総合的な交番対策をとっているところであります。
 しかしながら現下の厳しい治安情勢のもとにおいて、パトロール、交番、駐在所の果たす役割はますます高まっており、今後、より質の高い安全と安心を提供していくため、合理化の徹底と業務の見直しに取組み、捻出した人員を、第1線警察署に優先的に配置するなど、現場強化のための組織体制整備に努めてまいりたいと考えております。このページの上へ

県奨学金制度の拡充を

■質問■増井議員:  次に、高校生への修学への支援を求めて二点質問します。
 長期に渡る深刻な不況が、子どもの教育にも暗い影を落としています。父親のリストラ、母親もパートをやめさせられる、あるいは家業の倒産で収入を絶たれるという家庭があいついでいます。さらには、たとえ親が職についていても、給料もボーナスもカットされるなど苦しい家計状況となっているのです。このようななか、県立高校で授業料減免を受けている生徒は、2000年度で9681 人、2001年度10422人、今年度は10月末現在ですでに前年度を超える1万966人となっています。
また、私立学校教職員組合連合がおこなったアンケート調査によれば、私学においても、授業料軽減補助を受けている生徒の割合は、毎年増え続け、今年度は4割近くが申請しています。子どもを私学に通わせるために、65.6%の家庭で生活を切り詰め、51.4%の家庭で貯金を食いつぶしているという実態が浮き彫りになり、修学旅行をあきらめたり、やむなく中退する生徒がいるなど、ほんとうに胸の痛む状況になっています。経済的に困難な子どもたちへ、あたたかい支援が今こそ必要です。
 そこで、ひとつには県の奨学金制度についてです。
わが党は、教育基本法にある通り、誰もが平等に教育を受ける機会を与えられるべきで、経済的な状況によってその権利が侵害されることがあってはならないという立場から、高校生奨学金制度の創設を求めてきました。ようやく今年度からこの制度が導入されたことは「一歩前進」です。しかし、この制度は、貸付のみで、対象も新入生に限られ、たいへん不十分です。県の奨学金制度の枠は780人分ありながら、今年度の申し込み数は333人にとどまっています。これは、今の経済状況のもとで貸付制度が利用しにくいことの現われではないでしょうか。県の制度では連帯保証人が必要で、このこと自体、経済状況が厳しく、雇用も不安定な中では非常に困難で実態に合いません。一方、神戸市が行っている給付制の奨学金には、今年度2734人の申し込みがあり、そのうち要件を満たしながら給付を受けられなかった生徒が380人もいるとのことです。これらの生徒にも救済の手が差し伸べられるよう、県の奨学金制度が果たすべき役割は大きくなっており、給付でなく借りなければならないという制度では間尺にあいません。
 そこで、県の奨学金制度に給付制を新設するとともに、連帯保証人を現行制度の必要要件からなくし、手続きを簡素化するよう求めます。一般的なお金の貸し借りでなく、未来を担う子どもたちの教育を受ける権利を保障するための問題です。あたたかい答弁をお願いします。

▼答弁▼武田教育長:  県の奨学金制度についてであります。この度新たに創設いたしました「高等学校奨学資金」につきましては、経済的な理由により就学が困難であるが勉学意欲のある生徒に対し、貸与しようとするものでございまして、併せて生徒の自己責任や自己意識の確立を促しますとともに、自らの責任において返還することを認識するよう「貸与制度」としたものでございます。
 したがいまして、現在のところ給付制度の新設は考えておりません。
 また、本県の実施しております他の奨学金制度と同様、返済能力を担保いたしますため連帯保証人は必要と考えております。
 なお、この奨学金制度につきましては、より多くの生徒を対象とできますように、収入基準について国庫補助対象である生活保護基準の1.5倍から県単独措置で1.7倍まで拡大するところでありますが、初年度で申請者が少なくなったものと考えているところであります。このページの上へ

神戸第2学区 高い通学費への補助を

■質問■増井議員: ふたつめは、通学費への助成制度の創設についてです。
私はちょうど3年前、本会議において1カ月1万円以上も2万円以上もかかる通学費への県独自の助成制度創設を強く求めました。
 その時の答弁は、「高校進学は本人の志願によるもので、通学費は個人負担が基本」というものでした。しかし、私の住む神戸第2学区は南北に長く、六甲山を越えて南の兵庫区から北区の裏六甲まで、あるいはその逆の通学となり、その場合、日本一運賃の高い私鉄である神戸電鉄を利用するしかないのです。さらに、単独選抜制という入試制度によって成績だけで生徒をふるいわけるうえ、北区の新興住宅地には人口増に見合うだけの高校数がなく、「行きたい学校」には行けないのが現状です。このことに眼をふさいで「通学費は個人負担が基本」というのはあまりにも冷たいやり方です。
 親の経済事情によって子どもたちの教育が左右されることのないよう、県独自の通学費助成制度創設を再度求めます。積極的なご答弁をお願いします。

▼答弁▼武田教育長:  通学費助成制度の創設についてでありますが、高等学校への進学は本来各生徒の志願によるものでありますことから、通学費については「本人負担が原則」であると考えております。
 本県におきましては、かねてから生徒の就学支援や保護者負担の軽減をはかりますため、授業料減免制度を設けているところでありますが、本県独自の措置として「通学費の実費相当額」を「算定基礎」として加えることにより減免決定を行っておりますことから、平成13年度の減免率は、8.9%と全国上位の水準となっておるところでございます。
 さらに、経済的な理由により就学が困難な高校生等の就学を奨励化いたしますため、新たに高等学校就学資金貸与制度を創設したところでございますが、県では、今後授業料減免や高等学校奨学金資金などを活用することで、できるだけ幅広い生徒に対応してまいる所存でございますのでご理解をいただきたいと思っております。このページの上へ

神戸空港など、関西3空港について

■質問■増井議員:  最後に、神戸空港など、関西の3空港をめぐる問題について質問します。
 国土交通省の交通政策審議会・空港整備部会は、突然、大阪国際空港を地方が管理する第二種空港に格下げ、長距離路線の制限や、ジェット機発着枠50便削減するなどの「関空救済策」を打ち出しました。
 県は、11月22日に交通政策審議会に対し、大阪国際空港は、「年間1700万人も利用する『国内基幹空港』と位置づけ、1990年の存続協定に『関空開港後も』第一種空港として国が約束していた」として「『第2種』化も負担も本県として認められない」という意見を出されています。私たちも、引き続き国の責任において管理運営することを強く求めていくべきだと考えています。
 しかし、問題はそれだけにとどまりません。
 同じ審議会では、関空2期について「推進」と「延期・凍結」の両方をのせ、供用開始の結論が先送りになりました。
 関西国際空港は、乗降客数でも着陸回数でも減少をつづけ、1兆円以上もの借金を抱えながら、採算の目途がまったくたたないからです。1期の離発着能力は公称16万回ですが、現在は12万回しかなく、高い空港使用料のため国際便があいついで撤退、在日外国航空会社協議会は2期工事は不要だと提言するほどです。経済界からも意見があがりはじめ、日本経団連がはじめて、「関西国際空港2期工事の再検討」を求めました。
 ここにいたって、関空は経済の「起爆剤」にもならず、国や周辺自治体の財政の大きな重しになっていることを認めざるを得ない状況です。
 神戸空港についてはどうでしょうか。
 現在、需要予測が過大だとして「見直し」が行われていますが、大阪国際空港と関西国際空港1期事業の間でさえ、調整をしなければならないのに、航空需要から見て神戸空港の建設の必要性はありません。ましてや、神戸空港の離陸便は関空到着便と競合するという管制上の大きな問題があります。また、莫大な財政負担が、破綻寸前の神戸市財政に追い討ちをかけることになります。
 最近の神戸新聞の調査でも、「神戸空港の建設は中止または延期」が60%を占め、反対の理由のうち82.9%が「関西に3つの空港はいらない」と答えています。いまだに神戸の市民の合意は得られていません。
 知事、関空2期、神戸空港の建設推進に、国や経済界、そして市民からこれだけの疑問が出されているにもかかわらず、建設推進に固執するのでしょうか。
 兵庫県は、関西3空港すべてにかかわっている唯一の自治体です。日本共産党は、神戸空港をすぐに中止すべきだと考えますが、少なくとも知事としては、一度立ち止まって冷静に判断するため、関西国際空港2期工事と神戸空港の建設について、中止も含めた再検討を国や神戸市に求めるべきではないでしょうか。
 知事の勇気ある答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事:  関西3空港をめぐる問題については、21世紀の「大交流時代」の中で、「関西国際空港は国際空港、大阪空港は国内基幹空港、神戸空港は地方空港」として、それぞれの役割と機能に応じた整備をはかるべきものと考えております。
 関西空港については、国際拠点空港として、わが国の国際航空輸送の発展のための根幹的社会資本でありますし、関西地域の国際化や経済発展に不可欠なインフラと認識しております。
 今後アジア諸国に期する国際競争力を持った空港となるためには、安定的な経営基盤の確立を行っていくなかで、国・地方が協力しつつ国際空港として不可欠な2本目の滑走路を予定通り着実に整備していくことが必要だと考えます。
 神戸空港については、神戸市およびその周辺300万人を超える後背圏の航空需要に応える、地方空港として整備がすすめられております。神戸市民のみならず広く県民にとっても利便性の高い空港であり、本県としても引き続き「広域的立場」から支援を行ってまいります。
 伊丹空港は、内陸空港としての制約がありますが、その利便性や地域との共生との観点から引き続き国内基幹空港として活用していくべきものと考えております。以上です。このページの上へ

■再質問■増井議員:  1つは、「残土規制」の問題ですけれども水源保護を含めていうことで、おたずねをしたわけですけれども、この問題についてこの条例の中に含まれるのどうなのか、そのことを検討していただけるのかどうなのか。
 2つ目は、「バリアフリー」のことでございますけれども、部長の先ほどの答弁によりますと、「困難な駅は、ますます取り残されていく」、こういう実態がいっそう明らかになったと思うんです。
 ですから、この「困難な駅」をどうしていくのかということが、ますますこれから必要になってくると思うので、このことを是非検討していただきたい。きっちりお答えいただきたいと思います。
 それから、無理に無理を重ねた関西3空港は、将来に禍根を残すことは明らかです。
 今一度、疑問や批判の声に耳を傾けて、関空2期と神戸空港を中止することこそ、今選択すべき時期です。
 もうひとつは「奨学金」です。貸付の奨学金と県民生活の実態が合っていません。「給付」を新設すれば要件を満たす生徒のすべてに給付できること、これは十分可能です。「社会の宝」こどもたちにこそお金を注ぐ、これこそ本物の「米百表」ではないでしょうか。
 知事の英断を求めて併せてお答えを下さい。

▼答弁▼井戸知事:  まず、関西3空港についてであります。わたくし、見解を相当異にしておりまして、21世紀大交流時代を支える、国際間あるいは広域間の交通手段は、昨日から「八戸」へやっと通行いたしましたけれども、空港の役割というのは「今までと同じで、小さくなるということはない」とこのように考えております。
 そのようなことを考えましたときに、関西は2500万人の人口を抱えている地域でございまして、その関西2500万人の中で、空港利用者の想定をしてみましたところ、「3空港で足りるのか」という心配を私はしているぐらいでありまして、そのような意味から3空港の整備をするというのはある意味では当然のことであるとこう思っております。
 2番目の、残土の適正保管の適正基準されますさいに、水質の問題等についても検討を加えるのは当然のことであるとこう考えております。
 それからバリアフリーの促進について構造上の難しいところについて促進をまずはかるべきじゃないかということも、それはこれからも検討してまいりますが、当面の対策をどうするのかということも合わせて検討していくのも、現実的な対応としてたいへん望ましいことではないかと思いますので、当面の対策と基本対策と併せて検討させていただくことをお伝えしたつもりでございます。

▼答弁▼武田教育長:  奨学金は、勉学意欲のある生徒に対して、一時的な経済的な理由で就学困難であるということで、我々が無利子で奨学金をその期間奨学金をお貸ししようというものでありまして、この奨学金で就学が終われば一人前の社会人になっていただいて、そして後輩のためにまた自分が借りた奨学金を返していただいて、そして、後に続くこどもたちに役に立ててもらうというのが基本でございますので、「貸し付ける」ということでありまして、「差し上げる」という制度でなしに、あえてそれを選んだということでございますので、ご理解をいただきたいと思います。

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