議会報告

  • 2021年06月09日
    本会議

    第354回本会議 請願討論 庄本えつこ

    私は、日本共産党県議団を代表して、上程中の請願の内、請願第43号、第44号、第46号ないし第48号について不採択ではなく、採択を求め以下討論します。

    まず、請願第43号「選択的夫婦別姓の導入へ、一日も早い民法改正を求める意見書」を国に上げることを求める請願についてです。

     

    世界経済フォーラムが公表したジェンダー平等度ランキングである2020年のグローバル・ジェンダーギャップ指数で、日本は、世界156か国中120位と、大幅に世界から遅れをとっています。

    政府は、ジェンダー平等実現に具体的に取り組むことが求められており、その中でも国連女性差別撤廃委員会が繰り返し、法律の改正を勧告している「選択的夫婦別姓の民法改正」は、喫緊の課題です。世界で夫婦同姓を法律で義務づける国は、日本だけです。国の「第5次男女共同参画基本計画」案に寄せられたパブリックコメントでは、選択的夫婦別姓の導入に「反対」の意見はゼロでした。また、日本経済新聞が行った全国の働く女性2000人に対するインターネット調査では、20代から50代の全年齢層で賛成が7割を超え、全体でも74.1%を占めています。女性の社会進出が進む中、夫婦同姓婚により「職場でこれまでのキャリアが発揮できずにいる」「身分証明や銀行口座、保険証の変更・手続きが大変」などの不利益を女性たちが被っています。

    「夫婦別姓」の選択肢がなく夫、妻ともどちらかの姓を名乗らなければならない現在の民法は、女性にとっても男性のとっても人権問題です。

    請願項目にあるように、「二人とも夫の姓を名乗る」「二人とも妻の姓を名乗る」「夫も妻も結婚前の姓を名乗りつづける」ことが自由に選択できる「「選択的夫婦別姓の民法改正」を求める意見書を国に上げること求める本請願の採択を強く主張します。

    次に、請願第44号「75歳以上の医療費窓口負担2倍化法案の撤回を求める意見書提出の件」についてです。

    75歳以上の医療費窓口負担2倍化が盛り込まれた健康保険法一部改訂法案が6月4日、参院本会議で日本共産党、立憲民主党などが反対する中、賛成多数で可決、成立しました。コロナ禍のもと国民が苦しんでいるさなかに、高齢者の命にかかわる法案を数の力で通してしまいました。

    2割への窓口負担増は当面、単身世帯で年収200万円以上、夫婦世帯では合計年収320万円以上で、約370万人が対象になり、様々な問題があります。

    第1に、負担増による受診控えで健康悪化が強く懸念されます。厚労省は、負担増による「受診行動」の変化、つまり受診抑制により、医療給付費が年間1050億円減ると試算しています。高齢者が、必要な医療が受けられなくなることを前提にしていること自体問題です。

    第2に、改定法では、2割負担の対象は「政令で定める」とされ、今後は国会に諮ることなく政府の判断で対象者の範囲をどこまでも広げることが可能になり、際限のない負担増に道を開くことになります。

    第3に、今回の2割負担導入によって軽減される現役労働者の保険料負担額は1人当たり年間たった350円、月にして30円にすぎず、政府が2割負担導入の口実にしている「現役世代の負担上昇を抑える」ことはできないということです。

    今回の法改定で負担が減るのは、国・自治体の公費負担・年980億円、事業主の保険料負担・年300億円と試算されています。制度の持続可能性や現役世代の負担軽減を本当にはかるには、減らしてきた国庫負担を元に戻すことです。

    2割負担の導入は、高齢者の生きる権利を奪うものにで、日本医師会からも「高齢者に追い打ちをかけるべきでない」との意見が出されています。県議会も昨年12月議会で「75歳以上後期高齢者医療の窓口負担2割への引き上げの慎重な対応を求める」意見書を採択しました。

    改定法案は、成立しましたが、来年度10月以降の実施まで時間があります。請願の趣旨に賛同し、採択を強く主張します。

    次に、請願第46号「1人1台のタブレット端末の自費購入方針を撤回し、県費負担による実施を求める件」についてです。

    ICT教育の推進、特にコロナ禍、オンライン授業の体制整備が求められており、高等学校においても生徒1人1台のタブレット端末を整備するなどの学習環境は必要不可欠の課題です。

    2022年度の新1年生からタブレット端末を自己負担で準備するという県教育委員会の方針に大きな批判が集まり、県費負担での実施を求める署名が広がりました。県教委は「経済的事情のある生徒には従来の貸与型奨学金制度の対象を充実した」など返済の必要な奨学金で対応させる方針でしたが、コロナの影響による家庭の経済状況の悪化を背景に、国庫補助制度ができ、県はそれを使い低所得世帯の生徒にたいし、12,000台のタブレット端末と500台のルーターを現物貸与することとしました。しかし、全高校生の1割も満たず、不十分です。

    タブレット端末は、ほかの学用品と比べても高額であること、通信環境を整備する必要もあり家庭の経済的負担は大きく、家庭の経済的格差が教育格差につながるのは必至です。

    請願の趣旨にあるように、教育の機会均等の観点からも、同じ性能のタブレット端末を全ての高校生に、自己負担なく、県によって用意すべきであり採択を強く求めます。

    次に請願第47号「コロナ禍で児童生徒の健康と学習権がまもられるために、生理用品を学校施設のトイレ個室などに設置することを求める件」についてです。

    コロナ禍、雇用状況が悪化する中、社会的に低い立場に置かれている女性の貧困問題が浮き彫りとなり、女性の自殺率も増加する等大きな社会問題となっています。

    その一つが「生理の貧困」であり、日本のみならず世界中で大きな問題となっています。

    節約のために、生理用ナプキンの交換回数を控える、トイレットペーパーで代用する、ある女子学生は生理の時は学校を休まざるを得ないなど事態は深刻です。

    世界では、生理をめぐる不平等に目を向け、ジェンダー平等を実現していく取り組み進んでいます。2013年国際NGO「WASHユナイテイッド」が、すべての人の月経衛生、健康を促進するために5月28日を「世界月経衛生デー」と提唱し、生理用品の非課税や無料配布、学校や公共施設のトイレ個室への設置などの取り組みが世界で進んでいるところです。

    日本でも国会で取り上げられ、内閣府でも地域女性活躍交付金や地域子どもの未来応援交付金を生理用品の提供に使えるよう拡充がされています。また、文部科学省では、「学校の保健室以外にも整理用品の配布を可とし、配布した生理用品の返却を求めない」との通達を出しています。生理用品の無償配布を実施している自治体は全国255に上り、県内でも尼崎市をはじめ10自治体で行われています。

    県教育委員会も、県立学校での生理用品の取り扱いの実態や生徒の状況を把握するための調査を行いましたが、126校で備蓄をしていたものの64校がPTA会費や生徒会費などで賄っていたことや、8割に当たる104校が返却を求めていることなどが明らかとなり、今後は各校の公費から生理用品を保健室へ配備することと合わせ、必要な生徒へ配布することを求める事務連絡が出されました。保健室に生理用品をもらいに行くことは、子どもたちの心に大きな負担となっていますから、大きな前進です。さらに県教育委員会は「生理の貧困」というとらえ方にとどまらず、女性が健康で文化的な生活をする権利、学習する権利を保障し、男女の差なく学習環境を整える責任を果たすことが求められています。

    そのためにも、トイレットペーパーがトイレに設置されているように、生理用品もトイレの個室へ常備することが必要です。

    よって、本請願の採択を強く求めます。

    最後に、請願第48号「刑事訴訟法の再審規定改正に向けた審議促進を求める意見書提出の件」についてです。

    日本の裁判制度は、三審制ですが、最終的に確定した有罪判決に疑いが生じたとき、裁判所に「再審請求」をおこない、認められれば裁判のやり直しが行われる規定があります。ところが、この再審を申し立てたあとの明確なルールがありません。請願者は、再審を申し立てたあとの明確なルールをつくるための法改正が必要だと述べています。

    その一つは、再審において、検察官が持っている証拠をすべて開示させる規定です。

    多くの再審事件では、もともとの裁判では明らかにされていなかった証拠、つまり検察によって隠されていた証拠が再審請求審で初めて明らかになり、「再審」が認められ、無実となった事件がたくさんあります。しかし、現行法では、検察官に開示の義務はなく、弁護士が証拠を出すように求めても、検察官が応じず、再審請求審には期限がないことから、いつまでも裁判官が対応しない場合もあります。再審請求審や最新の判断を、個々の検察官や裁判官の裁量にゆだねるのではなく、公平公正に行えるようにするためにも、すべての証拠開示をさせるルールが必要です。

    もう一つは、再審開始決定に対する検察による不服申し立ての禁止です。再審は、無実の人を救うための制度にも関わらず、検察官の不服申し立てにより、裁判が長期化し、その結果、裁判の途上、当事者とその家族が亡くなるということもあとを絶ちません。

    例えば、名張事件は47年、日野町事件は19年にわたって再審請求が続いています。いずれも1度は再審開始決定が出ているにもかかわらず、両事件の元被告人は、「再審」の機会を得られないまま亡くなっています。こうした悲劇を繰り返させないためにも、検察官の不服申し立てを禁止し、再審開始決定が出たら、裁判のやり直しを直ちに行えるようにすべきです。

    以上のように、現在の刑事訴訟法における再審規定には、課題、問題点があり、2016年に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律付則第9条第3項において「再審制度のあり方について検討すること」が求められました。よって、速やかに「再審」による裁判のやり直しが行えるように、刑事訴訟法の再審規定改正に向けた審議の促進を求める本請願の趣旨に賛同し、強く採択を求めます。

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