議会報告

  • 2019年10月16日
    予算・決算特別委員会

    2018年度決算特別委員会 教育委員会 きだ結

    ○きだ 結委員 日本共産党のきだ 結である。

    まず、私からも、今回、神戸の中学校で発覚した教員間のいじめ、暴行問題、本当に許しがたい問題だと思う。校長先生が自分の気にいった教師を集めるという神戸方式など、今後、背景などがいろいろ分析されて、今、外部専門家による調査も始まるようだけども、一方で、どこでも起こり得る問題だとも思うので、県教委におかれても、必要な調査や対策など、ぜひ講じていただきたいという旨、まずお伝え申し上げて、質問に入る。

    中学校給食の推進についてお伺いする。

    2005年に制定された食育基本法では、食育は生きる上での基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるものと位置付けられ、学校での食育は、給食を生きた教材として活用することを柱としている。

    そして、これを受け、2009年、学校給食法が昭和29年の制定以来、初めて改正され、学校給食の目的が食生活の改善から食育の推進へと教育の一環と位置付けられて、学校給食の実施に当たっては、健康の保持、増進や望ましい食習慣の形成のほか、食育の観点から、社交性、協働の精神を養うこと、伝統的な食文化への理解を深めるなどの目標を達成するように努めなければいけないとされた。

    その中で、小学校に比べて、中学校の給食実施率の低さを課題だとして、食育基本法に基づく、平成28年から32年の第3次食育推進基本計画では、学校給食を通じて、より効果的な食育の推進を目指すため、公立中学校における学校給食実施率90%以上が新たな指標として掲げられた。

    平成31年3月に改定された文科省の食に関する指導の手引きにも明記されている。県教育委員会としても、当然この目標の達成を目指されていると思う。

    そこで、まず、昨年度時点の本県の中学校給食の実施状況、また、未実施自治体の検討状況をお伺いする。

    また、中学校給食実施に課題がある自治体にどのような助言をしてこられたのかも併せてお答えいただきたい。

    ○体育保健課長(山根 尚) 県教育委員会は、学校給食を通じて、小中学校の9年間にわたり、体系的、継続的な食に関する指導を行うことは、学校における食育を推進するに当たって、大変効果的であると考えている。

    そのため、市町組合教育委員会に対し、研修会等を通じて、生きた教材である学校給食の重要性について、教職員、保護者の理解を一層深めるよう助言をしてまいった。

    県内公立中学校給食の完全給食実施は、昨年度は86.9%、37市町組合まで増加をしている。残りの6市町も完全給食を予定しており、全市町組合で実施される見込みとなっている。

    学校給食は、学校給食法に基づき、学校設置者が実施するものと定められており、市町組合教育委員会が地域の実情であるとか保護者の動向、教育的効果等を総合的に判断の上、方針を決定し、調理方法も含め、実施するものであると認識をしている。

    昨年度の調理場方式別の中学校給食実施状況であるが、単独調理場方式が13.0%、共同調理場方式が53.9%で、デリバリー方式については33.1%で、3市町となっている。

    3市町のうち、2市町については、共同調理場方式に移行する予定で、選択制デリバリー方式の給食を実施するのは神戸市のみになる予定である。

    ○きだ 結委員 今お答えいただいたように、学校給食を利用する食育は非常に効果的であるという立場から、いろんなところで助言もされてきたということである。

    今、県内の状況をおっしゃっていただいたが、デリバリー弁当給食が3市町で、そのうち2市町は、今もう過渡期ということで、センター方式なりに移行する、つまり温かい物がいただける、そして全ての生徒がいただけるという給食に姫路市とたつの市、今、過渡期だということで、残るはやはり神戸市ということになる。

    5年ほど前にも、この質問させていただいたとき、姫路市、たつの市で選択制、家庭からの弁当とかパンでもいい、あるいは業者弁当頼んでもいいということは、どこでもおかずが冷たくなくて、不評で10%、20%という、給食といいながら、そんな利用率だということも指摘をした。

    今、神戸市がそういう状況に陥っているわけである。直近でも、大体平均は30%台という給食の利用率になっているので、これはやはり変えていかなければいけないのではないかと思う。神戸市もことしの7月に中学校給食について、生徒と保護者にアンケートを行っているけれども、中学校給食を利用しない理由という項目について、生徒は、おいしくないと聞くから、自分が食べたということもあるし、周りの友達から、あるいは先輩からということで、これが59.2%、それから保護者は、子供が希望しないから、これが89.4%になっている。

    今後、給食はどのように変わればいいと思うかについては、おかずを温かくするというのが生徒で60.8%、保護者で75.5%で、それぞれ一番に上げられている項目になっている。

    また私も、昨年5月で、地元で行った独自のアンケートでも、中学校給食について、なかったものだから中学校給食ができてよかったという声と同時に、最初は注文していたけども、子供がおかずが冷たく嫌がって辞めたとか、周りの子がどんどん辞める中で頼みにくいという声など、改善を求める声が本当に多く寄せられた。冷たくて、おいしくないという評判が定着しつつあって、利用率が年々減っているのが今の現状である。

    学校給食実施における都道府県委員会の役割については、学校給食法、関連法で、管内の状況を把握できるという立場から、管内の学校給食の指導と助言に遺漏のないように取り扱われたいということを求めている。

    先ほど申し上げた、第3次食育推進基本計画で掲げられた中学校の給食実施率90%を兵庫県で達成しようと思えば、神戸市が改善されなければ実質的に達成することはできない。学校数では、やっている学校ということでカウントできたとしても、実際にその神戸の学校で3割の生徒しか頼んでないということになるわけである。現在、全員喫食の給食予定している、先ほどおっしゃっておられた市町が全て、これ全員喫食の給食に変わったとして、私計算してみたら、やはり神戸、これまだ変わらないとしたら、県内の中学校給食の実施率というのは、生徒率で見ると78.5%にとどまってしまう。だから、学校給食というのは、学校給食法の目的や目標に照らしても、そして、食育の生きた教材として活用するためにも、小学校のように温かい物をみんなで改善して、みんなで食べる、これが学校給食法や食育基本法にのっとった望ましい給食のあり方だと思うが、改めて、県教育委員会の認識をお伺いする。

    また、今、神戸市のように課題があるところについて、今後どのように働きをされるのかもお伺いしたいと思う。

    ○体育保健課長(山根 尚) 先ほども申した、繰り返しになるが、学校給食は、学校給食法に基づき学校設置者が実施するものと定められている。今回、神戸市のほうでアンケートをとられて、恐らくそれも勘案しながら、地域の実情であるとか、保護者の動向、意向であるとか、教育的効果を総合的に判断の上、調理方法等も考えられるのではないかというふうに認識をしている。

    また、学習指導要領踏まえた中学校における学校教育活動全体に行う食育については、本年度、実は中学校での食育を推進するために、食育ハンドブック中学校版を作成を今鋭意しているところである。それを作成して、配布を行うことによって、中学校における食育の更なる推進を図るとともに、委員ご指摘の生きた教材である学校給食を活用するための方策を研修会等を通じて市町組合教育委員会、教職員等に指示をしてまいる。

    先ほど委員のほう、ご質問の中にあったデリバリー方式だが、姫路市とたつの市とおっしゃられたが、姫路市と播磨町ということになっている。

    ○きだ 結委員 今回、神戸市でアンケートもとられて、大分踏み込んだ内容されているなと、私も思った。ですから、もちろん神戸市でも検討されるとは思うけれども、何が障壁になっているのか、お金がない市とは思わないけども、それでも83校の公立中学校全てにこういう施設を作る、あるいは改築しようと思えば、相当な財源も要るのかなとも思う。なので、県としても何が障壁になっているのかということも聞き取っていただきたいと思う。

    例えば京都府は、京都市を念頭に置いて、あそこも中学校給食、デリバリーの選択制なので、同じような問題抱えているけれども、この改善を念頭に置いて、今は、国の補助の対象外になっている親子方式での整備について、国の補助と対象とするように、国に要望を上げておられる。私は兵庫県内どこで住んでも義務教育の期間は、全ての子供が当たり前に温かい給食を食べる状況を作っていきたいと思う。全ての子供に学校での充実した食育を保障する立場で、県の支援を重ねて求めて、質問を終わる。

    ありがとうございました。

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