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本会議の目次へ 第268回本会議一般質問 ねりき恵子
2001年12月03日

 私は男女平等参画、保育所問題、不法投棄問題、宝塚新都市、高校の施設改善について質問します。

男女平等社会を積極的に推進する条例に

■質問■ねりき議員:  質問の第1は、男女共同参画の条例化について、真の男女平等と女性の地位向上を願って質問いたします。
 男女平等をめざす取り組みは国連を中心に世界で広がり、日本でも女子差別撤廃条約の批准につづいて1999年に男女共同参画社会基本法が策定され、兵庫県でも今年3月「ひょうご男女共同参画プラン21」が策定されたところです。
 ところが、男女差別は依然として解消されておらず、女性の置かれている状況は深刻な不況のもとむしろ悪化しているのが現状ではないでしょうか。それは賃金の面でも顕著に表れています。多様な働き方を口実にした雇用管理や能力・成果主義による賃金体系が導入され、厚生労働省の調査によるとパートや派遣など非正規労働者を含めると2000年の女性の賃金は男性の49.8%しかなく、1985年の51.8%よりも後退しています。またコース別雇用管理は間接差別という新たな女性差別を生みだし、女性の職場進出を阻害しているのが現状です。さらに農業や自営業に従事する女性の労働が正当に評価されていないことや、労働基準法の女性保護規定の撤廃で女性労働者の健康と母性破壊も深刻です。
 いま男女共同参画の条例制定が進められ「条例の基本的な考え方の論点整理」にたいする「県民の意見募集」がおこなわれていますが、真に男女平等の社会を実現するために、こうした女性の置かれた実態を直視し、その解決を図る実効ある条例化が求められています。
 そのために条例名は、社会のあらゆる分野で男女平等と共同参画を積極的に推進する意味で「男女平等参画推進条例」とすること。
 その上で条例の基本理念に男女差別の禁止と母性保護規定を明記するとともに、雇用の分野での機会均等の確保、労働時間の短縮・家族的責任との両立を明記すること。さらに第三者機関の設置にあたっては女性からの苦情を調査し処理できる専門家を配置し事務局体制を確立すべきだと考えますがいかがでしょうか。

▼答弁▼井戸知事:  ねりき恵子議員のご質問にお答えをいたします。まず男女共同参画の条例化についてであります。男女共同参画社会の実現に向けて本年3月に働く場における男女共同参画の推進、女性がすこやかに過ごせる社会の形成などの基本目標を定めました「兵庫男女共同参画プラン21」を策定したところであります。今後さらに同プランの着実な推進をはかり県民・団体・NPO・事業者・行政等の主体的取り組みをすすめていくためには、その基盤となる条例の整備が必要であると考えております。このことについてはすでに県議会においても強くご指摘されてきたところであります。このため今年度、団体代表・労使代表・学識経験者等で構成する兵庫県男女共同参画推進委員会を設置いたしまして条例に盛り込むべき基本的事項等について検討をすすめております。この10月には、これまで委員会で検討してきた内容の中間報告を取りまとめて論点整理を発表し、県内10地域で開催した意見交換会や県民からのパブリックコメントを募集しているところであります。今後これらの意見や条例の名称、性別による差別的取扱いの禁止、雇用の分野における男女共同参画の促進、苦情等の処理等、議員のご指摘の点も含めて委員会においてさらに検討していくこととしております。その検討結果を踏まえて、できる限り早く成案を得て、できれば2月県議会への提案を目指して条例化をすすめてまいりたいと考えます。このページの上へ

女性への暴力被害の救済体制を充実せよ

■質問■ねりき議員:  質問の2点目は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」いわゆるDV防止法に伴う対策の充実についてです。
 これまで日本の多くの女性は家庭内での夫の暴力に泣き寝入りしてきたのが実態です。その結果、警察統計でも明らかなように「夫に殺される女性」が毎年100人を超え、2年前の国の調査では、女性の20人に1人が「夫から命にかかわる暴力を受けた経験がある」と答えています。また兵庫県でも1999年の婦人相談センターへの相談1791件のうち「夫からの暴力によるもの」が3分の1の552件が占め、そのうち70件の一時保護がおこなわれるなど事態は極めて深刻です。
 DV防止法は「配偶者からの暴力が日本国憲法の個人の尊重と法のもとの平等を侵害する行為」であり、夫の暴力を犯罪としました。また婦人相談所などが「配偶者暴力相談支援センター」の機能をはたすために、都道府県が相談・保護・自立支援等体制整備をおこなうことを明記しています。
 ところが現在の県立婦人相談センターは、施設面でも人的体制の面でもあまりにも不十分です。6畳程度の一時保護室が6室しかなく、被害者が児童同伴の場合には、遊ぶところもない子どもたちは部屋の中でじっと閉じこもっていなければならない状態です。しかも正規職員は3名だけで、現実には無資格の婦人相談員3名と寮母5名を含めた非常勤嘱託員11名で対応するなど、今日の増大する被害者救済にはとうてい追いつかないのが実態です。
 県内には婦人保護施設は2カ所だけです。他には民間シエルターが2カ所、このシェルターには公的助成もなく運営そのものが困難な状況です。被害を受けた女性を安全に保護し自立支援を助けるための施策の充実が緊急に求められています。
 県として、当面県立婦人相談センターの施設の拡充と正規職員の増員、専門性をもった相談員を配置すること。さらにDV防止法に規定された配偶者暴力相談支援センターを設置するするとともに民間シェルターへの運営費補助をおこなうことを求めますがいかがでしょうか。誠意ある答弁を求めます。

▼答弁▼清原県民生活部長:  わたくしから2点についてお答え申しあげます。まず配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に伴う対策の充実についてですが、婦人相談センターの一時保護につきましてはできる限り早くつぎの処遇につなぐ短期間の保護の役割を担っており、平成13年度上半期の一保護状況を見ますと保護実人員は91人延べ807人/日で平均保護日数は、6.4日、1日あたり4.4人の現状にあり10月13日の法一部施行から11月末までの1日あたりの実績は8人と、それまでより増加しておりますけれども、定員が15人でありますことから当面現状で対応が可能であると考えております。なおドメスティックバイオレンス被害者の一時保護が増加した場合にも緊急かつ適切に対応できるよう県内の婦人寮・母子生活支援施設など一時保護委託先として検討しているところでございます。また婦人相談員につきましては、法律上非常勤職員とされておりまた資格要件は決められておりませんけれども、本県では全員、社会福祉主事等の資格を持った専門性の高い経験豊かな職員を配置しているところでございます。さらに本年4月からは、社会福祉士資格をもった婦人相談連絡調整員を県独自に配置し相談体制の強化をはかっております。平成14年4月1日の配偶者暴力相談支援センターの設置に向けて現在、相談体制のいっそうの充実、シェルターとの連係などについて幅広い検討を重ねておりセンター機能が十分に果たせるよう努めてまいる所存でございます。このページの上へ

公的責任を果たし保育所の増設で待機児の解消を

■質問■ねりき議員:  質問の3点目は、深刻な待機児童問題を解決するための保育所整備についてです。
1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は、1999年度1.35という低い水準で推移し、少子化は依然として深刻な問題です。改めて子育て支援の強化が緊急の課題となっています。ところが少子化が進んでいるにもかかわらず、保育所の待機児童は増え続け、昨年4月時点で全国で3万3000人、兵庫県では今年4月時点で2672人と5年前に比べて1.5倍に増えています。特に、私の地元宝塚市では1999年にはゼロ歳児の待機児童が全国一になり、今年10月の待機児童数は258人にものぼり、厚生省のヒアリング対象になるなど深刻な事態となっています。
 国は今年6月、待機児童ゼロ作戦を発表。今後3年間で15万人の待機児童を解消するとしています。しかし、その内容は「最小コストで最大の受け入れの実現を」の言葉どおり、保育所の設置・職員配置を決めた最低基準をさらに緩和しようとしたり、民間企業の参入で保育を市場化し、今まで行政と社会福祉法人の保育所が担ってきた公的責任を大きく後退させるものです。
 保育に市場原理が持ち込まれれば、コスト削減のために保育士を契約社員にするなど、保育内容の低下はさけられません。私が先日見学におこなった保育園では、若い保育士が絵本の読み聞かせをしていましたが、保育士は絵本のページをめくるだけで、お話しはカセットデッキから一方的に流れてくるだけです。
 また今年春、全国チェーンを展開している「ちびっ子園」で幼い命が犠牲になり、あまりにもひどい実態がマスコミでもとりあげられました。民間企業による市場競争が必ずしも子どもたちにとってよりよい保育サービスをもたらすものではなく、逆に大きな危険をはらんでいることが浮き彫りにされました。
 一方、知事は待機児童の解消について、今年度中に約1400人を受け入れ、2003年度末には解消できるむねの見通しを発表されました。
 しかし県の計画は、各市町の年度当初の計画を単純に積み上げただけで、年度途中に倍増する待機児童や、申し込みすらあきらめている潜在的な待機児童の数は計画から除外しているというごまかしがあります。さらに本年度中に解消できるとしている1400人も、保育所の新増設で定員が増えるのは450人あまりで、残りは定員を弾力化して詰め込もうとするものです。すでに定員の25%増しの受け入れで保育所は過密になり子どもたちの事故や怪我が増えています。これ以上詰め込こんでは、さらに保育内容が低下することは明らかではないでしょうか。
 待機児童の解消にあたっては未来を担う子どもの命を守り、健全な発達と成長を保障するため、公的責任の後退や保育の質の低下を招く国の動きに追随することなく、あくまでも保育所の新増設を基本に据えた保育所整備計画を県の責任で策定することを求めるものです。知事の誠意ある答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事:   続きまして、待機児童問題解消のための保育所整備についてであります。保育所の待機児童の解消につきましては、喫緊の課題と認識しております。県としまして平成13年6月に改定いたしました「すこやか兵庫こども未来プラン行動計画編」に基づきまして保育所の新増設など計画的な取りくみをすすめることとしております。現在のところ私どもの試算では平成15年度末には、待機児童が解消するものと考えております。待機児童数の把握についてでありますが、市町において就労している保護者のみならず休職中の保護者などを含めたニーズをもとに就学前児童数や転出入児童数等の将来推計も加味して毎年きめ細かく見直し作業をおこなっております。今年度末までに1400人を解消することとして取り組んでおりますが、現在までの取り組み結果では保育所の新増設とNPO・企業等多様な設置主体の導入によりまして450人、既設保育所の定員拡充によりまして1600人、無認可保育所の認可化によりまして50人、合計で当初計画1400人を大きく上回る約2100人の解消が見込まれております。なお、ご指摘の既設保育所の定員拡充でありますけれども、この定員拡充にあたっては余裕室の活用や保育士の配置による適切な保育水準を確保した上で実施していっているところであります。今後ともこれらの取り組みによる待機児童の解消をさらにすすめるとともに延長保育や一時保育などの多様な保育ニーズへもきめ細かく対応し、こどもたちが地域において、たくさんの人間関係の中ですこやかに育っていけるよう全力で取り組む所存でございます。以上私の答弁とさせていただきます。このページの上へ

県は、不法投棄された廃棄物撤去に責任を果たせ

■質問■ねりき議員:  つぎに産業廃棄物の不法投棄問題についてです。
 さる9月2日、私の地元宝塚の自然豊かな山林が広がる北部・西谷地域で産業廃棄物の不法投棄を続けていた福井興業が廃棄物処理法違反で逮捕される事件がおきました。昨年夏ごろから毎日2〜30台の大型ダンプが廃棄物の搬入を続け、年末までのわずか4カ月あまりの間に、高さ約20m、3万立方メートルの巨大な産廃の山ができ上がってしまいました。
 現場付近は田畑が広がり、住民が日常的に通行する道路に面していることから崩壊による廃棄物の流出や水質の悪化を心配する住民からの苦情が相次ぎ、県はこの間、立ち入り調査や監視をするだけで、事態は一向に改善されないまま不法投棄を黙認してきました。今年3月になって、ようやく撤去するよう措置命令をだしましたが福井興業はこれらの行政指導に従うように見せかけて廃棄物を運び出し三田市の山中に不法投棄していたのです。その後、半年たってようやく業者は逮捕され、産廃の山だけが残されてしまったのです。産廃の山がこのまま放置されたのでは新たな不法投棄を呼び、自然の宝庫である西谷中がごみ捨て場になるのではないかと、地元住民の不安が広がっています。
 今回の事件を引き起こした原因の第1は県の姿勢にあったことは明らかです。そもそも福井興業は2年前にも猪名川町の砂防指定地域で建設残土の野積みをして、その撤去もおこなわず砂防法違反で県が代執行したという経過があります。ところが過去にこのような問題を起こした悪質な業者であるとわかっていながら、県は「自社の廃棄物の一時置き場」といえば鵜呑みにし、業者を野放しにしてきた県の責任は重大です。また明らかに廃材やプラスチック等が混ざっているのに「建設残土は廃棄物処理法に抵触しない」などと、これも業者に追随した県当局の姿勢が、問題を大きくしたのではありませんか。
 第2は監視体制の問題です。警察統計によると昨年の産業廃棄物事犯39件中17件、半数近くが阪神間に集中しています。ところが、この地域にはたった1名の監視員しか配置されていません。業者の不法行為を明らかにするためには、綿密な監視活動が必要で、これではあまりにも手薄な体制といわざるを得ません。
 廃棄物処理法は、汚染者負担原則を義務づけており、業者に処理責任があるのは当然です。しかし100社以上あると言われる福井興業に依頼した排出業者の内、現在確認された業者は10社あまり、しかも福井興業には「完全に撤去するだけの資力はない」と言われています。これではいつまでたっても撤去は進まないのが実態です。住民は一日も早く完全撤去を願っています。汚染者負担の原則を貫くため今後も徹底した調査が求められるのは当然ですが、事態は緊急を要します。
 そこで県の責任で廃棄物の完全撤去をすること。そして、このような事件を再び繰り返さないために業者の「一時置き場」などという言い訳を許さない厳しい姿勢で指導にあたること。さらに監視員の増員など監視体制の強化やマニフェスト制度の徹底を求めますがいかがですか。県民が豊かな環境のもと、安心して暮らせるよう知事の英断を求めます。

▼答弁▼清原県民生活部長:  つぎに廃棄物の不法投棄問題についてですが、宝塚市大原野に不法投棄された産業廃棄物につきましては行為者が起訴され第1回公判の中で現場の廃棄物を撤去することを表明しております。現在行為者にたいして廃棄物を撤去するよう厳しく指導しているところでございます。また無認可業者である行為者へ廃棄物の処理を不法に委託した排出事業者にたいしましても委託に関する確認を順次おこない廃棄物の完全撤去に向け強力に指導をおこなっているところでございます。このような廃棄物の不法処理に対応するため平成12年度に4名の不法処理監視員を配置し、本年度はさらに2名の増員をはかり警察における環境モニター130名とともに全県をカバーする監視体制を整備したところでございます。また国・県・市町・県警の関係機関で構成いたします兵庫県不法投棄防止対策協議会や、地域ごとに設置しております廃棄物対策会議におきまして情報共有と個別事案にかかる対策に取り組むとともに、これらの関係機関と連係しながら立入検査や不法投棄監視の強化をはかっているところでございます。今後とも年々巧妙化していく不法投棄にたいし住民等の協力を得て早期に発見し県警等関係機関との連係を緊密にとりながらマニフェスト制度はもちろん、地域ぐるみのシステムを活用した不法投棄防止の徹底をはかってまいります。このページの上へ

宝塚新都市計画は中止し住民参加の計画を

■質問■ねりき議員:  つぎに宝塚新都市計画について質問します。
 この宝塚新都市計画についてわたしたちは「莫大な事業費を使って大都市近郊に残る日本の原風景と貴重な自然を破壊するものであり、計画の白紙撤回と広く住民参加を保障して環境優先を貫いた町づくりを進めること」を求めてまいりました。バブル経済の崩壊と、ここ数年来の深刻な不況の中、この大規模計画は見通しが立たなくなり、企業庁の事業に移したうえ全面的な土地利用計画の見直しを余儀なくされてきました。
 ところが、その失敗の原因や責任が明確にされないうえに、見直しの方向すら明らかになっていない中で、第二名神高速道路の施工命令が出たことを最大の根拠に全体計画1500ヘクタールの4分の1を占める「玉瀬第3クラスター」の開発が強行されようとしています。
 しかし、この開発の大前提となっている第二名神高速道路は時速120kmに対応する今までにない高規格幹線道路で、不用不急なだけだく見通しも不透明です。
 また、玉瀬第3クラスターで計画されている事業内容も問題が山積みです。物流拠点については、この地域に隣接する中国縦貫道路の西宮北インター出口やその他近隣のインターに大規模な物流団地が数多くあり、需要の見通しが立たないことはこれまで指摘してきたところです。
 緑間住宅についても当初の1戸あたりの面積2500平方メートルを縮小して700〜800戸程度、販売する方向で調査・検討しているようですが、需要見込みもあいまいで、たとえ売却できたとしても山の保全ができるのか疑問です。
 さらにガーデンビレッヂ構想については、当初計画にはなく、昨年になって急浮上してきたもので、西谷地域内で計画されている阪神野外活動型CSR施設との競合も懸念されています。
 これらの計画は「可能な限り自然地形を生かした計画にしたい」との言葉と裏腹に、自然の山林を切り開いて200ヘクタール近くの広大な土地を造成するものです。この玉瀬第3クラスターのすぐ横には宝塚市民の水源である川下川貯水池があり、自然破壊と同時に水質汚染も新たな問題となり、南側は武庫川が流れダム計画との関連を懸念する声も出ています。この地域には貴重な自然環境、生物や植物が残されている他、指定文化財15カ所、神社仏閣20カ所など歴史遺産も多数存在しています。
 このように新都市計画全体の将来像が見えない中で第二名神だけを頼りに強引に進められようとしている開発に住民は大変不安を感じていますし、その一方で見直しの内容が知らされていないことへの不満も多くの方からお聞きしています。
 私がお聞きした地域のみなさんは、西谷の将来について「この自然を残して欲しい」「里山保全条例をつくって遊歩道やハイキングコースのある自然公園に」「蛍の里づくりを」「山の上に風力発電を」「公園・スポーツ施設」「大学を誘致して緑の中に学校を」など、いろいろと夢を持っておられます。
 そこであらためて、玉瀬第3クラスターを始め宝塚新都市計画はいったん中止し、住民とともに西谷地域の将来について検討しなおすことを求めますがいかがでしょうか。お答えください。

▼答弁▼足立公営企業管理者:  私から宝塚新都市計画についての内、計画の見直しについてお答えいたします。
 宝塚北部地域は昭和60年代のはじめに開発圧力が非常に高く民間による乱開発が懸念されたことから宝塚市や地元自治会から強い要請を受けまして、この新都市計画にとりくんでいるところでございます。事業の推進にあたりましては大規模に山林を改変する従来型の開発は環境に与える影響が大きいことから、水源涵養林や自然を生かした公園など可能な限り緑地を残し自然と共生する土地利用を基本として整備する必要があるとこのように考えております。また、計画区域が広大なことから段階的な整備に取り組む必要があり、第1期事業としては第2名神高速道路の事業進捗にあわせて玉瀬第3クラスターの整備に取り組む方向で検討をすすめております。
 現在、緑間住宅の需要見込み、あるいは物流拠点への企業の進出見込み、こうしたことについて調査をおこなっておりまして、またガーデンビレッジ構想につきましても関連産業界や地域住民の参画を得たガーデンビレッジ構想地域懇話会などをもうけ構想の具体化に向けた検討をすすめております。
 いずれにしましてもこれらの調査結果を十分踏まえまして具体的な事業計画を策定をしていきたいとこのように思っております。
 なおその他のクラスターにつきましては第1期事業の成熟化を見極める必要がございますので当面事業の進度を調整していくとこのように考えております。いずれにしましても新都市計画の推進にあたりましては地元自治会など幅広い住民の参画を得ました宝塚北部地域整備対策協議会、また宝塚市と引き続き協議をおこないまして着実に取り組んでまいりたい、このように考えております。このページの上へ

西谷地区・県道の安全対策を急げ

■質問■ねりき議員:  その上で今すぐやらなければならないことは、この地域の住民の安全を守ることです。
 今年10月、西谷小学校・中学校・幼稚園のPTAや自治会連合会など6団体が連名で西谷地域通学路の安全確保について宝塚市と県に要望書を出されました。この地域では、震災後三田方面への抜け道として通過車両が増加しました。その上、今年4月、長尾山トンネルが開通したことにより、さらに交通量が増え、特に大型車両の運行が頻繁となり、信号が少なく猛スピードで走り抜けていくなど交通環境はますます悪化の傾向にあります。PTAの方が毎朝7時40分から8時10分までの通学時間帯に交通量調査をされた結果を見ますと、たった30分間に450台を超える自動車が通過しています。県道と言っても昔のままで、歩道はほとんど無く、大型車がすれちがえば歩くスペースもない状況です。
 西谷中学の生徒は、この危険な道を自転車で毎日通学しているのです。約30分かけて通っているある生徒は「もう慣れているから事故にあったことはないけれど、道ばたの土手に倒れて逃れたり、ひやっとしたことはほとんど毎日ある」と言っていました。いつ重大な事故が起こっても不思議でないような西谷地域の生活道路である県道塩瀬宝塚線の改修と歩道整備は待ったなしです。
 ところが、宝塚土木事務所では県道整備について「計画がない」とのことです。こういうところこそまず第一に整備すべきではないでしょうか。
 開発計画を理由に県道の整備を遅らせるのではなく、直ちに歩道を整備するなど安全な通学路、安心できる生活道路の整備を早急に進めることを求めます。

▼答弁▼山口県土整備部長:  宝塚新都市計画についてのうち県道安全確保についてお答え申しあげます。
 県道塩瀬宝塚線は西谷地区と宝塚市街地を結ぶ南北の幹線道路であり、これまにも必要性の高い区間から整備をすすめ一部区間を除き、ほぼ2車線の改良済みとなっております。現在は玉瀬地区内で改良済み区間に引き続きやく200mの改良をおこなっおり今年度完成する予定であります。
 また、切畑交差点の改良にあわせまして交差点以南約200mにつきまして屈曲部の改良と歩道設置をおこなう計画としているなど新都市の開発計画とは別に緊急度の高い箇所から整備をおこなっております。
 一方交通安全対策といたしましては大原野地区内の約1.2kmにつきまして歩道整備を完了し引き続き川西三田線との交差点までの間、一部において事業中であります。さらに玉瀬から、まつばや間約2.3kmにおきましては、路肩等の整備により歩行空間の確保をはかっております。
 安全な通学路、安心できる生活道路の整備は常にわれわれが求めているものでございまして、今後ともこれら生活道路の整備に努める所存でございますが、ご承知かと思いますが、道路財源の確保は非常に厳しい状況にございまして、国への働きかけもおこなっております。この取り組みにつきまして議会としてもぜひご支援をお願いしたいと思います。このページの上へ

県立高校の教室に冷暖房整備計画を

■質問■ねりき議員:  最後に県立高校の施設改善、とりわけ宝塚市内の県立4校への冷暖房設備の整備と、障害児が通学している学校へのエレベーター設置に絞って質問いたします。
 宝塚市内の県立高校は宝塚高校が逆瀬台に、東高校が中山五月台、北高校がすみれが丘、西高校はゆずり葉台と4校とも高台の上に建てられています。冬になると冷たい北風が吹き下ろし道路が凍結する中を生徒はコートも着ずに通学しています。真冬には5度前後になる教室では、かじかんだ手をポケットで暖めたり、私にメールを送ってくれた女子生徒は「スカートの下にジャージをはいても寒くて、ふるえながら授業を受けています」と訴えていました。
 「厳しい寒さの中で我慢することで肉体も精神も鍛えられる」と精神論を押しつけるだけでは生徒の学習意欲を高めることはできません。「全教室に冷暖房を、せめてストーブでもつけて欲しい」これは生徒や先生方の切実な願いです。ある高校では生徒達が卒業記念にストーブを残したいという話や、最近では宝塚市内の県立4高校の校長先生も一致して県に要望するとお聞きしています。基本的には、県内すべての学校の全教室に空調設備を設置すべきですが、県教育委員会は現在、職員室と保健室に限って冷暖房設備を設置する計画があるだけで、ストーブについてもまだ3割の高校にしかないとのことです。
 毎年冬になるときまって厳しい冷え込みにおそわれる、宝塚市内の県立4高校をはじめ、当面の対策として、せめて必要な学校の全教室にストーブを設置すること。生徒の学習環境を改善するため、直ちに空調設備の整備計画を作って具体化することを求めますが、お答えください。

▼答弁▼武田教育長
 私から、県立高校の施設改善についてお答え申しあげます。まず冷暖房設備の整備についてであります。県立高校への冷房整備につきましては平成元年度より計画的に整備をすすめてきたところであります。これまでに校長室、事務室、図書室などへの設置を完了いたしております。平成10年度からは職員室、保健室への整備をすすめてきておりまして、今年度で約8割の学校において整備が完了する予定となっております。
 現在おこなっております整備が完了した後につきましてもコンピューター教室などさらに整備が必要とされる部屋がありますことから今後も引き続き冷房の整備はすすめてまいりたいと考えております。また県立高校へのストーブの設置につきましては、但馬、丹波、さらには神戸市北区のように標高の高いところなどの高校や夜間に授業をする定時制の高校に設置をすすめてきたところでありますが、今後とも気象状況、地理的状況、各学校の実態等も勘案をしながら必要なところには順次設置をすることといたしておりますのでご理解をいただきたいと思います。このページの上へ

特別予算で障害者の通う高校にエレベーター設置を

■質問■ねりき議員:  つぎに、どんな障害を持っていてもその生徒の自立と学ぶ権利を保障するひとつとして、県立高校にエレベーターを整備することについてです。
 現在、県内では車椅子を使用している生徒31人が県立高等学校22校に通学していますが、そのうちエレベーターが設置されているのはわずか2校だけです。全県的にも9校にしか設置されていません。
 去る9月18日、宝塚市議会から知事宛に「宝塚東高校にエレベーター設置を求める意見書」が提出されました。その後、宝塚東高校育友会が「この機会にぜひエレベーターの実現を」と県教育委員会に向けた要望署名の運動に取り組んでおられます。高校2年生に車椅子生徒が在籍し、今後入学してくることも考えられること、エレベーター設置によって、より自由な高校生活を送ることができる高校のバリアフリー化のためにもエレベーターの設置が必要との内容です。
 私も東高校に行っていろいろお聞きしてまいりました。キャタピラーのついた階段昇降機はありますが、これは障害者1人で操作できるものではなく、2〜3人の補助者が必要です。東高校では常時介護できるように教員2人を配置しているとのことです。生徒も応援していますが、1人で校内を自由に行動できるようにする事が必要だと感じました。
 教育委員会にお聞きしますと「莫大な予算がかかるから既設校舎には設置できない。全面的な校舎の新増改築の際に設置する」というだけで今後の整備計画ももっていません。
 「学ぶ喜び」を全ての生徒に保障する教育条件の整備にこそ力を入れるべきではないでしょうか。
 どんな障害を持っていても、どの高校を選んでも安心して勉強できることは最低限の条件です。すべての既設校舎へのエレベーター設置計画を作り具体化すること。当面、宝塚東高校のように障害児が通学しているか、または入学の見こまれる学校には特別予算を組み、ただちに設置することを求めますがいかがでしょうか。教育長の暖かい答弁を求め私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

▼答弁▼武田教育長:  それからエレベーター設置によるバリアフリー化についてであります、福祉のまちづくり推進の観点から県立高校施設のバリアフリー化につきましては障害を持った生徒が自力移動のできる箇所の拡大をはかりますため、これまでに玄関スロープや身障者トイレの整備をはじめといたしまして特別教室棟や体育館など主要校舎間でのスロープおよび階段手すりの設置を完了したところでございます。またエレベーターの設置につきましては校舎の新増改築時にあわせて設置をおこなうこととしておりますが、既存の学校で新増改築の予定がない学校へエレベーターを設置していきますためには構造上の問題や渡り廊下の有無等導線上の問題から校舎間を移動するために複数箇所への設置が必要となるなどの学校がありますなど課題も多いことから今後効果的な整備手法などについて、さらに検討が必要であると考えているところでございます。しかしながら現に車椅子を使用する生徒が在籍しエレベーターが設置されていない学校につきましては生徒の希望等に沿って階段昇降車の配置や生徒・職員の介助等により対応いたしておるところでございますのでご理解をいただきたいと思います。このページの上へ

■再質問■ねりき議員:  今、いろいろお答えいただいたわけですけれども2点について再質問させていただきます。
 1つは新都市計画についてです。一般的に言いまして、計画の見直しがされるときは全体の計画が決まってから一部をそれに沿っておこなうというのが当たり前だと思うんですけれども、今回の玉瀬第3クラスターは全体の計画の見直しの方向がまだ定まっていない、その中でそこだけをやろうとする。そしてその第二名神もいつできるかわからないというような状況の中で本当にやって効果があるのかとか必要があるのかというところもあると思うんでぜひ今の段階できっぱりと今の計画を白紙撤回して1から考えなおすという方向に決断をすべき時だと思うわけです。その点1つお願いします。
 それともう1点は産業廃棄物の問題です。いろいろと厳しい姿勢で取り組んでいくということは言われたんですけれども、そうでなかったからあれだけの山になったんです。一度見にいってください。早期に発見ということを言われました。もう60回ぐらい指導に行かれているんですけれども、一番大事な早い時期では本当に何回かしか行っていらっしゃらないんですね。その時に本当に一時置き場なのか、実際の廃棄物なのか、産業廃棄物であるかどうかというそれを指導監督するの県の責任だと思うんです。こういった厳しい姿勢で本当に取り組む。排出者責任をしっかりと果たさせる。そういった姿勢をやはり県が持つべきだというふうに考えます。この点について今一度お答えください。

▼答弁▼足立公営企業管理者:  宝塚新都市計画につきましては全体の基本計画というのはすでにできておりまして、これをより事業化、具体化をすると、こういう検討をするなかで玉瀬第3クラスターを第二名神高速道路の進捗とあわせまして具体化をしていくと、こういうことで計画をいたしておりまして、着実に私どもとしては事業を推進をしていきたい。取り組んでいきたい。このように考えております。

▼答弁▼清原県民生活部長:  さきほどご答弁申しあげましたように、これまでも70回の指導をくり返し不法投棄を許さない厳しい姿勢で臨んでおりますし、これからも同様でございます。

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