議会報告

  • 2020年03月12日
    予算・決算特別委員会

    2020年度予算特別委員会 県土整備部 ねりき恵子

    ○ねりき恵子委員 日本共産党のねりき恵子である。早速質問に入る。

    初めに、砂防堰堤の点検と堆積土砂の撤去について伺う。

    気候変動による豪雨災害が相次ぎ、河川や砂防堰堤など、防災・減災対策が進められている。

    2018年より砂防堰堤の基準が変更され、透過型堰堤が基本となり、これまで設置されてきた不透過型堰堤も満砂状態で山崩れなどの上流の荒廃状態から今後も堆積が続く箇所については、土砂撤去を行うこととなった。

    これまでも防災の観点から砂防ダムに満杯になった土砂の撤去をしてほしいという地域住民の皆さんの要望が多数寄せられてきたことからも、早急な対応が期待されている。

    また、砂防堰堤の危険度、安全性を確認するためにも点検作業が必要である。

    新年度予算を見ると新設された国の緊急浚渫推進事業を使い、砂防堰堤の堆積土砂等撤去が予定されているが、県下には約2,900ヵ所の砂防堰堤がある。堆積土砂撤去の計画をどのように進めるのか、また砂防堰堤の点検はどのように進めるのか伺う。

    ○砂防課長(中野光雄) 砂防堰堤の構造には、全面コンクリート構造の不透過型と鋼製スリット等を設け水を通す構造の透過型がある。県下の砂防堰堤は、不透過型約2,700基、透過型185基と圧倒的に不透過型が多い状況にある。

    堰堤背面の土砂撤去については、透過型は土砂がない状態にしておくことが基本であり、出水期までに毎年定期巡視を行い、必要に応じ撤去している。

    不透過型は、5年に1回全堰堤を対象に実施する本体など構造物の定期点検に併せて、背面土砂の堆積状況、上流側の渓流の荒廃状況等を確認している。

    今年度は、平成27年に実施した定期点検の結果から、土砂が堰堤天端まで堆積した満砂状態の堰堤のうち、下流の土砂災害警戒区域内に人家5戸以上があり、出水による土石流が下流へ流出するおそれがある37ヵ所を抽出した。さらに、令和2年度には、全堰堤を対象とした定期点検を実施し、令和6年度までの堆積土砂撤去計画を策定する。

    37ヵ所については、緊急浚渫推進事業債を活用して令和3年度までに撤去することとし、来年度はこのうち、おおむね人家10戸以上の18ヵ所を優先的に実施する。

    今後とも、計画的に堆積土砂撤去に取り組んでいく。

    ○ねりき恵子委員 不透過型が2,700基ということで、非常に数が多い中で、やはり定期点検が非常に重要になってくると思うし、それに併せて今後も計画的に点検、そして浚渫が行われるという御説明であった。ぜひ早急な対応を求めておきたい。今後もよろしくお願いする。

    続いて、武庫川水系の河川整備について伺う。

    初めに、武庫川河川整備計画の前倒し実施についてである。

    地球温暖化等に伴う豪雨が頻発して、河川の氾濫などが相次ぐもと、県は新たに河川対策アクションプログラムを地域総合治水計画に位置づけて事前防災対策を進めようとしている。

    武庫川についても、河川整備計画を3年前倒しし、超過洪水に備えた堤防の強化、堆積土砂の撤去、河床掘削、千苅ダムなど既存ダムの活用を進めていく方針である。それでも、宝塚市の市街地の中心を流れる中流域の整備については、工事着手は数年後になる見込みである。昨年、一昨年の台風、集中豪雨でも、武庫川の水位が上がり、住民の不安は募った。見返り岩付近とか、逆瀬川とのご交流近く、中州付近などの対策が急がれる箇所もあり、宝塚市域、武庫川中流域においても、河川の掘削やパラペット設置などを早急に進めていただきたいと考えている。

    また、武庫川の支流、大堀川の改修についても求めてきたところ、計画を2年前倒しして工事が進められていることにも感謝しているが、課題となっている、ボトルネックとなっている国道176号をまたぐボックスカルバート部の改修が急がれる。改めて武庫川河川整備計画のさらなるスピードアップを図り、河床の掘削、危険箇所の早期の改修を求めるが、所見を伺う。

    ○武庫川総合治水室長(八尾昌彦) 武庫川では、平成23年に策定した河川整備計画に基づき、昭和36年の戦後最大洪水を安全に流下させることを目標に、仁川合流点から下流の築堤区間、仁川合流点から上流の掘込区間及び支川等で河川改修を進めている。

    近年、記録的な豪雨が全国各地で多発していることから、武庫川の河川整備計画に基づく改修の前倒し実施を、来年度取りまとめる河川対策アクションプログラムに位置づける。

    築堤区間では、昨年度からの国土強靱化予算並びに令和元年度補正予算を活用し、低水路拡幅約0.8キロメートル、河床掘削約9万立方メートルの工事を前倒し実施する。

    引き続き、南武橋架替、潮止堰撤去、河床掘削等、残工事の早期完成を図る。

    掘込区間では、生瀬大橋から上流約1.5キロメートルの区間で、国による国道176号名塩道路の拡幅整備と一体に改修を進めており、西宝橋架替に必要な仮橋を施工中である。

    来年度からこの区間で河床掘削に着手し、必要な流下断面を確保する。

    掘込区間のうち、宝塚市域の仁川合流点から生瀬大橋までの約6.9キロメートルの区間は、護岸かさ上げ等の整備が必要であるが、現況流下能力が比較的高いため、下流の築堤区間の改修にめどがついた段階で着手する。

    今後も、3ヵ年緊急対策の期間延長等を国に働きかけるなど予算の確保に努め、下流築堤区間のスピードアップを図り、上流の未改修区間への早期着手、武庫川流域全体の治水安全度の早期向上に努める。

    ○ねりき恵子委員 河川整備の全体が進まないと、宝塚市域の流下能力というか、安全対策、工事箇所というのも進まないということであるので、午前中にもご質問あった国道176号の拡幅工事に合わせた改修工事であるとか、下流の工事も含めてスピードアップを図っていただきたいと思う。よろしくお願いする。

    次に、仁川の改修についてである。

    武庫川支流である仁川は、平成3年から11年にかけて整備工事が行われ、約20年余りが経過した。現在では、武庫川の合流点だけでなく、中流域に堆積土砂が目立ち、中州が作られ、アシなどが背高く茂り、柳が大木になったりしている。川の両岸には住宅地が迫り、住民の方は大雨のときには濁流の様子に溢水の不安を抱き、安全対策を求めている。

    県は、仁川の流量は確保できているとのことであるが、事前防災の観点からも、堆積土砂の撤去など、安全対策を求めている。

    また、上流部の西宮市百合野町付近、ここは未改修区間で、過去にも堤防が侵食されるなど、災害も起きていて、改修が急がれるところである。

    そこで、河川の中・上流部治水対策として、堆積土砂の撤去や、未改修区間の改修工事を急いでほしいが、所見を伺う。

    ○武庫川総合治水室長(八尾昌彦) 仁川では、平成3年度から12年度にかけて西宮市が都市基盤河川改修事業として、武庫川合流点から約2.8キロメートルの区間で石積護岸設置と河床掘削を行う計画であった。

    このうち下流から翁橋までの約1.9キロメートルの区間は完成したが、残る上流側約0.9キロメートルの区間については、当時、改修による環境への影響を懸念する住民の声を受けて、構造物を造らず、可能な範囲で河床を掘り下げ、事業を打ち切った。

    この状態でも、仁川の流下能力は、先ほども申し上げた昭和36年の戦後最大洪水を安全に流下させる水系全体の整備目標を上回っているため、現在の河川整備計画には、河川整備を実施する区間として位置づけていない。

    仮に事業再開する場合、次期整備計画策定時に、改めて整備目標を設定するなど、河川改修の必要性について検討する必要がある。

    委員ご指摘の地域からの要望が強い堆積土砂撤去については、平成30年度は翁橋上流約160メートルの区間と、その上流側の蓬莱橋から百合野橋まで約250メートルの区間で実施した。今年度は、今月末までに翁橋下流約100メートルの区間に着手する。来年度以降も、現地状況の的確な把握に努め、緊急浚渫推進事業債の活用により必要な箇所で実施する。

    今後も、事前防災の観点から、堆積土砂撤去等に適切に取り組み、仁川の治水安全度の維持・確保に努める。

    ○ねりき恵子委員 堆積土砂の撤去については、平成30年度、そして31年度も行っていただき、これからも状況に応じて安全確保していくということであるので、よろしくお願いする。

    未改修部分の件であるが、今までいろいろ経過があった。次期整備計画のことが出たが、次期整備計画を待たずとも、この中・上流部治水対策事業として、改修工事ができないかという提案である。そういったことも含めて、検討をしていただきたいという要望をして質問を終わる。これからもよろしくお願いする。

    ありがとうございました。

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