議会報告

  • 2020年12月11日
    本会議

    第352回本会議 議案反対討論 いそみ恵子

    私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の議案の内、第113号議案、第115号議案、第123号議案、第124号議案、以上4件について反対し、討論を行います。

    まず、第113号議案「県民緑税条例の一部を改正する条例」についてです。

    県民緑税については、2006年度から5年ごとを1期として条例が改正され、県民1人当たり年間800円、企業からは、年額2,000円から8万円が課税され、併せて年間約24億円5年間で約120億円を徴収しています。本議案は4期目の改正を行おうとするものです。

    対象事業には、防災のための森林整備など、必要な事業も含まれています。しかし、今期3期目は120億円の支出のうち、災害に強い森づくり事業には88億円、まちなみ緑化事業には32億円が支出されましたが、まちなみ緑化事業には企業内の駐車場芝生化など、本来、企業が社会的責任として行うべき事業まで含まれています。

    また、2019年度からは、国事業として森林環境譲与税による森林整備が新たに行われています。本事業は2023年度までは借入金などを原資として行われ、2019年度は兵庫県と県内市町に併せて約6億円が国から譲与されました。2024年度からは復興税の市民税加算分が廃止されることに伴い、新たに国民一人当たり1000円の森林環境税が徴収されます。県民にとって県民緑税と共に、2重の負担が課せられることになります。

    防災のための森林整備などは、必要な事業ですが、コロナ禍のもとで消費税の増税、社会保障における負担増、物価高に加え、県民の実質賃金が低下しているもとでの5年間の制度延長にも賛同できません。

    次に、第115議案「国民健康保険事業の運営に関する条例の一部を改正する条例」についてです。

    この条例改定は、国民健康保険の保険料水準の統一を進めるため、県が市町から徴収する国民健康保険事業費納付金の算定において、これまで年齢構成調整後の医療費指数を乗じて納付金を算出してきたものを、医療費指数を反映させないように変更するものです。

    2018年4月にスタートした国保の都道府県化に対し、国保財政をこれまでの市町から都道府県に集約し、「納付金」「標準保険料率」「国保運営方針」「保険者努力支援制度」などを導入し、医療費抑制や、保険料を抑制するための市町独自の公費繰り入れ(法定外繰入)解消を求め、結果、今でも高すぎる国保料を引き下げるどころか、国保料引き上げにつながると日本共産党県議団は、反対してきました。

    今回の納付金算定に「医療費指数を反映させない」という改定は、将来的な同一所得・同一保険料の実現に向けての対応であり、現在、医療費水準の低いところは納付金の増額が見込まれ、県の2号繰入金で、医療費適正化等へのインセンティブ制度を設けるとしていますが、時限的な措置であり、全体として医療費抑制と、統一に向かって保険料引き上げのレールを敷くもので、容認できません。

    持続可能な国保制度にするためには、協会健保や組合健保と比べても高すぎる国保料を引き下げるために、国に対し、せめて1兆円程度の公費負担の増額をもとめ、協会けんぽなみに引き下げること、子どもの均等割減免など県独自の減免制度などをつくり、負担軽減を図ることなどを行うべきです。

    次に、第123号議案「都市計画道路園田西武庫線(御園工区)道路改良工事(その2)請負契約の締結」についてです。

    園田西武庫線は、三菱電機敷地内を含め尼崎市内を東西に走る道路で、今回の議案は、御園工区の内、JR福知山線西側アンダーの擁壁部を整備する工事の請負契約で、約7億円かけて行う工事です。

    総事業費約198億円のうち約55%が三菱電機の敷地1万8600㎡の用地買収、物件移動の補償費に充てられ、その額は、約108億円にも上ることから、日本共産党県議団は、従来から事業そのものに反対しています。また、今後整備予定の東園田側、藻川工区では、用地問題、道路設計などについて住民から、何度も要望や提案がされており、合意が得られていないことも問題です。

    最後に、第124号議案「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区下村第5高架橋上部工事請負契約の締結」についてです。

    東播磨道は、これまで何度も日本共産党県議団が指摘してきたとおり、破綻した第5次全国総合開発計画に位置付けられた高規格道路です。全総計画は、半世紀にわたって、東京一極集中の是正を最大の目的として全国各地に高速道路を張り巡らせてきましたが、東京一極集中は是正されるどころか加速するばかりです。20年~30年も前に全総計画で位置づけられた、「基幹道路八連携軸計画」を抜本的に見直すべきです。

    東播磨道は、渋滞解消を整備目的としていますが、南工区を整備したことにより、かえって南北交通量は、7500台増加し、南北から加古川バイパスに車を呼び込んだことによって、加古川バイパス東西交通の渋滞は、以前に増して悪化しています。

    人口減少がますます進む中、労働人口も自動車保有台数も減っていくのは必至で、新型コロナウイルス感染危機のもと緊急事態宣言の際には、テレワークや分散通勤などで、交通量は大きく減少しています。ポストコロナ社会では、さらにテレワークや分散通勤などが定着していくことは間違いありません。今後、高速道路の在り方も見直す必要があることから本議案に賛同できません。

    以上、議員各位の賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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