議会報告

  • 2019年02月26日
    本会議

    第343回本会議 一般質問 いそみ恵子(概略)

    二月二十六日、兵庫県議会では、日本共産党のいそみ恵子県議が、一般質問をおこないました。

    〇教員定数増――大胆な少人数学級編成等のため総合的に検討すべき

    いそみ議員は、はじめに県行財政運営方針に関わり教員定数の削減についてただしました。教員の多忙化が社会問題になるなか、二〇一九年度県予算案では、一七三人の教職員を削減する方針となっています。いそみ議員は「教員の長時間労働・多忙化解消のカギとなる正規教員の抜本増こそ必要」と述べ、教職員定数増を求めました。

    答弁にたった県教育長は、「教育の質の充実の観点を重視し、大胆な少人数学級編成、小人数教育をじつげんするため、またいじめや不登校など喫緊の課題に対応するための教員の増員、またスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門家の配置支援など、総合的に検討すべき。国に対しては、勤務時間の上限の再検討を含め、総合的な対策をもとめていきたい」とこたえました。

    〇中3までの医療費無償化――県民の願いに背を向ける井戸知事

    子育て施策にかかわり、いそみ議員は、子どもの医療費助成制度に関わり、県が二〇一一年に行った所得制限の判定を世帯合算にしたことを批判。「県下45000人の子どもが助成を受けられなくなった。インフルエンザ予防接種も含め中学三年までの子ども医療費の完全無償化をするよう知事として決断すべき」と迫りました。

    井戸敏三知事は、「受益と負担のバランスをとり、支援を必要とする方を対象にし、持続的で安定した制度にするための制度設計となっています。県制度は、全市町の基盤であり、地域の実情に応じて、対応するものとなっている」と、所得制限撤廃や中3までの医療費無償化に背を向けました。

    〇補聴器補助制度の創設――「国にしっかり求めたい」と井戸知事

    いそみ議員は、昨年一二月議会で、国への意見書が全会一致で採択された高齢者補聴器購入への公的補助について、あらためて国の補助制度を求めるとともに、県独自の助成制度創設を要請。

    答弁にたった井戸敏三知事は、「国に補助制度の創設はしっかり要請したい。県としては、その状況もみきわめ対応を考えたい」と述べました。

    〇高潮対策――護岸高さと護岸必要高さ公開、高潮10カ年計画

    昨年の一連の災害に関わり、高潮対策について、この間、県議団の調査で、被害のあった甲子園浜では、設計高さよりも、現在の護岸高が四五cmも下回っていたことがあきらかになりました。いそみ議員は「計測した護岸高さと設計高さを突合せもせず、浸水被害が起こり得る箇所が放置されていたことは県行政の怠慢と言わざるを得ない」と追及。県内護岸の必要設計高差と、現在の護岸高さを公開し、危険性をあきらかにすること、従来の延長ではない、護岸対策をおこなうことを求めました。

    さらに開発中の西宮市高塚町で昨年の7月豪雨災害などで、マンホールから泥水が吹きだし貯水池が溢水寸前となったことを取りあげ、「本来、工事着手当初には、つくっておかなければならなかった二か所の調整池の一日も早い稼働をおこない、住民の不安を取り除くことべき」とただしました。

    県土整備部長は、高潮対策について「(指摘した)必要高さと現状については公表していくとともに、五年ごとに計測し、示していく。兵庫県高潮対策10カ年計画では、今回の台風被害により見直しを図った必要高さにもとづき、被害地域を優先的に、嵩上げを中心に、景観なども考慮しながら、新技術も活用して対応していきたい」とこたえました。また高塚町開発地の調整池については、「東側は昨年7月、西側は本年3月にも稼働させ、住民の安心をはかりたいと考えている」としました。

    〇名神湾岸連絡線――住民の不安にこたえず推進

    いそみ議員は、近隣の住民から「広範囲に立ち退きになるのではないか」「橋脚によってコミュニティが寸断される」「酒蔵等へも大きな影響がある」など大きな不安の声が上がっている名神湾岸連絡線に「住民合意が得られておらず、何より優先させるべき生活道路や橋梁などの老朽化、防災・減災対策に予算を振り向けるべき』として、名神湾岸連絡線計画の中止を訴えました。

    井戸知事は、名神湾岸連絡線計画については、大阪湾岸道路西伸部と一体にすすめており、阪神高速3号線の渋滞解消、三空港の一体活用、阪神港等への物流等にとって必要とし、住民の不安にこたえず、早期の完成をめざすとしました。

    〇災害援護資金――少額返還者への免除対象拡大など国と協議

    いそみ議員は、阪神・淡路大震災から二四年目の課題として、災害援護資金の返済免除についても取り上げました。いそみ議員は、「これまでも、繰り返しとりあげてきたが、少額返済者も含めた生活困窮者は、すべて返済免除対象者にするなど、被災者の実態に見合った返済免除がすすむよう国に働きかけるとともに、県が決断し、返済免除をすすめるべき」と迫りました。

    答弁に立った福祉部長は、「①少額償還者への免除対象の拡大など免除基準の明確化、②行方不明者など改修が困難である場合も免除対象とすること、③補償債権の放棄、④国への貸付原資の償還は現に借受人等から返還があったもののみとすることなどを国と協議している。償還事務への支援について、県では、未償還額の多い6市に対し、滞納者への償還指導、行方不明者の所在確認など、償還指導員10人の設置費を助成している」としました。

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