議会報告

  • 2022年10月13日
    予算・決算特別委員会

    2021年度決算特別委員会 土木部 入江次郎

    ○入江次郎委員 共産党の入江である。早速質問に入る。

    不要不急、需要予測の甘い大型公共工事を見直して、河川整備、土砂災害対策など、防災・減災型の公共工事への抜本的な転換を求めて質問する。

    私たちはこれまでも需要予測の甘い不要不急の大型公共工事について、議会でもその問題点を指摘してきた。今日は、播磨臨海地域道路計画の需要予測についてお伺いしたいと思う。

    ご存じのとおり、2020年6月、国交省近畿地方整備局は、播磨臨海地域道路のルートについて、内陸加古川ルートを選定した。この図にあるルート案が内陸加古川ルートということである。県は、平成27年度の交通センサスをもとに、姫路バイパス、加古川バイパスは慢性的な交通渋滞が発生しているため、容量不足を解消するために、播磨臨海地域道路の早期実現が必要だとしている。

    総務省は、平成20年8月に、公共事業について、厳しい財政事情のもとで、需要予測等の的確な実施が重要なものとなっているとして、道路交通量が平成11年度から17年度にかけて横ばいで推移しているほか、平成16年12月以降、人口が減少に入っていること。平成19年12月以降、自動車保有台数も減少に転じているとした、公共事業の需要予測等に関する調査報告に基づく勧告を発表した。

    また、国交省は、平成20年11月、道路の将来交通需要推計に関する検討会報告書を作成し、その結果、2030年は2005年に比べ、全国交通量は2.6%減少すると推計した。これは、平成20年、今から14年前の調査報告である。

    そこでお伺いするが、国道2号バイパスでも5年に一度実施される交通センサスを見ると、平成17年をピークに、平成22年、平成27年と、交通量が既に減少に転じている。減少に転じた原因をどのように分析しているのか、お答えいただきたい。

    ○道路企画課長(草野真一) 交通量が減少に転じた要因について、平成22年と平成27年の県内の人口と交通量の関係について分析しており、まず、兵庫県内の人口についてであるが、平成22年が558万8,000人、平成27年が553万5,000人と約1%の減少となっている。

    一方、兵庫県内の発生集中交通量については、平成22年が1,101万トリップエンド、平成27年が1,096万トリップエンドと約0.4%の減少となっていて、人口減少率と比較して交通量の減少率は小さい結果となっているところである。

    このように交通量の増減の要因については、一概に人口動態によるものというものだけではなくて、例えば、県内企業や沿線企業の経済活動、観光の振興による地域間交流、また、鉄道や自動車などの交通機関の選択など、様々な要因があるものと考えている。

    ○入江次郎委員 明確なご答弁がなかったというふうに思う。

    続けて、14年前の国が行った調査報告書にも、人口減少や、それに併せて今後更に自動車保有者数も減少することが予測される。

    兵庫県の地域創生戦略の見直し作業が現在行われているが、出生数も社会移動数も目標値より大幅に減少している。希望的観測やこれまでの甘い需要予測ではなくて、今後20年から30年の国道2号バイパスの交通量をどのように見込んでいるのかお答えいただきたい。

    ○道路企画課長(草野真一) 将来の交通量推計に関して、兵庫県内の将来の発生集中交通量についてであるが、人口動態、GDP、国内総生産であるとか、交通機関別の分担交通量なども考慮された上で推計されているところである。令和12年、2030年時点の兵庫県の人口は、平成27年、2015年から8%減少するという予測に対して、県内の発生集中交通量は1%減少と、あまり大きく変わらない予測となっているところである。

    ご質問の国道2号バイパスの交通量についても、県内の発生集中交通量と同様に、現状と大きく変わらないのではと考えているところである。

    先ほども申し上げたとおり、交通量の増減は人口だけではなく、社会経済情勢など様々な要因が考えられるが、また、播磨臨海部においては、今後、カーボンニュートラルポートの形成に向けて、企業が設備投資を発表するなど、今後の更なる活性化が期待されると考えている。

    なお、仮定の話であるが、加古川バイパスの加古川西ランプ付近の交通量、平成27年において、今、日当たり約9万2,000台通っているところであるが、仮に兵庫県全体の人口減少と同じ割合で交通量が減ったと仮定した場合であるが、2050年、今から30年後においては、約7万台と想定されているところである。今よりも減少するが、東西交通の車線数が不足するという状況というのは今と変わらない状況であると考えている。このことからも、播磨臨海地域道路の必要性というものは将来においても同様であって、引き続き早期整備に向け取り組むべきものであると考えているところである。

    ○入江次郎委員 東西交通のことはそういうことだというふうに理解した。

    次に、南北交通のことについてお伺いしていきたいと思う。

    国交省は、平成18年に、この図にあるが、東は明石西インターチェンジ、西は太子たつのバイパスの終点地点、ちょうど図の範囲なんですが、この区間を対象にインターチェンジの出入口や料金所などでナンバープレートの調査を行った。その結果、明石西ランプから太子たつのバイパス終点地点までの地域内交通、このカラーところ、これを地域内交通としている。地域内だけの交通移動が45%、東西も含めて地域外から地域内に入ってくる車が48%、通過交通が7%、こういう調査結果を出している。

    このたび、加古川内陸ルート、これが選定されたが、地域外から地域の中に入ってくる車が48%ということだが、明石西インターチェンジ以東、つまり阪神間から姫路市臨海部へこのルートを通って、姫路市臨海部へ流入してくる車の割合がどの程度見込んでいるのか。それが一番の狙いだと思うが、明石西以東、阪神間から姫路市内の臨海部へ流入してくる車が、この加古川内陸ルートを通って入ってくる割合をどれぐらい見込んでいるのか教えていただきたい。

    ○道路企画課長(草野真一) 播磨臨海地域道路についてであるが、現在、播磨臨海地域道路の整備について、本選及びインターチェンジの詳細なルート及び構造を示すルート計画案というものを、国において検討されているという状況である。そのため、この路線に関わる将来の交通量については、ルート計画が示された後に、今後の都市計画や環境影響評価の手続の中でお示しするということになる。

    なお、国道2号バイパスの現況の交通流動についてであるが、平成29年3月に開催された、国土交通量の委員会資料において、明石西ランプから太子北ランプまでの間の国道2号バイパスの利用交通、これが日当たり26.1万台あるということで、そのうち神戸以東との内外交通、つまり委員おっしゃる阪神地域と播磨臨海部との間の交通になるかと思うが、これが21%、日当たり5.6万台ということで示されている。よって、この交通が、阪神間から播磨臨海地域道路を利用する可能性がある交通であるというふうに考えているところである。

    ○入江次郎委員 さっき言われた5.6万台のうち何割かが加古川内陸ルートを通って姫路の臨海部に流入するということ。トラックの多くがこのルートを通って入っていくと思う、大型車は。そこがこの臨海道路の一番の狙いだと思う。その上でまた更にお伺いしていきたいが、今現在の国道2号バイパスがあるが、この国道2号バイパス、パネルにあるように、東から、姫路東インターチェンジ、御着線というが、姫路東インターチェンジから南に下って250号線に向かう、分母が交通容量、設計基準交通容量。分子が平成27年の現況の交通量である。御着線でいうと1.9倍ぐらいで大渋滞してるなということになる。大日線、市川ランプから250号線。飾磨幹線、姫路南、中地とこうあるが、ここは現況の交通量はあるが、交通容量が出ない。姫路市に聞いても、県に聞いても交通容量を持ってないということである。さらに、姫路の一番西のインターチェンジであるが、ここは夢前川右岸線というのが工事されてて、僕たちも建設委員会で姫路に視察に行くときは必ずこの夢前川の右岸線を見てるが、ここが4車線で開通すると、交通容量4万8,000台、現況の夢前川の交通量は1万9,000台だから、交通混雑度ということでいえば0.5倍ぐらいで、ここが開通すると、この中地、地元の姫路の方だったらよく分かるが、これ交通容量が出てないが、この中地は今大変大渋滞している、南北交通、中地の中央南北幹線であるが大渋滞している。ただ、この中地から南へ下って、新日鉄とか、日本触媒とか、ダイセルとか、臨海部に向かう車は夢前川の右岸線が開通すれば、多くがここに向かう。

    この交通容量と交通量が分かっている、南北断面交通量ということにするが、御着線、大日線、夢前川右岸線、これが開通したときの設計交通容量は8万6,400台になる。平成27年度の交通量は5万9,310台ということだから、夢前川の右岸線が開通すれば、この3本だけでも2万7,000台、交通容量が空いてくる。だから、南北の断面交通量というのは、夢前川の右岸線が開通すれば、これはほぼ解消してしまう。その上に、東加古川ルートで阪神間から来る車がこのルートを使えば、御着線の渋滞も随分解消する。東西はさっき言われたように断面交通、かなり渋滞してるということだが、南北交通の断面交通量というのは、夢前川右岸線が開通し、内陸加古川ルートが開通すれば、ほぼ解消される、姫路市内の南北の交通量というのは。そうなると、播但戦から南に行くこの部分、この部分は必要なくなってくる、南北がすかすかになる。この部分、要るのか。改めて内陸加古川ルートの見直しを求めたいと思うが、答弁をお願いする。

    ○道路企画課長(草野真一) 設計基準交通量についてであるが、設計基準交通量については、道路計画を行う上で車線数を決定するために用いる交通量である。そのため、交差点の多い都市部などについては、実際の交通量が設計基準交通量を下回ったとしても、一概に渋滞が解消されているとは言えない状況もあるところである。例えば、大日線については、交通量が設計基準交通量よりも下回っている状況であるが、市川ランプにおいて渋滞が発生している状況もあるところである。

    このように渋滞の発生要因については、断面の交通量だけではなく、例えば、ネック部分となっている交差点などで発生することも多いことから、個別の渋滞要因を分析して、総合的な観点から、例えば、交差点改良などの渋滞対策を進めているところである。

    また、大型車混入率という部分に着目すると、県内の一般県道の大型車混入率は、平均的に10.5%となっているが、この播磨臨海部の南北道路、例えば、大日線の大型車混入率は20.0%、御着線では19.9%というふうに平均の2倍くらいの大型車混入率となっている。このことによって、沿道の住民の皆様にとっては、騒音であるとか、また、一般車両と物流車両が混在することになるので、交通安全上の課題となっているというような状況である。

    委員ご指摘の播但南伸部についてであるが、播但南伸部が接続する市川東側の臨海部については、今後、令和5年開業予定の姫路市中央卸売市場であるとか、令和8年運転開始予定のLNG発電所が立地するなど、今後も開発が期待されている地域であり、一方で主要な南北道路については御着線のみとなっているようなところである。

    これらのことから、市街地の交通環境改善の点においても、播但南伸部の整備は必要であるというふうに考えているところである。

    ○入江次郎委員 交通容量がすかすかになる。交差点の渋滞が多いと言うとったが、それは交差点の改良で済ませればいいことであって、南北の交通量がすかすかになるので、僕、この部分は見直しが必要だというふうに思う。県は今、この播但道以西については、県が国の国庫補助事業ですようなことも言ってるが、県がお金を出してという。だから、改めて、これまでもそうだったが、甘い需要予測でやるのではなくて、このルートが入れば、さっき言われたLNGとか、阪神間から来る車は全部このルートで入っていくんだから、そういう需要予測をしっかりと見極めた上でしていただきたい。改めて、我々この内陸加古川ルートは、この計画も需要予測の甘い計画だということを指摘して見直しを求めたいと思う。

    時間がないので続けていきますが、続けて、水利権の適正審査についてお伺いしたいと思う。

    生野ダム、黒川ダムの水利許可権者である県は、昭和40年代に生野ダム、黒川ダムの水利権許可を企業庁に認めている。企業庁は、県から得た水利権のうち19事業所に対して11万3,036立米、日量である、の契約水量を供給するとした契約を交わして、令和3年度、19事業所は7万8,092立米、これは日最大水量である。これを取水したとしている。ただ、19事業所が取水したこの7万8,092立米は工業活動で、実際に使用した水量とは限らない。日量最大契約水量内であれば、幾ら取水しても構わないという誤った運用がされているため、実際には工業活動で使用していなくても日量契約水量の上限を目いっぱい取水しているというような例がこれまでもあった。

    幾つか紹介していきたいが、例えば、これ市川の工業用の水利権である。この事業者も、県から許可水利を得てる。毎秒16.66立米ということで県から許可を得ている。この日量16.66に、60、60、24をかければ、1日最大取水量1,439リットルということになる。僕、この企業の取水実績を県から出してもらって見てみると本当に驚く。例えば、土曜日360リットル取水、日曜日は取水ゼロ、月曜日は1,079リットル、火曜から金曜までは1,439リットル、このパターンが20年、30年ずっと続いてる。ずっとこの同じパターンである。僕、何か書き写しだけしてるのかなと思って県に見に行ってもらった。そしたら、県から報告受けると、許可水利を目いっぱいでスイッチを入れてる。24時間フル稼働で許可水利を目いっぱい取り続けてる。河川法の逐条解説にはこう書いてある。最大取水量等の表示を行っているが、これは取水量の最大限度を示したにすぎず、最大取水量以下であっても不必要な部分を取水したり、ほかの目的に使用したりすることは許されない、こうある。だから、許可水利権内であれば幾ら取ってもいいというわけじゃない。必要な分だけしか取っちゃいけないというのが河川法の考え方である。

    もう一つパターンを紹介すると、これは平成29年の6月に、夢前川の水利権の問題で僕、県のほうにも指摘した。ここは、新日鉄広畑製鉄所が、工業用水目的で水利権を得ていた、工業用水目的。ただ僕、調べた情報で、飲料水で使ってるぞという情報を僕得て、これ調べたら工業用水目的でしか水利権得てないのに飲料水で使ってるということを広畑製鉄所が認めて、姫路市の水道に切り替えてる。これももう50年ぐらい漫然と許可を更新し続けていた、県は。広畑製鉄所が工業用水目的で水利権を得てたのは2万1,600立米だった、日量。このうちの飲料水で取水していたのは、わずか183立米。県はこれ水利権の見直しということで、この2万1,600から、飲料水で取水してた分183立米だけを抜いて、新たに許可を与えるのかと思ったら、そこは県もしっかり調べて、2万1,600立米から、飲料水分183立米を引いて、なおかつ使っていない分が8,000立米もあった。実際には使われてなかった。だから、新たに認めた水利権の新日鉄の権利は、これまで2万1,600だったのが1万3,700になった。これ県がしっかり調べてこういう結果を出してる。だから、実際には使われてなかった。ただ、水利権が設定されてるから、無駄に8,000立米、50年間流され続けてたということである。

    これまで県は、報告を受けたら、超過取水分、許可量以上に取ってる分は厳しく見ていたという報告を受けてるが、実際に受けてる許可と、実際に使ってる水の量、この差は全然県は調べてない。僕、姫路市から何度も何度も要望を受けているが、工業用水が姫路市は不足している。これ毎年、僕、要望を受けてる。だから、河川管理者の県として、言い方悪いが、10年ごとに更新されるが、漫然と許可を更新するのではなくて、実際に使われている水量と、許可された水量、この開きが必ずある。先ほど報告した市川の問題でもそうだし、この新日鉄の問題でもそうだが、許可水量以内なら幾らでも取ってもいい、その誤ったことが今やられてるので、そこをしっかり確認することを、これから約束していただけないか。ちょっと聞かせていただきたい。

    ○河川整備課長(勝野 真) 河川水の利用の適正管理に当たっては、四つの項目について確認する必要があると思っている。まず一つ目は、許可水量に対する超過取水の防止。二つ目は、無許可取水の防止。三つ目は、許可目的外使用の防止。それから、四つ目は、余剰水量の確認。以上この四つの項目についての確認が必要と考えている。

    一方、県下における河川水利用の許可件数であるが、約1万1,500件と膨大な数がある。このことから、これまで河川流況への影響が最も大きい一つ目の超過取水の防止と、それから、二つ目の無許可取水の防止に重点化して取り組んできた。

    一つ目の超過取水の防止に当たっては、利水者からの報告は、社会常識としての民法に規定されている信義誠実の原則を前提に、正しいものとして対応しているが、違反事案が判明した場合には、厳しく対応している。市川での超過取水事案では、標準許可期間10年を1年に短縮するとともに、無料であった占用料を2年間徴収するなど、厳しい対応を行ってきた。

    それから、二つ目の無許可取水の防止に当たっては、日常パトロールや通報対応を基本としており、発見した場合には速やかに是正するよう指導している。

    今後は、三つ目の許可目的外使用の防止に加えて、四つ目の余剰水量の確認、これを含めて国や他府県等での取組を参考に、まずは播磨臨海漁業地帯を抱え水需要の大きな市川を対象に、流水利用の適正管理に向けて実態把握に取り組んでいく。

    ○入江次郎委員 超過取水量も、これまで重点的にと言ってきてるが、さっきの答弁、そのことだと思う。姫路市にもこの間大量に超過取水やられて、その後、調べたら丹波市、淡路市でも、これ平成22年だったか、超過取水やられていた。超過取水量の調査も、1万何件あるから大変なのはよく分かるが、甘かったんじゃないかと思う。余剰水量、これを僕しっかり見ていただきたいなというふうに改めて思う。

    企業庁、なぜか知らないが、取水実績を出してくれない。個別ごとの取水実績を。県の河川管理課に求めると、個別の企業ごとの取水実績出してくれるが、企業庁は出してくれない。企業庁に許可を与えているのも河川整備課の県だと思うので、企業庁はそれぞれダムに大きな水利権を持ってる。企業庁も認めた水利権の範囲内だから問題ないという立場であるが、実際に使われている水の量、これ企業庁にもしっかり指導して、余剰分を調べるような指導をぜひしてもらいたい、答弁。

    ○河川整備課長(勝野 真) 企業庁については、企業庁と、それから個別の民間企業がそれぞれ契約しているので、河川管理者としては、あくまで許可しているのは企業庁であるので、企業庁と調整していくということで、それぞれの企業庁が個別に契約している個々の企業者の把握、状況については、企業庁が把握するべきと考えているので、そこは企業庁とも協議しながら取り組んでいきたいなと思う。

    ○入江次郎委員 企業庁は、許可水利内であれば幾ら使ってもいいというような、許可水利内であれば幾ら取水してもいいという誤った認識を持ってるなとこの間思ったので、さっき僕説明した河川法の逐条解説、その立場で企業庁をしっかり指導していただきたいということをお願いする。

    今日ちょっとJRローカル線の問題も行きたかったが時間がない。すみません、ありがとうございます。

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