議会報告

  • 2020年10月22日
    本会議

    第351回本会議 請願討論 いそみ恵子

    私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の請願の内、請願第20号、第21号、第22号、第24号について、不採択でなく採択を求めて、討論いたします。

    まず、請願第20号「核兵器禁止条約への日本政府の署名と批准を求める意見書提出の件」についてです。

    請願の要旨にあるように、今年は、広島・長崎に原爆が投下されて75年です。核兵器は今なお、人類の脅威であり、14,000発近く核爆弾が存在し、2,000発近くの核ミサイルが発射できる状態にあると言われています。

    被爆者は、自らの壮絶な体験から、「核兵器と人類は、共存できない」「再び被爆者をつくるな」と、訴え続け、「ヒバクシャ国際署名」は、10月6日で、1261万2798人となり、国連に提出されています。井戸知事はじめ20府県知事と、兵庫県内すべての市長・町長含め、1245市町村長が賛同され、県議会も「世界の恒久平和と核兵器廃絶を希求する兵庫県宣言」を全会一致で採択しています。また、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める地方議会の意見書は、二度の意見書を採択した岩手県議会はじめ、長野・三重・沖縄県議会含め、494件となり、全自治体の27%にのぼっています。世界でも、日本国内でも、県内でも核兵器廃絶に向けたおおきなうねりが起こっています。

    こうした日本と世界の市民運動が、各国政府を動かし、「核兵器禁止条約」は、国連で採択され、84ヶ国が調印し、請願提出後も、批准した国は、マルタ共和国、マレーシア、ツバルも加わり47ケ国となり、条約の発効に必要な50ヶ国まであと3ヶ国に迫っています。

    条約の発効は、まさに時間の問題です。本請願は、唯一の戦争被爆国日本政府が速やかに条約に参加し、「核兵器のない世界」をめざす世界的な流れの先頭に立つことを求めています。よって日本政府が速やかに核兵器禁止条約に調印することを求める本請願に賛同し、採択を強く求めます。

    次に、請願第21号「種苗法「改正」案の廃案を求める意見書提出の件」、請願第22号「種苗法改定案の廃案を求める意見書提出の件」についてです。2件の請願は、いずれも先の通常国会で継続審議となっている種苗法「改正案」の廃案を求めるものです。

    請願の要旨にあるとおり、種苗法「改正案」は、政府も批准する「食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約」が規定する農民の「自家増殖の権利」を原則禁止するものです。

    これは、「主要農作物種子法」廃止と同時に成立した「農業競争力強化支援法」で、公的機関が保有する「種子の知見」を民間企業に提供することを盛り込み、海外企業が日本での品種登録をしやすくするなど、日本の優良品種を多国籍企業に提供するものです。

    自家増殖を禁止しても、農林水産省自身が認めているように、海外流出を防げないことは、明らかで、日本の農民は、許諾料や毎年種子を購入せざるを得なくなり、負担増を強いられることになります。また、農林水産省は、「育成者権がおよぶのは、1割にも満たない登録品種だから影響はない」としていますが、実際の栽培では、コメで3割以上を占めるなど登録品種の利用が増えています。人気の在来種についても、ゲノム編集技術で、新たな品種として登録し、企業の特許の権利下に置き、儲けの種にすることも可能にしています。

    種苗法「改定案」は、種子の企業支配を拡大させ、品種の多様性と農民の栽培技術を奪い、気候変動などへの対応力を低下させ、日本の多様な食文化を支えてきた農産物の安定生産への消費者の願いにも逆行するものです。

    請願者は、コロナウイルス感染症の影響により、輸入制限、物流制限のリスクが高まっており、経済破綻を機に国家間の緊張により、戦争を含めた混乱も予想されるもとで、「食料危機」というワードが聞こえるようになってきたとし、「食の安全保障」に対し、二度と後戻りできない壊滅的影響を及ぼす前に、日本の食のあり方を見直す時が来ていると、警鐘を鳴らされています。種苗法「改定案」の廃案を求める両請願の採択を強く求めます。

    最後に、請願第24号「国の責任による『20人学級』を展望した少人数学級の前進を求める意見書提出の件」についてです。

    新型コロナウイルス感染症の拡大による長期休業は、子どもたちの心身に大きなストレスを与えました。県教委の「心のケアアンケート」でも、小学生低学年の約2割が眠れないなど深刻です。

    学校再開に向けた分散登校は、20人程度の学級となり、感染拡大の防止の点からはもちろん、「子供の不安に寄り添うことができる」「学習のつまずきに丁寧に対応できる」と、子どもたちへのケアと学びの観点から効果が発揮されました。こどもを感染から守るためにも、心のケアと丁寧な学習を進めるうえでも、20人程度の少人数学級が急がれます。

    経済財政諮問会議の「骨太方針2020」にも、少人数による指導の検討が盛り込まれ、教育再生実行会議でも少人数学級は「令和時代のスタンダード」として推進する方針が合意され、委員からも「20人を目指すべき」と意見が出るなど、コロナ禍の中、大きな流れとなっています。

    一方、長野県や、福岡市など財政が厳しい中でも自治体独自に、教師を雇い、プレハブ校舎を建てるなど20人学級をすすめる自治体も出てきており、子どもたちがどこに住んでいても安心して教育を受けられる環境を整えるため国の緊急対策が求められています。

    国が一日も早く20人程度の少人数学級実現のための教職員定数を改善することや施設整備を進めることが切望されています。

    よって、請願第24号「国の責任による20人学級を展望した少人数学級の前進を求める」本請願に賛同し、強く採択を求めます。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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