議会報告

  • 2021年09月30日
    本会議

    第355回本会議 一般質問 ねりき議員

    日本共産党県議団、宝塚市選出、ねりき恵子です。

    先の県知事選挙は、多くの有権者が県政の転換を求める結果となりました。

    斎藤知事は、行財政運営方針をゼロベースで見直す方針を打ち出していますが、いま求められているのは、経済効率優先の政策の見直しです。

    コロナ禍、県民の命とくらし、生活と営業にかかわる切実な願いにこたえる県政への転換を求め以下質問します。

    1.臨時医療施設の設置など医療提供体制強化について

    はじめに、臨時医療施設の設置など医療体制の強化についてです。

    新型コロナ感染の第5波では、8月26日のピーク時には自宅療養4568人、入院・宿泊調整中1700人、合計6268人もの陽性者が自宅療養を余儀なくされる深刻な状況でした。県内でも、症状が急変しても入院できず自宅で亡くなるなど痛ましい事態も起こりました。

    このような状況のもと、県は新たに120床の病床を確保しましたが、緊急事態宣言が解除される直前の9月28日でも自宅療養651人、入院・宿泊調整中83人、合計734人と自宅療養せざるを得ない実態は解消されてもおらず、また今後の感染拡大に備えることも重要です。

    国は、第6派に備え臨時医療施設の設置など医療体制を見直し、具体策を自治体へ通知する動きですが、もともと、新型コロナ対策の根拠法である新型インフルエンザ特措法には、感染症が蔓延し医療提供に支障がでれば、臨時の医療施設の設置を義務付けています。兵庫県は「新型インフルエンザ等対策行動計画」に臨時医療施設設置を定めているのに、開設も、その準備すらしていないのは問題です。

    全国では、すでに福井県など25の自治体が体育館等を活用した臨時の医療施設を設置しており、兵庫県でも直ちに設置すべきです。

    また、私たちは地域医療構想の中止を再三求めてきました。

    県は、コロナ患者の受入病床として最も求められている急性期病床を、コロナ禍の昨年度も120床も削減しました。

    厚労省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」では、「コロナ患者を受け入れている急性期の病院には余力が必要。地域医療構想でやっていることは余力を削ぐ議論」等の意見が出されていると報告。全国知事会の代表は「病床を確保しようとしている病院に再編整理の話を持ちかけるのは全くナンセンス」と指摘し、全国市長会の代表も「医療構想を進めること自体、医療崩壊を加速させる恐れがある」と、急性期病床を削減する地域医療構想に批判の声をあげています。

    コロナ患者を自宅療養させないという原則に立ち戻り、直ちに臨時医療施設を設置するとともに医療提供体制の強化をはかること。

    また、急性期病床削減計画を中止し、パンデミックを想定していない地域医療構想の撤回を求めます。

    当局答弁 県では、新型コロナウイルス感染症への対応として、一般医療とのバランスも考慮しつつ、病院・宿泊療養施設の確保、また、それぞれの役割分担の徹底を推進するなど、医療提供体制を強化してまいりました。第5波への対応といたしましては、入院病床の新たな120床確保に加えまして、宿泊療養施設については新たに4施設を確保するとともに、医師派遣施設の拡充でありますとか、往診体制の強化等を行ってまいりました。

    県では、軽症や無症状者の方につきましては、原則として宿泊療養施設で療養していただくこととしており、今後もこれらの方に対しましては、宿泊療養施設での医療ケアの実施等、これまでの取組の強化により対応していきたいと考えております。

    ご指摘の臨時医療施設につきましては、自宅療養者の方の不安解消でありますとか、家庭内感染の防止という点で一定の意義もございますことから、引き続き研究してまいりたいと考えております。

    次に、地域医療構想についてでございます。この地域医療構想は、今後、少子高齢化という人口構造の中長期的なトレンドにどう対処していくかという観点で、住民が住みなれた地域で生活しながら、状態に応じて適切で必要な医療が受けられるよう、一つには、病床の機能分化や連携、また、在宅医療の充実などを目指すものであり、病床の削減を目的としたものではございません。また、新型コロナ感染症があったからといいまして、中長期的に疾病構造のトレンドが大きく変化するものではございませんので、この地域医療構想につきましては、感染症への対応も考慮しつつ、粛々と進めていくものと考えています。

    現在の新型コロナへの対応も踏まえまして、各圏域での感染症対策はどうあるべきかということも重要な要素の一つとして、医療機関の自主的な取組みのもと、それぞれの医療圏域に設置されております地域医療構想調整会議において検討が行われております。県では、各地域の議論の活性化を支援いたしますとともに、病床や院内の動線確保など感染症対策も考慮した病院の整備等、医療機関の取組みも支援するなど、引き続き、地域医療構想を推進してまいります。

    これらを通じまして、新型コロナウイルス感染症など新興感染症の感染拡大時にも対応可能な地域医療体制を構築するなど、県民の皆さんが安心して必要な医療が受けられるよう取組みを強化してまいります。

    ねりき再質問 臨時医療施設についてです。先ほどのご答弁の中に、原則宿泊療養だという内容がありました。そうであるならば現在の自宅療養をされている方たち、それを解消するべくどう対応するのか、そのためにも臨時の医療施設が必要ではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

    再答弁 先ほど答弁いたしましたように、軽症の方は宿泊療養施設での療養を原則とし、基本としております。皆さんが病院に入院できることが理想ですが、やはり一般医療とのバランスを考慮する必要がありますし、限りのある医療資源をどこにどう都合するかという中で、やはりその時の最善の手を打つべきだろうと思っております。

    できれば宿泊療養施設に皆さん入っていただきたいですが、このたびのような想像を上回るような、それを想定してなかったことが悪いと言われればそれまでですが、国試算に基づきまして、病床の確保計画、ホテルの確保計画を想定した上で、それを大きく上回る感染者の方が出てしまいましたので、自宅療養もお願いせざるを得ない状況となりました。しかしながら、そういった自宅療養の方に対しましても健康観察の強化でありますとか、往診体制ということで必要な医療ケアを自宅でも受けれるような体制をとったということでございます。

    臨時医療施設につきましてはご案内のとおり、新型インフルエンザ等の対策特別措置法におきまして、都道府県知事が医療の提供に支障が生ずると認める場合には、という前段がございますので、病院は当然ですが、宿泊療養施設、また自宅療養におきましても、必要な医療を患者さんに届けるということを目的として、今後必要であれば宿泊療養施設の拡充でありますとか、往診体制の強化、自宅療養者のフォローアップ等で対応していきたいと考えてます。

    臨時の医療施設については、効率化・集約化という面においては意味があろうかと思いますが、結局その医療スタッフをどこから集めてくるかということで、県の医療体制の中では集めるよりもやはりそれぞれの医療機関でそれぞれ協力いただきながら、分散しながら対応していくのが現段階では望ましいということを考えてますので、今後ともこの考え方を基本に対応してまいりたい。

    ねりきコメント 自宅療養をされている方はやはり、すぐに容態急変するところが一番の問題ですので、そこに医療が届けられるような体制強化を普段から作っておくということで、臨時医療施設の設置を準備しておくということが大事だと要望しておきたい。

    2.PCR等検査体制の充実・強化について

    次にPCR等検査の拡充についてです。

    新型コロナの感染を抑えるには、ワクチン接種と検査体制の強化が両輪で進められなければなりません。

    新型コロナの特徴は、無症状で感染に気づかず、社会生活を送る「潜在感染者」がいることです。東京都のモニタリング検査では、9月5日までの1週間で人口10万人あたり640人に相当する陽性者が出ており、そのほとんどが無症状です。

    一方、濃厚接触者等を対象にした行政検査では、人口10万人あたり62.5人の陽性者で、行政検査で捕捉できているのは感染者の1/10に過ぎません。

    感染の連鎖を止めるには、いち早く無症状の感染者を見つけ保護し、重症化させない早期の医療提供が必要で、そのためのPCR等検査の抜本的な拡大が早急に求められます。

    県は現在、保健所業務のひっ迫から追跡調査を同居家族・同居人と、社会福祉施設、医療機関、保育所・学校、及び同時期に2名以上の陽性者が確認された施設に限定し、それ以外の感染者は、自分で濃厚接触者を特定して相手に知らせなければなりません。 1人でも感染者が見つかった場合は、即座に関係者全員にPCR検査などを行うべきです。また、抗原定量検査の迅速キットなどを配布し、施設でも、家庭でも、検査できる体制を整えることが必要です。

    また、無症状の場合のPCR検査は自己負担です。高齢者・障害者施設での定期的検査は、ワクチン接種完了施設は対象外となりました。これでは、感染拡大をくい止めることはできず、重症化を見逃す危険性も否めません。

    県には、1日当たり7,970件の検査能力があるというものの、実際は1日4,000件台にとどまっており、検査能力の抜本的強化が必要です。例えば、県内企業の川崎重工は、検体採取から検体搬送までトータルに提供する「自動PCR検査システム」サービスを行っていますが、検査能力増強に有効に活用すべきではないでしょうか。

    PCR等検査の行政検査を大規模に実施できるよう、あらゆる方策で検査能力の増強を図るとともに、高齢者施設、医療機関、学校、学童保育、保育所などでの定期的な大規模検査を継続すること。施設が自主的に行うPCR検査や、無症状者を含めた濃厚接触者への検査も公費で受けられるよう財政支援を行うなど、PCR等検査の抜本的拡大を求めます。

    齋藤知事答弁 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止には、必要な行政検査が適切に行われることが必要であり、県は処理能力の増強と対象者の拡大等、検査体制の拡充に努めてきた。

    処理能力については、PCR検査機器購入支援などにより、順次拡大し、現在1日最大7,970件の検査数を確保しており、引き続き、民間検査機関の活用も図っていきたいと考えている。

    対象者については、社会福祉施設、医療機関、学校等において、陽性者が確認され、感染拡大やクラスターの発生が懸念される場合には、濃厚接触者だけでなく、幅広く関係者に対して検査を実施してきた。

    第5波の感染急拡大により、保健所業務が逼迫したことから、患者の命を守ることを最優先とし、一時的に疫学調査の重点化を図った。今後、保健所の逼迫状況を確認し、幅広く疫学調査等を実施する従来の体制に戻していきたいと考えている。

    また、定期的なPCR検査については、高齢・障害者施設の職員に対し事業継続支援を目的に実施しており、また学校や保育園、事業所等を対象とした検査については、国が行うモニタリング検査に県も協力していく。

    抗原簡易キットについては、国が、配布を希望する学校、医療機関、高齢者施設、障害者施設、保育園等に直接配布し、有症状者が、直ちに検査を実施できるよう体制整備が進められている。また県立高校では、入試等の需要増に備えて、追加配備も行う。

    検査は疫学調査とともに、感染症対策の基本である。引き続き必要な行政検査を適切に実施し、感染防止対策に取り組んでいきたい。

    3.健康福祉事務所(保健所)体制の抜本的強化について

    次に、保健所体制の強化についてです。

    感染第5波をうけ、保健所業務がさらにひっ迫し、陽性者の追跡調査を行う「積極的疫学調査」を限定する等、県民に「自己責任」をおしつける深刻な事態です。

    県は、本庁からの応援職員や民間派遣等、100人を超える保健所体制強化を進め、現場では献身的な努力が行われているものの十分ではありません。

    感染症対策の基本である「積極的疫学調査」、健康観察等、専門的な対応には、専門職で、長期的に従事できる正規職員の保健師を十分配置すべきです。

    ところが、県は、芦屋保健所の廃止の方針を撤回していません。関係する各保健所長は、芦屋保健所の廃止について「非常に厳しい」と苦渋の立場を表明しています。芦屋市議会は存続を求める意見書を県に提出、改めて署名も進められています。コロナ前に計画された芦屋保健所廃止は撤回すべきです。

    国は、1994年に保健所法を改悪した地域保健法により、保健所は二次医療圏を参考に所管区域を広域化し、公衆衛生を弱体化させてきました。兵庫県内では、1997年に41か所あった保健所が、県行革等により17カ所へ、約33万人に1か所と激減しました。

    一方、和歌山県では、現在も約10万人に1か所、支所含め9カ所の保健所体制を維持しています。「対応の要は、積極的疫学調査」だと、無症状者も含めた陽性者の捕捉を重視し、10万人あたりの感染者数は9月27日現在565人で、大阪2246人、京都府1369人、兵庫県1407人、奈良県1155人に比べ感染拡大を抑えています。

    2009年、新型インフルエンザ発生時の対応を検証した「兵庫県新型インフルエンザ対策検証報告書」で、保健所・保健師の削減が“疫学調査や病院との調整、濃厚接触者調査等に支障をきたした”と弊害を指摘していたのに、体制の増強を行ってきませんでした。県自らが検証したこの報告に、正面からこたえるべきです。

    正規の保健師など職員の抜本的増員をおこなうとともに、芦屋保健所の廃止・分室化を中止し、体制強化をはかること。

    また、政令市・中核市と連携し、人口10万人に1カ所程度の保健所設置など、保健所体制強化をおこなうことを求めます。ご答弁ください。

    当局答弁 新型コロナウイルス感染症に対応するため、県は保健所の保健師を増員し、再任用職員を含めて、地方交付税上の措置人数を超える配置としております。また、感染症への対応で業務が集中する場合に備え、新型コロナウイルス感染症での経験も活かし、庁内からの派遣や元県職員の保健師、潜在看護師等から円滑に応援を得られる体制の構築を進めております。

    芦屋健康福祉事務所については、阪神南県民センター・阪神北県民局の統合方針において、宝塚健康福祉事務所芦屋分室に改組することとしております。芦屋市に係る感染症対策、難病、精神保健などの業務を宝塚健康福祉事務所に集約するか芦屋分室で実施するかは、住民サービスが大きく低下しないよう配慮しつつ、新型コロナウイルス感染症への対応状況等も踏まえ、引き続き検討してまいります。

    県内の保健所は、国の指針に基づき2次医療圏域毎に1カ所の配置を基本とし、人口又は面積が圏域平均の概ね2倍を超える地域には複数配置しているところでございます。現在、政令・中核市で5カ所、県所管で12ヶ所を設置して運営し、発生届の受理、入院勧告、患者搬送、疫学調査などの感染症対策業務を適切に行っているところです。

    保健所は感染症対策の要であることから、県は保健所がその時々の感染状況に応じ適切にこの使命を果たせるよう、国の指針で示された基準に基づく保健所設置を基本としながら、本庁との役割分担や保健師等の増員、機動的な応援体制の構築等を行うことにより体制強化に取り組んでまいります。

    4.コロナ禍での中小企業者支援について

    次に、中小業者支援についてです。

    コロナ感染の収束が見えない中、時短営業・休業要請や長期にわたる人流抑制政策により、飲食業のみならず中小事業者は、大きな打撃を受け続けています。経営が逼迫し追い詰められている中小業者、個人事業主への十分な補償と生活支援は急務です。

    しかし、中小業者への国の直接支援は、飲食業への感染症拡大防止協力金、それ以外は、月次支援金のみで、対象にならない業者が多く、必要な業者に支援が届いていません。

    飲食店でも通常の営業時間が夕方まででは、協力金支給の対象にはなりません。貸館利用の各種セミナーなどの事業者は、「緊急事態宣言」で貸館が休館になり、教室を開けず無収入になっています。月次支援金の酒類販売業者に対する県独自の上乗せは、党県議団が50%の売り上げ減少という要件の緩和などを求めてきたことが一部実現したものですが、対象事業者を広げるべきです。

    愛知県では、事業者の厳しい実態に応え、売り上げ減少が30%以上50%未満の全事業者を対象とする応援金が創設されました。

    コロナ禍で困窮する全ての事業者の営業とくらしを守るため、長期的見通しを持った直接の支援策が必要です。

    そこで、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金を迅速に支給すること。

    県が要件を緩和した月次支援金は、酒類販売事業者に限らず全ての事業者を対象にするとともに、協力金の対象にならない業者への県独自の支援制度をつくること。

    国に対し、持続化給付金、家賃支援給付金などの再給付と支援対象の拡充、感染症拡大防止協力金・月次支援金の対象要件緩和と増額など支援の拡充を強く働きかけることを求めます。

    齋藤知事答弁 休業・時短要請に応じた飲食店に対する協力金については、360人体制で給付事務にあたり、7月11日までの要請分の支給割合は94%程度、約94%となっております。8月2日以降の要請分からは早期支給制度も導入させていただきまして、飲食店の皆様の資金需要にも、速やかに応えていきたいというところです。

    意欲ある事業者の皆様に対しては、ECサイトを活用した販売事業や、ポストコロナ時代の環境変化に対応するためのデジタル化の推進、リカレント教育、それから事業の再構築に向けた取り組みなど、商工会、商工会議所と連携して、伴走型で支援させていただいているという状況です。コロナの影響を受けている事業者のみなさまは多岐にわたっているという状況で、県単独でご指摘の支援制度を作るということは、やはり財源面からもなかなか難しいと、困難であるという状況でございますのでご理解いただければと思います。

    このため月次支援金の要件緩和・給付上限額の引き上げ、それから持続化給付金、家賃支援給付金の再度の支給等については、引き続き国に要請して参りたいと考えております。

    今後も県内の中小企業が直面する状況に応じた、きめ細やかな支援を行うとともに、ポストコロナを見据えた、企業の前向きな取り組みを支援させていただきたいということで、今般の9月補正でも、出口を見据えた中小企業のビジョン作りについての支援を計上させていただいているところです。

    感染防止を図りながら、日常生活と経済活動の1日も早い回復に向けて、これが中小企業の皆さんに向けての最大の経済対策でもあると思いますので、しっかりやっていきたいと考えております。

    5.子どもの医療費無償化について

    次に、こども医療費無料化についてです。

    コロナ禍のもと、安心してこどもを産み育てたいという願いは、いっそう強くなっています。

    県は、乳幼児等医療費助成制度に、こども医療費助成制度を加え、対象年齢を未就学児から中学3年生まで拡大、制度を発展させてきました。

    県下の市町は、県の制度をもとにして上乗せし、こども医療費無料化の制度を拡充しており、今では中学3年まで通院・入院とも無料となっているのは、41市町中36市町、約9割にのぼります。

    同時に、見過ごせないのは、県制度には負担の公平性を理由に一部負担金も所得制限もある上、県行革で所得判定が世帯主所得から世帯合算所得へと、全国的に最も厳しい条件に強化され、対象人数が乳幼児ではピーク時から45000人も削減されたことです。

    共働き世帯など子育て支援が最も必要な世帯が受けられず、子育て世代の方からは、「これまで子ども医療費無料で安心だった。二人目の子どもが生まれ生活も厳しくなり共働きを始めたら、医療費無料化が受けられなくなってしまった。働きはじめることで罰を受けるみたいでおかしい」と切実な声が寄せられています。

    働きながら子どもを産み育てることが、子育て支援制度から外されるのでは、ジェンダー平等社会の実現、SDGsの推進の観点からも、県が進める「ひょうご子ども・子育て未来プラン」の目標にも逆行するのではないでしょうか。

    このような中、県下で所得制限をなくしているのは19市町となり、さらに、対象年齢を高校生までとする市町は18市町、そのうち通院・入院とも無料なのは明石市、加西市、多可町など9市町に広がっています。

    都道府県では、群馬県が中学3年まで所得制限なしで通院・入院とも無料にするなど18府県が所得制限をなくすことに踏み出しています。

    県は、「ひょうご子ども・子育て未来プラン」で、就業・結婚・妊娠・出産・子育てまで多岐にわたる支援で、若者に「家庭を持ち子育てするなら兵庫」でと、少子化対策・子育て支援策の拡充に取り組むと宣言しているのですから、所得制限をなくし、こども医療費無料化拡充を求める県民の願いにこたえ、県の責任を果たすべきです。

    県は、受益と負担のバランス、制度の安定的な存続のためなどと切り捨てるのではなく、兵庫県のどこに住んでいても、すべてのこども達が安心して医療にかかることができるよう、対象を高校3年生まで広げるとともに、ただちに所得制限なくし医療費無料化へ踏み切ること。

    あわせて、国の制度として実施するよう、国に要請することを求めます。

    当局答弁 子育て世代の経済的負担軽減は、重要な課題でありますことから、本県におきましては、厳しい財政状況の中、段階的に乳幼児・こども医療費助成制度を拡充してまいりました。

    その結果、現在、対象年齢につきましては、中学3年生までの入院・通院を助成対象としておりまして、これは、全国でも上位の水準となっております。

    また、所得制限につきましては、福祉医療制度は、様々な困難を抱え経済的な支援を必要とする方に対しまして、医療保険制度の自己負担を軽減することを目的としていますことから、必要であると考えております。さらに、医療費無料化につきましても、一定の自己負担額は、受益と負担のバランスを確保し、制度を持続的で安定的なものとするため、同様に、必要と考えております。

    乳幼児・こども医療費助成制度は、本県におきまして、子育て支援策として若い世代が安心して子育てできる環境の整備に大きな役割を果たしてまいりました。この制度につきましては、子育てについてのセーフティネットの仕組みであり、本来、全国一律の水準で実施されることが望ましいことから、全国知事会等あらゆる機会を捉えまして、国に対して制度化を要望しているところです。

    県としましては、今後も引き続き国に対して早期の制度化を求めるとともに、社会情勢の変化に対応しながら、持続的で安定的な制度として維持するよう努めてまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いします。

    6.少人数学級の実施について

    次に、30人学級の実現についてです。

    感染拡大の不安を抱えながら2学期が始まり、児童生徒の感染による学級閉鎖、学校閉鎖が相次ぎました。

    変異株など感染力が強まる中、厚労省が改めて、「学校では2メートル以上間隔を開けることが望ましい」と注意喚起しているのに、教育現場を「密集」「密接」状態のままで放置するのは許されません。感染防止対策の強化のためにも早急に1クラスの人数を20人程度にする検討が必要です。

    県教育委員会が実施した「新型コロナウイルス感染症の影響に関する心のアンケート」でも、約半数の児童生徒が何らかのストレスを抱えていること、保護者の認識以上に児童生徒が高いストレスを抱えていることが明らかとなりました。

    昨年の分散登校で体験した20人程度の学級が、「こどもの不安、勉強のつまずきに寄り添い、丁寧にみることができる」と効果を発揮しました。こども達への心のケア、きめ細かな学習支援のためにも少人数学級が急がれます。

    国が、少人数学級を求める長年の要望と世論に押され、40年ぶりに学級編制の標準を見直し、小学校を35人学級としたことは大きな前進であり、今年6月の「骨太方針」では、中学校の35人学級の検討も盛り込まれました。

    しかし、教職員の確保については、加配定数の一部が基礎定数に振り替えられ、2022年度概算要求では3290人の定数改善の内、750人が加配からの振り替えです。これでは教職員総数が十分には増えません。

    いま全国25県が、小・中学校全学年で35人以下学級を実施している一方で、中学校で実施していないのは、広島、大阪、兵庫の3府県のみです。

    兵庫県は、多額の一般財源が必要になることを理由に、独自の35人学級を小学3、4年生にとどめたままです。

    国への予算要望で、加配の振り替えで定数改善を行わないように求めていますが、国の動向によらず、今度こそ、35人以下学級を県独自に進めるべきではないでしょうか。

    先の知事選挙ではすべての候補者が少人数学級の実現を公約し、斎藤知事は「30人学級について具体的に検討を進めたい」と掲げられました。30人学級を見通し、小・中学校全学年での35人学級を早急に決断すべきです。

    また、高等学校の適正規模と配置について検討している「ひょうご未来の高校教育あり方検討」は、義務教育の定数改善が大きく動いている今、40人学級を前提とするのではなく少人数学級に踏み出す時です。

    国待ちにせず、直ちに小学5・6年生、中学生全学年での35人学級を実施するとともに、速やかに30人以下学級の具体的検討に入ること。さらに、高校教育改革で高校生の30人学級を検討すること。当局の決断を求めます。

    教育長答弁 このたび、学級編制の権限と責任をもつ国において、義務標準法を改正し、小学校の学級編制の標準が令和3年度から段階的に35人に引き下げられた。加えて、来年度から5・6年生に専科教員による教科担任制が導入されることとなっている。

    このため、現在、本県が教育効果を高める観点から独自に構築している「小中学校での新学習システム」の見直しを進めている。現時点においては、検討内容を左右する教科担任制等の導入に伴う定数改善の動向が見極められないことから、教育現場が混乱しないよう、35人学級を先行的に実施することは考えていない。

    県立高校については、現在、学びたいことが学べる学校づくりを推進するため第三次実施計画の策定を行っている。その中で、少人数学級は対策の一つとは考えているが、実施には、基本的に標準法の改正が必要と考えている。

    さらに、30人学級は教育委員会としても当然期待はするものの、実施には教員、財源及び教室の確保等の多くの課題があることはご承知のとおりである。関係部局と協議は進めるものの教育格差が生じないようにという観点からは基本的には国が制度化すべきものであると考えている。

    今後とも、国の制度として少人数学級がさらに推進できるよう、定数改善、施設整備等について国に粘り強く要望していく。

    再質問 30人学級について、知事が公約に掲げていたということで、財政問題もあるということなので、知事の決断が大きく左右すると思うので、30人学級への道筋に対する見解を答弁いただきたい。

    再答弁(齋藤知事) 30人学級について、公約の方で具体化に向けて検討すると掲げている。

    一方、先ほど教育長から答弁があったとおり、30人学級の実施にあたっては、スタッフの確保や、大きなところで財政の問題、さらに、県下の神戸市内、阪神間など大規模な学校では教室が今でもかなり手狭になっている。そういった所で教室の確保ができるのか、といったことなど、様々な課題があり、そうした課題をどうやって解決していくかといったところが大事になってくる。一番大きなものは財政の問題である。そういう意味でも、将来的には、国の加配など制度化を見据えつつ、将来的な30人学級というものも1つの方向性であるが、現時点では課題があり、なかなか難しい。引き続き国に対する要望などそういう形になるかと考えている。

    7.宝塚大橋の整備について

    最後に、宝塚大橋の整備についてです。

    武庫川に架かる宝塚大橋は、1979年に全国初の「ガーデンブリッジ」として建設されました。タイル張りの歩道に彫刻や四阿、花壇が配置され、ジャングル大帝レオなど手塚治虫作品のパネルがはめ込まれた趣のある歩道は、宝塚歌劇、花のみち、手塚治虫記念館へと続く宝塚らしい景観でした。

    2018年度から長寿命化修繕計画に基づく補修工事と耐震補強工事が行われており、左岸側の橋梁補修補強の後、今年春から橋上の歩道工事が始まりました。

    築後42年が経過した橋は、想像以上に劣化が進み防水層を作る必要があったため、歩道のタイルは剥がされ、ブロンズ像などの構造物は一旦撤去されてしまいました。

    彫刻や花壇がすべて撤去された黒いアスファルト舗装の姿に、これが工事の完成形なのか⁉と市民のみならず驚きの声が次々とあげられ、宝塚の19の市民団体と美術家やまちづくりの専門家の方々が、「宝塚大橋の改修工事にともなうブロンズ像など復旧とさらなる景観整備等に関する要望」を県知事、宝塚市長にそれぞれ提出したのをはじめ、市内外からの要望がだされています。

    県当局は基本的にはブロンズ像や手塚パネルなどの再設置を表明していますが、景観と安全対策をどう両立させるかが課題で、今後、アンケートで市民の意見を集め、宝塚市景観審議会で検討を重ね、デザインを決定するとしています。

    先日開かれた宝塚市景観審議会では、県の提案したアンケートの内容について「どんなコンセプトで橋の景観づくりを進めていくのかが見えない。歴史を刻んできた景観をどう発展させていくのか方向性を示してほしい」と意見が出され、アンケート内容を再考する作業が行われています。

    県は、この宝塚大橋から花のみち、宝塚大劇場、宝来橋、宝塚温泉、宝塚南口と、武庫川を挟んで「マイタウン・マイリバー整備事業」を進めてきました。現在、未整備だった右岸側の河川敷公園整備を含む武庫川周辺散策空間整備事業が県・市連携で行われています。また、宝塚大橋は宝塚市の観光プロムナードの一部でもありまちづくりの要です。宝塚大橋の整備にあたっては、県の責任で、阪神モダニズムの息づく宝塚の歴史と文化を活かした景観、まちづくりに沿った整備を求めます。

    答弁 宝塚大橋は、昭和54年に完成した、当時から先進的な考え方の「ガーデンブリッジ」として長年市民に親しまれています。

    また、武庫川沿いのマイタウン・マイリバー整備事業や、宝塚市の観光プロムナードと一体となって、宝塚のまちづくり上も重要な意味を持つ橋でもあります。

    現在実施している工事は、耐震補強と老朽化に伴う補修を主たる目的としています。この工事にあわせた歩道部分の復旧に際しましては、維持管理への配慮、歩行者・自転車の通行空間の確保、観光プロムナードとの整合性の観点から、まずは花壇・噴水・四阿の撤去、洗い出し舗装の工事までを実施し、既に完了しています。

    残る橋の上のデザインに対しましては、ご指摘のあった市民団体の方々等からの要望書以外にも「歩行者・自転車が増え広い歩道空間が望ましい」であるとか、「何らかの橋上緑化は必要」とか、「ジェンダー平等の視点から裸婦像の再設置には反対」など多様なご意見が県や市に寄せられております。このため、新たなデザイン検討にあたりましては、ご紹介がありましたとおり、宝塚市の景観審議会の意見を聴くこととしたところです。

    1回目の審議会でご指摘のあったデザインコンセプトにつきましては、専門家の意見を基に設定することとしています。あわせてできるだけ多くの方の意見を聴くべく、WEBアンケートや利用者への現地アンケートの準備を進めています。今後、アンケート結果を踏まえた複数のデザイン案を作成し、審議会に諮ったうえで、今年度末にはデザインを決定する予定としています。

    県として、宝塚大橋が宝塚の歴史と文化に根ざしたまちづくりにふさわしいデザインとなるよう、市と共に検討を進めてまいります。

    以上

ページの先頭へ戻る