議会報告

  • 2018年10月17日
    予算・決算特別委員会

    2017年度決算特別委員会 県土整備部 入江次郎

    護岸嵩上げ等、潮芦屋の高潮被害に対する対策を

    ■入江次郎■ 日本共産党の入江である。早速質問に入る。

    潮芦屋の浸水問題について、お伺いする。

    9月4日に発生した台風21号による高潮波浪によって、兵庫県企業庁が平成14年から分譲した潮芦屋で、道路冠水、床上浸水28件、床下浸水272件の被害が発生した。兵庫県企業庁が災害に強いまちづくりをコンセプトにして売り出していただけに、購入した住民からは不安と落胆と怒りの声が広がっている。

    県企業庁は、先日、潮芦屋で行われた住民説明会の中で、平成17年から平成30年までの間に、宅地部分の地盤沈下が34センチ起こっていたことを公表している。潮芦屋浜は、平成9年に竣工されているが、南側護岸、東側護岸の護岸整備直後の堤防高と、現在の堤防高、測量年月日をそれぞれお答え願う。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ まず、竣工のときであるが、平成8年12月に測量しており、それは南護岸、東護岸ともその日付である。それから、今回の平成30年は台風直後、9月中旬に測っている。

    ■入江次郎■ 堤防高。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ 南護岸がT.P.+5.45メートル、東護岸がT.P.+4.59メートル、現在だが、南側護岸が5.04メートル、東側が4.02メートルとなっている。

    ■入江次郎■ 要するに、平成8年12月、このときに護岸の最初の堤防高を測っている。答弁があったように、南側が5.45、東側が4.59である。現在の堤防高と比較すると、南側で41センチ、東側で57センチの地盤沈下があったということなのである。

    平成19年にハザードマップが策定されているのだが、ハザードマップを策定したときの護岸の高さ、これを教えていただきたい。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ ハザードマップ策定に当たっては、浸水想定の業務の中では測量はしておらず、別の業務で測量をやっている。その結果については、少しデータの根拠を精査する必要があって、現在、確認中である。

    ■入江次郎■ その説明では住民の皆さんは納得しないと思うのである。ハザードマップを作るときは、押し寄せる最大に潮位に対して堤防がどれだけ必要かということを設定して、色を付けて浸水区域を設定していく訳である。

    先ほど言ったように、4.59メートル最初あったのである、高さが。これ、サンドドーレン工法というやり方でやっているのだが、関空もこのやり方でやっていると潮芦屋の住民説明会であった。一番地盤が沈下するのが最初の数年だというふうにご説明があった。だからこれは平成8年に竣工して、もう5年ぐらいで急激な沈下というのは下がっているというように思うのである。

    先ほど沈下予測が30センチと言われた、最初に30センチ予測していたと。ということは、当初の4メートル59から30センチを引くと、ハザードマップの4.35も下回るのである。当初の予測でも下回るのである。それなのになぜ平成19年のときに、もう一度、測量をやり直しとか、きちんとした対応がとれなかったのかというのが疑問なのである。

    あそこの地域は、平成13年から分譲が始まっているのだが、平成19年度以降に66%の人があそこに入居しているのである。平成19年度というのは、これはハザードマップを当然、購入する際にも確認しているのである、住民の方は。ハザードマップは白だと、当局が言うように災害に強いまちづくりだと、住民の方は改めてそれを確認して、潮芦屋の分譲地を購入しているのである。

    ただ、この平成19年のときには、もう既にハザードマップで言う4.35メートルを下回っていた可能性が極めて高いと思うのだが、そのあたり、どういう認識を持っておられるか、再度ご答弁をお願いする。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ 先ほど申し上げたように、ハザードマップ、浸水想定をやるときに、高さのデータは設定した上で当然、計算しておるのだが、それについて別の業務で発注した結果でもってやっておるのだが、そのデータの確認を現在やらせていただいているという状況であるので、今の時点で当時の高さというのは申し上げにくい状況である。

    ■入江次郎■ 先ほど午前中の答弁の中で、沈下量の予測は30センチとおっしゃられた。そうすると、これ4.59から30を引くと、もう沈下が止まるころには、ハザードマップの4.35よりも堤防高が下回るということは、当初から分かっていたことなのである。それなのに、なぜ平成19年のときに対応できなかったのかと聞いているのである。

    本来であれば、予測どおり30センチ下がれば、あの堤防高は施設基準の4.2も下回っているのである。だからそれだったら、ハザードマップもその時点で色を塗っておかないといけないであろう。本来なら、もう色が入っているべきなのである。それを色を入れずに真っ白なハザードマップで公表をしているのである。

    だから当然、住民の皆さんからすれば、あ、ここは白の地域だと、当局の言うように災害に強いまちだなと、そういう認識のもとでこれを購入していると思うのだが、30センチ下がるという予測を持っていながら、なぜそのときに対応できなかったのかと聞いているのである。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ 予測については30センチということであるが、当時、その予測のとおりの状況であったかというところは、そのデータをもって確認しなければいけないので、今、精査しているもので十分確認をした上でご説明をさせていただきたいと思う。

    ■入江次郎■ さっぱり答弁になっていない。30センチの予測を持っていたにもかかわらず、なぜ平成19年のときに、きちんとした対応ができなかったのかと聞いているのだが、答弁がない。後でまたその数字を求めるのでお願いしたいと思う。

    続けて、堤防高、これについても南側の護岸の施設基準が5.2メートル、東側の護岸の施設基準が4.2メートルとなっているのだが、この施設基準も今は下回っているのである。現在、施設基準5.2に対して南側は5.04、東側は施設基準4.2に対して現在は4.02、これ、施設基準を下回ったときはいつなのか。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ 先ほどのご答弁させていただいた浸水想定図を策定した時点の数値は、今、精査しているところであって、その後、24年に測っているが、その時点では低くなっているが、具体的にいつの時点で設計値を割ったのかというのは明確には分からない状況である。

    ■入江次郎■ 結局、何でも分からない、分からないのである。今、検討委員会をされているが、そういう資料も提出すべきだと思う。

    例えば、同じ埋立地である関西空港は、定期的に堤防の沈下量を測量して、その沈下量に応じて堤防のかさ上げを行っている。この県の潮芦屋についても沈下するということが分かっている訳なのだから、定期的に測量するような何か規則があったというように僕は思うのだが、これ、人工島の埋立護岸の沈下量を測量するような、そういう規則なり内部の規約なり、そういうものはなかったのか。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ 海岸保全施設について、沈下を継続的に測定するというような規則というようなものはない。

    ■入江次郎■ 規則はないということなのだが、沈下予測に十分対応できてないという実態は、はっきりしたというように思うのである。

    先ほどご答弁の中で、堤防のかさ上げ、そういうこともあるやの答弁だったと思う。

    ここのまちは、災害に強いということと併せて、立地特性を最大限に生かした他に類のないウオーターフロント景観の形成をめざすと、こうある。だから景観もすごく重視して造られたまちでもある。

    だから、住民説明会でもあったように、宅地の地盤も同時に下がっているのである、宅地と護岸が同時に。そこで護岸だけかさ上げしてしまうと、当初の大きなコンセプトである景観という問題にも支障が出てくるのである。もちろん堤防を上げて命を守るというのを第一としながらも、やっぱりこの景観の問題についても十分な配慮が必要と思うのである。

    そういう意味では、先ほど除波施設というのか、波を退ける、部長が言われたのか、消波施設、海岸の沖合に消波施設ということも検討していただいて、消波施設、堤防のかさ上げ、そういう景観にも十分注意したような対応をお願いしたいというふうに思う。

    ご答弁があれば、これは部長、ご答弁いただけないか。

    ■港湾課長(雨宮 功)■ 芦屋の護岸については、既に階段状の形態をとっておって、景観なり利用には配慮させていただいている施設である。

    ということもあるので、今後、高潮対策検討委員会の結果を踏まえて、先ほど部長の答弁にあったように、防潮堤のかさ上げを基本に検討をしていくということになろうかと思う。

    ■入江次郎■ だから、防潮堤のかさ上げだけだったら、宅地の地盤も同時に下がっているのである。防潮堤だけ上げると、これは景観というのも大きなコンセプトとして住民の方は購入しているのである。だから、もちろん命第一、安全第一で防潮堤のかさ上げは当然していただきたい。ただ、それだけでは十分な住民に対する責任を果たせないであろうと聞いているのである。答弁はないのか。部長、答弁はないのか。

    ■土木局長(服部洋平)■ 今、対策工法については、幣原委員の質問にご答弁させていただいたように、部会の中でいろいろ検討していく。

    今回の被災のメカニズムというのは、やはり大事かと思うので、ご答弁申し上げたように、潮位によるものなのか、異常な風による高波ということになると、その防護工法というのは変わってくるので、そのあたり、沖の防波堤ということになると、かなり大規模なものになってくるということでお金もかかってくるということ。

    一方で、今、委員ご指摘のように、住民の方の中には、そういう景観ということが大事だという方もいらっしゃるだろうし、逆に高さがないと不安だというご意見もあろうかと思うので、それはやはり地域の方のご意見も踏まえながら、一番有効な、かつ、やはり経済的なということの中で、工法については検討していきたいと思うが、現時点では、やはり防潮堤のかさ上げというのが一番有効な工法ではないかというふうに考えている。

    ■入江次郎■ 住民の声を聞いて検討するというご答弁があったので、それをしっかり住民の皆さんの声をよく聞いて対応していただきたい。これはお願いしておく。

    不要・不急な播磨臨海地域道路網計画を中止せよ

    ■入江次郎■ 次の質問に移る。

    播磨臨海地域道路網計画について、お伺いする。

    近年、播磨臨海地域道路計画の早期実現を求める要望活動が活発に展開されている。ご存じのとおり、播磨臨海地道路網計画とは、神戸市西区から海岸線を経由して、兵庫県太子町間の約50キロを結ぶ計画のことである。

    播磨臨海地域道路網計画は、今から約40年以上も前に、人口も自動車保有台数も日本経済も右肩上がりの1970年代に県が構想を示し、国に働きかけたものである。しかし、県下の自動車保有台数は既に減少に転じ、今後、急激な人口減少社会を迎え、かつ先ほどから質問もしているように、防災・減災事業に対する県民の期待も高まっている。

    そのような中で、国・地方とも財源が大変厳しい中で、総事業費6,000億円以上とも言われる高規格道路を建設しようとするものである。

    県は国に対し、平成28年2月までは、国直轄の無料道路事業としての整備を要望していたが、平成28年9月には、播但接続部への有料道路事業の導入検討へと要望項目を変更し、平成30年5月には、早期完成に向けた有料道路事業の導入検討へと要望項目を変更している。

    そこでお伺いする。平成30年5月以降は、これまでの無料道路事業としての要望を変更し、全区間、有料道路事業として国へ要望しているということでよろしいか。また、その理由についてお答え願う。

    ■高速道路推進室長(多田欣也)■ まず、ご指摘の要望内容については、ご指摘のとおり平成28年9月時点の要望は、播但接続部への有料道路事業の導入検討、そして平成30年5月、これは地方大会を開かせていただいたときなのであるが、その要望は全線を対象とする早期完成に向けた有料道路事業の導入検討という形で、委員ご指摘のとおりである。

    この内容の変化については、その折々、委員のほうにも資料提出をさせていただいた、我々なりの検討を進めていって、その熟度に応じて、国の検討状況に応じて、その要望内容を我々として早期整備に向けて考えていった結果が、こういう形になっているということでご理解いただきたいと思う。

    ■入江次郎■ これは平成19年3月に、国がコンサルに依頼をして、播磨臨海道路網の整備検討のその他業務という報告書を、これは国がまとめているのである。国は資料を求めても、ほぼ数字も入れて出してくれているのである。播磨臨海道路の事業費とか、交通量がどれだけ転化するかとか、そういうことも細かく資料を公開してくれているのである。

    この資料を見ると、当初の無料化事業で推進するとしていたときの報告書なのだが、播但の接続部から広畑間の検討をしているのである。無料事業の場合は、姫路バイパスから新しい播磨臨海地域道路網に、どれだけの交通量の転化があるかということを推測して数字も出しているのである。

    今回、新たに有料事業で検討するということは、数字が大きく変わってくると思うのだが、有料事業で播磨臨海地域道路網をやるということになれば、どれだけ交通量の転化が起こるのかということを聞きたいのである。

    有料にすれば、交通量の転化は僕は随分減ると思うのだが、その辺、どういうお考えをお持ちなのかお聞かせ願う。

    ■高速道路推進室長(多田欣也)■ 委員ご指摘のとおり、県においても交通量推計を行っている。ただ、本道路は、今、計画段階評価を国が進めている状況であって、交通量推計の前提条件となる料金を含めて、ルート、インターチェンジなどは具体的に決定された状況ではない。

    県で行った交通量推計は、県が推定したルート等をもとにした検討段階のものである。無料・有料の違いによる推計交通量の変化については、その公表をすることによって国の計画段階評価の審議に影響が及ぶものと、そういうおそれがあるということで、現時点ではお答えすることはできない。

    ■入江次郎■国に影響を与えると言っているけど国がこれを出しているのである。交通量がどれだけ転化するかということをね。県も毎年、播磨臨海地域道路網計画の調査費ということで4,000万円、5,000万円を支出して、高いお金を出して調査を依頼して、この29年度も報告書がまとまっていた。僕は報告書を求めたのだが、全部真っ黒で、目次だけ出してもらったら、目次まで黒塗りになってしまっていて、もう何も評価のしようもないのである。

    だから、そういうことでは29年度の決算の審査もできないし、社会基盤プログラムかな、「社基プロ」と言われているもの、あの中播磨版が31年度の案が出ていたが、そこは事業主体も決まってないのに、もう播磨臨海地域道路網計画が上がっているのである。

    これも僕、中播磨に言われて、入江議員、どうですかと評価を求められたのだが、あんな黒塗りじゃ何の評価もできないのである。

    だから、そういう資料は積極的に公開していただいて、その上で、きちんとした審議ができるように改めて求めたいと思う。

    最後に意見を申し上げておくが、播磨臨海地域道路網計画については、無料道路事業として国へ要望していたものが、今年5月からは全線有料化事業として、国へ要望していることが明らかになった。

    姫路市議会では、このような意見が出されている。かつて有料道路だった姫路バイパスを再び有料化し、有料化して徴収した料金を播磨臨海道路の建設費用に充てるよう国へ要望してはどうかと、こういう旨の意見も姫路市議会では出されている。姫路バイパスを再有料化するようなことになれば、一般道は大渋滞してしまうことは明らかであり、断じて認める訳にはいかない。

    県は、平成29年度に、播磨臨海道路調査費として約5,000万円を支出し、その成果物である報告書が仕上がっているにもかかわらず、その中身について全く明らかにしようとしていない。議会や県民に何ら明らかにしない中での、これ以上の国への要望活動を中止するよう求めて、私の質問を終わる。ありがとうございました。

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