議会報告

  • 2024年03月05日
    予算・決算特別委員会

    2024年度予算特別委員会 企画部・県民生活部・部外局 庄本えつこ

    ○庄本えつこ委員  日本共産党県会議員団の庄本えつこである。3つの項目について質問をさせていただく。

     まず最初に、ミモザ企業についてである。小問3つをする。

     

     昨年度から始まった女性活躍推進企業、ひょうご・こうべミモザ企業認定事業は、共産党議員団が一般質問や委員会でも求めてきた県内企業の女性活躍を進めるインセンティブ制度である。歓迎するとともに期待もしている。ネーミングも、よくぞ付けてくださったと思った。

     国連で制定された国際女性デーのシンボルの花、ミモザをもって、あるいは黄色の何かを身に付けて各地で国際女性デーの行事が行われる。女性の管理職員などが相談して決めたと聞いている。さすがである。

     さて、県内企業の受け止めはどうなのかと気になる。ミモザ企業の認定を受けることで、企業イメージがアップすることは間違いないが、第1期の認定は、プラチナミモザ1社、ミモザ企業が69社で70社、第2期はミモザ企業38社、第3期はミモザ企業31社で、合わせて139社の認定である。

     そこでお伺いするが、第1期から3期までの応募者数がどうだったのか。認定されなかった企業があるのか、分かれば教えていただきたいと思う。よろしくお願いする。

    ○男女青少年課長(北 守人)  ミモザ企業認定制度については、2年間で139社認定しているけれども、全体の応募した企業については158社である。その認定できなかった理由であるが、なかなか20項目中14項目で認定するのだが、そこに点数が至らなかったりとかそういったことがあった。

     もちろん、1回目、2回目のところで認定されなかった企業についても、3回目のこのたびの応募において認定できた企業もあるので、よろしくお願いする。

    ○庄本えつこ委員  認定されなかった企業への指導や相談にも乗っていただいているような答弁だったので、これからもぜひやっていただきたいと思っている。

     さて、2024年度は認証基準を全20項目中8項目以上のフレッシュミモザを新設する。その導入の意義は、認定に向けて企業がより取り組みやすいものにするということだが、これが入り口になってたくさんの企業が認定に応募してくれれば良いと思っている。

     そこで、確かにハードルは低くなり、取り組みやすくなるが、更にフレッシュミモザからミモザ企業へ、そしてプラチナ企業へとステップアップすることが大切ではないかと思うが、どのように取り組んでいかれるのか教えてください。

    ○男女青少年課長(北 守人)  委員ご指摘のとおり、来年度からフレッシュミモザ企業制度を導入する。14項目の認定のところを8項目ということで、認定の最初の一歩をまず踏み出しやすくしていただくというのがまず最初の目的である。

     そして、その後も男女共同参画センターの女性活躍推進専門員による助言等、きめ細やかな支援等を通じ、フレッシュミモザからミモザへステップアップできるような取組を進めていきたいと思うので、よろしくお願いする。

    ○庄本えつこ委員  兵庫県には、14万4,000以上の中小企業がある。ミモザ企業認定に応募する企業が増えることを願うものだが、県としてもいろいろ工夫や苦労もあると思う。

     さらに、女性活躍推進に意欲のある企業を発掘するだけではなく、育てていく観点も必要だと思う。そして何より、若い女性が兵庫の企業を選んでくれるようにしたいものだと思っているところである。その思いは同じだと思う。

     そこで、女子学生とミモザ企業のマッチングの機会を提供するとのことだが、それにおいてもとにかく知ってもらうことが大切だと思っている。今後、企業の理解促進と県民への周知、特に若い女性に知ってもらうための取組はどのようにお考えだろうか、お願いする。

    ○男女青少年課長(北 守人)  来年度は、制度に対する企業の理解を促して、県民への認知度を向上させるために、先ほどもご指摘いただいたけれども、女子学生向けの就職フェアを実施したり、兵庫型の奨学金返済支援制度との連携などにより、県内企業の人材確保につなげていくとともに、SNS等の様々な媒体、機会を通じ、制度を広く県民に周知をしていきたいと思っている。

     そうした取組により、企業にとっての認定されるメリットを創出していくことで、ミモザ企業認定制度の価値を高めていくということを通じて、女性活躍も一層推し進めていきたいと思うので、よろしくお願いする。

    ○庄本えつこ委員  ぜひ頑張っていただきたいと思う。

     続いて、パートナーシップ制度についてお伺いする。小西委員と重なるところもあるかと思うが、よろしくお願いする。

     パートナーシップ、ファミリーシップ制度の創設も共産党議員団がずっと求めてきたものである。誰もが自分らしく生きていきたいというのは当たり前の権利である。2024年2月1日現在、14都府県を含め392自治体がパートナーシップ制度を制定している。

     兵庫県も4月1日制度開始に向けてパブリックコメントを行った。2月の一般質問では、賛成意見が73%、反対意見が15%、その他字句の修正などに対する意見が12%ということだった。そこで、もうまとまりつつあると思うが、パブリックコメントでの主な賛成意見、そして主な反対意見を教えてください。

    ○人権推進室長(山中 節)  主な制度に対するまず賛成意見であるが、賛成の理由という切り口で申し上げると、「多様性を認め合う社会への大きな一歩になる」、「誰もが自分らしく幸せに生きるために必要な制度である」、あるいは「精神的にとても救われる」、そういった賛同するご意見を多数いただいたところである。

     一方で、反対意見であるが、「家族制度が壊れ、社会が混乱する」、「将来に悪い影響を及ぼす」といった制度に対する不安を訴える声もあった。また、「もっと慎重に議論すべきではないか」、「条例ではなく要綱で実施するのは問題ではないか」、そういった検討のプロセスや制度の根拠に対するものなど、様々なご意見をいただいたところである。

     現在、それらのご意見に対する県の考え方を整理し、公表に向けた準備を進めているところである。よろしくお願いする。

    ○庄本えつこ委員  今お聞きした反対意見というのは、人権としての多様な性に対する理解が不足をしているのではないか、そういう方々じゃないかなというふうな思いをした。

     性的嗜好というのは、性別、人種などと同様に自分の意思によって選択や変更ができない個人の性質である。同性カップルと異性カップルの違いは、変えることのできない性的嗜好によるものである。異性愛者って、ある人は同性愛者にはなれないし、同性愛者の方は異性愛者にはなれない。思いや努力で変えられるものではない。ちなみに、性はもっと多様である。私たちの身近なところにもいらっしゃると思うのである。そして誰かが理解できない、認められないと言っても実際に存在をしているということまで否定してはならないと思う。今では、社会の理解が広まっているが、まだまだ当事者の方は苦しんでいらっしゃると思う。

     そこで、一人ひとりが大切にされる社会をつくるためにも、県民がパートナーシップ制度について理解することが大事だと思う。そのためにも、1部門の事業ではなく、例えば教育分野とか福祉分野などとも連携していくことが必要だと思うが、いかがだろうか。

    ○人権推進室長(山中 節)  本制度の周知についてであるが、今後作成する具体的手続や注意点をまとめた利用の手引、あるいはリーフレット、そして県のホームページ、あるいはLGBT専門相談窓口などを活用し、市町等とも連携しながら幅広い広報に努め、制度の趣旨など理解の促進を図っていきたいと考えているところである。

     ただし一方、先ほどご紹介した反対意見の中、家族制度が壊れ、社会が混乱するといった制度に対する不安の声、これはパートナーシップ制度そのものが法的な根拠がないものであるので、やはり皆様がそういった制度に対して不安な気持ちになるというのは私どもも一定理解はできるところである。

     したがって、本制度が婚姻制度など現行の法制度に直接的に影響を与えたり、あるいはこの制度自体が同性婚を法的に公認しようとするものではないということ、こういったこともやはりきっちりと正確に制度のことをご理解いただくということで、私どもは周知を図っていきたいというふうに考えている。

     また、当事者が抱える困難、不安を解消し、誰もが安心して暮らせる環境づくりにつなげる、そういった制度であるということも併せて県民に対し、丁寧に周知することは重要だというふうに考えている。

     以上である。

    ○庄本えつこ委員  一人ひとりが自分らしく生きていけるように、大きなインパクトになることを期待して、次の質問に行く。

     大阪・関西万博についてである。

     知事は、我が党、久保田議員の一般質問に対し、2025年の万博事業は関西で50年ぶりとなる特別な機会を兵庫の子供たちのふるさとを思う気持ち、いわゆるシビックプライドの醸成や地域内の経済循環の構築にもつながる好機とされているが、果たしてそうだろうか。

     この大阪・関西万博の是非について、まずお伺いする。例えば、11月中旬に行われた読売新聞の世論調査では、大阪・関西万博に行ってみたいと思うとした人は30%にとどまり、思わないは69%。会場建設費が当初予定の1.9倍の2,350億円に増えることに納得できないとした人は69%となるなど、最近の世論調査は概ねこうした傾向である。

     政府が昨年発表した万博予算の全体像について、インフラ整備は約9.7兆円に上り、うち当初予算よりも膨れ上がり、批判が強まっている会場建設費を含めた万博会場に直接関係するものは8,390億円とされた。これらの負担は大阪だけでなく、兵庫県民からの税金も使われる。

     1月1日に能登半島地震が起こり、被災地は水道などインフラの整備なども進まず、多くの方々が日常生活を取り戻せていない中、万博よりも被災地支援をという声が圧倒的に広がっている。そうした状況を鑑み、29年前に阪神・淡路大震災を経験した兵庫県として、大阪・関西万博を中止し、被災地支援に集中すべきだと国に申し入れるべきだと考えるが、いかがだろうか。

    ○万博推進課長(岸本健吾)  国内外から2,800万人が訪れる大阪・関西万博は国家プロジェクトであり、開催に向けてはオールジャパン体制で取り組んでいる。

     本県は開催の是非を判断する立場にはない。現時点で、博覧会協会や政府からは、開催の延期や中止の検討をしているとは聞いていない。本県は同じ被災地県として、阪神・淡路大震災から生まれたコンセプトである創造的復興の理念を岩手県など国内被災地の知事とともに、万博期間中に発信することで、石川県の復興への一助としたいと考えている。

     計画どおりに開催される前提で、万博に向けた準備を着実に進めていきたいと考えている。

    ○庄本えつこ委員  もう一つお伺いする。

     今、尼崎のフェニックス事業用地に空飛ぶクルマの発着場とされるところに、その場外駐車場周辺に楽市楽座というにぎわい場が整備されようとしている。来年度はそのための水道・電気などのインフラ整備に約1.5億円を使おうとしている。

     これについては、私はとても疑義があって、尼崎市民が気軽に行けるようなものではないということで、つまり万博に行った方が夕方や夜に楽しむというところなのだが、本当にそれでいいのかという疑問を持っている。

     石川県など能登半島地震の被災地では、インフラ整備が遅れたままになっているもとで、兵庫県がわざわざそのような事業を進めるべきではないと考える。整備したインフラというのは万博後に撤去するのだろうけれども、それこそその後につながらない不要な事業だと考える。

     そうしたことも踏まえ、国に万博の中止そのものを求めるとともに、兵庫県での関連事業も中止されるべきだと思うが、いかがだろうか。

    ○万博推進課長(岸本健吾)  本県では、万博を契機に兵庫を活性化するため、ひょうごフィールドパビリオンをはじめ、様々な各種プロジェクトを展開しようとしている。これらプロジェクトを参加する万博とするため、県内団体や県民とともにつくり上げる施策のプロセスが本県にとっての万博の成果であり、一過性ではない得難い経験になると考えている。

     兵庫県ゾーンとか、そういったところの展示物については、万博後の活用も検討していきたいと考えている。万博開催400日前に迫るので、これからもオール兵庫で取り組んでいきたいと考えている。

    ○庄本えつこ委員  フィールドパビリオンについては、地域の活性化など、地域の人たちが元気になっているということもあるので、万博があろうがなかろうがやることだと思うので、再度中止を求めて質問を終わる。ありがとうございました。

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