議会報告

  • 2021年12月13日
    本会議

    第356回本会議 補正予算質疑 庄本えつこ

    私は日本共産党県会議員団を代表して、第165号議案「令和3年度兵庫県一般会計補正予算(第7号)」について質疑を行います。

    はじめに、PCR検査等の無料実施についてです。

    日本共産党は、感染拡大防止のために、無症状感染者をいち早く見つけ、保護することが決定的に大事であり、そのために「いつでも、だれでも、何度でも無料で」PCR等検査を行うことを求めてきました。今回の補正予算に、感染拡大傾向時における検査を希望する無症状者への無料実施の予算が計上されたことは、一歩前進だと考えます。

    県当局からの聞き取りによりますと、県の感染拡大傾向時についてフェーズ拡大期Ⅰから2の間で、週平均の感染者1日約110人が2週間続いた時、あるいは1日440人を超えた場合を想定しているとのことです。国は感染拡大傾向時についてレベル2相当を想定しているとのことですが、この時点では、感染拡大が止められない状況ではないでしょうか。実際の運用、基準は都道府県に委ねられ、レベル1の段階からの検査も可能であると国自身も言っています。

    よって、フェーズ1、1日平均20人未満の段階から、無症状者を対象としたPCR検査等の無料実施を知事が決断することを求めます。

    あわせて、国には、感染拡大の予兆を早期発見するための「モニタリング検査」の再開を、県は高齢者施設などでの定期的検査の再開を求めます。

    ○斎藤知事答弁 今回の補正予算で提案している無料検査は、国の方針に基づき、新型コロナの感染拡大傾向が見られる場合において、知事の要請に応じ、感染不安を感じる無症状の方に対して行なわれるというものでございます。

    現時点で国からの正式通知はない状況ですが、感染拡大傾向時の判断について、国は、原則としてレベル2相当以上の感染状況を想定していると聞いております。レベル2とは、「新規陽性者数の増加傾向が見られ、一般医療及び新型コロナへの医療の負荷が生じ始めている」など、「警戒を強化すべきレベル」とされております。事業実施にあたりましては、対象区域や感染拡大傾向時について判断する根拠が合理的であるかなどについて、国と協議する形になっています。県としては、例えば県内の新規感染者数の状況や病床利用率のほか、近隣府県の状況等も踏まえまして、感染拡大傾向時であるかどうかについて、総合的に判断するということを考えています。今後、国の正式通知を受けまして、検討を進めて参りたいと思います。

    モニタリング検査については、今回提案しているPCR検査等の無料実施により対応するため、廃止すると国から説明を受けています。県としては、モニタリング検査により感染の急拡大の予兆を探知出来ていたのか、有効性の検証を実施することが必要であると考えておりまして、国の方に検証を要望しています。

    また、高齢者入所施設等職員への集中的検査については、ワクチン接種の状況や感染状況等を踏まえ、国の実施方針も参考に再開を検討して参りたいと考えています。

    次に、保健所体制の強化についてです。

    県は、民間派遣を継続し、さらに、感染拡大時に機動的に増員できるよう、本庁職員1000人を疫学調査手法等の研修を実施し応援可能職員を育成し、これをもって保健所体制の強化としているといいます。しかし、本来、公衆衛生など専門的な知識が必要な「積極的疫学調査」をマニュアルで対応するというのは限界があります。例えば、派遣職員の方が提出したシートを確認し、マニュアルにない症状を再度感染者から聞きだし、正確な発症日に修正することがあると、現場の保健師さんがおっしゃっていました。

    県職員などの応援は、緊急的、臨時的な対応としてはやむを得ない場合もありますが、本来は専門職を充足させるべきです。長期的に従事できる正規職員の保健師を増員、配置を求めます。

    あわせて、コロナ禍のもと保健所、公衆衛生の重要性がますます高まっている中、芦屋保健所については、宝塚保健所に統合するのではなく、そのまま存続を求めます。如何ですか。

    ○福祉部長答弁 新型コロナウイルス感染症に対応するため、県は保健所の保健師を増員し、再任用職員を含めて地方交付税上の措置人数を超える配置としております。また、感染拡大時には、庁内の保健師等に加え、昨年度に機能強化いたしました「保健師バンク」により、元県職員の保健師や潜在看護師等の活用を進めるなど応援体制を構築してまいりました。

    さらに、第5波の経験も踏まえ、疫学調査など専門性の高い業務にも応援職員が対応できるよう、約1,000人の県職員を対象に実践的な研修を実施しました。また、保健所では、応援職員用の業務マニュアルを整備しており、適宜見直しも行っているところです。

    感染拡大時には、専門職員に加え、応援職員を機動的かつ切れ目無く派遣し、電話調査などで必要となる人員を確保するとともに、保健師は応援職員の指導や困難事案対応に注力するなどの役割分担を行い、感染症対策を効率的に実施していきます。

    保健所は感染症対策の要であることから、その時々の感染状況に応じ適切に使命を果たせるよう、今後とも、関係機関等との連携強化や機動的な応援体制の構築に引き続き取り組んでいきます。

    なお、芦屋健康福祉事務所につきましては、阪神南県民センター・阪神北県民局の統合方針におきまして、宝塚健康福祉事務所芦屋分室に改組することとしております。芦屋市に係る感染症対策、難病、精神保健などの業務を宝塚に集約するか芦屋分室で実施するかは、住民サービスが大きく低下しないよう配慮しつつ、新型コロナウイルス感染症への対応状況等も踏まえ、引き続き検討してまいりますので、引き続きよろしくお願いします。

    県職員は災害時など、先日の鳥インフルでもすぐに派遣され、送る方も送られる方も本当に大変だと聞いております。その献身的努力については、本当に敬意を表したいと思います。

    しかし、現場の保健師さんは感染拡大時には寝ているのか起きているのかわからない状況で、県民の命を守るために本当に働いていらっしゃいます。そういう中で、使命感で県民の命を守るために働いているわけですから、また、応援の職員も本当に仕事ができるように受け入れることも負担になっている部分もあるわけです。ですから、専門職である保健師を増員、配置することを、本当にそれこそが合理的であると思いますので、ぜひそのことを考えていただきたいと思います。

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