議会報告

  • 2021年10月08日
    予算・決算特別委員会

    2020年度決算特別委員会 健康福祉部 いそみ恵子

    ○いそみ恵子委員 日本共産党県会議員団のいそみ恵子である。どうぞよろしくお願いする。

    一つ目は、まず保育所などにおける新型コロナウイルス感染症対策についてである。

    第6波に向けて、デルタ株の蔓延によって、子供の中での感染拡大という新たな局面への対応が求められている。

    感染発生に伴い、休園となった全国の保育所などが広がっている。濃厚接触者となっての登園自粛も増大した。

    そこで質問をする。県内の保育所などのコロナ感染状況について、休園となった保育所、認定こども園のそれぞれの箇所数、また分かれば園児の人数をお答えいただきたいと思う。

    ○こども政策課長(藤本貴義) 本県の保育所等における令和2年度の新型コロナウイルス感染者の発生による臨時休園の状況であるが、一部休園を含めて74施設、その施設定員数については8,468名であった。

    また、そちらのほうの内訳であるが、保育所については74施設中の44施設、認定こども園については、74施設中の30施設となっている。

    ○いそみ恵子委員 今お答えをいただいたとおりである。74施設8,468名、大変な人数となっている。そのことで、大変感染拡大の影響で、特に保育所であるから、そこで働く保護者にとっても、大変職場を休まざるを得ないとか、様々な影響が出たというふうに思う。

    それで、私の地元にある民間保育園のケースをご紹介したいと思う。ここでは本園と、それから分園で職員の方々が感染をした。その担当者のクラスについては、園のPCR検査は行われたが、他の職員、それから園児に対するPCR検査を、西宮市であるので、市の保健所に求めたが、濃厚接触者ではないということで実施されなかった。

    しかし、その後、園児への感染が判明している。運営法人は、保護者の皆さんなどから、大変不安の声も出されて、休園措置を取って、そして法人の費用で職員、それから園児全員にPCR検査を行ったとのことである。

    そこで質問するが、こうした事例からも、保育所などで感染者が確認されたら迅速に、全ての園児と職員を対象に行政権さを行うことが必要と考えるが、どうか。

    それから、保育所などでの定期的な検査を施設の費用負担なく実施するということを求めるが、いかがか。

    ○こども政策課長(藤本貴義) 現在、PCR検査の検査については、PCR検査の対象者については、保育所等において陽性者が確認され、感染拡大やクラスターの発生が懸念される場合については、濃厚接触者だけでなく、幅広く関係者に対して検査を実施しているというふうに聞いている。

    また、定期的なPCR検査については、国のほうがモニタリング検査を行っており、県もこちらについて、周知等を含めての協力をさせていただいているところである。

    ○いそみ恵子委員 今お答えいただいたように、やはりクラスター化が懸念されている。こういう施設においては、こういうPCR検査について、今の段階ではそういう形で実施されているということでお聞きした。

    それで、もう1点お聞きしておきたいと思う。

    家庭でのクラスター、これを防ぐという点からも、保育所などを通じて家庭に検査キットを、これを配布して、そして園児の体調不良時に、すぐにやっぱり検査が行えるようにするということと、それから在所中の体調不良への対応として、保育所などにも、検査キットを配布する、こういうこともぜひ求めたいと思うが、いかがか。

    ○こども政策課長(藤本貴義) 現在、保育所等における抗原簡易キットの件であるが、家庭への配布ということではないが、抗原簡易キットの配布については、令和3年8月17日付の国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針において、保育所等が対象となることが明示されて、国が配布を希望する保育所等へ直接配布し、有症状者が直ちに検査を実施できるよう体制整備が進められている。

    これを受けて、県としては速やかに保育所等に対して、配布希望調査を行い、保育所等へ抗原簡易キットの配布が始まった。

    こちらについては、この10月4日から順次配布がなされているところである。

    なお、この抗原簡易キットについては、自身でこちらのキットを使用できるということもあるので、こちらが配布されているものについては、職員等を対象に配布が行われているところである。

    ○いそみ恵子委員 今、ご答弁いただいた。そういう形で今進んでいっていると。ただし、やはり家庭に対する検査キットの配布、これはまだやっていないということであるので、できれば、やっぱり家庭内におけるクラスターが今回大変やっぱり広がったということもあるから、そういう点で、ぜひこれも国に対して、ぜひとも要望していただきたいというふうに思う。

    それで、保育所での感染を防止する上で、感染対策は非常に重要である。

    全国の保育所等々を含め、先ほどの保育所などでも、消毒など感染対策に必死に取り組んでおられる。しかしながら、衛生資材の購入、それから消毒対策で大変な費用が発生している。

    先ほども紹介した、この園の場合、本園と分園がある。本園と分園、それぞれ定員は60名である。職員の方々も園長さんが兼任であるから、だから一緒である。そういう点では、感染対策の費用も同じくらい、やっぱりかかる。しかしながら、本園と分園、合算で、新型コロナウイルス緊急包括支援交付金から資材の費用が限度額50万円である。だから大変困っている。そのため、西宮市は園からの要望を受けて、30万円独自に支給をされていらっしゃるそうである。

    それでもやっぱり、お聞きすると不足しているという状況である。だから感染対策を進めるということに当たって、国に、やはり交付金の充実をぜひ県としても求めていただきたいし、そして県としても助成を考えていただきたいと思うが、この点について、いかがか。

    ○こども政策課長(藤本貴義) 保育所等への感染防止対策支援については、先ほどもご紹介あったが、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業実施要綱に基づき、マスクや消毒液等の衛生用品等の購入や、それに加えて職員が感染症対策の徹底を図りながら事業を継続的に実施していくために必要な経費に対しても補助を行ってきた。

    こちらの補助基準額であるが、国の実施要綱において、先ほどもあったが、1施設当たり50万円とされている。また、保育所等の分園については、これまでから保育所分園設置運営要綱において、本園と一体的に施設運営を行うこととされており、こういったことから、従来の補助金等も含めて、本園と合わせて1施設として取り扱うこととされている。

    今回の補助金についても、国実施要綱に基づいて、市町において補助金としては、適切に実施されたものと考えている。

    ○いそみ恵子委員 今お答えいただいて、そのことは十分承知している。だから、本園、分園合わせて1施設という扱いであるから、これはやっぱり、第6波に備えても、感染拡大、これを防止すると。そのための感染対策であるから、そういう点で、ぜひ国に、県としても要望を上げていただきたいと思う。県としても助成も考えていただきたいということで、この点については終わる。

    それで、次に、高齢者の補聴器購入への公的補助について質問する。

    このテーマで兵庫県議会は2018年12月県議会で全会一致で国への意見書を採択している。これを受けて、私自身、翌年の2月県議会で一般質問を行い、以降、日本共産党県議団としても、健康福祉常任委員会、また重要政策提言、新年度予算要望等でも、機会あるごとに取り上げてきた。

    それで、改めて振り返るが、加齢性難聴による補聴器購入に当たって、国の補助制度創設を求めること、県としても助成制度を創設し、さらにより性能が高く、低価格の補聴器の普及に向けて研究も行い、必要な方に普及できるよう支援をとの私の質問に対して、当時の福祉部長は、県として補助等を行うことや、県自ら低価格などの補聴器普及に向けての研究について、様々な課題がある中、慎重に検討する必要があると、このように答弁をされた。

    そこで質問する。この間、十分な検討期間があったと思う。どのような検討をされてきたのか、特に、この20年度、国に対する補助制度創設を求める、この県の要望はどのような状況になっているのかお答え願う。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 国に対する要望については、県議会の国に対する意見書に認知症の予防につながる加齢性難聴の補聴器購入補助制度創設とあり、その趣旨も踏まえて、国の予算編成等に対する要望において、継続的に要望を行っている。

    要望内容については、難聴が認知症の危険因子の一つとされていることから、加齢性難聴者への補聴器の購入の支援の充実ということで要望している。

    なお、難聴については、認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランにおいて、認知症の危険因子の一つとされているが、その予防方策については、認知症施策推進大綱において、難聴等の危険因子に対する予防介入研究を行うこととされており、補聴器に予防効果があるかどうかのエビデンスについては、現在国において研究中であると認識している。

    ○いそみ恵子委員 十分な検討期間があって、国に対する要望は継続して行っていただけているということで確認をしておきたいと思う。

    それで、私もこの間、国に直接出向いて要望を続けてきた。

    また、国会では、私ども日本共産党の大門実紀史参議院議員が、参議院の財政金融委員会で加齢性難聴者の補聴器購入の助成制度の創設の質問を行い、当時、厚労省の審議官は、補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能低下予防効果を検証するための研究を推進すると答弁をして、当時の麻生太郎財務大臣もやらなければならない必要な課題だと、必要な問題だというところまで答弁していただいている。

    全国では、国に公的助成を求める意見書を採択した自治体は168自治体となり、県内の状況では私の地元の西宮市議会、豊岡市議会、それから朝来の市議会、加美町の町議会が採択をしている。直近では、この9月、芦屋市議会でも採択をされている。引き続き、国へ補助制度創設を強く働きかけていただきたい、このことは強く要望をさせていただく。

    さきの、私の本会議での質問、そして再質問に対して、井戸前知事からの答弁では、国への働きかけと同時に、県としてもその国への要請状況を見定めた上で判断すべき課題だと思っていると、このようにご答弁いただいた。この点で、県の検討状況の到達点について、県での実施に当たっての、その到達点についてお聞きする。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 要介護状態等の高齢者に対し、車椅子や歩行器などが、日常生活の便宜または機能訓練のために、介護保険制度の福祉用具として、貸与等の対象とされている。

    一方、補聴器については、眼鏡や義足などと同様に、身体の一部の欠損または低下した機能の補完を主たる目的とすることから、現在のところ貸与の対象とはされていない。

    なお、身体障害者手帳の交付対象となる、両耳の聴力レベルが70デシベル以上、または一方の耳の聴力レベルが90デシベル以上かつ他方の耳の聴力レベルが50デシベル以上の高齢者には、障害者総合支援法等に基づく補聴器の購入助成が既にある。

    こうした支援の対象以外である加齢性難聴の方への補聴器購入については、仮に補聴器による認知症予防効果が認められる場合、県や市町の個別助成といった対応ではなく、広く全国に適用される制度、すなわち高齢者の自立支援をうたう介護保険制度によって対応されるべきと認識しており、国に対して制度拡充を要望しているところである。

    まずは、その動向を見極めることとしたいと考えている。

    なお、低価格補聴器の研究については、技術革新や性能向上、価格低下等、研究に係る効果は全利用者に及ぶことであり、県独自の研究というよりも、むしろ国や業界による取組に期待するところである。

    ○いそみ恵子委員 これ、私が本会議で取り上げたときの、その質問に対する県の当時の副支部長の、その答弁、ほとんど変わってない。そういう点で、非常にちょっと冷たいなということを率直に申し上げておきたいと思う。

    それで、内閣府の高齢社会白書によると、2020年の高齢化率は28.8%、それから団塊の世代が全員後期高齢者になる2025年には30%になる。

    兵庫県は30.8%、全国よりも上回る。それで、高齢者が増えるということは、難聴者も増えるということになる。聴覚の問題は、その裏側に言語があり、高齢になり、難聴が進んでいけば、言葉を通じてのコミュニケーションが衰え、何も対処しなければ、高齢者は社会的に孤立をする。これが認知症や鬱病を進行させていくのではないかということで、大問題になっているわけである。

    会話ができないので、社会活動は減少し、そして認知症や鬱が進行し、脳は萎縮し、意欲が低下し、そして生産性も低下をしていく。要介護度が高くなって、医療費の支出も増えていく。様々な問題が起こることは容易に想像ができる。こうした観点からも、私はこの制度の創設は必要というふうに思うが、どうか、ぜひ希望ある答弁をお願いしたいと思う。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 今後、更に高齢化が進み、全国的に高齢者が増加していくことから、これは全国に共通の課題であると認識している。

    また、高齢者の身体機能については、個人差が大きく、補聴器の必要性を客観的に判断するためには、医師等専門職が関与する統一的な基準に基づき助成をすることが必要ではないかと考えている。

    これらを踏まえて、仮に補聴器による認知症予防効果が認められる場合でも、先ほども申し上げたが、県や市町の個別助成といった対応ではなく、広く全国に適用される制度、すなわち高齢者の自立支援をうたう介護保険制度によって対応されるべきものと認識している。

    このことから、国に対しては、県議会の国に対する意見書の趣旨とともに、補聴器の認知機能予防効果や、高齢者の実際のニーズも踏まえた、適切な制度構築を行うよう要望していく。

    ○いそみ恵子委員 お答え同じであるが、独自の助成制度を実施している全国の自治体は、私どもの調べで、少なくとも43の自治体に上っている。その中で、明石市が今年度より高齢者への補聴器購入費用の助成として、医師が認めた65歳以上の高齢者を対象として、上限2万円までの助成を実施されている。大変要望が強い中、思い切って実施されているということである。ぜひ、県として独自にでも創設を考えていただきたい、このことを強く、再度要望させていただく。どうぞよろしくお願いする。

    それで、最後の質問である。

    2019年に同性婚を容認することを求める訴訟が全国四つの都市で始まり、同性パートナーシップ条例、宣誓制度を持つ自治体は、全国で100を超える自治体に広がったとお聞きをしている。

    県下で広がる同性カップルの権利保障を進めるパートナーシップ県条例の創設について質問をする。

    パートナーシップ制度は、私の地元の西宮市を含め、九つの市町で導入されている。同性カップルを婚姻相当の関係と認めて、公的書類を自治体独自で発行する制度で、法的な効力はない。

    しかし、例えば、公営住宅への入居が可能になるなどのメリットがある。県営住宅の入居に関して言うと、兵庫県は今年の4月にパートナーシップ制度を導入している9市町にある県営住宅で同性カップルの入居を認めるモデル事業を始めている。ただし、カップルが転居した場合、制度自体は各自治体が定めているために、再宣誓が必要となって、手続も煩雑となる。

    そうした中、阪神間7市1町では、パートナーシップ宣誓制度の取組に関して協定が結ばれているが、県はその内容について把握されているか。その点についてお聞きする。

    ○人権推進課長(安井洋一) 県下のパートナーシップ宣誓制度の導入状況については、先ほど委員からもあったように、阪神間の市町を中心に9市町が導入されているところである。

    その阪神間の7市1町によって、パートナーシップ制度宣誓に取り組む協定の締結がなされ、その協定を結んでいる市町内で転入・転出があった場合に、宣誓制度の手続が簡素化されているということについては承知しているところである。

    ○いそみ恵子委員 答弁にあるように、阪神間7市1町で協定を結ぶことによって、締結自治体間では再宣誓する必要がなくなった。それから、受領書の再交付手続は簡素化されるが、制度を導入していない自治体への転居については、先ほどもお話ししたように困難となっている。

    そこで私はお聞きするが、国による法的な整備がやっぱり必要だというふうに思う。それで、国に制度化を求めていただきたいということと、同時に、県としても、阪神間で中心的にそういう協定を結んでいるけれど、やはり県下で、ほかに転居された場合は、これに当たらないという状況もあるので、県としてもパートナーシップ条例の創設、これを求めたいのであるが、いかがか。

    ○人権推進課長(安井洋一) パ一トナーシップ宣誓制度等については、性的少数者を支援する団体の中に、性的少数者への理解が進まない中、制度だけが普及することは、行き過ぎではないかという意見があるなど、様々な意見が見受けられるところである。

    その性的少数者への理解については、平成30年度に実施した人権に関する県民意識調査の中で、同性愛など性的指向や性同一性障害に関し、日常でどのような人権問題が起きているかを尋ねたところ、分からないという回答が相当数あることから、性的少数者への人権の理解がまだ十分に進んでいないと認識している。

    このようなことから、県としては、まず性的少数者への理解促進を図ることが重要と考え、人権情報誌や人権総合情報サイト、啓発テキスト、リーフレット、人権啓発イベントなど、様々な媒体や機会を活用し、県内市町と連携しながら、啓発の充実に取り組んでいるところである。

    また、昨年度には、県職員向けに理解を深めるためのガイドラインを作成し、研修等を行うなど全庁的な取組も推進している。

    パートナーシップ宣誓制度等を導入する自治体や国の動向を注視しながら、引き続き、様々な機会や媒体を活用し、その根幹となる性的少数者への理解促進に努めていくので、よろしくお願いする。

    ○いそみ恵子委員 確かに、当事者である性的少数者の方々に対する、やっぱりちゃんとした理解を十分に広げていくというのは、とても大切なことだというふうに思う。

    それで、三重県はこの9月1日から同性カップルなどを公的に認める県パートナーシップ宣誓制度をスタートしているが、さきの4月に施行された性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例ということで、こういう趣旨に基づくものがつくられている。性的少数者が地域で人生をともにしたい人と安心して暮らすことができる環境づくりに向け、導入されているというふうにお聞きをしている。そういう点で、兵庫県においても、こうした条例の創設、そして宣誓制度を再度求めたいが、いかがか。

    ○人権推進課長(安井洋一) パートナーシップ宣誓制度であるが、やはり制度ができても、性的少数者への理解促進というものが図られなければ、制度を利用しても、やはり十分な生活、人権が保障されないのではないかというふうに考えている。

    例えば、制度を利用して市営住宅に入居ができても、周囲の理解が十分でなければ、やはり不審がられたりとかいうことがある、こういうふうな差別的な扱いを受けるおそれがあると考えているので、まず兵庫県としては、理解促進を図っていくというところから始めたいと思っているので、よろしくお願いする。

    ○いそみ恵子委員 もう時間が来たので、ぜひ当事者の思いをしっかりとやっぱり聞いていただいて、そして性的少数者の方々に対する、そういう十分な、深い理解を、ぜひ県としても求めていただきたいということで終わらせていただく。以上である。

    ありがとうございました。

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