議会報告

  • 2022年10月07日
    予算・決算特別委員会

    2021年度決算特別委員会 福祉部 ねりき恵子

    ○ねりき恵子委員 日本共産党県会議員団のねりき恵子です。私は、重度障害者医療費助成制度のうち、精神障害者医療費助成制度の拡充についてお伺いする。

    県の重度障害者医療費助成制度の対象は、身体障害者手帳1、2級の方、知的障害者療育手帳A判定の方、精神障害者保健福祉手帳は1級の方のみが対象である。

    そして、精神疾患による医療費を除く一般医療に助成がされる制度となっている。精神障害の当事者やご家族の方からは、精神障害者保健福祉手帳2級も対象にしてほしいとの要望が長年なされているが、この要望に対し、兵庫県は対象となっている精神障害1級は、常時全面的な援助が必要で、日常生活において2級とは大きな差があるとして、精神障害者2級は対象にできないと繰り返し答弁されている。

    これまでも私も繰り返し求めてきたわけであるが、改めて当事者、家族の方からの要望をお聞きした。精神障害1級の方のみならず2級の方も、その障害のため、大半は仕事に就けず、年間平均収入は95万円と低く、生活を全面的に家族に頼っていること。その家族も高齢で、年金生活など経済的に大変苦しいのが実態である。

    また、歯科治療や糖尿病、高血圧などを併発し、医療費の負担も重く、これ以上、家族に負担をかけられないと受診しないことが多く、精神疾患の状態が悪化することにもつながっている。

    また、高次脳機能障害の方なども、この精神障害者健康福祉手帳の対象になっていると思うが、やはり2級、3級の方が多く、この高次脳機能障害の方たちも認知機能の低下で一般就労になかなか就けない。常に家族や他の方のサポートが要るということで、就労が困難であるという実態がある。

    そういった中で、特に最近はコロナ禍のもと、精神的にも経済的にも大きな影響が出ている。県内では、宝塚市、川西市、西宮市、尼崎市、芦屋市、明石市、加古川市、加西市、高砂市の9市で、精神障害2級まで医療費助成が実施されているところである。兵庫県内の精神障害2級の方がひとしく医療費助成が受けられるように制度の拡充が必要である。

    改めて精神障害者、そして、高次脳機能障害の方など、そのご家族の生活実態を把握、調査し、精神障害者健康福祉手帳2級も重度障害者医療費助成の対象とすることを求めるがお答えいただきたい。

    ○障害福祉課長(鯉渕 薫) 重度障害者医療費助成事業であるが、この事業については、必要性の高い方に対して支援を集中して行うという考えのもと、重度の障害者を対象とした制度として設計している。身体障害者手帳1級及び2級、療育手帳A判定、そして、平成17年度から、精神障害者保健福祉手帳1級を対象として、本制度における身体、知的、精神の3障害で均衡を図っている。

    この枠組みは、全ての市町に共通の基盤的な制度として実施している。今後とも持続的で安定的な制度として、現行制度を維持していきたいというふうに考えている。

    ○ねりき恵子委員 ほかの医療制度と同じご答弁である、持続的なということであるが、やはり生活実態と障害を持っている方の支援をしていくということを改めて考えていただきたいというふうに思う。

    この精神障害2級まで対象にしている都道府県、以前は奈良県、愛知県、先行してやられていたが、今では、福井、山梨、長野、岐阜、愛知、滋賀県などで行われているというふうに思う。沖縄では3級までを対象とされている。

    県の精神障害の医療費助成の対象が1級のみというだけでなく、いわゆる精神疾患を除く一般医療を対象にしていると、これは自立支援医療制度があるからという理由であるが、やはり収入によって自己負担が重くて、ここにも支援してほしいという要望も強くあるところである。

    全国の制度、この重度障害者医療費助成制度、精神障害を対象にした県の制度がある都道府県のうち、精神科を対象としているのは34県に上っています。通院のみが11道府県、通院も入院も対象としているのは22県に上っているわけであるが、精神科医療を通院も入院も対象にしていないのは兵庫県のみであるというふうに思っている。やはり、こういうことを考えても、また、一方で、令和3年に、第6期障害者福祉実施計画がつくられたが、ここでも精神障害者の方については、長期入院から地域で自立した生活が送れるよう、地域移行支援を強化するものになっている。その中でも、保健医療、福祉の連携を強化していくということが重点項目として上げられているが、やはりこういった観点からも、医療にかかって日常的な生活、自立した生活を送ることができるということをサポートしてくべきだというふうに思うので、やはり県として、この精神科医療も対象にすることと合わせて2級も対象にするということを併せて求めますがいかがか。

    ○障害福祉課長(鯉渕 薫) まず、福祉医療の関係で一般医療であるが、これについては、先ほど答弁させていただいたとおり、本県においては、全ての市町に共通の基盤的な制度として実施しているので、基本的には現行制度を維持していきたいというふうに考えている。

    また、精神科医療についても、それぞれ通院に対しては、委員もおっしゃったとおり、公費の負担制度がある。それには所得による負担軽減等もなされている。それについては、国制度の中で基本的にはその事業を継続してやっていきたいというふうに考えている。

    ○ねりき恵子委員 繰り返しで同じ答弁であるが、やはり生活実態を見ていただいて、それをまた調査もしていただいて、制度の拡充を更に求めて私の質問を終わる。よろしくお願いする。

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