議会報告
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○庄本えつ子委員 日本共産党県会議員団、尼崎選出の庄本えつ子である。
男女共同参画に基づいて質問をさせていただく。
ひょうご男女いきいきプラン2020、そして、ひょうごアクション8見直しに関連してである。
ただ、ちょっとその前に、私自身は男女共同参画という言葉そのものにちょっと意見があるというか、性は多様であるので、男性も女性もそうでない人も全ての人が自分らしく生きていける社会ということからすると、ジェンダー平等という言葉が本当は必要なのではないかなと思っているところである。実際に国が国連に提出している英訳文はジェンダーイコーリティであるので、そのことを踏まえて質問させていただきたいと思う。
コロナ禍では、日本の深刻なジェンダー格差が改めて浮き彫りになった。女性労働者が多く占めるパート、派遣で雇い止めが広がり、一律休校による子供たちのケア負担も女性に集中した。10万円の給付金受取り人を原則世帯主の口座振込みにしたということも問題になった。このことを踏まえて質疑する。
政府は、第5次男女共同参画基本計画を年内に策定する作業を今進めている。兵庫県もひょうご男女生き生きプラン2020、ひょうごアクション8の見直しの時期を迎えている。政府の示した第5次計画案は2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にするという目標達成を断念し、20年代の可能な限り早期に先送りした。しかも目標が社会全体で十分共有されなかったなどと国民に責任を押し付け、目標を達成できなかったことへの反省はない。
兵庫県では、県における女性管理職に比率において、今年度末の目標の15%を達成した。策定時の2017年度の7.1%に比べれば2倍以上になり、努力してきた結果であるが、この目標自体が低過ぎると思うが、いかがか。
○男女家庭課長(赤松和則) ひょうご男女いきいきプラン等の改定についての質問というふうに受け取っている。
本県では、平成28年度から第3次兵庫県男女共同参画計画に基づいて、全ての女性の活躍や仕事と生活の両立支援など五つの重点目標を柱に取組を進めており、計画の数値目標については、5ヵ年計画の4年が経過した今年4月1日時点で、全26項目中16項目が80%以上の達成率となっており、先ほどおっしゃられた県における女性管理職比率は、計画策定時の7.1%から2倍以上となる15.0%に上昇し、目標を達成しているところである。
この15%について低いのではないかというお話であるが、7.1%のところが2倍で15%になっているので、今年度目標を達成したというところで高く設定をしていると15%をまだ達成をしていないというところであるので、今回の計画については15%で達成をさせていただいた。
以上である。
○庄本えつ子委員 15%ということであるが、ひょうごアクション8を策定するに当たって、2017年11月から12月にかけて行われた男女共同参画に関する職員意識、実態調査によると、管理、監督職等の上位職になることについて、30代以下の女性職員の38.9%が全く魅力を感じていないと回答、その理由として、責任が重く、それ以上のメリットを感じられないが80.9%、仕事と家庭の両立が困難が59.1%と約6割となっている。
一方、女性の管理職などに限定すると、魅力を感じているは40.8%に上っている。だからこそ思い切った女性幹部の登用と女性が仕事と家庭の両立ができる体制が必要ではないか。
国連をはじめ、世界は2030年までに男女の完全な平等、50%、50%を掲げ、努力が始まっている。女性の能力を十分に発揮するには高い目標を持つべきだと考える。それで、いきいきプラン、アクション8の見直しについては、女性の管理職を思い切って増やすために早期に30%、2030年までには50%目標を掲げるべきだと思うが、いかがか。
○男女家庭課長(赤松和則) 県の女性管理職の比率についてのアクション8のことについての質問と受け取っている。
今年度、アクション8は改定中であって、先ほども女性の管理職の割合は15%ということで、今回は女性の職員の6級まで、係長までの職員さんを対象に研修を募って、現在、二十数名の方がチャレンジ研修ということで、県の女性の幹部であるとか、からいろんなお話を聞いて、上位職にチャレンジしていくといったことができるような研修もしておるところである。
アクション8の目標数値については、今年度、計画が満了することで、次年度に向けてまた、次期計画に向けてまた検討していくのであるが、今回10月から庁内のワーキンググループとか、また、職員のアンケートをとって、関係部局が、これはアクション8を私どもだけではなく、関係部局があるので、関係部局と調整を図って、数値目標については検討していきたいと考えている。
以上である。
○庄本えつ子委員 ぜひ高い数値目標を持っていただきたいと思う。
それで、女性が仕事と家庭の両立をしていくためにも、男性の育児参加が必要である。午前中にもそういう質疑があったが、兵庫県の男性の育児休暇取得率は対象者全体の12.1%である。希望者が少ないなというふうに思っている。男性の育児休業について、意識調査では、職場の上司や同僚に迷惑がかかるが約50%もあり、取得しづらいことが分かる。県は男性職員の育児休暇取得を促すために、子育てサポートミーティングを行い、具体的な支援として育児参加休暇等取得スケジュール表、子育て支援制度利用計画書の策定を行っている。県としての努力であるが、気になる文言があった。有給の育児時間の取得について、男性職員が保育しなければならない場合となっている。結局、育児は女性が担うのが当たり前という発想だとそこから来ていると思うので、ジェンダー平等の視点から外れていると思っているので、これはぜひ考えて、検討していただきたいというふうに思っているところである。
休みにくいという意識を持ってしまうというのは、行革により大幅に職員を減らしてきたことにも大きな要因があると考える。男性の育児休業取得を増やすためには、意識改革とともに人員を増やして、気兼ねなく休める体制が必要だと考える。男性も女性も全ての人が生き生き自分らしく働くためには人員を増やすことが大切だと思うのであるが、いかがか。
○男女家庭課長(赤松和則) 男女の人員を増やすというお話だったと思うが、男女家庭課で所管をしているのが今、お答えしているひょうご男女いきいきプランの計画であるので、その人員のことについてはちょっとここではお答えができない、私からではお答えができないということで、それで、男性のお話が先ほどあったので、それについて、今回、男女共同参画計画という、アクション8のまだ上の計画を今、改定をしておるところであって、先ほど重点目標を柱に進めているというところであるが、これの次期計画については今、男女共同参画審議会というところで現状分析であるとか、今の取組の検証を行ってもらっているところである。
その中において、今回、五つの重点目標があるが、それについて、委員おっしゃっておられた、男性に関する重点目標の新設というのを今、審議をしていただいておるところである。
今後、男性に関する目標を新設ということも踏まえて、今後、県民の方々とか、県議会の意見を伺いながら計画を策定していきたいというふうに考えているので。
以上である。
○庄本えつ子委員 いきいきプラン、アクション8の見直しについては本当にジェンダー平等の視点を貫くことを要望して次の質問に移りたいと思う。
二つ目であるが、1問目とももちろん大きく関わる問題である。LGBTなどの性的マイノリティーの方たちの人権と生活向上についてである。
2015年に電通が約7万人を対象に行った調査で、7.6%、約13人に1人がLGBTに該当すると答えている。どういう立場や分野の問題でもマイノリティーの方々が肩身の狭い思いで生活せざるを得なかったり、差別は偏見のためにありのままの自分を肯定できなかったりすれば、それは健全な社会とは言えない。
この間、性の多様性を認め合い、性的マイノリティーへの差別をなくし、誰もが個人の尊厳を尊重される社会の実現を求める運動が大きく広がり、行政や社会を動かしてきた。
しかし、社会の理解はまだ十分ではないと思う。その一つにトイレ問題がある。日本のトイレの当たり前は世界の当たり前ではない。日本は基本的に女子トイレ、男子トイレ、多機能トイレという誰でもトイレというのがあるが、本当にそれで良いのであろうか。
ここで写真を見ていただきたいと思う。
これは、スウェーデンの駅のトイレの写真である。スウェーデンのトイレは駅でも学校でも男女に分かれる入口のない男女共用の個室タイプで、中に手洗い機能がついており、知らない人と顔を合わせる必要がなく、ストレスフリーである。以前私は誰でもトイレを設置すれば、性的マイノリティーの方たちにとって良いのだと思っていたのであるが、本当に認識不足であった。マイノリティー向けの特別メニューを追加するという発想は、男性、女性、性的マイノリティーの枠を決めるということになる。女子トイレがあり、男子トイレがあり、性的マイノリティーの方が誰でもトイレに入るというのは、そのたびにそのマイノリティーであることを自分に定義し、また、周囲に示すことになる可能性がある。だから、全てのトイレが男女共用の個室タイプであれば何の問題もないと考えるものである。
今後、県の施設、学校も含めて、トイレについてはシンプルな男女共用の個室タイプにしていっていただきたいと思うが、いかがか。
○男女家庭課長(赤松和則) 通告にあった性的マイノリティーへの対応ということで、男女いきいきプランとひょうごアクション8の改定ということで、私がここに立っているのであるが、お手洗いの改定、改善とかについては、県立施設である、については、所管にはならないので、ちょっとこちらでお答えするのは非常に難しいところであるので申し訳ない。
○庄本えつ子委員 失礼した。法律の問題は合理性がなくなれば法律を変えていけばいい問題なので、やっていきたいと思っている。
この男女共用のトイレを必要としている方というのは、例えば小さい娘さんを連れている父親とか、それから、障害者の介助者で異性の場合とか、また、前立腺がんを患った方々など、本当に必要な方がたくさんいらっしゃるので、これからもいろんなところでそこを考えていっていただきたいなというふうに思っているところである。
兵庫県の公的書類の不必要な性別欄、これを撤廃を以前私要望したことがあって、県は今、取り組んでいるというところである。
そのほか、お金がかからなくても、身近な生活の中ですぐに変えることができることがたくさんある。例えば、戸籍変更していないトランスジェンダーの方に配慮して、病院とか、それから自治体の窓口で個人名を呼ぶときに、姓名ではなく、番号で呼ぶこととか、例えば幼稚園とか保育園でのお誕生日メダルのリボンの色を自分の、子供の好きな色を選ばせるとか、そういう本当に身近なことから考えて、一緒に変えていきたい、ジェンダー平等の社会を一緒につくっていきたいなと思っているところである。
さて、マイノリティーの方たちの権利を保障するために、同性婚を認めることは世界的潮流になっているが、いまだ日本は認めていない。
一方、同性のカップルらを婚姻に相当すると自治体が公的に認め、証明書を発行するパートナーシップ制度の導入が広がっている。
現在導入しているのは、茨城県、大阪府など2府県57市区町で、今年度末までに10市が導入を予定している。県内では宝塚、三田、尼崎、伊丹、芦屋、川西の6市で、本年度末までに明石市が導入予定である。公営住宅の入居、緊急時の病院での面会などで親族同様の扱いを受ける、携帯電話の家族割引や生命保険の受取り、住宅ローンを組むなど、民間のサービスも受けられる。自治体によっては家賃補助や災害時の給付金の対象にもなる。兵庫県は県営住宅入居に関し、性的マイノリティーの方にも対応を検討することになっているが、個別の施策ではなく、県としてパートナーシップ制度の導入をすべきだと思うが、いかがか。
○男女家庭課長(赤松和則) パートナーシップ制度については、先ほどおっしゃられた県内6市で導入されている。
県としては、申請制度は導入している市町や国の法整備の動向を注視しながら、LGBT、少数者に対する社会理解促進に努めていきたいと考えているのでよろしくお願いする。
○庄本えつ子委員 ありがとうございました。憲法24条1項の両性の合意ということは男女のことだというのが政府の言い分になっている。それで、法律を法整備をしないということになっているが、憲法がわざわざ男女と言わずに両性としたのは、戦前の家制度の下、本人の意思とは無関係に父母や戸主の言いなりに結婚させられてきた婚姻の形態を抜本的に変えて、個人の尊重の理念の下に本人たちの合意だけで結婚できるように定めたものである。
制定趣旨に照らせば、異性カップル以外の結婚を禁じたものではなく、むしろ性別を問わず、全ての人に婚姻の自由を保障しているものであり、同性婚を認めることは憲法の精神に沿ったものだと思う。法整備が今本当に必要だと思っている。だからこそ同性カップルらの権利保障を進めるパートナーシップ制度の導入が求められている。県としての導入をぜひ前向きに検討していただくことを求めて質問を終わる。
ありがとうございました。