議会報告

  • 2023年10月23日
    本会議

    第364議会 2022年度決算認定議案反対討論  庄本えつこ

    私は、日本共産党議員団を代表し、上程中の決算認定議案のうち、認第1号、認第2号、認第4号、認第5号、認第7号、認第10号、認第11号、認第15号ないし認第18号、認第20号、認第22号、認第23号、計14件に反対し、以下その主な理由を述べます。

     

    まず、認第1号議案「令和4年度兵庫県一般会計歳入歳出決算の認定」についてです。

    反対の第1の理由は、30年間賃金が上がらない中、消費税増税の強行で家計を圧迫しているもと、地方消費税を県税収入の中心に据える決算になっていることです。特別法人事業譲与税を含めた県税等は昨年度を340億円上回る約9,077億円で過去最高水準となりました。その内、地方消費税収は昨年度より18億円増の約2,618億円で税収構成比は28.8%とトップです。

     

    これは、2019年10月の消費税増税による増収分を平年度化したことに加え、円安などによる輸入の増に伴い地方消費税収の貨物割の増などによるものです。しかし、コロナ禍に加え物価高騰などにより、県民の暮らしは大変です。総務省発表の今年の8月の全国消費者物価指数は、2020年を100として105.9、前年同月比は3.2%の上昇で、1991年以来の高水準の上昇率です。2022年1年間の食料品などの値上げ品目は2万点を超えましたが、2023年は10月からハムや冷凍食品、アイスクリーム、ペットボトル飲料など新たに4500品目以上の食品が値上げされ、2023年に値上げされる商品は3万品目を超えるとされ、バブル崩壊以降最大級の値上げとなり家計を直撃しています。

     

    一方、大企業は、法人税減税などにより、内部留保がこの10年間で180兆円近く増え510兆円にもなっています。利益が増えても賃金が上がらず内部留保だけが積みあがるというゆがんだ構造を切り替えなければなりません。世界では、コロナ禍に加え物価高騰に対し100か国以上が消費税を減税、大企業や富裕層、金融資産などへの課税強化に進んでいます。

     

    兵庫県の県税収入においては、地方消費税収を中心に据えるのではなく、大企業や富裕層などの応分の負担を求め、消費税は5%へ減税すること、10月から強行された、小規模事業者、フリーランスの人などを直撃するインボイスの中止を国に求めるべきです。

     

    さらに、物価高騰から県民の暮らしを守り、賃金を上げ日本経済を立て直すためにも、大企業の内部留保を活用するなどし、中小企業への直接支援を行いながら最低賃金を早急に1500円以上にすることを国に求めるべきです。県としても中小企業への抜本的支援を行い、賃金引き上げの施策を行うことを求めます。

     

    反対の第2の理由は、新たな行財政運営方針となる「県政改革方針」に基づく決算になっていることです。

     行財政運営方針を見直す中で、投資的事業、事務事業等を見直し、2028年度までの財源不足を140億円まで抑えられる見通しとしています。

    しかしその中には、ひょうご地域創生交付金、地域再生大作戦、障害者小規模通所援護事業、100歳高齢者祝福事業、老人クラブ活動強化推進事業、音楽療法定着促進事業、県立障害者高等技術専門学院の運営体制の見直し、商店街の活性化施策、バス対策費補助、一般型人生いきいき住宅助成事業など、高齢者、福祉施策、業者支援の廃止・見直しなどが含まれています。齋藤知事が公言する「誰も取り残さない県政の推進」とも矛盾するものです。

    一方、投資的事業を見直すとしながら、過大な需要予測による不要不急の開発型の大型公共事業工事を継続しています。2022年度も「基幹道路八連携軸構想」による播磨臨海地域道路事業、大阪湾岸道路西伸部事業、加古川小野線東播磨道など全国2位と言われる不要不急の高速道路網をさらにすすめられています。人口減少はさらに加速し、都市部でも自動車交通量は減少に転じている中、「基幹道路八連携軸」計画の抜本的見直しを求めます。不要不急の大型開発の公共工事ではなく、地元建設業者が直接受注できる防災減災型の公共事業へ転換するべきです。

    また、大阪・関西万博は、参加国のパビリオン建設が遅れ、日本国際博覧会協会が「2024年からの建設労働者の残業規制の除外」を政府に要請するなど、国・大阪府のすすめ方が破綻し、国民の命と安全をおびやかすとともに、多大な負担を押し付けることになります。兵庫県として国などに中止を求めるとともに、県としてすすめようとしている空飛ぶクルマ発着場整備など関連事業については中止すべきです。

    高齢者、福祉事業等、県民サービス事業の充実こそ求められます。

     

    反対の第3の理由は、コロナ禍のもとでも地域医療構想の名のもと急性期病床削減など、医療、社会保障を切り捨てているからです。

     県は地域医療構想に基づき、2014年度には2万8,747床あった急性期病床を毎年減らし続け、2021年度までには7,262床を削減し、21,485床になっています。2022年度は荻原みさき病院、市立川西病院と協立病院、西宮回生病院と大原病院、豊岡病院と日高医療センター、明和第二病院、多可赤十字病院の統廃合・機能転換などで急性期病床を357床を削減しました。2021年度からは消費税を財源に病床削減を行っていることも認められません。

     

     また、新型コロナウイルス感染症対策費の内、入院病床の確保、入院医療機関等の設備整備、無料検査事業など合わせて約23億円もの不用額を出しています。今年5月に2類から5類になったとはいえ、コロナはまだ収束を見ていません。ましてや昨年度のコロナ感染拡大の中、病院や社会福祉施設等は職員が懸命にコロナ対策を行っているにもかかわらず、支援は不十分です。不用額とするのではなく、現場の声を聞き必要な支援を行うべきです。医療機関、社会福祉施設等の従事者への定期的検査、いつでも誰でも何度でも受けられる無症状者用の無PCR料検査の継続、症状が出ている方用の臨時検査センター、臨時医療施設、保健所体制の充実こそ行うべきです。

     

     反対の第4の理由は、知事の公約でもある少人数学級を実現することなく、生徒数の減少を理由に県立高校統廃合を進める決算になっているからです。

     

     2022年度の教職員数は48人増えたとはいえ、兵庫教職員の調査では、小中学校の教員不足が189人にもなっています。年度当初から担任がいないなど教員不足が発生し、それがまた教員の多忙化を強め、病気休職者、年度内退職者を生むという悪循環を起こしています。

     

     知事の公約でもある少人数学級を早期に実施するために教員を増やし、教員の負担軽減とともに子どもたち一人ひとりに丁寧な教育を行うことを求めるものです。

     

     県立高校教育改革第3次実施計画は、2025年に9校、2028年に6校の合計15校を削減し、110校に削減するとし、2025年に統合する14校が発表され、生徒や保護者から不安の声や地域の県立高校の存続を求める要望が相次いでいます。

     少子化を理由に統廃合ありきの計画を推し進めるのではなく、学校を存続させ、きめ細やかな教育、教員の負担軽減をすすめることができるよう高校での少人数学級に踏み切ることが求められます。

     

    反対の第5の理由は、産業立地条例等大企業呼び込み型の経済政策を続ける内容になっていることです。産業立地の促進については、今年度、条例も改定し、全県域で成長産業の補助率を最大10%に引き上げ、投資促進地域にベイエリア地域を設定し、重点的に支援するとしています。例えば、体力のある大企業が1000億円の投資をすれば、100億円が補助されるというもので、大企業の投資事業をさらに優遇するものです。

    一方、2021年までの20年間の産業立地促進補助総額260億円のうち中小企業に使われたのは、わずか15%39億円で、企業数もわずか131件、中小企業全体の0.1%に過ぎません。物価高騰、コロナ等の影響で、体力を奪われている中小・小規模事業者が、新たな投資をおこなうのは困難であり、結局は大企業を中心とした制度に変わりありません。

     

    日本経済では、大企業が儲かればやがてその利益が家計に滴り落ちるという新自由主義のトリクルダウンの経済波及効果は全く現れず、その失敗、破綻は明らかです。その結果、日本はこの30年間経済が停滞・衰退し賃金が上がらず、いわば「失われた30年」で暮らしの困難が続いています。これまで通りの大企業優遇の経済政策は見直し、中小企業応援、県民の暮らし応援の経済政策への転換が求められます。

     

     次に認第2号「令和4年度兵庫県県有環境林等特別会計歳入歳出決算の認定」、認第4号「令和4年度兵庫県県公共事業用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定」についてです。

     

     これらの議案は県有環境林等特別会計から県有林事業のため公共事業用地先行取得事業会計へ小野市場用地の約75億円を支出し、その売却収入などを借金返済のための財源として公債費特別会計へ繰り出したものです。

     過去の用地取得事業の失敗を県有環境林という美名のもと県民に十分な説明もなく、また、県有環境林事業の効果の検証もないまま、新たな借金をつくり事業を続けていくことは認められません。

     

    次に認第5号「令和4年度兵庫県営住宅事業特別会計歳入歳出決算の認定」についてです。

    県は、2021年7月、「ひょうご県営住宅整備・管理計画」を改定し、2020年4月1日時点で49,950戸あった県営住宅管理戸数を2025年度に48,000戸へ、2030年に45,000 戸へと削減する計画を決定しました。

    2022年度は、津名塩尾(しお)や姫路田寺(たでら)などで建替除却、集約除却などが行われ、全体で120戸削減、管理戸数は47,429戸から47,309戸になりました。

    貧困と格差が広がる中、低廉な家賃で住宅を供給するという県営住宅の役割がますます高まるもとでの管理戸数削減は認められません。

     

    次に認第7号「令和4年度兵庫県庁用自動車管理特別会計歳入歳出決算の認定」についてです。

    職員が退職などで17人から15人へ2人減員しましたが、不補充とのことです。いろいろ工夫し時には民間に委託、タクシーなども利用するとしていますが、直接雇用を減らすことは認められません。庁用自動車の運転は、ただ人を運ぶというものでなく、自動車の中で執務を行うこともあるなど直接雇用の職員が担当するべき部署であり、不補充という人員削減には賛成できません。

     

    続いて認第10号「令和4年度兵庫県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算の認定」についてです。県は、福祉的な貸付の償還金回収を債権回収会社に委託しています。回収困難事例が増えており、滞納繰越分の回収率は14.7%となっています。民間回収業者では福祉的な対応が難しいと考えます。返済の意思のある、返済困難な人に対しては、機械的な徴収強化ではなく、少額返済や減免措置など、生活実態に見合った丁寧な対応を行うことを求めます。

    次に認第11号「令和4年度兵庫県小規模企業者等振興資金特別会計歳入歳出決算の認定」についてです。2022年度の中小企業高度化資金貸付金の累計未償還残額は、67億975万円。本制度は、同和対策特別措置法等の認定にもとづく事業計画であり、無利子での貸し付けを行うなどの特例を設けてきた事業です。これまでも指摘してきたように、未償還、焦げつきについて具体的な処分状況が明らかにされていないため反対です。

    次に認第15号「令和4年度兵庫県国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定」についてです。

    2022年度は、国民健康保険財政運営の都道府県化から5年目となりました。県は、2027年に標準保険料率を示し、2030年には完全統一保険料にするとしています。

    1人当たり保険料調定額の県平均は、2020年度9万4,680円、2021年度9万4644円、2022年度は急激に高くなり10万1317円です。また、医療費抑制や保険料徴収強化、一般会計からの繰入の減額を市町に競わせる保険者努力支援制度を導入し、加算点数が多ければ特別交付金が手厚く交付される仕組みになりました。さらに、2021年度からは市町の納付金の算定に医療費水準を反映させない改定を行いました。これは、高齢化の進展により避けられない医療費の増加を公費で支えるのではなく、県内の市町全体に痛み分けとして負担を課し、県下統一の保険料を目指すためのものです。これではますます保険料が高くなることは明らかです。国庫負担の抜本的な増額による保険料の引下げ、均等割の廃止など、制度の抜本的見直し、保険料の水準統一の方針撤回が必要です。

     

    次に認第16号「令和4年度兵庫県病院事業会計決算の認定」についてです。

    2002年度から経費の節減、効率を最優先して、病院事業に企業的手法を導入するための公営企業会計の全部適用が行われ運営されています。公営企業としての独自性の名のもとに、賃金、労働条件が一般行政職と切り離され、水準の切下げが可能な仕組みになっています。その結果、県立病院の給与抑制方針により給与率は2021年度64.5%から2022年度63.2%に下げられています。また、国の社会保障費削減の方針どおりに、在院日数の短縮、稼働病床率の引上げが追求され、急性期で入院しても、退院、転院が急がされています。また、災害時や2次救急の受け入れのために、分散立地が望ましいにもかかわらず、市立病院や民間病院と、県立病院との統合再編を進められています。以上の理由で、認められません。

     

    次は認第17号「令和4年度兵庫県水道用水供給事業会計決算の認定」についてです。

    過去の過剰な水需要予測による施設整備や二部料金制などにより、高すぎる県営水道料金は、改善されていません。2022年度の県水の平均供給単価は1トン当たり120円で、尼崎市は145.74円、伊丹市では169.24円となっています。2024年度から、平均供給単価が若干値下げされますが、それでも118円で、2円しか下がりません。

    一方で、尼崎や西宮に水道を供給している阪神水道企業団の平均供給単価は1トン当たり60.68円です。高い県水を市町に押し付けていることから認められません。

     

    次に認第18号「令和4年度兵庫県工業用水道事業会計決算の認定」についてです。

    工業用水道事業は、日本製鉄株式会社など、大企業に供給している揖保川第1工業用水の水道料金が、1トン当たり4円30銭で、50年前の1971年から2円しか値上げされていません。工業用水道事業法でうたわれている「社会的経済的事情の変動により著しく不適当」な料金状態と言わざるを得ず、不当に安い価格に据え置いていることから認められません。

     

    次に認第20号「令和4年度兵庫県地域整備事業会計決算の認定」についてです。

     この事業は、阪神地域、播磨地域及び淡路地域において、土地造成、施設整備等を行い、調和のとれた県土の創造に寄与するとして、進められている事業です。しかし、先日行われた経営評価委員会では、1980年代に以降に将来の開発用地として購入した山林のうち、播磨科学公園都市や、ひょうご情報公園都市などの1378haが未造成のまま、事業化のめども立ってないなどの指摘が行われました。わが党は、過大な見通しによる事業の見直しや廃止などを検討すべきとこれまでも反対してきました。

    2014年から会計制度の見直しにより、進度調整地以外の時価評価処理が行われましたが、進度調整地は簿価評価のままであり、時価評価を行うべきです。先日の決算特別委員会では、「時価評価を検討する」との答弁がありましたが、早期に実行されることを求めます。また、それぞれの事業の必要性、採算性を審議するうえで、プロジェクトごとの収支も明らかにされていないことから反対です。

     

    次は認第22号「令和4年度兵庫県地域創生整備事業会計決算の認定」についてです。

    地域創生整備事業には、神戸・三宮東再整備事業が含まれており、反対です。現在、神戸市が中心となって行っている三宮東再整備事業は、呼び込みを強化し、人口減少に歯止めをかけるために、巨大なバスターミナルを建設し、三宮への一極集中の街づくりをすすめようとするものですが、そのために地域社会を縮小・疲弊させ、人口減少を助長させるものでしかありません。三宮一極集中・地域疲弊のための巨大開発に県予算を投入する本事業に賛同できません。

    また地域創生整備事業に含まれる小野長寿の里構想は、住民、医療・福祉事業者、自治体らが検討委員会を立ち上げ、そこでの議論の上で出来上がった構想です。それにもにもかかわらず十分な議論もされないまま、構想区域の一部を産業団地として事業変更していることは問題です。

     

    最後に認第23号「令和4年度兵庫県流域下水道事業会計決算の認定」についてです。

     2017年12月に、流域下水道事業会計は特別会計から企業会計に変更されました。公営企業は独立採算が原則であり、地方公営企業法の財務規定の適用がされることで、これまで行われていた一般会計からの繰入も制限されました。

    施設の維持管理に係る費用負担について市町負担が上乗せされ2022年度までに、約993万円の市町負担増となり、賛同できません。

     

     以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。ありがとうございました。

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