議会報告
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私は、日本共産党県会議員団を代表して、第127号議案「令和元年度兵庫県一般会計補正予算(第3号)中関係部分」について反対の立場から、以下討論します。
本議案には、国の2019年度補正予算を踏まえ、頻発化する自然災害に備え、河川・海岸の護岸改良、砂防堰堤など防災・減災対策、未就学児が通る道での防護柵設置、雪不足による観光客減少に対応していくための支援策が盛り込まれており、これについては、賛同するものです。
しかしながら、日本共産党県会議員団が従来から反対している東播磨道、山陰近畿自動車道浜坂道路Ⅱ期、北近畿豊岡自動車道路、園田西武庫線整備事業が含まれていること、合わせて、以下の理由からも、反対するものです。
そもそも補正予算の編成については,先の質疑でも明らかにした通り、「予算編成後に生じた事由に基づき、特に緊要となった経緯の支出」に限って認められ「事業効果を早期に発現させる」ことを目的としています。
しかしながら、本補正予算案には、「防災減災対策」事業として、直轄事業では北近畿豊岡自動車道路が、補助事業では東播磨道北工区、山陰近畿自動車道浜坂道路Ⅱ期事業が提案されています。
提案されている其々の高規格道路は、当時の全総計画では、「圏域の交流」を目的として位置づけられています。ところが本補正予算案では、其々の高規格道路は「防災・減災対策」として提案され、また、東播磨道については2028年まで、山陰近畿自動車道、北近畿豊岡自動車道は、2038年までを整備目標時期としています。
全総計画として30年も前に閣議決定された高規格道路が、本補正予算案では目的を「圏域の交流」から「防災・減災対策」へと代えて提案され、しかもその効果が最大限発揮されるのは、2028年~2038年ということになり、これでは補正予算としての目的も、早期の効果も発揮できるとは、言えません。
補正予算として今、最も必要とされているのは、県民の命と財産を守り、早期に効果が発揮できる河川整備計画など、防災・減災対策を更に前倒しし、実施することです。同時に、昨年10月からの消費税増税によって、内閣府が発表した直近のGDP速報値の落ち込みで明らかなように、県民生活に深刻な打撃が起こっているもとで、安倍政権以前の消費税5%に戻すこと、県民生活への影響を最小限に抑えるための県独自のきめ細かい対策こそ必要です。その観点から、第127号議案「令和元年度兵庫県一般会計補正予算案」に反対です。
なお、本議案では、農業の競争力強化として、規模拡大や法人化を進める集落営農組織や、畜産クラスター協議会に加入している農家のみを対象にした補正予算配分となっていますが農業の「成長産業化」ではなく、持続可能な農業と農村をめざすことが必要です。大規模経営や集積化のみをすすめるのではなく、大多数の家族営農者や酪農家が地域に居住し、共同を強めながら、継続して営農できるための具体的支援が必要だということを最後に指摘するものです。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、討論をおわります。