議会報告

  • 2022年03月30日
    本会議

    第357回本会議 2021年度繰越議案、行革条例反対討論 入江次郎

    日本共産党議員団を代表し、令和3年度関係の第218号議案、令和4年度関係の第59号議案について反対の立場から討論を行います。

    まず、令和3年度関係の第218号議案「令和3年度兵庫県一般会計補正予算」についてです。

    反対第一の理由は、神戸三ノ宮雲井通5丁目地区の市街地再開発事業補助の繰越が含まれているからです。

    この事業は、神戸市が策定した「三宮周辺地区の『再整備基本構想』」において、中・長距離バス乗降場を同エリアに集約することを位置づけた総事業費約1000億円のバスターミナル事業です。県補助の見込み額約164億円のうち、すでに2019年度、2020年度で約7億円が支出されました。

    2021年度に予算化されたのは、集約されることになっているサンパルビルの地権者らの営業調査や登記、権利返還における補償費などです。本議案は、補償交渉などに不測の日数を要したために約15億円を繰り越そうというものです。

    日本共産党は、三宮周辺地区の再整備基本構想について、現在のミント神戸のバスターミナルでも対応できるにもかかわらず、新型コロナパンデミック前に構想されたインバウンド成長戦略の名のもとに、市民合意のないまま、中央区役所や三宮図書館・勤労会館などの公共施設を押しのけるように移転させることについて「市民の理解を到底得ることはできない」と批判してきました。

    さらに、サンパルの地権者やテナントの方々からは、「三宮再開発で、この辺の土地が高騰し、まだ次のお店が決まっていない」「新しいビルに変わるにしても5年も待てない」など、権利返還に対して消極的な声も寄せられています。

    インバウンド見込みという当初計画は破たんし、協力を得るべき地権者の営業や権利が守られない三宮再開発事業、バスターミナル事業は認められません。

    反対の第二の理由は本議案に、基幹道路八連携軸に含まれる東播磨道や浜坂道路Ⅱ期工事などが、資材調達の遅延や作業員の確保、用地買収の遅れなどで繰り越される議案となっているからです。

    コロナ禍のもと、暮らしや営業が深刻で、コロナ対策も不十分な中、不用不急の大型投資事業は見直すべきです。以上の理由により第218号議案に反対します。

    令和4年度関係の第59号議案 行財政の運営に関する条例の一部を改正する条例について反対します。

    本議案はこれまでの行財政の運営に関する条例を改正し、新たに県政改革の推進に関する条例を制定しようとするものです。

    議会からの指摘を受けて当初議案を撤回し、現行の行財政運営方針条例にあった「参画と協働の理念」を前文に入れたこと、審議会の委員構成を7名から15名へ戻したこと、削除された「県内で活動を行う団体を代表する者」を構成委員として置いたことは評価します。

    しかし修正案では「兵庫県ではこれまで・・行財政構造改革を推進し、その成果を生かした適切な行財政運営を行ってきた」としてこれまでの県行革を高く評価し、その上で「更に県の行財政全般にわたる改革を推進し・・」とあります。

    私たちはこれまでの県行革が、県民の福祉や暮らしにかかる施策をばっさり削減する一方で、不要不急の大型公共工事や、力のある大企業をさらに優遇する産業立地条例を推進するなど、県民に冷たい県行革や県政改革案であることを批判してきました。

    本議案は、これまでの県民に冷たい県行革を高く評価し、今後もそうした県政改革をさらに推進する条例案であるため認められません。

    以上の理由により第59号議案に反対します。

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