議会報告

  • 2019年10月09日
    予算・決算特別委員会

    2018年度決算特別委員会 健康福祉部 きだ結

    ○きだ 結委員 日本共産党のきだ結である。

    まず、子供の医療費助成の拡充を求めて質問する。

    私は、子育て支援の大きな柱として、中学卒業まで、こども医療費は無料にと求め続けてきた。子供が熱を出した、あるいは、けがしたとき、親は代わってやりたいと思うほど心配になるものである。しかし、そのときに病院で幾らかかるか、薬代で幾らかかるかと、子供の病状とお財布をてんびんにかけなければいけないことほど、つらく、情けないことはないからである。

    私が、昨年、地域で行ったアンケートでも、子育て支援として医療費無料化を求める声がたくさん寄せられた。小中学生の無料化は大変助かる、病気やけがなどだけではなく、発達障害の診察の費用に対してもお願いしたい、子供の養育に係る経費は医療費に限らず、家計においてウエートが高い、子供の人数を増やそうと考えるならば、せめて成長の過程で欠かせない医療費を無料にしてほしい等々である。

    現在、県の医療費助成は、対象者は0歳から中学3年まで、0歳は全世帯、1歳から中学3年までは一定の所得以下世帯に限っている。通院の一部負担は、0歳から小学3年までは1医療機関当たり1日800円、月2回まで、小学校4年から中学3年までは定率2割負担である。この制度を基盤にして、県内各自治体が上乗せして、今、こども医療費負担軽減を進めている。

    そこで、県の乳幼児・こども医療費助成の成果、評価をお答えいただきたい。併せて、県内市町の助成状況と評価についてもお答えいただきたい。

    ○国保医療課長(村上恵一) 先ほど委員のほうからもご紹介いただいたとおり、本県の乳幼児・こども医療費助成は、中学3年生までの子供を対象として実施しており、その対象年齢は全国トップクラスの水準となっている。

    それから、県の制度では、ご紹介いただきましたとおり、所得基準、それから一部負担金を求めているが、これはこの制度が県民の安全・安心の基盤の制度として、若い世代が安心して子育てできる環境の整備に大きな役割を果たすために、持続して安定的な制度として維持していかなければならないものであるから、そういった制度を設けているが、結果として、若い世代が安心して子育てできる環境の整備に大きな役割を果たしているものと評価している。

    続いて、各市町の状況であるが、所得制限については、17市町が県と同じ基準額としている。また、24市町で所得制限を緩和しており、このうち18市町が中学3年生まで所得制限なしとしている。

    それから、一部負担金については、入院は全市町で中学3年生まで一部負担金なし、通院は35市町で中学3年生まで一部負担金なしとしている。

    このような市町による拡充措置であるが、これは全ての市町に共通する基盤の制度として実施している県の制度をベースとして、各市町において、地域の実情に応じて、市町の判断により実施されているものと認識している。

    ○きだ 結委員 子育て支援にとって、どういう評価をされるかということもお聞きしたかったが、その点についてもお聞きしたつもりであったが、今、お答えがあったように、昨年度、県内の市町の医療費助成は、今や県内41自治体のうち35市町が、中学3年まで通院・入院とも窓口一部負担をなくし、無料にしている。そのうち明石市、たつの市、三木市、高砂市、小野市、播磨町、稲美町、太子町など、16市町では所得制限をなくし、全ての子供を対象にしている。更に小野市、神河町、高砂市、洲本市では、高校3年まで無料あるいは軽減する自治体になっており、これが10市町に上るということで、市町がこの県の制度に上乗せして、ここまで助成を進めてきたということである。

    ところが、一方で、県制度にほとんど上乗せ補助を行っていない、所得制限は少し緩和するということはあったとしても、そういう自治体もまだ残されているということで、自治体間で制度に差が広がっている。

    今回の質問に当たって、各自治体にも現状をお聞きしたが、医療費無料制度を誇りに思っている、無料制度にされているところであるが、同時に基盤となる県制度の拡充を切実に望んでおられる。

    県は、先ほどもおっしゃったように、受益と負担のバランスとか、制度の持続のために、一部負担金は必要という立場であるが、県としても、もちろん当然予算増は必要であるが、何より住んでよかったと思える施策というのは、県にとっても決してマイナスになることではない。

    そこで、県内41自治体のうち35自治体にまで広がったこども医療費無料化は、それぞれの自治体で、例えば子育て支援のためであるとか、まちの活性化のためなど、さまざまな目的で行われている。

    そこで、多くの市町の努力を応援するとともに、県内自治体の差を埋めるために、隣の自治体に引っ越したら、医療費が、例えば無料になればいいが、今まで要らなかったところが負担が出てきたとか、そういう自治体間の差を埋めるために、県制度の一部負担金を無料化すること、今回、改めて求めるが、いかがか。

    ○国保医療課長(村上恵一) 子育て世帯に対する経済的負担の軽減というのは大変重要な課題であることから、県がリードして、中学3年生までを対象とすることにしたところである。

    自己負担については、委員からもおっしゃったように、受益と負担のバランスを確保し、この制度を持続的で安定したものにするためには、やはり必要であるというふうに考えている。

    なお、低所得者の方には、一部負担金の限度額を軽減しているほか、医療の必要性の高い方の負担軽減を図るため、同一医療機関等で通院が一月に2回を超える場合の3回目以降とか、入院が連続して3ヵ月を超える場合の4ヵ月目以降については、この一部負担金を徴収しないという負担軽減策も併せて講じている。

    ○きだ 結委員 平成28年度に県が県民意識調査を行っておられるが、少子化の原因は何だと考えるかという質問に対して、最も多かったのが、生活費や教育費など経済的な不安というもので、それが48.6%であった。しかし、これは20代から80代まで全部押しなべた数で、20代では61.6%、30代では49.1%、40代、50代では54%と、該当世代はより高くなるという傾向であった。

    先ほども経済的な負担の軽減というのが大変大事だということでおっしゃっていた。しかし、もう一方、やはりこの無料化というのは一番必要なときに助かる、やはりこれに応える施策ではないかと思う。やっぱり自治体間に、今、差が出ているという現状のもとで、県の制度をもう少し充実させると。

    他府県の状況を申し上げると、3歳未満まで一部負担金無料が東京都、神奈川県など5都県、そして、5歳未満まで無料が山梨県、就学前まで無料が滋賀県、愛知県をはじめ7県、小学6年まで無料が三重県、中学3年まで無料が群馬県ということで、都道府県制度として、一部負担金を無料にしているという自治体も、都道府県レベルで15都県に及ぶ。

    再質問であるが、やはりこういうことも踏まえて、この自治体、都道府県レベルにしても、市町にしても、当然予算の確保は努力をされているが、それに見合った効果もあると思うし、そして、やはり持続をさせていっているという点では、やっぱりここまで広がっているというのは、無料にしたからといって、何か財政が潰れるというものでもない。ですから、もう一度この一部負担金を下げるということについて、ご意見はいかがか。

    ○国保医療課長(村上恵一) 基本的な考えとしては、やはりこの助成制度であるが、この制度の運営に必要な財源といったものは、子供を持っていらっしゃらない方にもご負担いただくものであるので、やはり医療費助成という一定の受益に応じた負担というものは、いただく必要があるというふうに思う。

    しかしながら、一方で、委員からもお話があったように、この制度というのは、基盤の子育てのセーフティネットとしての役割を持っているものであるので、基本的には、本来的には全国一律でやっていくことが望ましいとも考えており、そういった観点から、県としては、知事会などあらゆるそういったチャンネルを通じて、このこども医療費助成の全国での実施というものを国において制度化するようにといったことも併せて提案しているので、申し添えておく。

    ○きだ 結委員 国にも述べておられるということで、ぜひ国の制度が今ないので、当然国が作らなければいけないというのはそのとおりだと思うので、国に求めると同時に、やはり県の制度としても、もう少し一部負担金、これをぜひ下げていただきたいということを求めておく。

    先ほど、所得制限の話もちょっと出てきましたけども、次は、受給対象者の割合の自治体間の差である。

    中学3年まで所得制限と一部負担金をなくした明石市では、昨年度末のこども医療費助成、小学校4年から中学3年までの受給者は1万5,750人と言われている。仮に、これ県の所得制限であれば、対象者は1万2,246人にとどまっている。つまり、県制度のカバー率は約78%ということである。

    また、一部負担金は残っているものの、所得制限をなくした私の住んでいる神戸市では、同じくこども医療費助成の受給者は7万7,133人、県の所得制限であれば、対象者は5万5,643人ということで、県制度のカバー率は約72%ということになっている。

    県の所得制限だと対象者が限定的だということで、先ほどもご紹介があったように、多くの自治体が所得制限を緩和あるいは撤廃をしている。県制度の対象年齢である中学3年まで所得制限を撤廃しているのは、先ほどもあった7市9町に増えている。一方で、県制度の所得制限のままで、対象者の上乗せをしていないのは7市1町、自治体間で受給対象になる方の割合に大きな差が生じている。

    全国の状況は、滋賀県、愛知県など10県が就学前まで所得制限を設けていない。山形県、福井県は小学3年まで、栃木県は小学6年まで、お隣の京都府と群馬県は中学3年まで、鳥取県は高校3年まで所得制限を設けずに、助成制度を作っているということである。

    県内どこに住んでも、医療費助成の恩恵を受けられるように、先ほどは一部負担金の話であったが、県制度の所得制限、対象者になる人たちを同じようにするために、県所得制限を撤廃すべきだと思うが、いかがか。

    ○国保医療課長(村上恵一) 所得制限であるが、この制度が経済的負担を軽減するといった、そういった支援を必要とする方への医療費の自己負担軽減であるので、そういったことを目的とした制度であるので、必要であるというふうに考えている。

    なお、県の現行の所得制限基準であるが、これは乳幼児・こども医療費助成が対象とする一般医療に比べて、より医療の必要性の高い更生医療等を対象とする自立支援医療制度との均衡に配慮し、設定したものである。

    ○きだ 結委員 従前のお答えだとは思うが、ちょっと再質問させいただくが、今もおっしゃったように、支援を必要とする方への制度のため必要だということで、ただ、今、所得制限の基準をおっしゃいましたけども、じゃあ、その基準はどういう根拠があるのかということだと思う。いわば家計、世帯とか、家族の状況とか、もちろん全く考慮はされないわけである。世帯年収、収入、合算であるから、県の判定は、世帯収入の線引きで、どうして支援を必要とすると、あるいは、しないかというのを判定することができるのかということである。

    例えば、現在、所得制限、市町村民税所得割税額が世帯合算で23.5万円を超える世帯でも、例えば私の近くにおられるが、障害のある子供さんが兄弟におられて、成長に伴って手術が必要であったり、公費では1回しか支給されない補装具を成長に合わせて買い換えるとか、そういうさまざまな出費が、世帯年収だけでは見えない出費があるという世帯もある。

    また、夫婦とも奨学金の返済があって、なかなか世帯収入だけでは一律に支援を必要とするかどうかということが見えないという、その大変さもある世帯もある。

    やはり一律の所得制限で負担能力を測ることはできない。結局、その世帯に生まれた子供さんに格差をつけるというだけだと思う。ですから、今の所得制限に、先ほどおっしゃった自立支援医療準拠以上のまだ何か根拠があるのか。私はないと思うが、そういう点で、機械的な所得制限というのは撤廃すべきだと思うが、この所得制限の根拠とかいうことについて、ちょっとお答えいただきたい。

    ○国保医療課長(村上恵一) まず、所得制限を設ける根拠であるが、これ、先ほどもご答弁申し上げたとおり、医療費の負担といった経済的な負担を軽減するというのを目的とした制度であるので、その経済的負担を軽減するということが必要な方に対する支援という趣旨を全うするために、一定以上の所得のある方については、対象外とさせていただいている。

    それから、その自立支援医療の基準を先ほど申し上げたが、これも先ほどご答弁したことの繰り返しになるが、自立支援医療の対象となられている方々というのは、そもそも医療の必要性の高い方である。これは国の制度であるけれども、医療の必要性の高い方である。その方と同じ基準でもって線を引かせていただいている。その中で、更に医療の必要性の高い方というのは、先ほども冒頭申し上げたとおり、一部負担金のほうで3回目以降は徴収しないとか、そういった配慮を行っているので、ご理解いただくようお願いする。

    ○きだ 結委員 県が安心して子育てをしたいという声に応えて、平成23年にこの助成対象を中学3年までに拡充されたこと、私たちも求めてきたが、大変評価をしている。この拡充があったからこそ、一気に県内の市町で上乗せ補助が進んだ。

    しかし、一方では、平成24年7月から行革のもとで、所得判定を主たる生計者から世帯合算へと強めて、対象者を絞り込んだということで、残念ながら、このときに県の基盤制度は薄くなっていると私は思っているので、改めて県制度の拡充を求めて、次の質問に移る。

    次は、高齢者の補聴器使用への支援についてお伺いする。

    年を重ねて、耳の聞こえが悪くなったと自覚する人は多く、家庭の中でも会話に入れない、聞こえないから集まりに行くのがおっくうになるなど、ひきこもりになりがちである。60代後半で3人に1人が、75歳以上では7割以上が加齢性難聴になっていると推計されている。加齢による難聴は避けられないものであるが、音が聞こえにくいまま生活していると、脳は刺激を受けず怠けてしまって、言葉を理解し、音を聞き分ける力が衰えてしまう。

    補聴器は音を聞き、脳に刺激を与える役割を持つ。ですから、聞こえにくいと感じたら、早めに補聴器を使用することが必要だと言われている。WHOは聴力が中等度の難聴の40デシベル以上の場合に、補聴器の使用を推奨している。

    また、難聴と認知症との関連も指摘されて、2017年の国際アルツハイマー病会議で、ランセット国際委員会が認知症の約35%は予防可能な要因により起こるが、その中では難聴が最大のリスク因子であると。ですから、難聴を何とか早期に発見して、補聴器を使うなどすれば、認知症の発症も抑えられるのではないかということだと思う。

    これらを踏まえ、まず、高齢者への聞こえの支援の必要について、県の認識をお伺する。また、認知症対策の中で何か位置づけられているのかもお伺いする。

    ○高齢政策課長(坪井宏徳) 委員ご指摘のとおり、例えば難聴が認知症の原因になり得るという研究等があることは承知しており、これについて「世界保健機関の認知症予防ガイドライン」、こちらは201年、ことしの5月に発表されたものであるが、こちらにおいて、「認知症予防の補聴器に対するエビデンスは不十分だが、高齢者には難聴スクリーニング、介入を行うべき」といったことが示唆されている。

    こうした認知症予防の取組については、国においても「認知症施策推進大綱」、こちらはことしの6月に閣議決定されているものであるが、こちらにおいて、認知症予防に関するエビデンス収集・分析を行うこと、それから、2020年には、これを整理した活動の手引きを周知することとしているので、県としては、まずはその取組を注視したいと考えている。

    一方で、本県では既に認知症チェックシートを活用し、認知症の症状の有無あるいは認知症リスクの有無をチェックする「認知症早期受診促進事業」を実施している。この中で、認知症予防の習慣として「難聴の早期ケア・改善」、それから「早期受診、補聴器等の使用」を勧奨している。

    こうした啓発を着実に進めながら、国から難聴による認知症リスクの予防について、エビデンスのある対策が示された場合には、それを踏まえて検討することとしたい。

    ○きだ 結委員 聞こえへの支援について、必要性は認識されているかと思う。

    次に、補聴器について、補聴器の使用率が欧米と日本では大変差があるということである。大体欧米では30から40%、難聴者の方が補聴器を使用している率というのはそれぐらいであるが、日本では14%にとどまっている。その主な要因は、1台数万円から数十万円と高価であるということ、そして、購入したけども、ガーガー雑音ばかりで聞こえないので、結局、使っていないという方もたくさんおられる。補聴器は脳が慣れるまで、大体3ヵ月から半年のリハビリが必要だと言われて、その間、調整を繰り返して、やっと慣れてくるというものである。

    欧米諸国では、補聴器の使用は難聴者のリハビリテーション医療と位置づけられて、耳鼻科の医師による正確な聴力検査と診断、補聴器の公的給付、専門の技師による補聴器の調整、補聴器に慣れるためのアフターケアなどの制度が確立されている。

    日本でも、このような制度を進めていくために、我が党議員団は、昨年12月に加齢性難聴者の補聴器購入補助制度を求める国への意見書を提案して、全会派の賛同を得て、国へ送付された。

    現在、身体障害者には認定されない中軽度の加齢性難聴者への支援に取り組む自治体も広がっている。愛知県北名古屋市、東京都千代田区、太田区など、少なくとも18自治体が補聴器購入支援、購入費用を助成している。また、東京都新宿区、江東区など6自治体は、補聴器を現物支給をしている。特に東京都江東区では、よりよいコミュニケーションと積極的な社会参加を目的にして、1990年にスタートしている。所得など要件はあるが、65歳以上の難聴者に補聴器を支給して、区が指定する耳鼻咽喉科で聴力検査をして、必要と認められれば、医師が調整して支給をする。更に支給後の補聴器の調整を毎週1回、区役所で認定技能者が実施するという制度である。支給と調整をセットで行っているので、補聴器の合わないということも少ないようである。制度について、市が行ったアンケートでは、友人、家族との交流がよくなったと回答した人が72%に上っている。

    そこで、県として、高齢難聴者への補聴器購入の補助制度あるいは現物支給、また、補聴器に慣れるための調整とリハビリの支援、早期に難聴を発見するために、高齢者の健診に聴力検査を位置づけるなど、高齢者の聞こえへの総合的な支援が必要と考えるが、いかがか。

    ○高齢政策課長(坪井宏徳) 現行の制度であるが、要介護状態の高齢者に対し、車椅子や歩行器等の日常生活の便宜または機能訓練のために介護保険制度の福祉用具として、こういったものが貸与等の対象となっているところである。

    一方で、その補聴器については、眼鏡や義足などと同様に、身体の一部の欠損または低下した機能の補完を主たる目的とするものであるということで、現在のところ貸与等の対象とはされていない。

    一方で、身体障害者手帳の交付対象となる、両耳の聴力レベルが70デシベル以上、また、一方の耳の聴力レベルが90デシベル以上かつ他方の耳の聴力レベルが50デシベル以上等の高齢者に対しては、障害者総合支援法等に基づき、補聴器の購入助成が行われているのが現状である。

    こうした支援の対象以外の加齢性難聴者に補聴器購入の補助等を行うことについては、県や市町の個別対応というよりも、広く全国に適用される制度、例えば高齢者の自立支援そのものをうたう介護保険制度等によって対応されるべきものと認識している。まずは国に対して、県議会の国に対する意見書の趣旨も踏まえ、助成制度を拡充するよう、今、要請しているところで、まずはその動向を見きわめることとしたいと考えている。

    ○きだ 結委員 時間がなくなり、次に移る。

    公立・公的病院の再編計画についてである。

    厚生労働省は、9月26日、全国1,455の公立病院や日赤などの公的病院のうち、再編・統合が必要とした424の病院名を公表、兵庫県内でも県立リハビリテーション中央病院など15の公立病院や公的病院が名指しされており、該当の病院に勤める方からも、この先、うちの病院はどうなっていくのかという不安の声も寄せられている。

    定例の記者会見で井戸知事は、病院の置かれている状況は全国一律の物差しでは測れず、地方に人は住むなということにつながるなど、厳しい意見を述べられた。

    また、知事も触れているが、医師の偏在や医療機関偏在ということに対して全く配慮がなく、経営の苦労しているところが上がっているという点で、地域の実情に対する視点が全く欠けていると言わざるを得ない。

    県は、昨年、医師の確保について、兵庫県地域医療支援センターにおいて、自治医科大学などにおけるへき地等勤務医師の養成、医師のキャリア形成支援などに取り組んでこられたが、こうした努力に対しても何ら考慮されているものではない。地域の実情や住民の声を踏まえることなく、機械的な分断によって、こういう統廃合の再編の対象として、一方的に発表するやり方は到底認められない。

    8日、全国知事会と総務省、厚労省が協議の場を持ったとされているが、どのような態度で臨まれたのか、病院名公表を撤回させるなど求めるべきだと思うが、いかがか。

    ○医務課長(元佐 龍) 国は、地域医療構想の取組を更に進めていく観点から、高度急性期・急性期機能に着目した診療実績について、一定の条件を設定のもと、医療機能について分析し、各医療機関が担う急性期機能や必要な病床機能等についての再検証を求めたとしている。

    したがって、必ずしも医療機関そのものの統廃合を決めるものではなく、病院が担うべき役割や、それに必要なダウンサイジング・機能分化等の方向性を機械的に決めるものではないと国はされている。

    しかしながら、これらの分析結果に係る個々のデータの出典及びその分析手法等についての国からの詳細な説明がないこと、リストに挙がった医療機関において、診療実績が少ない背景には医師不足が考えられ、今回の再検証を契機に、医師の引き揚げが行われ、更なる医師不足の加速化が懸念されること、へき地における医療の状況等を一切配慮せず、全国一律の基準で分析を実施し公表を行ったことなど、今回の国の対応には県としては、さまざまな課題があると考えている。

    そのため、県としては、このような考え方を10月4日に開催された全国知事会社会保障常任委員会において、国に対する意見として表明した。また、同日行われた「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」においては、知事会代表がこれら都道府県の意見を取りまとめ、国に対して意見表明したと聞いている。

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