議会報告

  • 2022年10月12日
    予算・決算特別委員会

    2021年度決算特別委員会 環境部 ねりき恵子

    ○ねりき恵子委員 日本共産党県会議員団、ねりき恵子である。

    早速質問に入る。

    再生可能エネルギー導入事業の推進についてお伺いする。

    北摂里山地域循環共生圏事業について伺う。

    気候危機が叫ばれる中、実効ある温暖化対策を進めていくため、再生可能エネルギーへの転換が求められている。

    県は、地域の資源を活用した再エネを導入し、持続可能なエネルギーの地産地消を進める地域循環共生県の取組を進めている。

    具体的には、北摂地域を対象にソーラーシェアリングや木質バイオマスによる熱と電気の供給などを計画、検討する団体をはじめ、地元住民や行政が参加する北摂地域循環共生圏事業である。

    そのうち、県が宝塚市西谷地域で宝塚新都市計画として1,100ヘクタールを先行取得していたその一部、長期手つかずとなっていた県有環境林を伐採し、里山林を健全化するとともに、伐採木を木質燃料として活用する木質バイオマス有効利用のモデル事業が令和4年7月から始まった。県有環境林の玉瀬1クラスタで、コナラ、クヌギ、アカマツ、山桜などを切り出し、集積した木材をチップ化、概ね50キロの範囲でバイオマスボイラー向けのチップを提供する仕組みである。

    この木質バイオマス事業は、一般社団法人徳島地域エネルギーが取組を進めており、神戸市北区にバイオマスラボを開設、木質バイオマスボイラーやチップ乾燥システムの展示、実演、里山の保全や木質バイオマス熱の利用方法などを見学者に紹介し、エネルギーの地産地消について総合的に学べる環境教育なども計画されている。

    8月より木材を切り出すための作業道づくりが始まり、今後、木材が切り出され、本格的にチップ化が進む予定であるが、生産された木質チップが実際燃料としてどれだけ使用されるかが大きな課題となっていると思う。

    実施主体である徳島地域エネルギーでも、この木質バイオマス熱利用の方法など、普及啓発、チップの販売などに取組を進める予定であるが、やはりこの木質チップ用のボイラーに使用者のほうが切り替える必要などもあるというふうに思っている。

    実際にゴルフ場や病院、福祉施設、学校などで木質バイオマスの利用がされるよう、県としても利用先の開拓に支援をしていくべきではないか。地元宝塚市をはじめ、北摂地域の市町とも連携し、木質チップの利用促進の支援を求めるが、具体的にお答えいただきたい。

    ○温暖化対策官(濵田美香) 北摂里山地域循環共生圏構想において進めている宝塚市西谷地区の県有環境林を使った木質バイオマス利活用モデルについては、先ほど委員から説明があったとおり、令和2年度に事業構想を策定し、令和3年度から具体的な事業実施に向けた調整を進めてきた。

    これまでに、西谷地区での住民説明会等を実施し、地元にもご賛同いただいた上で、本年7月末から伐採を始めたところである。

    本事業については、現在は事業者が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助を受け、2023年度までの実証事業として実施しているが、委員のご指摘のとおり、里山の再生と木質バイオマスの活用を両輪で進める必要があると認識しており、現在、県内のゴルフ場等にバイオマスボイラーの導入検討を依頼するようなことも取り組んでおり、今後、地域における継続的な事業につながるよう引き続き支援してまいりたいと考える。

    木質バイオマス以外についても、また地域資源としてポテンシャルがあるものについては積極的に活用したいと考えており、今後、北摂里山地域循環共生圏がエネルギーの地産地消のモデルとなり、地域の活性化につながるよう取り組んでまいりたいと考える。よろしくお願いする。

    ○ねりき恵子委員 具体的にボイラーの設置等、活用についても取り組んでいただいているということであり、ぜひ宝塚市をはじめ、行政もやる気であるので、積極的に働きかけていただいて、進めていっていただきたいと思う。

    今まで本当に丁寧にご説明いただいているので、地域の皆さん本当に期待をしているし、見学をしたいという方もいらっしゃって、やはりPRをしていくことが大事だというふうに思う。

    PR動画であるとか、そういったものも含め、地元の行政も使っていただき、ぜひ積極的にこれからも進めていっていただきたいと要望しておく。よろしくお願いする。

    そして、続いて、兵庫県地球温暖化対策推進計画の進捗状況についてお伺いする。

    先ほど来、お話が出ているが、2022年3月に兵庫県地球温暖化対策推進計画を改定し、2030年の温室効果ガス削減目標を2013年度比48%とし、再生可能エネルギー導入目標を引き上げたところである。私たちは、この気候危機の進行度合いから、世界の地球温暖化対策の水準からも改定した目標は低過ぎると指摘をしてきたところであるが、この課題を着実に進めていかないといけないというふうに思うが、実際にこの再生可能エネルギーの導入実績について、この3年間ぐらいの実績が分かれば、教えてほしい。

    ○温暖化対策官(濵田美香) 県内の再生可能エネルギーの発電量と再エネ比率についてであるが、直近3年で、令和元年度は42億キロワットアワー、再エネ比率で11%、令和2年度47億キロワットアワー、再エネ比率13%、令和3年度49億キロワットアワー、再エネ比率13%となっている。

    ○ねりき恵子委員 ここ3年間は少し増えてはいるとは思うが、ほぼ横ばいだということで、やはり2030年度までに必ず目標を達成するということでは、一層の取組が必要だというふうに思う。このままでは目標達成できないのではないかという一抹の不安もあるわけであるが、やはりその中で、今、地球温暖化対策官、お答えいただいていて、兵庫県も取組を強化しているという、先ほど来の答弁もあるわけであるが、一層の強化が求められているのではないかというふうに思う。

    長野県の例を少しご紹介すると、2020年に長野県脱炭素社会づくり条例を施行され、建築物や交通を含むインフラ、産業活動や日常生活など社会システム全般において脱炭素化の動きを加速していくことが必要だということで、持続可能な脱炭素社会の実現に向けた施策を総合的、分野横断的に推進するため、県の体制を整備するということで、知事を本部長とする長野県ゼロカーボン戦略推進本部を立ち上げられた。

    この全庁的に立ち上げた推進室を作り、それぞれの対策を強化されている。そして、2020年には再生可能エネルギーによる自給率が106.5%を達成したということで、年次目標も作って、県庁内の取組も目標達成するということを進められている。

    やはり兵庫県としても先ほどいろいろと計画の強化もあるわけであるが、実際にこの計画を達成していくための全庁的な取組体制強化、そういったことも必要だと思うし、先ほども言ったように、年度ごとの分野別の目標値も作って達成に向けて進めていくべきだと思うが、お答えいただきたい。

    ○温暖化対策官(濵田美香) 本年3月に改定した兵庫県地球温暖化対策推進計画では、2030年度の再生可能エネルギー導入目標を現状の約2倍となる100億キロワットアワーに引き上げたところである。

    年次ごとの再生可能エネルギーの導入目標の設定については、第5次兵庫県環境基本計画の点検評価において、再生可能エネルギーによる発電量を指標にして毎年度の目標値と実績値を環境審議会に報告し、委員のご助言をいただき、その結果を毎年度公表しているところである。

    当県では、補助融資事業以外にも再生可能エネルギー導入拡大に向け、様々な手法の活用を進めている。

    先ほど答弁でご説明したとおり、北摂里山地域循環共生圏で推進している里山広葉樹林を活用した木質バイオマスの熱利用であるとか、PPA方式による太陽光発電設備の県施設の率先導入など、先進的な取組にも挑戦し、県内に再生可能エネルギー導入を拡大していきたいと考えている。

    また、組織体制については、本年4月の見直しの中で、環境施策の総合的推進を担う環境政策課に私、温暖化対策官を中心とする専属スタッフを配置した。この体制で施策を有機的、効果的に実施し、環境課題の最重点テーマである地球温暖化に的確に対応してまいりたいと考えるので、よろしくお願いする。

    ○ねりき恵子委員 対策官を設けて、対策強化をしているのはよく分かっている。やはり目標自体を2030年度比48%に引き上げたが、これでもまだ足りないというのが実態だというふうに思うので、この目標を確実に達成をし、更に地球温暖化対策を進めていくことを求めて私の質問を終わる。ありがとうございました。

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