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本会議の目次へ 第269回本会議一般質問 北岡ひろし
2002年3月4日

 私は商業振興対策、被災高齢者への支援、消防力の強化など5点について質問いたします。

既存商店街・市場支援策の拡充と予算の増額を

■質問■北岡議員:  まず市場・商店街への支援についてであります。
 阪神・淡路大震災以来7年が経過しましたが、被災地の市場・商店街は極めて厳しい状況にあります。私は先日、JR三宮駅近くにある市場を調査してまいりました。この市場は73店舗ありますが、開店している店舗は40店舗しかなく、33店舗が空店舗となっています。不思議なことにシャッターの中から陽が差し込んできているのです。のぞいて見ると建物はなく更地のままでありました。
 既存市場・商店街などを支援する商業振興対策費のひとつの事業として活力あるまちなか商店街づくり事業が今年度から新設されました。この事業の今年度当初予算約5200万円にたいし、12月末現在の執行額は、約2000万円、執行率37.3%でしかありません。なぜこんなに活用されていないのでしょうか。制度が十分に周知されていないとか、市場・商店街の内部での合意が得られないとか、事業を展開する気力さえ萎えているとか、さまざまな要因があると思われますが、詳しく調査をすることが必要です。
 県は来年度、県下の約900あるといわれる市場・商店街を訪問し、実態調査をおこななうとしていますが、これはわが党が、かねがね要望してきたものであり評価するものであります。県の職員も直接足をはこぶことはもちろん、市町の協力も得るなど、実効あるものするよう厳しく指摘するものであります。
 そのうえで商業振興対策費のありかたについて質問します。
 1996年度から2001年度までの6年間の総額は、約57億円でありますが、そのうち約48億円、85%は商店街商業集積活性化事業費であり、その中には昨年明石駅前に完成したアスピア明石のような駅前大規模店舗への補助金もふくまれています。一方、既存の商店街への支援は、わずか9億円、15%でしかありません。しかも駅前大規模店舗の進出によって既存商店街が大きな打撃を受けています。既存の市場・商店街への支援こそ強化すべきであります。
 先に指摘した実態調査を受けて、市場・商店街のニーズに見合った利用しやすい事業に拡充するとともに、予算も大幅に増額すべきであります。積極的な答弁を求めます。

▼答弁▼神田産業労働部長:  商店街、小売市場の振興施策ついてはこれまでも商業者のニーズを踏まえながら毎年度見直しをおこなってまいりました。商業施設あるいは商業基盤施設の整備、空き店舗対策、イベント開催こういったことでハード、ソフトの両面からきめ細かな支援をおこなっているところでございます。ご指摘の商業振興対策事業、平成8年度から13年度まで計57億円というご指摘でその内48億円は云々というお話がございました。この48億円は商店街のアーケードあるいはカラー鋪装等の商業基盤施設整備。あるいは既存の商店街等が参画をしておこないます、例えばアスピア明石などの再開発事業に伴う商業床の取得を支援するものでございました。残りの9億円は既存商店街の空き店鋪対策、イベント開催等のソフト事業をということになっておりました。基本的には全て商店街、小売市場と地元の商店の振興のための施策でございます。また14年度ソフト事業につきましては、さらに13年度より継続的なイベント開催の支援でありますとか、そういった総合的な空き店鋪対策等の市場、商店街対策を充実をはかっているところでございます。ソフト事業12%増ということになっております。このページの上へ

新事業創出貸付の条件緩和を

■質問■北岡議員:  つぎは創業支援についてであります。1991年以来、県下の廃業率は開業率を上回りつづけています。その結果、自営業主と家族従業者が1991年の約24万2000人から、1999年度の約17万7000人と6万5000人も減少しています。景気の回復のためにも雇用・失業問題の解決のためにも創業への支援が求められています。
 県は鳴り物入りで、ひょうご経済・雇用再活性化プログラムを発表、新分野進出など、中小企業支援のための28の重点事業を計画していますが、これにかかる予算は、今年度決算実績見込額、約8億8000万円にたいし、来年度予算は、11億4000万円で、増加額は2億6000万円とわずかでしかありません。あまりにも不十分ではありませんか。
 創業を支援する国の制度として、新事業創出関連保証制度が設けられ、県としても2000万円を限度額とした新事業創出貸付を実施しています。
 リストラされたAさんは、退職一時金をもとに創業しようと申し込みましたが、結局断念せざるを得ませんでした。せっかくの融資制度も、融資条件に二重の高いハードルがあり利用することができなかったのです。
 最初のハードルは、利用するにあたり「借入額と同額の自己資金が必要」とされていることです。それ自体が大変厳しいものとなっています。いまひとつのハードルは「自己資金の計算にあたって、申込時点からむこう2年間に返済しなければならないほかのローンを差し引くこと」となっていることです。
 Aさんの場合、住宅ローンの返済額が自己資金から差し引かれたため必要な融資額が受けられなかったのです。
 自己資金は借入額の半額にするとか、自己資金の計算にあたって住宅ローン該当分は差し引かないこととするなど、融資条件の緩和を国に求めるべきであります。この件については、前回の定例議会で全会派一致、意見書を国に提出しています。一日も早く実現するよう、改めて求めますがいかがですか。

▼答弁▼神田産業労働部長:  新事業創出貸付の条件の緩和ということでございますけれども、県の中小企業融資制度では創業を支援するためにこれまでから開業資金につきましても対象者の拡大あるいは融資限度額の引き上げをおこなうなど充実をはかってきたところでございまして、平成11年8月からはご指摘のようにこれまでの勤務経験を問わないで無担保無保証人で利用できる新事業創出貸付を創設いたしましたけれども、この貸付は国の方で新事業創出促進関連保証制度の要件といたしまして、借入金と同額以上の自己資金を有することが条件となっております。これにたいするご意見もさまざまございますが、これまでのところ283件15億円の利用実績があるなど幅広い業種の創業に寄与してきているところでございます。しかしながら県といたしましては、さらに創業機会の充実をはかる観点から、これまでも国にたいしまして自己資金要件の緩和等要望してきたところでございまして、今後とも働きかけていきたいと考えているところでございます。このページの上へ

生活援助員の24時間体制を確立し被災高齢者支援強化を

■質問■北岡議員:  つぎに被災高齢者にたいするきめ細かな支援についてであります。
 災害復興公営住宅の高齢化率は極めて高く、県営住宅だけを見ても高齢世帯率は53.6%、単身高齢世帯率は32.7%にも達しています。まさに災害復興公営住宅は、きたるべき高齢化社会の先取りとも言えます。
 神戸市営の災害復興公営住宅での孤独死は1998年度16人、1999年度36人、2000年度47人にもなっています。
 この事態を招いた最大の原因は、被災者の希望を尊重することもなく、年齢構成にも配慮せず「とにかく公営住宅に入居させればよい」としてきた県の施策の誤りにあります。県の責任として、被災高齢者へのあたたかい支援が求められています。
 県は第264回定例議会でのわが党議員の質問にたいし「夜間の緊急対応体制についても、高齢者への安否確認や見守りも、さらには心のケアーも十分におこななっている」と答弁されています。
 先日、私は約250世帯で構成されている、地元中央区の災害復興公営住宅の連合自治会長さんを訪ねてまいりました。そして先の質問の議事録を読んでもらいました。開口一番「県の認識はあまりにも実態とかけはなれている」と語り「つい先日も70歳の男性がお風呂の中で死亡していた」と口火をきり、LSA・生活援助員の充実を求めておられました。
 生活援助員は、神戸市をはじめほとんどのところが、土曜・日曜・祭日は配置されず、平日も午前9時から午後5時までです。24時間体制をとっているところは、93団地のうち4団地しかありません。
 実際、災害公営住宅の集中しているHAT地区への、1999年度から2001年度の3カ年の、急病による救急出動回数は916件、ほぼ毎日出動していることになります。そのうち休日の出動は26%、夜間の出動は62%となっています。先に紹介した風呂場で亡くなった方が死亡したのは、土曜日か日曜日と言われ、発見されたのは月曜日でありました。休日・夜間の配置がどうしても必要であります。
 24時間の見守り体制の確立のため、市町への支援を強く求めますが、お答えください。

▼答弁▼清原県民生活部長:  生活援助員の24時間見守り体制の確立についてですが、被災高齢者の見守りにつきましては生活援助員・LSAが日々、高齢者の安否を確認したしますとともに夜間、土日に生活援助員の不在の住宅にありましては居間やトイレなどの緊急通報操置や水道センサーなどにより派遣元の老人福祉施設や警備会社が通報を受信し関係職員等が直ちに安否確認をおこなっているところでございます。こうした生活援助員・LSAの活動を支援するために県ではこれまでの研修交流会に加え新たにLSAハンドブックの作成、痴呆等の困難事例に即応するための専門相談会の開催などをおこなうこととしております。地域において安心して暮らすためにはこのような生活援助員や新たに設置いたしました高齢世帯生活援助員の活動、いざという時の警察、消防などに加え地域住民による相互の見守りが不可欠でありますことから活動情報サポーターや民生委員、愛育班、老人クラブの会員、NPO等による声かけ、また街の保健室の看護ボランティアによる訪問活動、健康相談などコミュニティにおいて相互に助け合い支え会う仕組みをさらに進めていく必要があると考えております。このページの上へ

生活援助員の配置基準達成をいそげ

■質問■北岡議員: 被災高齢者へのきめ細かな支援の第2は、ひとり暮らしの被災高齢者への心のケアーについてであります。
 私は先日、地元中央区内の88歳のひとり暮らしの女性のお宅を訪問してまいりました。「生きているのがしんどい」と語っていました。この方は6階に住んでおり、この階には8世帯あります。しかし同じ階の人でも話をすることはなく、話をするのは電話だけ。それも仮設住宅で知り合った人だけということです。あまり寂しいので小鳥を飼っており、「小鳥に話しかけている」と話されていました。生活援助員の方が見えますが、それも1週間に2回。玄関での立ち話だけだということでした。その他には誰も訪ねてこず、毎日、毎日テレビを見ながら寂しく過ごしているということでした。知事、あなたはこのような実態をご存知でしょうか。
 生活援助員の配置基準は、おおむね30戸に1人とされています。神戸大倉山住宅とHAT脇浜は、それぞれ約220戸あり、7人の配置が必要でありますが、4人でしかありません。他の10団地についても基準を満たしていないのが現状です。
 配置基準を満たしていないところは、急いで充足することはもちろん、配置基準を引き上げて、被災高齢者への支援を強化すべきであります。知事のあたたかい答弁を求めます。

▼答弁▼清原県民生活部長:  生活援助員の増員についてですが、生活援助員・LSAをどのように配置するかにつきましては実施主体であります市町におきまして、その地域に住んでいる高齢者の家族構成や健康の状態、さらにはシルバーハウジングと特別養護老人ホームとが併設されている場合には見守り面で連係しやすいといった個々の実情を考慮して決められております。合わせて閉じこもりがちな被災高齢者の方々にあっては高齢者同士による支え合いが生き甲斐や元気につながりますことからコミュニティプラザ等でのボランティア活動にたいする助成や健康づくりの活動を通じた仲間づくりを支援したところでございます。これらの取組みに加え先ほどふれましたように昨年10月にはLSA的な機能を持った高齢世帯生活援助員を少なくとも各世帯を週1回訪問できるよう設置したところであり、平成14年度には100人体制に増員いたしますとともに、新たに週1回の電話訪問をおこなっていくこととしております。さらにラジオによる地域コミュニティへの参加を呼び掛けますとともに、身近なところで気軽に参加できるように災害復興公営住宅に出向いて各種の講座の開催等をおこないます巡回型生き生き仕事塾も実施することとしております。今後ともこれらの多様な取組みを通じて被災高齢者への支援を強化してまいりたいと考えています。このページの上へ

消防職員・消防団員の増員と処遇改善を

■質問■北岡議員:  質問の第3は、消防力の強化についてであります。
 あの阪神・淡路大震災では、地震発生の直後から神戸市内だけでも60件の火災が発生し、多くの尊い命が失われました。あれから7年が経過、このさい県下の消防力について点検し拡充することが必要であります。
 震災が発生した年度の消防職員は、5100とんで3名にたいし、2000年度は、5393人となり確かに増加をしています。しかし県下32の消防本部のうち、条例定数より29名も不足している加古川市消防本部をはじめ11消防本部が条例定数を下回っています。
 さらに1998年度の人口10万人あたり消防吏員数は、全国平均118.3人でありますが、兵庫県は96.5人で、宮崎・福岡県に次ぐ、ワースト3という驚くべき状況にあります。
 県は、消防吏員数と消防団員数を合わせた消防関係人員数は、全国的にも遜色はないと主張されています。しかし消防団員数は1994年度の、約5万1000人にたいし、2000年度は、約4万9000人と、2000人も減少しているではありませんか。しかも消防団員のなり手がないとか、遠隔地に勤務し昼間の対応ができないとか、高齢化が進んでいるなどさまざまの困難を抱えているではありませんか。
 また、消防団員の年間報酬の交付税積算単価は、3万4500円とされていますが、大多数の市町が交付税積算単価を大幅に下回っています。これを引き上げるなど、消防団員の処遇を改善することも急務であります。
 消防職員、消防団員の増員と処遇改善を進めるべきであると考えますが、県のご所見をうかがいます。

▼答弁▼青戸防災監:  消防力の強化についての2点の御質問にお答えをいたします。
 まず消防吏員等の処遇改善についてでございますが、消防力の強化につきましては市町村消防の原則の元に消防庁が示しました消防力の基準、消防水利の基準を指針といたしまして市町が当該市町の市街地の人口あるいは中高層建築物の状況、危険物施設の数などの地域の実情を考慮して必要とする消防施設および人員を判断することになっておりまして、各市町では地震防災緊急事業第2次5ヶ年計画などを策定いたしまして順次その充実強化がはからているところでございます。また消防吏員等の処遇につきましては、従来から市町にたいしまして、1つには消防職員については、交代制勤務という勤務の特殊性および危険性等を考慮して勤務体制の整備あるいは事故防止、健康管理などに配慮する必要があること。それから消防団員につきましては、自らの手で郷土を守るために献身的な活動をおこなっておりこの労苦に報いる必要があること。こういったことを十分考慮するよう求めますとともに、財団法人兵庫県消防協会などを通じて消防団員の福利厚生や教育訓練の充実にも努めているところであります。今後とも個々の市町の実情を踏まえまして市町の主体性を尊重することを基本にしながら、適切な人員配置や処遇につきまして必要な指導、助言をおこなってまいりたいと考えております。このページの上へ

消防署・保健所・警察など連携しビル火災の未然防止強化を

■質問■北岡議員:  つぎに雑居ビルにおける火災の未然防止についてであります。
 44名もの死者を出した新宿歌舞伎町の雑居ビルでの痛ましい事故がありました。神戸市内だけでも2221棟もの小規模雑居ビルがあり、そのうち912棟を対象として特別査察を実施した結果、86%にあたる784棟が消防法に違反していました。
 雑居ビル火災の未然防止のために、消防署による厳格な立入検査はもちろん大切であります。しかしそれだけでは十分ではありません。防火管理を徹底することが重要であります。
 消防法では、遊技場や飲食店などが入居しているビル、事務所だけのビル、さらにはいわゆる雑居ビルなど防火対象物ごとに、消防訓練の実施頻度や、消防用設備設置の基準などを定め、それらを統括する防火管理者の配置を義務づけています。
 ビルの新設や大規模な改築の時は、消防署の検査があり防火管理者の配置についても指導を徹底することができます。しかし、その後の用途変更があった場合、現在のところ消防署には把握する術がありません。
 ところが料理飲食業を開店しようとする場合は、県民局または保健所の許可が必要になります。また風俗営業を開始するときには警察の許可が必要になります。しかし県民局や保健所にしても警察にしても、それぞれの所管の側面から検査をしても、消防法の観点からの検査は実施していません。そこで、これらの情報を消防署に通知することにすれば、消防署もビルの実態が把握でき、防火管理者の配置も迅速・的確に指導することができることになります。
 県として消防署、県民局や保健所、警察署などの相互連携のための体制をつくり、雑居ビルでの火災の未然防止につとめるべきだと思いますがご答弁ください。

▼答弁▼青戸防災監:  雑居ビルにおける火災の未然防止についてでありますが、防火安全対策を推進するためには、関係機関の相互連係が非常に重要であると認識しておりまして、新宿歌舞伎町ビル火災を受けた一斉立ち入り検査の実施を各消防本部に通知した際も、関係機関との連係を十分にとるよう要請したところであります。さらに県といたしましても関係機関との連係強化をはかるために、庁内の関係部局や消防警察などの関係機関で構成する連絡会議を設置いたしまして、ご提案のございました風俗営業などの規制および業務の適正化に関する法律、あるいは食品衛生法などによる開店許可情報の相互交換はもちろんでござますが、合同立入検査の実施などについても現在検討をおこなっているところでありまして、雑居ビルなどにおける火災の未然防止に向けまして県、消防、警察などの関係機関が一体となって取り組める体制づくりをすすめる考えでございます。このページの上へ

県道の歩道設置を急げ

■質問■北岡議員:  つぎに道路行政について質問いたします。
 まず歩道の整備についてであります。総務庁が1999年実施した高齢者の日常生活に関する意識調査によれば、自分ひとりで利用できる外出手段は「家の近くの歩行」が45.1%。外出時の障害として「道路に階段、段差、傾斜があったり歩道が狭い」が最も多くなっています。また県の福祉のまちづくり条例でも「高齢者や障害者を含む全ての県民が、いきいきと生活できる福祉のまちづくりを強力に推進していかなければならない」としています。
 ところが、たとえば宝塚市と西宮市を結ぶ県道・西宮・宝塚線は歩道があるものの、幅員が狭く、特に宝塚市内の御所の前・高松地域では、舗装もガタガタで歩道そのものも傾斜しています。この地域には診療所や高齢者向けのディケアセンターがありますが、車椅子はもちろん杖をもっての歩行も困難で、危険とわかっていながらも交通量の多い車道を歩行しているのが実態です。
 また県道川西・篠山線の猪名川町木津地域では、数年前、楊津小学校の通学途上の児童の列に、車が突っ込み小学生ひとりが死亡、13人が重軽傷を負うという、痛ましい事故が発生しました。この現場の歩道の幅員は、約1mでガードレールもありません。「せめてガードレールだけでもつけてほしい」という地元の切実な要望は、いまだ実現せず事故当時のままであります。
 このような事例は枚挙にいとまがありません。
 県下の歩道整備率は、一般国道・市町道ともに約77%にたいし、県道の整備率は54.8%と大幅に遅れています。しかもその中には現行の道路構造令では歩道として認められていない幅員2m未満の歩道が352km、整備済延長の16.8%が含まれています。
 1970年の道路構造令施行の際に、既に設置されている歩道については適用しないとの経過措置は承知していますが、それでよしとせず2m未満の整備済とされている歩道についても、現場調査をおこない必要な措置を講ずるべきであります。
 歩道整備にたいする予算を大幅に増額し、整備を急ぐことが必要であります。積極的な答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事:  道路行政のうち歩道の整備についてお答えをいたします。
 私はこれからのインフラ整備にあたっては作ることも大切ですけれども、既存ストックの活用が大事なんではないか。もっと既存のインフラを使いこなすことが必要ではないかと考えております。したがいまして、作るから使うプログラムの推進をはかろうといたしております。その1つに歩道があります。歩道の整備にあたっては現場を調査した上で交通事故の多発している道路など緊急に交通の安全を確保する必要がある道路におきまして福祉の街づくり重点地区、小学校や中学校の通学路など重点的に整備をはかっております。特に、歩道未整備地区間における歩道整備を優先しているわけでありますが、歩道が設置されている箇所でありましても駅や公共施設の周辺、福祉の街づくり重点地区などで車椅子のすれ違いや段差、波打ちなど課題のある歩道につきましては広幅員化やセミフラット化により快適でバリアフリーな歩行空間を順次進めていくことにしております。現在、国道2号他9カ所、延長約6kmで事業中であります。平成14年度からも、使うという観点を重視いたしまして既存ストックの有効活用をはかっていくために、この整備に取組み歩道の拡幅などにより利用しやすい歩行空間の確保をはかることといたしております。このような歩道整備に取組むため厳しい財政事情ではありますけれども、懸命の努力をしていく所存でございます。なお、ご指摘の西宮宝塚線につきましても順次整備を進めておりますのでご理解願いたいと思います。このページの上へ

開発者負担原則を厳格に守れ

■質問■北岡議員:  つぎに道路行政について、新たな角度から問題点を指摘し質問いたします。
県は293億円を投じて、県道上郡三日月線と、県道相生山崎線を完成させました。この県道は、播磨科学公園都市内の、幹線道路と取付道路であります。本来この道路は開発者である企業庁が負担すべきものを、県の道路財源を投入したものであり開発者負担の原則に背くものであります。また県はかねてから「企業庁の事業には県税は投入していない」と主張し続けていますが、このような形で県税が投入されているではありませんか。
 さらに、現在ひょうご情報公園都市で、総額13億5000万円をかけて、中央幹線の整備が進められています。これはもともと三木市道であり、同市からの受託事業としておこななわれています。この工事費について、県は三木市に負担を求めていますが、開発者負担の原則を厳格に適用し、県の道路財源を投入したり、市町に負担を求めるべきではありません。明確な答弁を求めます。

▼答弁▼足立公営企業管理者:  私から道路行政についてのうち道路整備にたいする開発者負担の関係2点についてお答えいたします。
 まず播磨科学公園都市に関連する県道についてでございますが、県道相生山崎線は、相生市の国道2号から新宮町の国道179号を経て山崎町にいたる幹線道路で、また上郡三日月線は、上郡町の国道373号から三日月の国道179号にいたる幹線道路であり両線は沿線住民の生活を支え西播磨地域における公益的な道路網を形成する大変重要な路線であります。しかしながら両路線とも幅員狭小で屈曲が激しく、かつ上郡三日月線は一部が交通不能であるなどその機能が発揮しえない状況であったため周辺市町から早期整備が強く要望されておりました。また播磨科学公園都市は、西播磨テクノポリス地域の拠点都市として新たな産業集積、新規企業の進出、定住人口や交流人口の増加とこうした地域活性化の基幹プロジェクトでありますのでその整備効果をより高めるためにもこの新都市内を通過するルートが最も効果的、効率的であることからそのルートを選定して地元の強い要望に応えたものでございます。今後とも地域振興に資する県土の整備につきましては、より効果的、効率的な整備に努めてまいりたい。このように考えております。
 つぎに、ひょうご情報公園都市の中央幹線道路でございますが、中央幹線道路はひょうご情報公園都市と既成市街地とを連絡する道路として三木市道に認定され市事業として整備が進められております。この整備にあたりましてはひょうご情報公園都市のアクセスにとっても重要な道路となりますので企業庁におきまして適切な財政支援をおこないますとともに、施工についても市の業務量の軽減をはかるため企業庁が受託事業として取組み、その整備に支援、協力をおこなっているところでございます。このページの上へ

神戸空港建設への補助・出資は撤回せよ

■質問■北岡議員:  最後に神戸空港問題であります。わが党は神戸空港の建設について、必要性や採算性などに問題があるとして中止を求めつづけてまいりましたが、最近になって神戸空港の建設について「中止を求める」などの発言が続いています。
 自由民主党の元幹事長・野中広務氏が「神戸空港は必要ない。神戸に新たな空港を造ると言うのは、本四架橋と同じ批判を後世受けることになる。関空、伊丹、神戸の3空港の共存は、需要などの面からも無理だ」と発言。太田房江大阪府知事も関西3空港構想について「当初計画を既定のこととして漫然と進めるべきではない」と、神戸空港について見直しの必要性を示唆しています。続いて扇千景国土交通大臣も「関西に3空港も必要がない」と発言、2月22日の衆議院予算委員会でも同様の発言をしています。実際、国は神戸空港整備にかかる神戸市の要求額を20%カットするなど、財政面からスローダウンさせているではありませんか。
 ところが知事は、先の本会議での提案説明で「関西、大阪、神戸の3空港については、それぞれが国際拠点空港、国内基幹空港、地方空港としての機能を発揮してはじめて、21世紀の大交流時代にふさわしい関西圏の基幹的な交流基盤が整備される」として、来年度予算に、神戸空港整備事業費補助金4800万円、神戸空港ターミナルビル株式会社出資金7000万円を計上しています。単年度で1億1800万円でありますが、向こう20数年間にわたって、総額75億円もの支出を伴うこととなっています。
 神戸空港は必要性もなければ採算性もありません。需要予測は、空港の必要性や採算性に決定的な影響を与えます。神戸市は2010年度の年間旅客数を420万人、発着回数を2万2000回としています。
 計算では2005年開港から2010年度までの、旅客数の伸率を23.5%、発着回数の伸率を10%としています。ところが1995年から2000年の大阪国際空港と関西国際空港の国内便の乗降客数の伸率は15.2%、着陸回数にいたっては1.2%でしかありません。需要予測はあまりにも過大ではありませんか。
 実際、国土交通省は「利用者数が建設申請時の需要予測を大幅に下回っている」との会計検査院の指摘を受けて「競合するJRなど交通機関の輸送量を基に、より実態に即した需要予測にするよう」求めているではありませんか。
 需要予測の他にも環境に与える影響、3空港が輻輳することによる空の安全性も懸念されています。だからこそ空港島建設に着工した現在でも、神戸空港建設の市民合意は得られていないのです。
 神戸市長選挙で空港推進の市長が当選しましたが、空港反対の候補者の得票総数を下回っていたことは周知の事実です。出口調査でも、空港反対が約6割で過半数を超えています。さらに最近ある新聞社が近畿圏の有権者を対象に世論調査を実施しましたが、兵庫県内の回答者の67%が「中止したほうが良い」と回答、推進派は20%でしかありません。知事、県民合意も得られていないではありませんか。
 神戸空港は必要性もなければ市民合意もありません。3空港の役割分担どころか、互いに足を引っ張り合うことになるのは明らかです。さらに公共事業の見直しが全国的な流れとなっている時、なぜ県税を投入してまで神戸空港を後押しするのですか。まさに時代の流れに逆行しているではありませんか。このような予算の計上は撤回すべきであります。知事の答弁を求めて私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

▼答弁▼井戸知事:  神戸空港は21世紀の大交流時代において関西3空港の1つとして神戸都市圏の利便をはかるとともに活力と魅力ある街づくりに不可欠な都市基盤だと考えます。神戸空港の需要予測については平成7年度に神戸市が実施したものでありますが、関西圏における平成6年度から平成12年度までの年平均航空旅客増加率は3.4%と順調に伸びていることを考えますと、神戸市におけるこの需要予測は現時点で見直すことはないのではないか、神戸市もそのように考えられてございます。この空港については、平成2年に神戸空港を第3種空港とし、設置管理主体を神戸市とすると基本方針が県・市で合意発表し平成5年には新規事業への格上げ、平成8年には空港整備法に基づき整備管理する地方公共団体を神戸市とするということについて県議会の議決をうけ現在に至っているものであります。神戸空港が本県の空の玄関口として神戸市民のみならず、県民に広く利用され県民の利便に資する空港であるとの観点から空港の建設の補助およびターミナルビルへの出資をおこなうこととしたものであります。なお空港空港官制につきましては、関西空港、大阪国際空港、神戸空港この3空港を一体的に管理する一元管理システムが導入されることとされておりますし、また先ほど触れられました需要調査につきましては、神戸空港の利用を考えられてない地域の方々にたいしても「利用しますか」ということにたいしてのお答えであたんではないかと、このように私は承知をしております。いずれにしましても神戸空港を関西圏におけるこれからの21世紀の都市基盤施設として大交流時代にふさわしく整備をすすめていくことが基本ではないだろうかとこのように考えていますのでご理解をいただきたいと存じます。このページの上へ

■参照リンク:神戸市議団の「神戸空港の工事中止を求める要望書」2月13日

神戸空港建設の情勢は大きく変化している

■再質問■北岡議員:  さきほど空港問題について知事の答弁がありました。確かに平成2年に合意したことは事実です。しかしあの時には伊丹の空港、大阪国際空港を廃止するこれが前提でありましたしその後、ご承知のように阪神淡路大震災がありました。情勢が大きく変化しております。情勢が変化しているにも関わらず一旦決めたことだからとしゃにむに推進していく。そのことは今批判されているのではありませんか。

関西国際空港の国内便需要は減少、採算割れは明らか

■再質問■北岡議員:  さらに需要の面ではどうでしょうか。本当に需要があるのでしょうか。関西国際空港の国内便でさえ乗客数でも着陸回数でも減少しているのに、乗客数はどうか1995年の約793万人にたいして2000年は784万人、9万人減少してます。着陸回数については約2万8900回から2万6700回と約2200回も減少しているんです。まさに採算がとれないことは明らかではありませんか。

知事答弁は県民の意志と矛盾する

■再質問■北岡議員:  さらに知事は先ほどから県民の世論調査について答弁されましたけれども、知事は今まで参画と共同こういうことを主張していましたけれども、それとも矛盾するのではないでしょうか。改めて答弁をお願いいたします。

▼答弁▼井戸知事:  いくつかおたずねいただきましたけれども、まず平成2年に伊丹空港廃止を前提として関西空港を作るということが決まったわけではありませんで、その時は伊丹空港の存廃調査を継続し、その存廃調査の結果に基づいて存続を決めるか決めないか大詰めの調査段階だったと承知しております。また神戸空港は、平成7年のあの阪神淡路大震災の復興のシンボルプロジェクトとしても認定されているところでもあります。
 また需要おきましては、空港のような21世紀全体をにらんで整備すべきかどうかを決めるような施設におきまして短期間の需要の変化のみを前提に議論するのはいかがでしょうか。
 また県民の方々の大きな支持を得て井戸も当選させていただきましたし、矢田市長も当選させていただいたんではないかと信じております。

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