議会報告

  • 2020年10月06日
    予算・決算特別委員会

    2019年度決算特別委員会 財政状況 庄本えつこ


    ○庄本えつこ委員 日本共産党の庄本えつこである。

    地方消費税の税収について、まずお伺いをする。

    2019年度決算では、実質単年度収支がマイナス3億9,000万円で12年ぶりに赤字、実質収支は2,500万円で43年間で黒字幅が最小という厳しい収支決算になっている。厳しい2019年度の収支決算の要因は、経済の不活性化による企業業績の鈍化などにより、県税収入が減少したということと言われている。県税収入については、ほぼどの項目も前年比マイナスとなっているが、際立つのは2019年10月1日消費税を8%から10%へ増税したことにより、大きな税収が見込まれていた地方消費税収である。

    そこで、当初予算で見込んだ10%への増税による前年度比増収分、地方消費税収全体の前年度増収分、決算精算後での10%への増収分と、地方消費税全体の増収分は幾らになるかお答えください。

    ○税務課長(成田徹一) 令和元年度当初予算では、精算後の8%から10%への税率引上げ分は41億6,600万円、精算後の地方消費税全体は平成30年度決算に対して100億800万円の増収を見込んだところである。

    令和元年度決算においては、精算後の8%から10%への税率引上げ分は36億7,300万円、精算後の地方消費税全体は平成30年度決算に対して5億3,900万円の減収となったものである。

    ○庄本えつこ委員 今、数字をお答えいただいたが、いただいた兵庫の決算のとはちょっと数字が違っているが、それに基づいて作ったグラフをお見せしたいと思う。

    1のほうである。最初にいただいてた数字で申し上げるが、当初予算で見込んだ増税による増収分は46億円、全体では56億円、決算精算後では増税による増収分はなくて、精算後は全体で約5億円の減収となっている。

    消費税の税率引上げで増収を見込んだにもかかわらず減収になっている。約5億円の減収になっている。県はこの間、消費税は社会保障を支えるための安定した財源として増税が必要と、国と肩を並べて消費税増税を推進してきた。しかし、実態は消費税増税をした途端に減収になってしまっている。なぜ、消費税税収が増税分も見込めないどころか、税収が下がったのか、どう考えておられるのかお答えください。

    ○税務課長(成田徹一) 令和元年度当初予算においては、民間研究機関の経済見通し等で輸入額が伸びると見込まれていたことから、消費税の貨物割が111億6,500万円程度増収となると見込んでいたところ、米中の貿易摩擦に端を発した世界経済の減速により貨物割が減収、これが116億100万円となったことから、また大都市の税収が大きく落ち込み、清算金収入が減少した、これが66億4,700万円、このことにより減収となったものと考えている。

    ○庄本えつこ委員 消費税を引き上げた昨年10月以降のGDPは9月8日に政府が発表した四半期別速報によると、増税直後の昨年10月から12月で年率換算マイナス7.0%、今年の1月から3月でGDPは年率換算でマイナス2.3%と2期連続でマイナスをしている。そしてコロナの影響が大きく反映した4月から6月期は年率換算で28.1%と戦後最悪級となっている。先ほどの答弁では、まあ何と言いますか、輸入頼みというふうに聞こえているが、やはりGDPそのものが落ち込んでいるというふうに考えるべきではないかと思っている。

    GDPの落ち込みの要因は、その消費の中心となっている消費の6割以上を占める個人消費が消費税増税によって落ち込んだことにあると考えているが、消費税増税後、家計消費支出がどうなっているのか、お考えをお答えください。

    ○統計課長(梶本 出) 総務省実施の家計調査によると、全国の家計消費支出について昨年消費税率引上げ後の10月から12月の四半期において、総世帯で月平均は24万7,264円、前年同期比3.0%の減、うち2人以上の勤労者世帯で月額31万8,184円、前年同期比1.6%の減となっている。

    ○庄本えつこ委員 また、グラフを見ていただきたいと思うが、グラフ2のほうである。これは2人以上世帯の実質消費支出について、年額換算にして季節調整を行ったものである。増税前の駆け込み需要があったものの、増税後は増税前よりも落ち込んだまま、330万円台で推移している。3月以降はコロナの危機により更に落ち込み、299万円代となっている。消費支出減となっている。

    結局、経済対策としても安定した税収確保という点でも、消費税10%への増税は失敗だったということだと思う。これをぜひ認めていただき、反省すべきではないかと思っている。そのことに対して、決算を通じての県の認識をお伺いしたいと思う。

    ○税務課長(成田徹一) 消費税は、社会保障の充実や幼児教育・保育の無償化などを支える財源であり、安定的な税収を確保することは今後の日本の財政構造の安定化に必要である。

    昨年の消費税率引上げに当たり、引上げ前後の消費を平準化するための支援策として、キャッシュレス消費者還元事業やプレミアム付商品券事業などが実施されたほか、軽減税率制度が導入され、家計消費の4分の1を占める飲食料品は消費税率8%のままで据え置かれるなど、一定の経済対策が講じられている。

    しかしながら先ほども申し上げたが、昨年度は米中貿易摩擦による中国経済の減速等の影響により輸入額が減少したことに伴い、地方消費税の貨物割が減収となったこと、大都市の税収が大きく落ち込み清算金収入が減少したことにより減収になったものと考えている。

    消費税は、税収が景気に左右されやすい法人関係税などに比べて安定性があること、働く世代など特定の方に負担が集中しないこと、地方間の偏在性が少ないこと、高い財源調達力があることから、安定財源として望ましいものと考えているところである。

    ○庄本えつこ委員 今お答えいただいたが、確かにキャッシュレスとかプレミアム商品券とかあったが、それが切れた後が本当に心配だというのが商売をなさっている方々の声である。もうそれがなくなったら、特にこのコロナ危機の中で本当に消費税増税が覆いかぶさってくる、これ私たちに寄せられた言葉であるので、ぜひその点はしっかりと見ていただきたいと思う。

    また、県は今年の3月にコロナ対応として所得税や消費税の負担軽減を臨時特例的に行うことを国に要望、この間は地方消費税の減収に対する減収補填債を国に求めている。しかし、そもそも消費税10%への増税そのものが景気、税収に悪影響を及ぼしているわけであるから、そのことを認めた上で、国に対し緊急に消費税をまず5%へ減税すること、そして応能負担の原則でこれまで引下げ続けている法人税率の引上げ、高額所得者の所得税率引上げなどを国に強く求めて税収の改善を促すことを求めるが、いかがか。

    ○税務課長(成田徹一) 消費税は先ほども申し上げたとおり、社会保障の充実や幼児教育・保育の無償化等を支える財源であり、安定的な税収を確保することは、今後の日本の財政構造の安定化に必要なものである。財政の健全化と社会保障の安定財源の確保を同時に達成することを目指す観点から、消費税率の5%の引下げは困難なものと考えている。

    また、法人税も含めた法人に対する税負担そのものの在り方については、国において様々な角度から適切に検討されるべきものと認識している。

    今後とも国・地方の安定財源の確保のため、所得・消費・資産のバランスのとれた税制の構築について国に求めてまいりたいというふうに考えている。

    ○庄本えつこ委員 福祉の財源ということをよく言うが、実際この間福祉はどんどん切り下げられているというのが国民の実感だと思う。実態であるし、また消費税は低所得者ほど重くのしかかる天下の悪税と言われているので、そこも考えていただきたいというふうに思っている。

    続いて、投資的経費についてお伺いする。

    投資的経費について、前年度比プラス82億円、103.6%の2,378億円となっている。これは当初予算の2,240億円よりもプラス138億円、106.2%となっている。全体として、国の防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策に対応した防災・減災事業などが、当初よりも投資的経費を押し上げている要因となっている。

    しかし一方で、今年2月に組まれた緊急経済対策には防災・減災対策事業として東播磨道北工区、浜坂道路Ⅱ期工事が含まれている。また、直轄事業として、北近畿豊岡自動車道なども含まれている。これらの道路は全総計画などによって地域高規格道路として位置付けられ、工事が継続して行われている。そもそも、どのような目的で事業が始まったのか教えてください。

    ○道路企画課長(宇野文章) 地域高規格道路は、高規格幹線道路を補完し、地域の自立的発展や地域間の連携を支える、規格の高い一般国道及び主要地方道等である。

    東播磨道の整備目的は、一つに所要時間の短縮による東播磨と北播磨地域の連携・交流の促進、二つに東播磨地域の南北交通の渋滞緩和や交通事故の減少、三つに北播磨総合医療センターをはじめとする北播磨地域の医療機関と災害拠点病院である3次救急医療機関の県立加古川医療センターとの連携強化である。

    次に、山陰近畿自動車道の整備目的は、一つに山陰海岸ジオパークをはじめとする広域観光交流圏の拡充・強化、そして交流人口の拡大、二つに急カーブや急こう配など現道の悪条件の解消等による3次救急医療機関である公立豊岡病院や鳥取県立中央病院へのアクセス性向上による地域の医療環境の向上、三つに日本海側の高速道路網のミッシングリンクの解消、四つに広域災害時における代替道路の確保である。

    ○庄本えつこ委員 ひっくるめて言えば、広域的な圏域の交流とか、人・もの・情報の交流・連携を進めるということだと思うが、そういうことを言っておきながら今度は防災・減災対策と目的を変えて進めようとしている。私どもは、防災・減災対策と言うんだったら河川整備計画とか、山地防災・土砂災害対策など遅れている事業を進めるべきだと考えているが、いかがか。

    ○県土整備部総務課長(小泉和道) 県では、社会基盤整備の三つの目標である、備える、支える、つなぐ、中でも自然災害に備える防災・減災対策を最重点課題として計画的に取り組んでいる。

    例えば、津波防災インフラ整備計画や、高潮対策10箇年計画など、分野別計画を策定し、補正予算を含めた国庫補助予算の確保に加え、財政上有利な起債を活用して積極的に対策を進めているところである。

    特に、治水対策については、近年激甚化・頻発化する豪雨災害を踏まえ、防災・減災、国土強靭化緊急対策事業を活用し、堆積土砂撤去や樹木伐採等の効果の高い緊急対策に取り組んでいる。加えて、今年度河川対策アクションプログラムを策定し、河川整備計画の前倒し、既存ダムの有効活用、シュウジョウヨウの対策、超過工事に備えた堤防強化等を進めていくこととしておるところである。

    また、土砂災害対策については、21年度から3次に及ぶ山地防災土砂災害対策計画に基づき、緊急周辺災害防止対策事業債を活用した県単独予算を充当しながら、計画の前倒しを行っているところである。

    なお、基幹道路については、平常時の社会経済活動を支える人流・物流の動脈としての機能のみならず、災害時には、早期の復旧・復興に欠かせない物資等の緊急輸送道路としての機能を発揮している。例えば平成16年台風23号災害において、豊岡市街では、浸水により緊急車両が通行不能となった。本年11月、北近畿豊岡自動車道の但馬空港インターまでの開通によって、同様の事態が生じても浸水エリアを回避して、物資等の補給活動が可能となるなど、防災上の効果が十分期待できるものと考えている。

    今後も引き続き、地域の課題に応じて社会基盤整備を計画的・効率的に進めていく所存である。

    ○庄本えつこ委員 防災対策、本当に急いで進めていただきたいと思う。

    今、私が申し上げたこれらの高規格道路の整備目標は、東播磨道は2028年まで、北近畿豊岡自動車道は2038年までとされている。いずれにしても、すぐに効果が期待できるものではない。今、県財政が逼迫している中、不要不急の事業は辞めて、県経済発展のための地元中小企業支援とか、子供の医療費無料化や待機児童解消など、子育て支援、更には河川整備計画や山地防災・土砂災害対策などの防災・減災事業を優先して進めるための予算フレームにすべきだと述べて、次に移る。

    三つ目、最後である。

    今後の財政運営についてである。

    井戸知事は、今本会議の提案説明の中で、新型コロナウイルス感染症による消費の低迷や景気の悪化により、令和2年度当初予算に比べ、1,000億円を超える税収減、来年度は、2,000億円の税収減が見込まれるとし、国に対し、地方一般財源総額の確保などの地方財政措置を行うとともに、本県の行財政運営の枠組みについて、税収の状況、国の政策や地方財政対策の動向等を的確に踏まえながら、財政フレームを見直し、事務事業の見直しなど、行財政構造改革時にも増して英知を結集し、行財政運搬にわたる必要な対策を検討すると述べた。しかし、税収については、既に2017年の7,230億4,000万円をピークに、2018年、7,149万2,000万円、2019年、7,107億9,000万円と2年連続で減収を続けている。

    コロナ禍において、更なる減収は予測されるけれども、減収が既に始まっているという点で、それ以前の施策の検討をし直すことが必要と考える。

    その上で、知事が今後の課題として提起している財政フレームや事務事業の見直し、行財政全般にわたる必要な対策について、具体的には、これからだとは思うけれども、どのような方向て検討されようとしているのか、ご所見を伺いたいと思う。

    ○新行政課長(井筒信太郎) 今後の具体的な対策についてであるが、委員ご指摘どおり、これから検討してまいるということになるが、その方向性としては、コロナ禍による消費低迷や景気悪化による本年度の減収に対しては減収補填債などを活用するが、現行の減収補填制度で対象外とされている地方消費税などについては対象とするよう、国に強く要望している。

    加えて、県自らの対策として、歳出面において、今年度に中止や延期が見込まれる事業を減額するほか、基本的な維持費を除く行政経費の節減にも取り組む。

    来年度に向けては、国に対し、リーマンショック時の交付税の別枠加算を超える措置など、地方一般財源総額の確保を要請し、特に留保財源の大幅な減少について、特例的な地方債の創設などを求めてまいる。

    まずは、令和3年度の予算編成に向けて、事務事業の見直しをはじめ、仕事の進め方、行政サービスや行政運営の在り方の見直しなど、行財政全般にわたって、選択と集中を徹底してまいる。併せて、行財政運営方針の財政フレームについて、中長期的な税収の状況や国の政策動向等踏まえて見直しをする。

    今後とも持続可能な行財政基盤を保持することにより、県民に信頼される行財政運営を行ってまいる所存である。

    ○庄本えつこ委員 2008年から始まった県の行財政構造改革、県行革では、住民サービスを激しく削減してまいった。高齢者、重度障害者、ひとり親家庭などの県独自の医療費助成制度について、次々と対象者を狭める制度改革を行ってきた。

    健康福祉事務所は、26ヵ所から12ヵ所へ、土木事務所は22ヵ所から13ヵ所へ、農業改良普及センターも22ヵ所から13ヵ所にするなど、県組織も大幅に縮小した。

    一般行政部門の県職員を8,279人から5,795人へ3割削減する中で、県民サービスが著しく低下した。新型インフルエンザ、新型コロナウイルスでは、健康福祉事務所が逼迫し、災害時には、土木事務所が十分対応し切れない状況も生み出している。更に県行革を引き継いだ行財政運営方針においても、このコロナ禍の中、芦屋健康福祉事務所を廃止し、宝塚健康福祉事務所の分室化をするなどのサービス切り捨てを行おうとしている。

    しかし一方で、先ほど指摘した浜坂道路、北近畿自動車道、東播磨自動車道の高規格道路の事業費については、地方財政計画で投資事業費が抑制され、行革期間中であるにもかかわらず、毎年、補助事業分の10%から20%を確保し続けてきている。財政を圧迫することにもなったものである。

    兵庫県の人口は、県行革前の2007年は559万3,000人だったのが、2019年は546万6,000人と12万8,000人も減った。減少数では、ワースト11位、減少率では、全国平均1.5%よりも高く、2.3%となっている。これらは、県がこれまで進めてきた県行革による結果だとも言える。

    県行革により、住みにくい兵庫県をつくり出し、人口減に拍車をかけ、ひいては、税収などにも影響を及ぼす悪循環をつくり出していると考えている。

    税収減による財政逼迫のための対応は、従来の行財政構造改革型ではなく、県内中小企業、農業などの基幹産業への十分な支援策、子育て世代と高齢者への医療福祉サービスの充実などで、県内産業と暮らし、福祉を充実させ、兵庫県への定着人口を増やし、税収を引き上げる構造的、総合的な行財政運営が必要だと考えるけれども、いかがか。

    ○新行政課長(井筒信太郎) 平成20年度から取り組んでまいった行財政構造改革では、組織、定員、給与、事務事業等、行財政全般にわたる改革に取り組む一方で、経済雇用対策や地域創生の推進、防災・減災対策、子育て環境や医療介護の充実など、県民ニーズを的確に捉えた施策も積極的に展開してまいった。

    現在の行財政運営方針でも、持続可能な行財政構造の保持、選択と集中の徹底、安全・安心の確保、すこやか兵庫の実現に向けた施策の推進、県民の参画と協働による県政の推進を五つの基本方針として掲げ、適切な行財政運営を推進するための取組を進めている。

    本県は、いまだ震災関連県債など多額の県債残高があり、厳しい財政状況が続いている。加えて、コロナ禍による消費低迷や景気悪化により、令和2年度以降の県税収入は大幅な減収となるおそれがあり、財政状況の悪化が懸念される。

    そのような中であっても、歳入歳出の両面から必要な対策を講じつつ、地域創生への取組や県民ニーズを的確に捉えた施策を展開していく必要があるものと認識している。

    今後とも県民に信頼される持続可能な行財政運営のもと、ポストコロナ社会の創造にも積極的に取り組んでまいる。

    ○委員長(北浜みどり) 庄本委員に申し上げます。

    申合せによる質問時間が経過しておりますので、コメントは簡潔にお願いいたします。

    ○庄本えつこ委員 再三申し上げているように、これまでの従来の行財政構造改革を繰り返すのではなくて、諸外国が今始めているように、消費税を引き下げるということも含めて、本当に県民の暮らしをしっかり守っていく、命を守っていく、そういう県の財政運営をしていただくことを求めて、質問を終わる。

    ありがとうございました。

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