議会報告

  • 2024年03月12日
    予算・決算特別委員会

    2024年度予算特別委員会 教育委員会 庄本えつこ

    ○庄本えつこ委員  日本共産党議員団の庄本えつこである。早速質問に入らせていただく。
     一つ目は、学校給食費の無償化についてである。
     義務教育期の子供がいる家庭の保護者の経済的負担は大きい。文科省の令和3年度子供の学習費調査を見ると、子供1人を公立小学校に通わせる学校教育費が約6万6,000円、給食費は約4万9,250円、合わせて約11万5,000円である。中学校は約13万2,350円。給食費は5万6,330円。合わせて約18万9,000円となる。学校給食費は大変重い負担になっている。
     行政による予算が十分でないために、保護者の負担がなければ学校は運営できない状況である。子供の教育費なのだから保護者が負担して当然という方もいるけれども、これでは、家庭の状況によって子供の権利保障、そして子供の生存権保障が左右されることになるのではないか。そこで質問する。
     日本国憲法26条第2項の後段で、義務教育はこれを無償にすると明記している。どんな家庭に生まれても全ての子供が平等に義務教育を受けられるという公教育の無償制の原則である。にもかかわらず、学校給食費が無償でないのは矛盾ではないか。県としてはどうお考えか教えてほしい。

    ○体育保健課長(内藤敦志)  学校給食の経費については、学校給食法及び同法施行規則において食材費等の経費については保護者の負担とされている。
     一方、過去の文部事務次官通達では、保護者の経済的負担の現状から、設置者が給食費の一部を補助する場合を禁止するものではない旨が示されているので、コロナ等における物価高騰への対応については、県立学校は県が、市町立学校については市町が支援を行っているところである。
     本県としては、義務教育における学校給食の無償化については、法律の趣旨から義務教育無償化の一環と捉えるのであれば国が行うべきものであると考えており、平成4年6月に兵庫県議会において、国に学校給食の無償化を求める意見書が全会一致で採択されたことを踏まえ、要望を行っているところである。
     そうした全国からの声を受け、昨年12月、政府で閣議決定をしたこども未来戦略では、学校給食費の無償化の実現に向けて必要な実態調査を行い、こども未来戦略方針の決定から1年以内にその結果を公表することや、その上での課題整理を丁寧に行い、具体的方策を検討する旨が示されており、現在も実態把握に向けた取組が進んでいる。
     今後も学校給食を生きた教材として活用し、学校における食育を効果的に推進するとともに、保護者負担の軽減のため、引き続き国に対して学校給食費の無償化に向けた補助制度を創設するよう要望していく。

    ○庄本えつこ委員  今おっしゃった、食材費については保護者負担というのは学校給食法11条第2項を言っていると思うけれども、県当局はいつもこのことを盾にするけれども、この間の国会論戦で、学校給食法が自治体が保護者負担の補助を禁止するものではないことが明確になってきている。2018年12月の参院文教科学委員会で日本共産党の質問に対し、学用品、学校給食費、できれば交通費等義務教育の無償化をできるだけ早く広範囲に実現したいと答弁し、食材費については、文部科学大臣が、自治体等が一部補助だけでなく全額補助することも否定しないと答弁している。さらに、2022年10月の臨時国会においては、共産党の代表質問に対し、岸田首相も自治体が補助することを妨げるものではないと認めている。
     全国的にも、兵庫県下でも無償化が広がっている。兵庫県では相生市などに続き伊丹市が中学校給食を無償化、加東市が小中学校給食費の無償化の予算を計上している。東京都は都立学校の給食費を無償化し、市区町村が保護者に支援する経費の2分の1補助を決めた。また、青森県が、希望と喜びを持って子育てできる環境づくりとして、全県での小中学校給食無償化のための全国初の交付金制度を創設している。
     兵庫県がいつまでも学校給食法11条を盾にし、補助制度を作らないとする状況ではなくなっている。
     兵庫県議会は、先ほどもお話があったように、2022年の6月議会で、憲法は第26条で、教育基本法は第4条で、学校教育法は第6条で、それぞれ義務教育の無償を定めているとして、日本共産党県議団が提案した学校給食の無償化を求める意見書を全会一致で採択した。
     そこでもう一度質問する。給食費の無償化、安心・安全の給食をの願いは切実であり、学校給食を生きた食材として活用し、教育支援活動の支援や地産地消の推進に取り組む等SDGsの観点で県食育推進計画を進める兵庫県として、給食費の無償化を進めるべきだと思う。前向きの検討をお願いしたい。いかがか。

    ○体育保健課長(内藤敦志)  東京都の取組、それから青森県の取組については、当方においても報道等で承知をしている。青森県については、青森県と東京都はスキームが全然異なり、青森県は市町村で無償化をしていないところに公費を負担する。東京都は全く逆で、区市町村で無償化、あるいは一部補助をしているところに2分の1補助をする。考え方ややり方もまちまちである。また、青森県は総予算が19億5,400万円、このうちの96%が福祉部局の予算である。東京都も都知事が子育て世帯の支援と発言されている。
     このことから、本県においても教育委員会だけで議論すべきものではないというふうに認識をしており、教育委員会はどう考えるかと申されると、常に申し上げているように、市町でご検討いただくべきもの、義務教育の一環として考えるならば国が措置すべきものと考えている。

    ○庄本えつこ委員  兵庫県は本当に冷たいなといつもこの答弁を聞いて思う。
     青森県に聞いた。一般会計でしっかりやっていきたい。給食費を最優先で無償化をしていきたい、そのように本当に覚悟を決めたニュアンスを私は感じていた。であるから、兵庫県も本当に子供たちの一人ひとりの育ちをしっかり支えていく、そして保護者の希望もちゃんと受け止めるというところで、学校給食費の無償化については本当に前向きに何ができるのかということも含めて検討していただきたいと思う。

     

     次に、特別支援学校の狭隘化について伺う。
     県教育委員会特別支援教育課によると、2023年度学校基本調査において、特別支援学校の幼児・児童生徒数は6,259人と過去最多で、前年度より230人増え、2023年連続の増加になっている。県特別支援教育第四次推進計画においても、今後も増加が見込まれるとなっている。当然、学校の狭隘化の解決が課題になる。
     例えば、姫路のしらさぎ特別支援学校は、2014年に開校されたが、今、生徒数の増大により普通教室が足りず、特別教室を普通教室としているとのことである。この解決も急いでいただきたいと思う。
     今回の質問は、東播磨特別支援学校についてである。東播磨特別支援学校は、狭隘化対策として校舎の増築を行うことになっている。運動場に校舎を増築するというものだが、今の運動場の3分の2ほどを校舎にするというのはいかがなものかと思う。もともと運動場そのものが狭く、これ以上狭くしたら高等部の生徒の運動をする権利を奪うことになるのではないか。生徒の増加に急いで対処しなければならないというのは当然だけれども、一人ひとりに寄り添った支援教育というなら、既存の学校の大規模化ではなく、地元自治体とも協議をし、学校の新設も視野に入れた対策をする必要があると考える。当局の答弁を求める。

    ○特別支援教育課整備推進官(奥見啓友)  東播磨地域の特別支援学校の狭隘化対策については、昨年度までに県議会や市長、地域の皆様からも多くの要望を受けて、地元市町に学校設置に要する土地の提供等を求めるなど市長とも協議し、十分に理解を得た上で、令和5年2月に発表したところである。
     その内容は、一つに、加古川市から申出を受け、加古川市立平荘小学校跡を活用した新設の知的特別支援学校の整備、二つに老朽化するいなみ野特別支援学校の改築、三つに、平成21年度に開校した東播磨特別支援学校の増築の3校を一体的に整備し、域内の教育環境を整えるものである。
     東播磨特別支援学校では、運動場に増築棟を建築するが、運動場の7分の1未満とする建築面積のシンプルでコンパクトな校舎とし、運動場への影響を最小限にとどめた設計としている。引き続き、着実に整備を進めていく。

    ○庄本えつこ委員  運動場にというのがやはり問題だなと思っている。例えば、通常の学校で、教室が不足したから運動場に増築するとなったら大問題になると思う。PTAの方々も黙っていないと思う。特別支援学校の設置基準が新設校から運用となっているけれども、既存校も設置基準に基づいた教育環境整備をすべきだと思っている。生徒や保護者、教職員の意見、要望に応えることを求めて質問を終わる。ありがとうございました。

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