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本会議の目次へ 第270回本会議議案反対討論 ねりき恵子
2002年6月13日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、上程中の議案88件のうち、議案第69号ないし第71号、第146号ないし第150号、ならびに報第2号に反対し、討論をおこないます。

自然環境保護に逆行する審議会の廃止は認められない

 まず、議案第69号、兵庫県環境審議会条例等の一部を改正する条例制定の件についてです。
 今回、県は「行革推進計画」にもとづき、環境問題について総合的に審議するとして、必置義務であった自然環境保全審議会を廃止し、環境審議会に統合、運営の合理化を図るとされています。
 しかし、環境審議会はもともと公害審議会と水質審議会を統合した公害対策審議会が名称変更されたもので、自然環境保全を目的としたものではありません。国の地方分権一括法による規制緩和に便乗し、県民の健康や環境、自然保護行政を切り捨てることにつながるものです。
 自然環境は県民が共有する貴重な財産であるにもかかわらず、生息環境の破壊や乱獲によりイヌワシ、ツキノワグマ、オオサンショウウオ、ベッコウトンボなどの野生生物の絶滅が危惧され、自然環境の危機が叫ばれています。いまこそ、それぞれ独自に審議を充実しなければならないときに審議委員の人数を半減するなど、自然環境保全審議会を統廃合することは認められません。このページの上へ

無駄な開発を促進する土地収用審議会設置には反対

 つぎに、第71号議案、第71号議案についてです。
 本件は、平成13年7月に公布された「土地収用法の一部を改正する法律」にもとづき、兵庫県土地収用事業認定審議会を設置するとともに、それにともない、委員会の委員や証人等の報酬、費用弁償など所要の整備をおこなおうとするものです。
 憲法第29条は、財産権を侵してはならないとし、私有財産を取り上げるには「正当な補償の下」、「公共のため」と厳格な制限を設けています。
 今回の土地収用法の改定は地権者の権利を制限し、その手続きを簡素化させようとするなど重大な問題を含んでいます。
 第1に収用委員会の審理で事業認定が違法だと主張することを禁止し、地権者が多数の場合も審理で発言者を制限する。収用手続きの土地物件調書への署名押印を廃止し補償金も郵送で送りつけることを可能にするなど事業認定段階の簡素化をおこなっています。これは早期収用を最優先させ各地のトラスト運動をはじめとする住民の反対の強い公共事業を一方的に促進することにつながるのは明らかです。
 第2に「透明性・公平性・合理性を確保する」として、起業者による事前説明会開催の義務づけや、利害関係者から請求があった場合、公聴会を開催すること、また、中立性を担保するための第三者機関、つまり審議会の意見聴取をすることを義務付けています。
 もちろん、住民参加のもと合意形成をはかることは極めて重要です。しかし、審議会は知事の諮問機関であり、委員は知事が任命するものです。第三者機関による意見の聴取といいながら、その聴取機関が事業をすすめる知事の任命というのでは、けっして「中立性を担保する」ものとはいえず、本条例制定に賛成することはできません。このページの上へ

公営住宅の整備・供給は自治体が責任を持つ必要がある

 つぎに、第146号議案ないし150号議案、すなわち県営住宅建設工事業務委託契約締結の件についてです。
 私たち日本共産党県議団は、県民の住宅要求に応えるため県営住宅を増設するとともに、老朽化した住宅の環境改善やバリヤフリー化推進のため、県営住宅の建て替えをさらに推進すべきだと従来から求めてまいりました。
 こうした立場から、建て替えそのものに反対するものではありません。しかし今回の提案は建て替え前の5団地299戸にたいし75戸も戸数を減らす計画になっています。これは、この春におこなわれた県営住宅への入居募集の申込が最高92倍にもなっていることに示されるように「県営住宅に入居したい」という県民の切実な要望に反するものです。
 したがって、現在の敷地内での戸数減はやむを得ないとしても、ほかに用地を取得してでも全体として戸数を確保すべきです。ところが、県はその計画はありません。
 もう一つは県営住宅の建設、維持管理を住宅供給公社に業務委託し、いわゆる「丸投げ」になっている問題です。
 たとえば、業務委託の初年度である2001年度の結果を見ると、住宅供給公社がおこなう契約案件は県議会には提案もされず審議対象外になっています。
 具体的な事業内容や入札業者の選定、入札の公平性、透明性など県議会で十分に議論し、チェックするシステムに戻すべきです。
 また、住宅を整備し提供するのは地方公共団体としている公営住宅法の趣旨からも全面的業務委託方式はやめるべきです。
 以上の理由で同議案に反対するものであります。このページの上へ

大土地所有者を優遇する長期譲渡所得の個人県民税減税

 最後に、報第2号、兵庫県税条例の一部を改正する条例制定の専決処分についてです。
 本年の地方税法の改正は、道府県税で89億円の減収が見込まれる一方、庶民減税もない中で、ゼネコンなど民間事業者による都市再開発事業や大土地所有者などに優遇措置がとられていることなど問題であります。
 今回の専決処分は、土地等の売買に係わる個人県民税の長期譲渡所得について所得金額額が8000万円を超えるものにたいする最高税率を現行の3%から2%へ引き下げるものであり認められません。
 本来、担税力のある大企業や高額所得者への優遇を続け、税の空洞化が進めば、地方税制を歪めるだけでなく、地方財政をさらに圧迫することになります。直接税中心、総合・累進課税、生活費非課税という原則に立った税制の民主的再建を求め、私の反対討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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