議会報告

  • 2022年10月07日
    予算・決算特別委員会

    2021年度決算特別委員会 保健医療部 ねりき恵子

    ○ねりき恵子委員 日本共産党県会議員団のねりき恵子です。よろしくお願いいたします。

    私は、新型コロナウイルス感染症対策の検査、医療体制の強化についてお伺いする。

    新型コロナウイルス感染症は、今年第7波が未曾有の感染を広げ、感染患者トータルで101万5,040人、これは10月6日現在だが、亡くなられた方は2,870人で、人口100万人当たりの死亡者数は全国第2位と、深刻である。

    2021年度の新型コロナウイルス感染症対策決算は1兆1,320億円、最終予算に対する決算額を差し引いた不用額が354億円に上るとされた。

    県担当者、保健所、医療機関の皆さんには、日夜コロナ対策に奮闘されており、心から敬意を表するものである。しかしその体制が果たして十分なのか、検討が必要だとも考えている。

    そこでお伺いする。2021年度の入院調整、入院宿泊調整、自宅療養者のピーク時の人数と日数、また自宅や高齢者施設などで亡くなった方の人数をお答えください。

    ○感染症対策課長(西下重樹) まず、入院・宿泊療養調整中のピークの人数と日だが、本年2月12日、1万5,388人だった。また、自宅療養のピークは2月14日、5万3,924人となっている。

    あと、自宅、宿泊施設、高齢者施設で亡くなった方の人数についてだが、死亡者情報の公表については、国の公表に係る基本方針を踏まえて、死亡の場所が感染症蔓延防止に直接寄与しない情報であるということで、基本的に政令中核市を含め、公表していない取扱としている。

    ○ねりき恵子委員 今お答えいただいたが、自宅療養中に亡くなられた方は、途中、公表したと思う。その数を、少し事前にお聞きした数をここで言わせていただくが、自宅療養中に亡くなられた方が19人、うち2021年は16人だということで、高齢者施設で亡くなった方、この数は公表されていないので、私たちにも分からないところだ。

    医療が十分受けられない等ということで、自宅療養で亡くなった方が19人もいらっしゃると。うち2021年度は16人いらっしゃるということで、この高齢者施設で亡くなった方、分からないが、実際には相当数がいらっしゃったというふうに思う。

    私も地元では聞いているので、全県的には非常に多くの方が亡くなられているのではないかと想定されるが、やはりこの感染者が拡大し、医療が逼迫する中で、すぐに入院できない、あるいは自宅療養中に急変したときに対応が遅れてしまうということが、今の医療体制では起きてしまっているというふうに思う。感染者を早く発見し、診断、治療に迅速に結びつけられる体制の強化が求められるのではないかと思っている。

    354億円の不用額とされている中には、病床確保のための病床保障に約71億円、宿泊療養関係費約21億円、無料検査に約47億円の費用が含まれていた。こういった予算をもっと活用して、対策の充実が求められたと考えられる。

    そこでお伺いするが、新型コロナウイルス感染症はこの冬、専門家などからは第8波の到来も懸念されている。早期発見・早期診断・早期治療が行われる体制として、臨時検査センターや臨時も含めた病床、療養施設の確保、医師・看護師・保健師などの人員の確保などのために更なる予算を確保し、体制を強化することが必要だと思うが、お答えください。

    ○感染症対策課長(西下重樹) まず県では、国の交付金などの財源を最大限有効に活用し、医療機関に対して病床確保のための空床補償、あるいは人工呼吸器などの治療に必要な設備導入を支援する。また、医療提供体制の充実、自宅療養者へのフォローアップ体制を強化するなど、コロナ対策に最優先で取り組んできた。

    医療提供体制については、限られた医療資源である。これを一般医療とのバランスも考慮しつつ、これまで病床の確保、あるいは宿泊療養施設の医療ケアの強化、発熱等診療・検査医療機関の拡充を進め、患者が必要な診療・治療を受けられる体制の充実・強化に努めてきたところである。

    また、感染拡大期には、感染を不安に思われる方を対象とした無料検査を実施するなど、検査体制の充実も図ってきた。

    また、先ほど委員がご指摘された自宅療養者等だが、こちらも軽症者が多いオミクロン株の急激な感染拡大を受け、今年の1月には自宅療養者等相談支援センターを設置し、24時間体制で健康相談等の支援を行い、自宅療養者へのフォローアップを実施しているところである。

    県としては、これまでも必要に応じて適宜予算を確保の上、対策を実施しており、今後ともコロナ対策を積極的に展開し、県民の命・健康を守っていく。

    ○ねりき恵子委員 現場の皆さんは、それぞれ本当に必死の思いで対応していただいているというふうに、私たちも理解をしている。

    今ご説明あったように、やはり自宅療養が非常に不安であったというお話、私たちも伺っている。そして一番心配するのが、急変することである。そのときに迅速に対応していただけるかどうか、ここが問われているというふうに思う。

    24時間体制で健康相談に乗っていただいているということは非常にありがたいことではあるが、すぐに医療機関に結びつけられるかどうかというところが、今大きな課題になっているのではないかというふうに思っている。

    そこで、今ご説明のあった自主療養制度についてお伺いする。9月26日から兵庫県も全数届出の見直しを行っている。発生届の対象を65歳以上、入院を要する者、重症化リスクのある者、妊婦など、4類型に限定し、そのほかの感染者は陽性者登録センターに登録し、必要に応じて物資支援や宿泊療養施設への調整などが行われている。

    兵庫県では、一方で今の8月から行っている自主療養制度をそのまま残し、軽症者や無症状者の人に対して自主療養登録センターに登録するよう促している。この登録者は、国の方針転換を受けて、感染法上の感染者としてカウントされることになった。しかし登録時点では、食糧支援や宿泊療養施設への調整などの行政サービスは受けられない。

    私たちが厚生労働省に確認をしたところ、兵庫県と同様の自主療養制度があったのは、ほかに神奈川と愛媛県だというふうに聞いている。

    それぞれにその後の状況をお聞きした。そうすると、神奈川県は自主療養制度との対応に差が出るということで、陽性者登録センターへ一本化したと、全ての陽性者が必要な支援を受けられる体制に変えたと回答された。

    愛媛県は、自主療養届出システムという形で残していらっしゃるが、基本的には陽性者登録センターに登録し、職場などに感染した書類などを提出するときに、この自主療養届出システムに登録して活用されているということだった。

    ですから、いまだに兵庫県のような自主療養制度を行っているところは、ほかにないというのが実態である。

    オミクロン株による感染者は、基礎疾患のない若者でも急変し、死亡に至るケースがまれではないという指摘もある中、県のこの自主療養制度では、一旦陽性になり自主療養登録センターに登録しても、急変した場合、支援をすぐに求めても、新たに医療機関を受診をしなければならない。

    医師の診察がないと、必要な治療や支援が受けられない。場合によっては対応が手後れになるということが懸念されている。

    そういった中で、兵庫県で行っているこの自主療養制度は見直しをして、神奈川県などのように陽性者登録センターに一本化し、全ての陽性者を陽性支援の対象とすること、急変時には直ちに医療機関へアクセスできる体制としておくことが必要だと思うが、いかがか。

    ○感染症対策課長(西下重樹) 県では本年7月のコロナ患者の急増を受けて、診療が必要な方が適切に診療、治療を受けられるよう、独自の自主療養制度を8月から開始している。同様の制度は、委員ご指摘の神奈川県、愛媛県でも先行的に実施してきたところである。

    この制度は、症状が軽く重症化リスクの低い方が、医療機関を受診することなく自ら療養を始める制度で、県のホームページ等で宿泊療養や食料品の配布等は利用できないこと等を周知し、それに同意される方が対象となっている。

    登録については強制ではなく、宿泊療養等の支援を希望される場合は、医師による症状や状態の確認などが必要と考えており、医療機関の受診を勧めているところである。

    登録された自主療養者については、健康管理を実施し適切なフォローアップに努めているが、体調悪化時、救命に関わるときは救急車を呼んでいただくことになるが、それ以外の病状悪化時には症状に応じた医療が必要であるため、医療機関を受診していただく。

    その際の受診手続については医師会とも事前に調整しており、この自主療養の登録画面を掲示すると、迅速かつ円滑な医療機関での診療が可能となっている。

    9月26日から全国一斉の発生届の限定化に伴い、県では陽性者登録支援センターを設置したが、今後の自主療養制度の在り方については、検査キットの配布等と併せて検討を進めていきたいと考えている。

    ○ねりき恵子委員 必要な人には陽性者登録センターを促しているということだったので、それであれば一本化をして、全てこの陽性者登録センターに登録をして、必要な医療や支援が受けられるような体制を創っておくということが、今本当に必要なのではないかと。急変時にすぐに対応できるということが必要だと思うので、そこを改めて要望しておく。

    次に、地域医療構想による急性期病床削減についてお伺いする。

    新型コロナウイルス感染症対応の中心となる急性期病床などが、2021年度分で2,770床削減されたことが、9月30日の厚生労働省調査の有識者会議の報告で分かった。

    そのうち兵庫県でも、2021年度病床削減されているが、どこの病院で何床が削減されているのかお答えください。

    ○医務課長(波多野武志) 2021年度でよろしいですね。2021年度だが、姫路聖マリア病院で急性期が30床減、その分30床が回復期で増。信原病院で急性期が39床減となっている。

    ○ねりき恵子委員 昨年度、コロナ感染症が蔓延した中でも、合わせて69床が削減された。

    調べると、2020年度は415床、そしてその前の年度は179床ということで、やはり急性期病床が計画に基づいて減らされているわけだが、消費税の財源を使って病床が削減されていると。やはりここを改めるべきではないかというふうに思っている。

    先日も本会議質問でもあったが、三田市民病院と神戸市北区の済生会兵庫県病院の統合が決まった。ここも、場所が神戸市北区になるということで、三田の市民からは、市民病院が神戸市に行ってしまうということで、大変不安に思っていらっしゃる。そういったことも含めて、やはり国の方針も、統合ありきではなくて、それぞれの医療資源を強化する方向でも検討すべきだという方向性を出されたので、ぜひ一つ一つの計画を見直していただいて、病床確保に努めていただきたいということを強く要望して、質問を終わる。

    以上です。

ページの先頭へ戻る