議会報告

  • 2020年10月15日
    予算・決算特別委員会

    2019年度決算特別委員会 病院局・企業庁 庄本えつこ

    ○庄本えつこ委員 日本共産党県会議員団、尼崎市選出の庄本えつこである。

    コロナ危機に対し、皆様をはじめ全ての医療従事者に感謝を申し上げたいと思う。

    さて、コロナ禍で改めて浮上した問題が、感染症病床の少なさです。1998年には、全国で感染症指定病床は9,060床あったものが、2019年には1,869床へ、兵庫県では2000年には第1種が2床、第2種が46床、結核病床が831床だったものが、2020年は第1種床、第2種50床、結核病床が150床と、8割も減らされた。

    感染症病床を削減してきた弊害として、病床が少なくなれば、当然、感染症専門医や専門知識を持った看護師も少なくなるということである。全国的には、重症化する患者数の増加した際に、ECMOを使えるスタッフがいないという状況も生まれたとのことです。また、感染症防止の知識不足により院内感染が起こってしまう事態もあった。

    そのような中、尼崎総合医療センター、加古川医療センターでは、職員に陽性者が出たが院内感染は起こさなかった。感染症指定医療機関として、陰圧措置など厳しい施設基準があり、感染症医療経験を有する医師のもと、指示系統も確立され、日頃から防護服の着脱や動線確認など、適宜実施訓練を行って備えていたからだと考える。

    ところで、中川日本医師会現会長は、地域医療構想では、進行感染症に対する医療提供体制の確保という視点が欠落していた。平時にぎりぎりの医療提供体制では駄目だと述べている。

    兵庫県も、各圏地域医療構想調整会議に対し厚労省の通知に基づき新型コロナウイルス感染症対策において各医療機関が果たしてきた役割等も踏まえつつ、地域の実情に応じて医療機関の自主的な取組を基本として必要な検討をすることを求めている。

    そこで、現在建設中の県立はりまひめじ総合医療センター(仮称)と県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編整備においては感染症病床を設置すべきと考えるが、いかがであろうか。

    ○病院局企画課長(柏木英士) 感染症病床については、県では保健医療計画の改定に合わせて、2次医療圏ごとに国の配置基準に基づいた必要数が算定されており、現在の国の基準に当てはめると、第1種・2種合わせた48床に対し、基準を超過する54床を確保している状況にあると聞いているため、追加の感染症を増床するということについては、課題があるのではないかと認識している。

    現在、県立病院では1種、2種を合わせ24床の感染症病床を整備しているが、今回のコロナウイルス感染症の対応に当たっては、もとより感染症病床のみで対応するものでなく、動線の確保や診療機能の両立を見極め、一般病棟を転用して対応したところである。

    委員ご指摘の姫路並びに西宮の新病院の整備に当たっても、感染症病床の指定にこだわらず、通常時は一般患者に対応しつつ、感染症流行時には感染症患者の受入が可能となるよう、一部の病棟の陰圧設備の強化や、感染症流行時の専用動線の確保など、実質的な機能を備えたものとなるよう意を用いているところである。

    新病院で感染症に対応する病床数については、病院運用の検討や設計作業の中で今後詳細を検討することとしているが、経営効率も念頭に、新病院における感染症対応機能の充実・強化を図っていく。

    ○庄本えつこ委員 中川会長の言葉も、しっかりかみしめていただきたいと思う。国基準ということは重々承知であるが、その上での提起であるので、よろしくお願いする。

    次に、リハビリテーション運営損費の単価についてである。

    昨年、兵庫県立リハビリテーション中央病院を訪問した。リハビリテーション医療において、安全で質の高い医療を提供され、特に人工関節置換手術においては、県下でも有数の手術件数を誇るとのことで、本当に安心した。

    ところが、経営状態を見ると、様々な経営努力をし黒字を続けておられるが、純損益を見ると、2017年度は約6,500万円だったのが、2018年度は約1,100万円、2019年度は1,200万円と、黒字幅が抑えられている。

    この要因となっているのが、リハビリテーション運営損費の地財単価が2017年度1,O62円だったのが、2018年度706円に、2019年度587円にと半分近く引き下げられ、それに伴い県からの指定管理料が2017年度4,050万円から2018年度3,004万円、2019年度は2,745万円に引き下げられたことによるものである。

    リハビリテーション中央病院の院長は、当時、単価が引き下げられ経営が苦しくなっている。様々な努力はしているが、人員配置にも影響しかねないなどと不安を語られていた。

    県として、中央リハビリテーション病院やリハビリテーション西播磨病院にリハビリテーション医療での更なる役割を発揮してもらい、安定した経営を進めてもらうためにも、リハビリテーション運営損費の地財単価の引上げを国に求めるとともに、県としても支援措置を検討すべきだと考えるが、いかがであろうか。

    ○病院局経営課長(山平和雄) 地財単価については、毎年度、総務省から示される地方財政計画や地方公営企業繰出金通知、いわゆる繰出基準で定められており、本県の一般会計繰出金については、その繰出基準に基づき算定することを基本としている。

    委員ご指摘のリハビリテーション運営損費についても、地方財政計画の歳出の公営企業繰出金の算定基礎として患者一人当たり単価が定められており、本県の一般会計繰出金の算定に当たっても、この単価を用いている。

    地財単価については、詳細には明らかにされていないが、毎年、総務省が病院の経営状況等に基づき算定をし、毎年度の運営損費として必要な額を算定しているものと認識をしている。

    リハビリテーション運営損費の一人当たり単価であるが、28年度の地財単価が1,062円、29年度は706円、30年度は587円と減少傾向にあったが、令和元年度は588円、令和2年度は618円と下げ止まり傾向にある。

    リハビリテーション中央病院、西播磨病院とも単価の引下げに対して、適正な診療報酬の算定や医薬品・診療材料価格の価格交渉の強化など、経営改善に取り組み、令和元年度決算においても黒字を確保している。

    地財単価が下げ止まっていることから、今後の指定管理料は一定程度増加していくものと考えているが、今後とも、指定管理を行っているリハビリテーション中央病院、西播磨病院の経営に支障が生じることのないよう適切に対応していく。

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