議会報告
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○庄本えつこ委員 日本共産党県会議員団、尼崎市選出の庄本えつこである。
県立学校の特別教室の空調設備について伺う。
今年は新型コロナウイルス感染拡大の中、学校が一斉休業になり、6月1日から再開されたが、カリキュラム等の関係で夏休みが短縮された。暑い夏の登校が多くなり、教育環境としては、大変な状況だったと考える。
地球温暖化でいつにも増して暑い夏で、兵庫県の8月1ヵ月の熱中症救急搬送数は2,005人で、昨年より331人も多く、教育機関での発症が71件も起きている。学校教室の空調設備はもはや必須条件だと思う。いただいた資料によると、公立学校施設の空調設備において普通教室は全学校で100%の整備率となっているが、特別教室では、小・中・高、特別支援学校を含め、62.1%にとどまっている。とりわけ高校の特別教室での空調設置率は全国でも46.8%と低いが、兵庫県においては、わずか34.7%である。県立学校特別教室の空調設置については、県立学校施設管理実施計画の長寿命化改修に位置づけて、順次行うとのことである。
そこでまず、県立学校の特別教室での空調設置がどれくらい進んでいるのか、現状についてと、今年度の新たな設置数、来年度の設置計画など、取組はどうなっているのか伺う。
○財務課長(中野恭典) 県立高等学校及び特別支援学校の教育環境については、全校で163校あるということから、計画的に進めていかざるを得ないというふうに考えている。
また、全ての学校で教室等の空調整備を行うためには、8,244室、金額にして約320億円が必要となることから、各教室等の使用頻度を考慮し、平成22年度から段階的に整備を進めてきている。
このため、県立高校の空調整備に当たっては、まずは日頃から学習活動に欠かせない普通教室2,211室について、毎年度約15校程度整備を進め、平成30年度に完了した。
特別教室については、4,634室のうち、騒音などによる環境阻害地域対象校に対する全館空調の整備や各学校のコンピューター教室、図書室等への整備により、これまで1,607室に整備し、整備率は34.7%となっている。
本年度からは、その他の特別教室の整備に着手しているところである。
予算がなかなか厳しい状況ではあるが、できるだけ早期の完了を目指し、計画的な整備を進めていきたいと考えている。
○庄本えつこ委員 私の友人の子供は美術科コースのある高校に通っているが、美術室に空調がなく、暑過ぎて学校に行きたくなくなると話している。空調がなければ、夏の暑い日の教室では当然30度を超える日も増える。集中して物事を考え、作品をつくり上げる環境とはとても言えない。
2018年4月1日から施行された学校衛生基準では、それまで10度から30度とされていた教室などでの望ましい温度が17度から28度と制定された。この基準を踏まえても、県立高校での特別教室の空調設備設置は急ぐ必要がある。できるだけ早期に100%の整備を進められるよう計画を前倒しして行うことを求めるが、今後の整備計画はどうなっているか伺う。
○財務課長(中野恭典) 県立高校における未整備の特別教室3,027室への整備については、特別教室は通常、普通教室の1.5倍から2倍と広いこと、それから、複数の棟にまたがる配置であるとか、フロアが各階に点在する配置になっているなど、導入コストが普通教室の2倍以上、約135億円が必要となるため、優先順位の高い教室から順次整備を進めていく必要があると考える。
このため、夏場でも窓を閉め切る必要がある音楽室であるとか書道室、室内温度が高くなる調理室や被服室などを整備することとしている。
本年度から着手している高等学校特別教室の整備では、優先順位の高いこれらの5教室を基本に、毎年度20校程度の整備を進めていく予定としている。
全ての県立学校にこれら特別教室5室への整備が完了するまでには約8年程度要すると見られるが、予算の状況に応じて、できるだけ早期の完了を目指して、計画的な整備を進めていきたいと考えている。
○庄本えつこ委員 予算をしっかり確保して、更なる前倒しを求めて次の質問に移る。
県立高校でのタブレット端末についてである。
兵庫県立学校ICTを用いた学習環境整備計画に基づき、2019年度から無線LAN、生徒用タブレット、パソコン、大型提示装置などの各種ICTの機器の整備が始まっている。
コロナ禍において、遠隔授業などのためにICT環境の整備が求められ、前倒しで実施されている。その中で、高等学校等のタブレット端末について2020年度はリース形式で整備、しかし、2022年度の新入生からは自費で購入ということに対し、大きな衝撃が走った。シングルで3人の子供を育てている私の友人が、とんでもない、そんな高いもの買えないと怒り、保護者の間で炎上しているとの声が寄せられた。
高校入学の際には新たな制服、教科書、部活など、家庭の経済的負担は大きい。その上、タブレットの購入が課されるとなると、その負担はより深刻なものになる。件は新たに貸与制度を拡充し、タブレット端末等購入費等の募集案内をしているが、現行の奨学金制度に上乗せしたもので、タブレット端末購入費だけでは使えません。返済が伴う貸与制はちゅうちょする家庭も多く、家庭の経済格差が教育格差につながりかねない。また、全員が同じタブレットを持つということがとても大切だと考えている。タブレット端末等の自費購入方針は見直し、県費負担で1人1台のタブレット端末が行き渡るようにすべきだが、いかがか。
○教育企画課長(髙橋伸之) 午前中、門委員にもご答弁申し上げたけれども、県教育委員会としては、県内の義務教育段階にある小・中学校で、1人1台の端末環境が実現する中、高等学校段階においても同様の学習環境は不可欠であると考えている。このため、これまでご答弁してきたとおり、家庭でも端末を用いた学習が行えるように、BYODの導入を進めることとしてきた。
高等学校では、義務教育段階とは異なり、教科書も自己負担、学用品等も個人の所有物として購入しており、端末についても同様の取扱になると考える。
しかしながら、委員ご紹介あったとおり、経済的な事情のあるご家庭には、従来の奨学金制度に加え、端末購入に係る奨学資金貸与制度を拡充しているところである。
今後とも、様々な場を通じて、保護者の方々にご理解賜れるように説明を尽くしていきたいと考えている。
○庄本えつこ委員 佐賀県では、門委員のご紹介にもあったように、県費でやっているということもある。県費でやっていくところが増えていくのではないかと思われる。兵庫県は本当に未来を担う子供たちに、もっと優しい教育環境をつくっていただくようにお願いをして質問を終わる。ありがとうございました。