議会報告

  • 2024年03月22日
    本会議

    第366回本会議 2023年度繰越議案討論 庄本えつこ

     

    私は、日本共産党県議会議員団を代表し、第178号議案「令和5年度兵庫県一般会計補正予算(第7号)」に対し反対の立場から討論し、意見を述べます。

     

    本議案への反対の理由は、繰り越される事業の中に、播磨臨海地域道路調査費、東播丹波連絡道路関連調査費、東播磨道など不要不急の高規格道路事業、園田西武庫線事業、淡路交流の翼港改良事業などがあるからです。

     

     播磨臨海地域道路事業について、昨年11月以降に行われた該当地域での説明会では、「寝耳に水だ。依然聞いた計画はもっと南の工場の中を走ると聞いていたので、自分たちには関係ないと思っていた」「道路の下で暮らさなければならない私たちの気持ちを考えたことがあるのか」「終の棲家だと思っていたのでこれからどうしたらいいのか」「人口減少が進行する中、車は減少するのではないか」「なぜ新たな高規格道路が必要なのか?」などさまざまな意見や疑問がだされています。

     

     予算特別委員会で質疑を行いましたが、道路の必要性の一つの理由になっている国道2号バイパスの慢性的な渋滞について、2005年をピークに、16年たった2021年には、交通量が2割も減少しており、混雑度も1.0を割っている箇所がひろがっていることを指摘しました。そもそもの必要性についても疑義が生まれています。

     

    また、住民の不安には、ルートの地盤の問題、事業主体が決まっていないことなどもありましたが、答弁では、地盤の調査はされておらず、事業主体がどの段階で決まるかも明確になっておらず、不安にこたえるものではありませんでした。

    この事業は、いったん決まれば、5900億円という膨大な費用がかかるとされ、昨今の物価高騰の状況からすれば、1兆円もかかるのではとの指摘もあります。

     

     いま分収造林の債務超過や地域整備事業会計の資金不足などが問題になり、対応が求められているときに、膨大な費用のかかる新たな投資事業を行うのかという点でも大きな疑義が生じざるを得ません。

     

     東播丹波連絡道路関連調査費、東播磨道などについても交通量の低下なども鑑み、必要性そのものを問い直す必要もあり、膨大な費用がかかる点でも同様の理由で、事業を繰り越すことに反対です。

     

    園田西武庫線についてですが、この道路は三菱電機敷地内を含め尼崎市内を東西に走る道路で、総事業費約198億円かけて整備するもので、この内約55%が三菱電機の敷地1万8600㎡の用地買収、物件移動の補償費に充てられ、合わせて108億円にも上ることから、共産党議員団は、従来から事業そのものに反対してきました

    今後整備予定の東園田側、藻川工区では、用地の買収等は全地権者と合意したとのことですが、自転車通行の安全性など道路設計について関係住民から不安の声が出されています。全体の合意が得られていないことからも賛同できません。

     

     淡路交流の翼港の改良事業については、今年度は、大阪・関西万博からの誘客のために「係留可能な船舶の増加による利用者の増加」を目的に、改良事業を行うものですが、そもそも一日20隻のプレジャーボートの利用や、定期航路1,2便の開設を目指し、70億円かけて整備されましたが、実際には定期航路の開設はなく、利用も当初の目標通りになっていません。その港に新たに税金をかけて整備することに賛同できません。

     

    県庁舎再整備ついて意見を述べます。

    19日の2024年度当初予算、関連議案に対する討論でも指摘しましたが、あらためて4割出勤を前提とし、必要な県庁の整備計画を持たないまま県庁1、2号館の解体撤去をすすめようとしていることは問題だと考えます。

     

     知事は、19日の記者会見で、新しい働き方モデルオフィス検証結果(中間報告)を公表しました。それによると、モデルオフィス実施部局の出勤率は、目標の4割を約5pt 上回る45.1%。15部局中、出勤率が40%を超えるのが11部局。その内50%を超えるのが2部局ありました。40%台はそのほとんどが45%超えです。30%台は4部局、それも30%後半の数字です。

     

    アンケートの集計結果では、県在宅勤務中の業務効率は約3割の職員が向上した(13%)・現状と変わらない(20%)、約7割の職員が低下したと回答しています。

     

    課題としての意見は、職員間のコミュニケーションがとりづらい、部下の状況が見えず会話も減るため、業務管理がしづらい、新入職員、若手転入職員への指導が困難、職場でしか処理できない業務に従事している職員は テレワークが困難、災害時、繁忙期等は出勤率が増加などです。課題と対応策も示されていますが、私が指摘した内容と重なります。そして何よりも懸念されるのは、4割出勤ではいつ起きるともわからない自然災害の時に、県民の命を守れない事態になってしまいます。

     

     繰り返しになりますが、県庁舎は県民サービスの拠点であり、県民全体の財産です。4割出勤にこだわるのではなく、県民、職員などの意見も聞き、適切に県民サービスが遂行でき、災害時にも対応できるように業務スペースを確保できる県庁舎にするべきです。もっと安価で安心できる庁舎整備について、徹底的に検討し、新たな庁舎建設も含めた再整備計画にすることを求めます。

     

     以上、私の討論を終わります。ありがとうございました。

     

ページの先頭へ戻る