議会報告

  • 2020年03月23日
    本会議

    第347回本会議 当初予算・関連議案の反対討論 ねりき恵子

    私は、上程中の第1号議案、第2号議案、第4号議案、第5号議案、第10号議案、第15号議案ないし第18号議案、第20号議案ないし第26号議案、第30号議案、第34号議案、第35号議案、第37号議案、第39号議案、第40号議案、第42号議案ないし第45議案について、反対の立場で討論をおこないます。

    まず、第1号議案「令和2年度兵庫県一般会計予算」と、関連する第15号議案「令和2年度兵庫県国民健康保険事業特別会計予算」、第16号議案「令和2年度兵庫県病院事業会計予算」、第35号議案「兵庫県学校教職員定数条例の一部を改正する条例」、第37号議案「警察署の名称、位置及び管轄区域に関する条例の一部を改正する条例」、第43号議案「兵庫県行財政運営方針の変更」、第44号議案「県道路線の認定」、第45号議案「県道路線の変更」についてです。

    ①第一に、新型コロナウイルス感染症対策に対する予算措置がないことです。

    患者の増大、自粛要請、学校休業などによる産業界、学校などへの影響も多大です。日本共産党県議団の予算組替え動議では、新型コロナウイルス感染症対策に12億6000万円を提案しました。感染拡大を早急に防ぐための予算措置をおこなうべきです。

    ②第二に、消費税10%への増税で、打撃を受けている県経済への有効な施策を示していないからです。

    消費税の10%増税で、10~12月期の国内総生産(GDP)改定値が、前期比1.8%減、年率換算で7.1%減と大きく冷え込み、中小企業の業績悪化、県民の消費も所得も冷え込んでいます。

    消費税増税と新型コロナウイルス感染症の広がりで、大打撃を受けている中小企業へ、融資だけでなく、抜本的な直接支援を行うべきです。

    農業分野では、大規模化、法人化に特化し、農業の中心を支える小規模農家への支援が極めて脆弱です。

    なお、消費税増税対策の「マイナポイント」は、経済効果は期待できず、マイナンバーカードと連動しており、やめるべきです。

    ③第三に、県民の福祉、医療など社会保障抑制をすすめる予算だからです。

    県は、地域医療構想実現のため、県立病院の病床数を2014年度の53,117床から2025年度までに662床も削減する目標を掲げています。

    厚労省は、統廃合対象に県内16の公立・公的病院を名指しました。

    新型コロナウイルス感染症が発生し、感染者入院病床確保など医療供給体制の充実が求められ、公立・公的病院の役割はますます高まっており、地域医療構想は中止すべきです。

    国民健康保険事業では、都道府県化により、市町の法定外繰り入れの解消など、特別交付金を手厚くする保険者努力支援制度が導入され、2017年度は7市で15億6千万円あった法定外繰り入れは、2019年度には3市で8億4千万円へと半減。にもかかわらず、兵庫県は新年度に導入されるペナルティーの対象となり、交付金の減額措置を受けます。一人当たりの保険料額も、2018年度には90,453円だったものが、2019年度には93,925円へと引き上げられました。

    国費投入による保険料引き下げ、均等割の廃止など、制度の抜本的見直しが必要です。

    ④第四に、教育環境を後退させる予算となっているからです。

    学校教職員定数は、小学校で101人、中学校で32人、高校で171人の削減です。小学5年生以上も少人数学級が求められているとき、教職員定数減は認められません。

    また、授業料軽減補助の財源確保を理由に、私立高校生徒一人あたりの経常費単価を900円減額しましたが、必要に応じて増額すべきです。

    ⑤第五は、行財政運営方針の変更に、さらなる県民サービスの切り捨てを含んでいるからです。

    阪神北県民局と阪神南県民センターの統廃合と同時に、芦屋健康福祉事務所を廃止し、宝塚健康福祉事務所分室とする計画です。県「行革」での健康福祉事務所の統廃合による体制縮小が、コロナウイルス対策でも対応の遅れの要因になっており、機能充実こそ求められます。

    また、佐用警察署をたつの警察署に、朝来警察署を養父警察署に、豊岡南警察署を豊岡北警察署に統廃合する計画ですが、反対要請の声が多数上がっており認められません。

    県庁舎再整備計画では、県庁舎2号館の跡地に超高級外資系ホテルなど民間企業を誘致。県民会館は、民間施設と複合化の計画となっています。県民の財産である県有地に外国人観光客をターゲットにした超高級ホテル等を誘致する等、県民の福祉向上を進める県行政の行うことではありません。

    ⑥第六に、新たな投資事業を次々と起こす予算となっているからです。

    東播丹波連絡道路関連調査費、大阪湾岸道路西伸部整備事業費補助、播磨臨海地域道路計画調査費、北近畿豊岡自動車道関連調査費など「基幹道路八連携軸」の整備、園田西武庫線など、急いで整備する必要のない投資事業が含まれています。

    また、採算が取れないまま2000㍍級の滑走路延伸を検討している但馬空港など、空港関連事業に10億6,500万円も計上しており、計画の見直しが必要です。地元建設業者も直接受注できる防災・減災型公共工事を最優先にすべきです。

    第44号議案、第45号議案は、いずれも、北近畿豊岡自動車道の豊岡南インターチェンジ及び豊岡インターチェンジの完成に伴う周辺道路整備であり賛同できません。

    次に、第2号議案「令和2年年度兵庫県県有環境林等特別会計予算」、第4号議案「令和2年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計予算」についてです。

    県有環境林の取得、原資のためとして一般会計から県有環境林特別会計へ繰り入れを行い、石の寝屋緑地用地などの借金返済のために公債費特別会計へ繰り出すものです。

    また、公共事業用地先行取得特別会計予算として、宝塚新都市玉瀬3用地、旧グリーンピア三木周辺用地の土地売却費などが、公債費特別会計に繰り出されています。

    過去の先行取得用地の失敗や、未利用地の時価評価について県民に明らかにしないまま、環境林事業という曖昧な事業のための新たな予算付けは認められません。

    第5号議案「令和2年年度兵庫県営住宅事業特別会計予算」については、姫路御着住宅、明石松が丘第2住宅、小野神明住宅の戸数削減を伴う建て替え事業であり、賛同できません。

    また、第34号議案「兵庫県営住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」については、連帯保証人を求めない改正(保証会社の利用も不要)は賛同ですが、公営住宅法の一部改正で、認知症、知的障害者、精神障害者等で収入申告が困難と知事が認めれば、収入調査できるようにすることは、プライバシーの侵害の恐れがあり賛同できません。

    第10号議案「令和2年度兵庫県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算」については、福祉的な対応が必要な事業であるにもかかわらず、貸付金の回収を民間委託していることに反対です。

    次に、第17号議案「令和2年度兵庫県水道用水供給事業会計予算」についてです。

    来年度、受水団体の平均供給単価は127円→120円に下がりますが、過去の過剰な水需要予測による施設整備や二部料金制により、全国でも有数の高い県営水道料金(を市町に押し付けている)であることから反対です。

    また、第30号議案「法令の規定により条例に委任された社会福祉施設等施設の基準等に関する条例の一部を改正する条例」については、水道法の改正に伴うものであり、コンセッション方式の導入や広域連携を推進するもので、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の解決にならず反対です。

    第18号議案「令和2年度兵庫県工業用水道事業会計予算」は、主に、日本製鉄広畑製鉄所など大企業に供給している工業用水は、1トン当たり4円30銭で、不当に安い価格に据え置かれ、認められません。

    第20号議案「令和2年度兵庫県地域整備事業会計予算」は、進度調整地の時価評価がいまだ行われず、プロジェクトごとの収支も明らかにされていないことから反対です。

    第21号議案「令和2年度兵庫県企業資産運用事業会計予算」についてです。

    神戸市がすすめる三宮駅周辺の再開発事業は、地域の中小業者や住民置き去りの巨大再開発事業で、新たな負担を強いるものであり、企業庁がサンパルの地権者として再開発会社へ出資することに反対です。

    第22号議案「令和2年度兵庫県地域創生整備事業会計予算」については、小野産業団地の地域は小野長寿の郷構想の一部であり、すでに医療・福祉機関が進出していることや、構想見直しの報告もないまま産業団地事業を進めるのは問題です。

    第23号議案「令和2年度兵庫県流域下水道事業会計予算」、第40号議案「流域下水道事業についての市町負担額の決定」については、特別会計から公営企業会計となり、施設の改築・新築のための費用(使用料負担という名称)が市町の追加負担となっていることから反対です。

    第24号議案「使用料手数料徴収条例などの一部を改正する条例」については、地方分権の名のもと、十分な交付税措置をすることなく国の役割を放棄し、都道府県知事へ、毒物劇物の原体の登録等の事務権限を移譲するもので認められません。

    第25号議案「兵庫県税条例等の一部を改正する条例」についてです。

    「寡婦(夫)控除」の見直しで、「ひとり親控除」ができ未婚の一人親も対象となったものの、年収500万円以上の一人親が控除の対象から除外されたこと。また、子以外の扶養親族がいる場合適用される寡婦控除が、離別と未婚の一人親には適用されません。

    また、企業版ふるさと納税の拡充は、寄付した企業へ9割も控除するもので、地域活性化の財源が必要なら、大企業の法人税減税を元に戻し、活用するべきであり認められません。

    第26号議案「知事の権限に属する事務に係る事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」についてです。

    一つは、浄化槽法改正に伴う知事の権限に属する事務処理を、市町へ移譲するものですが、合併浄化槽への転換のため、県が浄化槽処理推進区域を設定し、市町へ整備策定を促す内容です。

    整備計画の策定時、県の指導に従わなければ、単独浄化槽の撤去勧告と命令、30万円の罰金科料が可能であり、個人負担の軽減策をとることなく、罰則だけを強化することは認められません。

    もう一つは、租税特別措置法施行令の一部改正に伴い、条ずれが生じるため条例改正を行うものですが、もともと所有者不明土地の利用の促進のための法改正によるものです。

    公共事業における収用や利用権設定など、専ら利用を促進する手段を導入する内容であること、また地籍調査を進めるための人件費へ、国の支援が必要不可欠であるとの立場から反対です。

    第39号議案「兵庫県監査委員に関する条例の一部を改正する条例」は、総務大臣が監査基準の策定・変更の指針を定め、必要な助言を行うなど、全国一律の監査基準をつくり、地方自治体へ国の関与を強めるものです。弁護士会などから地方公共団体の自主性、自立性を損なうとの批判があがっており、賛同できません。

    最後に、第42号議案「兵庫県道路公社が播但連絡有料道路及び播但連絡有料道路(2期)の事業許可を変更することについての同意」についてです。

    令和14年10月21日までとしていた料金徴収期間を、令和24年10月21日まで延期するもので、当該地域の住民からは、料金徴収期間を予定通り終わるべきと2048名もの切実な陳情もだされており、有料期間を延長することは賛同できません。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。

ページの先頭へ戻る