議会報告

  • 2019年12月13日
    本会議

    第346回本会議 議案反対討論 いそみ恵子

    私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の議案の内、第94号議案ないし第96号議案、第107号議案、第112号議案ないし第115号議案、第117号議案、第119号議案ないし第124号議案、以上15件について反対し、その主な理由を述べます。

    まず、第94号議案 令和元年度兵庫県一般会計補正予算(第2号)、第95号議案 令和元年度兵庫県病院事業会計補正予算(第1号)、第96号議案 令和元年度兵庫県水道用水供給事業会計補正予算(第1号)、第124号議案 職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例についてです。

     

    反対の第1の理由は、特別職の知事、副知事、教育長、病院事業管理者、公営企業管理者、また議員の期末手当の引き上げが含まれていることから賛成できません。

    兵庫県は、人事委員会勧告に基づき、行革による給与抑制措置の影響を除いた職員給与が民間従業員給与より359円、0.09%下回る公民較差を解消するための給料表の水準を平均0.1%引き上げ、初任給調整手当の支給対象に獣医師を加えることや通勤手当の加算、特別給のうち勤勉手当を0.05月引き上げることとしています。消費税が10%に引き上げられ職員の暮らしも大変な中、個人消費力を高めるためにも一般職員の給与引き上げは当然です。

    しかしながら、知事ら特別職の給与、議員の報酬は高すぎるというのが多くの県民の声です。県民の理解を得られないことから反対です。

    反対の第2の理由は、教職員の特殊勤務手当引き下げの予算が含まれているからです。

    これは、「運動部活動のあり方に関する総合的なガイドライン」、「文化部活動のあり方に関する総合的なガイドライン」において、休日の部活動を3時間程度とされたことにともない、これまで休日の部活動指導に対する特殊勤務手当が4時間程度、3600円とされていたものが、3時間程度2700円に引き下げられるというものです。教員の多忙化対策として、土日の部活動時間を制限することは必要ですが、経過措置を設けるといえども、手当てそのものが引き下がり教職員からも批判の声があがっています。神戸市は、国のこの措置にともない、これまで4時間以上3600円だったのを、3時間以上3600円として、国庫補助に対し市独自の上乗せを行い、手当額は引き下げていません。県としても、独自の上乗せを行うなどして、手当額の引き下げを行わないことを求めます。

    以上の理由により、第94号議案、第95号議案、第96号議案、第124号議案に反対です。

    次に、第107号議案「公立大学法人兵庫県立大学定款の一部変更」についてです。

    地方独立行政法人法の一部改正により、公立大学法人兵庫県立大学に対し、監事の職務や権限を強化するものですが、監査報告を県の規則の定めによる義務規定となり、定められた書類を調査し、知事に提出することができるようにするなど、県や知事の関与を強めるもので、同意できません。

    日本共産党兵庫県議団は、県立大学の法人化に対し、構造改革の一環で、経済的利益を生むかどうかを物差しに、大学予算を削減し、一部の大学だけを残すために大学間競争が押し付けられ、学問研究や学術の発展そのものを阻害するとして反対してきました。本議案はその路線をよりいっそうおしすすめるため賛同できません。

    次に、第112号議案「都市計画道路園田西武庫線(御園工区)道路改良工事(その1)請負契約の締結」についてです。

    園田西武庫線は、三菱電機敷地内を含め、尼崎市内を東西に走る道路で、総事業費約198億円かけて整備するもので、今後、整備を進める東園田側では、用地問題などで住民合意が得られていないなどの問題を抱えています。

    この事業については、三菱電機の敷地用地買収や物件移動の補償費などで約124億円にも上り、総事業費の約6割が三菱電機関連に充てられていることなど、事業そのものに反対です。

    次に、第113号議案「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区下村第3高架橋上部工事請負契約の締結」についてです。

    これまでも指摘してきましたが、東播磨道路は、破綻した第5次全国総合開発計画に位置付けられた高規格道路です。全総計画は半世紀にわたって「東京一極集集中の是正」を最大の目的として全国、県下に高速道路を張り巡らせてきましたが、東京一極集中はますます加速するばかりです。

    渋滞対策という点でも、東播磨道路南工区は平成26年に供用開始されましたが、それによって南北交通量は7,500台増加し、南北から加古川バイパスに車を呼び込んだことによって、加古川バイパス東西交通の渋滞は以前に増して悪化しました。

    また、高規格道路整備は地元建設業者の仕事興しにもその効果は限定的です。

    東播磨道路南工区は既に供用開始されていますが、総工事費のうち約55%が橋梁上部工事に充てられましたが、その全てを県外業者が受注しています。高架区間は、橋梁上部工事を伴いますが、県内で橋梁上部工事を施工できる業者は1社しかなく、高規格道路を施工した実績はありません。

    本議案でも高架橋上部工事が発注されていますが、受注業者は東京に本社を置いています。今、求められているのは、地元業者も受注できる生活道路老朽化対策や減災対策などです。政策の抜本的転換が必要という立場から賛同できません。

    次に、第114号議案「県営宝塚御所ノ前住宅第2期建築工事請負契約の締結」についてです。

    今回の県営宝塚御所ノ前住宅2期工事は35戸の建設ですが、その管理戸数は、100戸から85戸に減ります。これは、現在、管理戸数310戸ある宝塚小林鉄筋の集約化を伴うものです。建て替え自体はもちろん反対するものではありませんが、物価上昇に加え、消費税増税や社会保障の負担増などによって実質賃金が下がっているもとで、低廉な家賃で住宅を供給するという県営住宅への期待がますます高まるもとでの管理戸数削減は認められません。

    次に、第115号議案「公共施設等運営権の設定」についてです。

    「公共施設等運営権の設定」は、但馬空港の運営権者を引き続き但馬空港ターミナル株式会社に決定するものです。10月に頂いた「但馬空港における公共施設等運営権の設定」という文書では、今回、但馬空港ターミナル株式会社を指名選定した理由として、「但馬空港は利用者が少なく財政支援がなければ運営できない」、「民間事業者への事前ヒアリングでも但馬空港の運営についても応募は難しいとの意向がしめされた」など、「民間事業者を募集しても応募の可能性が極めて低い」ことをあげています。

    前回のH26年度時にも意見を表明しましたが、毎年度多額の赤字補填をしている但馬空港を運営権方式にしても採算性を上げることはできず、また効率化の元、人員削減も可能など、空港の安全性を危うくさせること、着陸料などの 利用料金も条例上の料金設定がなくなることを指摘し、反対をしています。

    来年度の県補助金(空港運営収入)は5億1千万円で、5年前の県補助金3億5千万円から1億6千万円もふえています。

    我が党は、但馬空港については、根本的なあり方について再検討をすべきと考えていることから本議案には賛同できません。

    次に、第117号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立舞子公園)」
    第119号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立西猪名公園)」
    第120号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立播磨中央公園)」
    第121号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立赤穂海浜公園)」
    第122号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立海洋体育館)」
    第123号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県立総合体育館)」
    については、これらは、いずれも公の施設の指定管理の指定ですが利用料金制を導入しており、反対です。 地方自治法第96条には、議会の議決事項として、使用料の徴収に関する事項があり、公の施設の使用料については、それぞれの施設管理条例によって議会での議決が必要とされています。

    しかし、利用料金制度は、議会で議決した使用料に対し、指定管理者が0.5ないし1.5を乗じた額の範囲内で、知事の承認さえあれば議会の議決を経なくとも利用料金を設定することができます。議会の議決事項である使用料徴収に関する事項について、議会の議決を必要としないということになると、議会のチェック機能が果たされません。

    また審査のために指定管理者指定申請書をいただきましたが、事業計画に対する経費の見込みや、収支計画書は黒塗りです。さらに、働き方やブラック企業が問題となる中で、総務省は、各自治体に「指定管理者の選定にあたっては、労働条件への適切な配慮がなされるよう留意する」とした、通知を出していますが労働条件についても、黒塗りでは、議会のチェック機能は、果たせません。

    よって、県民の負託に応えることができず賛同できません。

    最後に、第103号議案「水質汚濁防止法第3条第3項の排水基準に関する条例の一部を改正する条例」について意見を申し上げます。

    本議案は、瀬戸内海の海域における望ましい栄養塩類の濃度を定めるために10月に改正した「環境の保全と創造に関する条例」にもとづいて、水質汚濁防止法に定められている生物化学的酸素要求量(BOD)の排出基準の県の上乗せ基準を一部緩和するものであり、賛成ではありますが、必要以上の緩和とならないよう常に測定・調査を行うこと、問題となれば規制を強化することが必要であることを指摘するものです。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

ページの先頭へ戻る