議会報告

  • 2019年10月15日
    予算・決算特別委員会

    2018年度決算特別委員会 県土整備部 きだ結

    ○きだ 結委員 日本共産党のきだ結である。

    まずこの連休中に日本列島を襲った台風19号は、防風、高潮、豪雨、37の河川の決壊により、関東、東北中心に甚大な被害をもたらした。

    被災された皆様に心からお見舞いを申し上げて、一日も早い復旧・復興を切に願います。

    今どこでも起こり得るという不安が広がっている。私からは、地域の課題について、2問お伺いする。

    まず、高橋川の高潮対策についてである。

    昨年9月4日の台風第21号では、神戸市沿岸で高潮・高波が発生し、河川周辺では海水の逆流などにより、住宅地に甚大な浸水被害をもたらした。

    私の地元東灘区深江では、二級河川、高橋川で堤防高が不足していた地域や複数の橋の欄干からの越流、さらに暗渠や排水溝への逆流により、高橋川、阪神深江駅周辺の広範な住宅、店舗が浸水被害に見舞われた。

    地域では過去何度か直近では、約30年前にもこのような氾濫があったとのことで、対策を求める声は継続的にあった。

    県は、平成24年に策定の高橋川水系河川整備計画に基づき、計画公調委に対し、堤防高や鏡面高が不足している区間で工事を計画していたが、それは阪神電車の高架化が終わった平成34年以降に順次行うという計画が主であった。

    私は台風前の昨年4月、住民の不安の声を受け、工事の前倒しなど、神戸土木事務所に求めていたがかなわなかった。再発防止を願う住民の声は切実である。

    そこで、高橋川高潮対策事業について、私も参加させていただいた5月24日の地元説明会で住民から出されていた逆流防止ゲートへの疑問、また、本線、あるいは暗渠から側溝への逆流防止対策なども踏まえて、進捗状況と今後の見通しについてお伺いする。

    ○河川整備課長(谷口徳男) 高潮による浸水被害があった高橋川では、国道43号から薬王寺橋までの区間と、支川要玄寺川の踊松橋までの区間の合計約0.5キロについて、堤防のかさ上げ及び新設と要玄寺川合流点より上流への高潮の遡上防止のためのゲート設置を令和3年度までに完了させるよう取り組んでいる。

    ことしの台風期に備える暫定対策として、昨年溢水した区間に仮設の土のうや板柵等を本年7月に設置した。

    再度災害防止対策として、国道43号から阪神電鉄間と要玄寺川の約0.4キロの堤防のかさ上げ工事と用地買収を伴うゲート設置について、来年5月完成に向け取り組んでいる。

    なお、ゲートは水位変動で自動的に起立、倒伏し、高潮で下流の水位が上昇すると、ゲートが起立し、降雨により上流の水位が下流を上回ると、ゲートが倒伏する構造となっている。

    なお、昨年の第21号台風による降雨、高潮によるシミュレーションでは、越水しない結果となっている。

    また、阪神電鉄から上流約0.1キロメートルの堤防新設区間については、現在、詳細設計と並行して、必要な用地買収を進めている。

    さらに、高潮で浸水のおそれのある深江橋では、これまで神戸市が車両を通行止めした上で、橋梁の両岸に仮設の遮蔽板を設置していたが、これを人力で迅速に操作できる横引きの門扉に県が改築する。

    また、阪神電鉄付近の3橋梁については、神戸市が施行中の阪神電鉄連続立体交差事業の中で、市が高潮計画と整合した架け替え等の対策を行う。

    また、河川につながる暗渠からの逆流防止対策としては、逆流防止のためのフラップゲート等を県、市で調整しながら設置する。

    引き続き、県と市で密に協議・調整しながら、取り組んでいく。

    ○きだ 結委員 急いでいただきながら、住民の不安を払拭する対策をぜひ求めていきたいと思う。

    次に移る。

    次に、六甲花崗岩山地での土石流災害対策についてである。

    神戸市市街地背後の六甲花崗岩産地は、風化で崩れやすく、過去1938年阪神大水害、1961年水害、1967年六甲山系豪雨土砂災害など、甚大な土石流が発生している。

    阪神大水害の翌年、国は六甲砂防事務所を設置、県事業に加えて、国直轄砂防事業が始まった。

    2016年度末時点で表六甲山系では、国と県併せて661基の砂防堰堤が設置されているが、推計される土砂量と比較すれば、進捗率はまだ6割とも言われている。

    また、ダムは点検・補修などを続けなければ維持できない。

    例えば、私の地元の住吉川流域にある1952年に完成した国直轄五助堰堤は、六甲山系で最大級で、1967年豪雨で流出した土砂約12万立方メートルを受け止め、下流の被害を防いだが、その時点でほぼ満砂になっている。

    一般的に砂防堰堤は、満砂でも土砂の流出制御機能を持つと言われるが、先ほどの五助堰堤は、次の大きな災害には役割を果たせないという専門家の指摘もある。そうなれば、下流の施設に影響してくる。また、六甲山地は阪神淡路大震災の影響で、斜面崩壊の素因が増していると考えられる。

    そこで、表六甲山系の総合的な土石流対策について、どのような認識と計画を持っているか。国と県の砂防施設が混在する中で、現状をどのように把握されているか、お伺いする。

    ○砂防課長(中野光雄) 国直轄事業区間である住吉川の上流域の五助堰堤は、堰堤天端付近まで土砂が堆積した状態であるが、上流域の堆砂敷が広く、ここに土石流を捕捉する容量が十分あるため、今すぐ撤去が必要な状況ではないと聞いている。

    また、現在、国、県合わせて約600基の砂防堰堤が設置されており、国については、約6割の整備と聞いている。

    まだ、整備については、道半ばであり、国に関しても今後整備完了までに四、五十年、県の整備では、十数年かかる見込みである。

    であるので、現在、ハード対策に合わせて、R区域の指定を令和2年度までに向けて進めており、また7月には、土砂災害危険度Y区域ごとに一般公表しており、Y区域やR区域の住民の方にはそのような情報をもとに早目の避難を普及啓発しているところである。

    ○きだ 結委員 お答えいただいたように、従前の対策を進めていただきながら、今回のような甚大化する被害というのもあるので、やはり必要な対策を見直していくということも改めて求め、私の質問を終わる。

    ありがとうございました。

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