議会報告

  • 2021年03月04日
    本会議

    第353回本会議 最終補正予算案・関連議案への反対討論 庄本えつこ

    私は日本共産党県議会議員団を代表して、上程中の令和2年度補正予算、追加議案の内、第138号議案、第139号議案、第141号議案、第145号議案、第158号議案、第167号議案、第173号議案、第176号議案、第178号議案、第179号議案、計10件について反対し、以下主な理由を述べます。

    まず、138号議案「令和2年度兵庫県一般会計補正予算(第9号)」に関連して、第139号議案

    「令和2年度兵庫県県有環境林等特別会計補正予算(第1号)」、第141号議案「令和2年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計補正予算(第1号)」、第145号議案「令和2年度兵庫県公債費特別会計補正予算(第1号)」についてです。

    本議案には、実績減などやむを得ない補正も含まれています。しかし、日本共産党議員団が従来から事業そのものに同意していない、大阪湾岸道路西伸部事業費の増があること、約6万人の職員らの期末・勤勉手当が4.50月から4.45月へと0.05月引き下げることと合わせ、以下の理由から反対するものです。

    これらの議案には、宝塚新都市玉瀬3用地72.34ヘクタールを一般会計補正予算からの繰入金約7億7493万円と県有環境林取得事業債69億7600万円を起債し、合わせて約78億円で公共事業用地先行取得事業から県有環境林として取得。県有環境林特別会計からの売払収入約78億円を公共事業用地先行取得事業特別会計から公債費特別会計に借金返しとしての繰り出しが含まれています。

    宝塚新都市玉瀬用地は、平成2年から13年にかけ開発の見通しもないまま、約1200ha余を1000億円以上かけて県が取得した用地の一部です。県はゴルフ場開発など乱開発から県土を守るという理由を後付けしましが、その後何ら整備することなく、塩漬け用地として用地管理費と借入金利息ばかりが膨れ上がりました。過去の用地取得事業の失敗を県有環境林事業という曖昧な事業のもと、県民に十分な説明なく、県有環境林事業の効果の検証もしないまま、新たな借金を作り事業を続けていくことは認められません。

    次に第158号議案「令和2年度兵庫県地域創生整備事業特別会計補正予算」についてです。

    本議案には、小野産業団地整備費が含まれています。この地域は小野長寿の郷構想の一部であり、すでに医療・福祉機関が進出しています。構想見直しの検証もせず産業団地事業を進めるのは問題です。

    次に第167号議案「ひょうご農林水産ビジョン2030の策定」についてです。

    ビジョン案は、TPP11や日EU・EPA、日米貿易協定の発効など、経済のグローバル化のもとでの貿易自由化推進が前提となっており、輸出をすすめるためのブランド化や、大規模化に向けた集積・集約化の方策などが中心となっています。一方で、新規就農者数は、目標数の400人に達成するどころか、毎年減少しており、2030年に向けた生産年齢人口の割合の見通しは、2015年の59.8%から56.8%へ減少し、高齢化率は、同じく2015年の26.8%から32.2%に引き上げざるを得ないほど、深刻な状況を打開するものになっていません。

    農林業を基幹産業にするためには、就農者数を引き上げる抜本的方策が必要です。案では農業経営体の所得目標が掲げられていますが、そこで働く常用雇用者の所得目標や支援策がありません。さらに、国連が2019年にスタートさせた「家族農業の10年」にもとづく家族農業支援については、地域支援型農業として打ち出されているのみで、直接的支援等の方策がなく、不十分と言わざるを得ません。また、若い新規就農者の多い、環境に配慮した有機農法などをビジョンの根幹に据え、支援の強化が必要です。

    コロナ禍のもとで、農林水産物について、国内、県内での自給率向上が、ますます重要な課題になっています。その目標も明確にした将来ビジョンが必要です。

    次に第173号 淡路市浅野神田用地の処分についてです。

    この用地は、平成5年から8年にかけて無秩序な開発を防止する目的で土地開発公社が、先行取得したものですが、当時の買取価格は、分筆部分約1ヘクタール含めて、約30ヘクタールで約42億円。県は平成30年に、地元の土地利用を目的として、この間の利息6億8,000万円、管理費2億1,000万円合わせて約51億5400万円で買い戻しました。本議案はその土地を、約10分の1の5億円でパソナグループに売却するものです。売却予定地のなかに、市民の共有グランドが含まれていますが、ここは地元の子どもサッカーチームが練習するのに使っており、突然使用できなくなると通告され困惑しています。また、ほかの地元の方から「学校や住宅地に隣接しているが、説明なしに進めるのは問題だ」との声がでています。

    パソナグループに県が取得した金額の10分の1の安さで売却すること、パソナグループがこの土地をどのように使うかも全く明らかにしていない、地元住民の生活環境などの影響が大きいにもかかわらず地元住民への説明もしていないことから反対です。

    次に第176号議案「都市計画道路園田西武庫線(御園工区)道路改良工事(その3)請負契約の締結」についてです。

    園田西武庫線は、三菱電機敷地内を含め尼崎市内を東西に走る道路で、今回の議案は、御園工区の内、JR福知山線東側アンダーの函渠部、擁壁部を整備する工事の請負契約です。総事業費約198億円かけて整備するものですが、このうち約55%が三菱電機の敷地1万8600㎡の用地買収、物件移動の補償費に充てられ、合わせて108億円にも上ることから、従来から事業そのものに反対しています。

    今後整備予定の東園田側、藻川工区では、用地問題、道路設計などについて住民から、何度も要望や提案がされており、合意が得られていないことも問題です。

    最後に、第178号議案「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区谷郷池橋(たにごういけばし)上部工事請負契約の締結」、第179号議案「一般国道178号浜坂道路Ⅱ期浜坂第2トンネル(仮称)建設工事(東工区)請負契約の締結」についてです。

    これらの道路は、渋滞解消や生活の利便性などが目的の一つですが、高規格道路である必要はありません。しかもこれまでも何度も指摘してきたとおり、破綻した第5次全国総合開発計画に位置付けられたものです。全総計画は、半世紀にわたって、東京一極集中の是正を最大の目的として全国各地に高速道路を張り巡らせてきましたが、東京一極集中は是正されておりません。20年~30年も前に全総計画をもとにした県の「基幹道路八連携軸計画」は抜本的に見直すべきです。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。ありがとうございました。

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