議会報告

  • 2023年12月13日
    本会議

    第365議会 請願討論 庄本えつこ

    私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程されている請願の内、第7号、第9号、第12号、第13号について不採択ではなく採択を、第2号、第10号については継続審査ではなく採択を求め、また、第8号については採択ではなく不採択を求め、その主な理由を述べます。

     

    まず、請願第7号「核兵器禁止条約への署名、批准を求める意見書提出の件」です。

    核兵器禁止条約は現在93か国が署名し、69か国が批准しています。署名国はあと4か国で国連加盟国の過半数に達します。ほかにも参加の準備を進めている国があるなど、着実に参加国が増えています。

    ウクライナ侵略におけるロシアの核兵器使用の威嚇に続いて、イスラエルの閣僚から核兵器使用の可能性も「選択肢の一つ」との発言が出されました。これらの発言は核兵器の使用も威嚇も禁じた核兵器禁止条約に反する行為であり、国際法違反ですが、核戦争の危険性がかつてなく高まっている状況です。

    11月27日から12月1日までニューヨークの国連本部で核兵器禁止条約第2回締約国会議が行われました。日本政府は、世界各国からの参加要請にもかかわらずオブザーバー参加すらせず、国際社会から強い批判の声がでました。

    11月28日には国連前で市民集会が開かれ、その後アメリカとロシアの国連代表部に向けてパレードが行われました。ロシア国連代表部の代表がパレードを迎え、要請書を受け取り「核大国としてアメリカ、ロシアの双方がともに努力が必要。みなさんの行動を歓迎します」と述べたとのことです。

     また、核兵器の非人道性に関するパネル討論では、赤道ギニアの代表が「日本は核廃絶を主張する一方、国連総会では核保有国と足並みをそろえて投票している。日本の戦略を説明してほしい」との発言がされ、参加していた広島県の湯崎知事は「私たちも当惑している。日本政府がそうした矛盾から抜け出し、少なくともオブザーバー国として議論し、最終的には禁止条約に署名・批准することを望んでいる」と述べました。

     さらに、日本原爆被害者団体協議会や原水爆禁止日本協議会の代表が、中満泉国連軍縮担当上級代表と懇談。中満代表は「日本政府はオブザーバーでも参加し、意見を言ってほしい。それが本当の橋渡しとなる」述べました。

     締約国会議に先立つ11月7日には「日本政府に条約参加を求める署名」141万7,399人分が政府に提出されました。

    日本でも世界でも、唯一の戦争被爆国として日本政府が核兵器禁止条約に参加し、署名・批准して、核兵器廃絶の先頭に立つことを望んでいます。被爆者の平均年齢は85歳を超えました。「生きているうちに核兵器廃絶を」が被爆者の願いです。2017年、核兵器禁止条約が採択された年に、全会一致で「非核平和宣言」を行った県議会として、本請願を不採択ではなく、採択することを強く求めます。

     

    次に請願第9号「物価上昇に見合う老齢基礎年金等の改善を求める意見書提出の件」についてです。

    エネルギー高騰や食料品など生活必需品の高騰により、多くの国民が生活に苦しんでいる中、年金額は毎年のように減額改定が進み、過去1年間で公的年金は実質7.3%の減額になっており、年金受給者の生活に深刻な影響を及ぼしています。年金受給者世帯から生活保護世帯への移行が増加することによる自治体財政圧迫、購買力の低下による地域経済の減退にも及びます。年金額が少ないことから若い世代も将来に希望がもてていないのが現状です。よって若者も高齢者も安心して老後が暮らせるように、「物価の上昇に見合う老齢基礎年金等の支給額の改善を求める意見書提出の件」の採択を求めます。

     

    次に請願第12号「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件」についてです。

    2020年4月1日から国の就学支援金制度が拡充し、制度の改善が進められ、年収590万円未満世帯の私立高校へ通う生徒の経済的負担が大きく減少されました。さらに県の「授業料軽減補助制度」の拡充で、年収590万円から730万円未満世帯と年収730万円から910万円未満世帯への新たな所得区分への補助により、私立高校授業料の無償化へ大きく近づきました。

    しかし、文部科学省の調査でも兵庫県の私立高校の学費は授業料・施設設備費・入学金を合わせた学費は88万3,703円と全国で3番目に高く、この順位はずっと続いています。授業料が実質無償化された年収590万円未満世帯でも、授業料以外の納付金が20万9,659円もの重い保護者負担となっています。

    また、近隣府県との授業料減免制度にも大きな格差があり、同じ私立高校に通いながら、住んでいる府県によって学費負担が違うことは大きな矛盾であり、解決されなければなりません。

     東京都は私立も含めすべての高校の授業料を所得制限なしで無償にする方針を発表しました。

    私立学校は、建学の精神に基づき特色ある教育を行いながら、公教育の一端を担っています。教育環境の整備とともに、公私間格差をなくし、県に私立学校の学費軽減補助制度の拡充や経常費補助の増額、給付型奨学金制度の新設等を求める本請願の採択を主張します。

     

    続いて請願第13号「すべてのこどもたちへの行き届いた教育を目指し、35人以下学級の前進、教育費の軽減、教育条件の改善を求める」件についてです。

    兵庫県における35人学級は、「兵庫型学習システム」の導入で、中学校の1学年で35人学級が実施できるようになりましたが、実施中学校は29校にとどまっており、小学5・6年、中学校、高校は40人学級のままです。

    新型コロナウイルス感染拡大による長期休業後の分散登校は、20人程度の学級となり子どもたちへのケアと学びの観点からも、少人数学級の効果が発揮されました。

    国の学級編成基準の見直しと教職員定数改善による少人数学級の実現が一日も早く求められていますが、県として小学校のすべての学年、中学校、高校までの少人数学級の実現を決断すべきです。さらに20人程度の学級編成に進むことが求められています。

    12月5日に兵庫教組が発表した、10月1日時点での教員不足の人数は神戸市を除いて小中学校が183人、高校は44人で合わせて227人にも上りました。教員不足の抜本的改善も急がれます。

    さらに県立高校教育改革第3次実施計画に基づき高校統廃合がすすめられていますが、生徒、保護者や地域から地元の県立高校の存続を求める要望も出されています。

    一人ひとりの子どもが大切にされる、行き届いた教育を実現するために、35人以下学級の前進、教育費の軽減、教育条件の改善を求める本請願の採択を強く求めます。

     

    次に第2号「子どもの医療費を所得制限なしに18歳まで無料にすることを求める件」についてです。 

    日本共産党県会議員団が「子どもの医療費無償化」を求め続けてきた中で、県は、2013年に対象年齢を中学3年生までにするなど、制度を拡大してきました。現在県下では41市町中37市町が、県の制度に上乗せし、中学3年まで通院・入院とも無料となっています。高校3年生まで通院・入院とも無料なのは24市町に広がっています。

    群馬県では10月から所得制限なしで医療費の無償化を高校3年生まで拡充し、鳥取県は2024年から18歳までの医療費完全無料化を決めています。医療費助成は18歳までというのが当たり前になってきています。

    子どもの人権を尊重し、0歳から18歳まで、お金の心配なく必要な医療を受けられるようにすべきです。

    よって、本請願は継続審査ではなく採択することを求めます。

     

    次に第10号「障害・高齢福祉サービス等報酬の改善を求める意見書提出の件」です。

    障害・高齢福祉事業所は、慢性的な人手不足、物価高騰による支出の増加等で赤字の事業所が増えるなど厳しい運営を強いられています。福祉職員の給与は全産業の平均を下回っており、福祉職員の退職理由には「給与が低いこと」が一番になっています。このような状況から、今後の障害・高齢福祉事業の存続のために、2024年度の障害・高齢福祉サービス等報酬の基本報酬を引き上げること、処遇改善加算を引き上げ申請しやすくすること、グループホームのひとり夜勤体制を解消するために職員の複数配置を可能とするなど配置基準を引き上げること、事業所の安定した運営を確保するため日額報酬制を見直し「利用者個別給付報酬」と「事業運営報酬」とする報酬方式に切り替えることが喫緊の課題です。これらの内容を踏まえた「障害・高齢福祉サービス等報酬の改善を求める意見書提出の件」については継続審査ではなく採択を求めます。

     

    最後に請願第8号「緊急事態に関する国会審議を求める意見書提出の件」です。

    新型コロナウイルスの感染拡大に乗じて憲法に「緊急事態条項」を創設すべきだという議論が出ていますが、もともと「緊急事態条項」創設は、安倍晋三元首相が憲法9条への自衛隊の明記などとともに改憲の一つの柱にしてきたもので、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」で「国会による法律の制定を待ついとまがない」場合は、内閣は政令を制定できるという内容です。内閣の権限を強化し、国民の権利を制限し、民主主義の機能を停止させる恐れが強いものです。これについては、政府に権限を集中し、人権侵害の危険があると批判されてきました。

     憲法の「緊急事態条項」が乱用され、人権を侵害し、言論抑圧につながる危険は世界の歴史からも明らかです。第2次世界大戦前のドイツでは、ワイマール憲法48条の「大統領非常権限」が乱発された結果、ナチス・ヒトラーの独裁政権に道を開きました。日本でも明治憲法下の1923年の関東大震災の際、戦時に軍隊に権限を集中する戒厳令の一部を緊急勅令によって施行するなど適用が拡大される中で、軍隊や自警団による朝鮮人虐殺などが引き起こされました。戦後制定された日本国憲法で「緊急事態条項」を設けなかったのは、こうした痛苦の経験を踏まえたものです。

     

     憲法は前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」と決意し、国政は「国民の厳粛な信託」によることなどを人類普遍の原理に掲げています。これらに反する「一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」というのが原則です。

     

     新型コロナへの感染拡大防止対策、大災害などと、緊急事態条項を盛り込む憲法改定は、関係がありません。憲法には公共の福祉という形で、一定の私権制限ができる規定があります。また、衆議院解散後、緊急の必要がある場合も、憲法54条には参議院の緊急集会の規定があります。憲法を変える必要は全くありません。

     よって本請願は採択ではなく、不採択を強く求めるものです。

     

    以上、議員各位の賛同をお願いし、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

     

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