議会報告
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私は日本共産党県議会議員団を代表して、上程中の議案の内、第105号議案、第107号議案、第109号議案ないし第113号議案、120号議案、121号議案、計9件に反対し、以下、主な理由と意見を述べます。
はじめに120号議案「大阪・関西万博兵庫棟(仮称)等展示設計・制作業務請負契約の変更」についてです。物価上昇と積算の照査に伴い
、当初契約金額4億513万円が5億7千478万円となり1億6千965万円増額となります。大阪・関西万博は建設費、運営費、関連インフラ整備費が膨れ上がっており国民に負担を課します。能登半島地震では126,678棟が住宅被害を受けており、869人の方が避難生活を送っています。お金や資材やマンパワーは未だに進まない能登半島地震被災者支援、復興支援を優先するべきです。会場予定である夢洲の災害避難計画である2025年日本国際博覧会防災基本計画の内容には、南海トラフ地震の震度想定が6弱であること、咲洲及び舞洲は液状化の可能性が高いことから通行止めの可能性が高くなるにも関わらず、具体的な避難計画が示されていません。又、基準値480倍の総水銀や基準値993倍のPCBが発生しています。最大で1日2トンものメタンガスが発生し、3月28日にはガス爆発が起こりました。多くの危険性がある大阪・関西万博は中止するべきであり、万博会場関西パビリオン内兵庫県ゾー
ンの展示設計・制作に多くのお金を拠出することに反対です。
次に第105号議案、「個人番号の利用、特定個人情報提供等に関する条例の一部を改正する条例」についてです。進学準備給付金の名称を進学・就職準備給付金に改める生活保護法の一部改正により、個人番号を利用することができる事務に、生活に困窮する外国人に対する給付金支給に関する事務を追加するというものです。所得、資産、生活保護受給、社会保障給付の情報を紐づけ、徹底した個人情報管理のもと医療費などの給付削減が懸念されると同時に個人情報のさらなる利用の拡大になるため反対です。
次に第107号議案、「使用料及び手数料徴収条例の一部を改正する条例」についてです。これまで地方公共団体の建築主事が行ってきた国などの建築物の建築確認検査業務(建築基準の適合審査)を民間の指定確認検査機関も行えるようにするものです。民間建築物の建築確認業務の一部民間機関への開放(1998年)以降、
民間機関による建築確認の割合は93%に増え、出資する民間の指定確認検査機関が安さと速さを競い合う中で、2005年の耐震強度偽装事件が発生したのではないでしょうか。耐震偽装の調査報告書では、建築主事が建築事業者に比べ経験や技術が優位だったが、その後逆転し「審査の形骸化の誘因となった」との指摘があります。安全確保に公的責任を果たし、建築主事の増員や、能力や経験を積めるようにすべきであるため、引用条文を改めるのみであ
っても建築基準法の一部改正に反対のため賛同できません。
次に第109号議案「国営加古川水系広域農業水利施設総合管理事業」、第110号議案「国営土地改良事業についての市町負担額の決定」についてです。国が行
う水利施設の管理事業と施設整備、国営土地改良事業について、市町と農家に負担を求めるものであり、本来、国で一元的、総合的に行うべきものであり、市町負担にすべきではありません。
また国営東播用水土地改良事業、東条川地区、加古川西部地区は国の減反政策などにより大きく縮小しています。国策によって農業を衰退させ投資費用に見合った受益を得られていない市町や農家に負担を求める事は認められません。
次に111号議案「県が行う建築事業についての市町負担額の決定」についてです。本議案には、三菱電機敷地内を含め尼崎市内を東西に走る県道園田西武庫線が入っています。御園工区の内、三菱電機の敷地1万8600㎡の用地買収、物件移動の補償費に充てられ、108億円にも上ることから、共産党県議団は、従来から事業そのも
のに反対しています。総事業費は膨れ上がり尼崎市の負担額も大きくなっています。また、
道路設計などについて勉強会を重ねてきた関係住民は、不安要素について何度も要望や提案をしていますが、当局の説明に不安は解消されないとの声も聞いています。関係住民の充分な合意がとられていないことからも賛同できません。
次に112号議案「国営明石海峡公園整備事業につい
ての神戸市負担額の決定」についてです。本議案は、神戸地区、淡路地区あわせて330ha、総事業費958億円で整備されている国営明石海峡公園整備事業のうち神戸地区事業について、県が負担している1/3の負担額のうち、1/2の負担を神戸市に求めるというものです。国営明石海峡公園の総事業費は公園管理費を含めると1000億円をこえ、当初事業費から大きく膨れ上がっています。過大な公園整備事業であり、国直轄事業でもある明石海峡公園については、国に負
担を求め地元負担を無くし、事業の縮小も検討すべきです。
次に113号議案「兵庫県道路公社が行う遠坂トンネル有料道路の事業変更についての同意」についてです。大規模修繕、更新の資金を確保するため料金徴収期間を2026年1月18日までから2041年3月31日までに改めるものであります。全自動車が対象となり全区間が適用されます。大規模修繕を行った後に国に
権限移譲するのではなく、県民に負担を求めず、国が責任をもって大規模修繕費を負担するべきであるため反対です。
次に第121号議案「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区室山高架橋上部工事請負契約の変更」についてです。高規格道路を整備しても東京一極集中は是正されなかったこと、総合病院同士のアクセス時間が大幅短縮にならないこと、災害時物資輸送には既存の県道を使用する計画になっているなどを挙げて反対してきました。そして昨年度はインフレスライド条項の運用に基づき北工区宗佐第5、第6、第7高架橋上部は2億5862万1700円の増額、樫山高架橋上部は1億1千万円の増額、国道175号AB-3ランプ橋上部は3千7百万円の増額となりました。不要不急の事業でありこれ以上の金額増、県民負担は認められません。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。