議会報告
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私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程された議案に対する質疑を行います。
国の新型コロナウイルス感染症対策に係る補正予算案では、国民世論におされ、住民登録のあるすべての人に一人一律10万円支給などを行う一方、「外出自粛や休業要請と一体に補償を」という声にはこたえず、PCR検査の抜本的拡大、医療体制強化にも、きわめて不十分な予算措置です。
県補正予算案は、国の補正予算を受けて編成されるものですが、休業要請に対する県独自の支援として「経営継続支援金」の創設や「入院病床確保のための空床補償単価への上乗せ」など積極的な支援が盛り込まれており、さらなる充実が求められます。
①1つ目に、検査・医療体制の強化についてです。
現在、感染経路を追えない感染者が兵庫県でも4割に及び、これまでのクラスターを追跡する方法は限界に達しています。日本共産党県議団として、かねてから、医師の判断で幅広く検査し感染者を捕捉していくことを主張してきましたが、市中感染が広がっているいま、大量の検査で感染者を見つけ出し保護・隔離することが、感染拡大防止のためにいよいよ求められています。
そのためには東京などで始まったPCR検査センターを各地に設置することが大きなカギとなります。「帰国者・接触者相談センター」を介さずに、感染が疑われる人はまず電話でかかりつけ医や一般病院に相談し、医師が必要と判断すれば、センターで診察と検体採取を行い、検査を実施します。これによって大量の検査が可能になります。
地元の区医師会長にお話をお聞きすると、今でも医師が必要と判断してもなかなかPCR検査されない。保健所が手が回っていないと感じる。PCR検査センターを兵庫県でも作るべきだ。医師会としても協力したい。とおっしゃっています。
また、発熱外来を作り、発熱がある方は電話相談だけでなく、受診できるようにすることも必要です。そうすれば、発熱患者が個人防護具などを持たないクリニックなどに直接受診して感染を拡げることを避けられます。しかし県の方針は臨時外来つまり発熱外来の必要性を認めながらも、今ではなく「まんえん期」がきたら設置するというものです。今起きている各医院の感染の危険も解決するためにただちに開設することが必要です。先の区医師会長は、発熱外来も行政が作るべき、医師会が輪番で診察にあたる、全面的に協力したいとおっしゃっています。
Q1、そこで、医師会と連携し、PCR検査センターや、発熱外来をいま直ちに開設すること、また、軽症者向けの宿泊施設に今は巡回派遣になっている医師を常駐にし、急変に対応できる療養環境を作ることを求めますが、いかがですか。
答弁:健康福祉部長 緊急事態宣言の発令から2週間経過したが、県内では連日患者が確認されているなど、今が感染拡大に歯止めをかけられるかどうかの瀬戸際であると考えている。
検査については、帰国者・接触者相談センターへの相談を経たうえで、帰国者・接触者外来等での医師の総合的な判断に基づき行われているが、県では、重症化リスクを考慮に入れた優先順位を判断して、県内5カ所の研究所等で行政検査としてPCR検査を実施してきた。今後は、病院等への委託検査も導入して検査体制の拡充を図るとともに、検査センターの開設についても検討してまいりたい。
宿泊療養については、本県では一定の入院期間を経た後、60歳未満の軽症者等で心疾患等の基礎疾患がないなどの基準を満たし、入院医療機関の医師が宿泊療養可能とした者が行うこととしている。療養の実施にあたっては、厚生労働省のマニュアルでは、「医師はオンコール以上」、「看護師は日中は常駐、夜間はオンコール」の対応とされているが、県では「医師は日中は出務・夜間はオンコール」、「看護師は24時間常駐」とするなど、患者の異変や急変に、より対応出来る体制を確保している。
引き続き、関係機関と連携しながら、新型コロナウイルス感染症の検査体制の拡充と医療体制の強化に取り組んでいく。
一点再質問させていただきます。PCR検査についてですけれども今お答えがあったように今後また検討するということでしたけれども、日本の検査の少なさは国内でも世界でも色々と指摘をされていますが、直近で言えば千葉大学の研究チームが、PCR検査の陽性率が低い国は死亡者数が少ない、つまり陽性率が高ければ死亡者は多いという解析結果を21日に発表したところです。研究チームの結論としては、死亡者数を増加させないためにもPCR検査能力を拡大させることが急務と結論づけています。実際の数としては陽性率と死亡者数の相関をみているんですけれども、陽性率が7%以上の国の死亡者は7%未満の国の約6.6倍の死亡者が出ていたということです。これについては研究チームはPCR検査が不十分で発症前の感染者を見落としたか重症者の入院の手遅れの可能性が高いとみていますので、今軽症者については宿泊場ということで整理もしてきていて、私たちは医師を夜間であっても常駐させるべきだと思っていますけれども、陽性の人が増え、受け入れるという準備をした上で、民間企業も活用しながらPCR検査の体制を今増やしていく、検査センターを作っていくことが必要だと思いますが、もう一度お答えください。
答弁:健康福祉部長 PCR検査については先ほど答弁したように、我々もこれから検査体制を充実して検査件数を増やしていきたいと考えております。因みに兵庫県の検査件数は、全国で東京福岡に次いで三番目の状況でございます。さらに病院や民間機関に委託して検査件数を増やして参ります。ご指摘のPCR検査センターにつきましては、先ほどの高橋議員の答弁でもお答えしましたけれども、検体を取るということには意味がありまして、院内感染の防止などに役立つことと考えておりますが、検体をいくら取りましても検査を処理できなければ意味がありません。そういったところでは検査体制の充実を図りましてその中で状況を見ながら検査センターの設置も併せて検討していきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。
2つ目に、緊急事態宣言のもとでの営業の補償についてです。
外出自粛が要請され、学校も休校になる中で、3月から街の人通りが激減し、4月7日の緊急事態宣言発令後、一層拍車がかかりました。感染防止のために自主的に休業や時間短縮を行ってきたところも多く、これ以上の外出自粛、営業自粛は補償なしでは持ちこたえられないところまできています。
今回提案されている経営継続支援金は、その趣旨を踏まえて、金額・対象者をさらに拡大していくことが必要です。
我が党議員団に寄せられた例です。神戸市内でエステサロンを経営、施設は約60㎡で、感染が拡大し始めた3月下旬から自主的に休業し、緊急事態宣言後、5月6日まで休業を延長しているとのこと。
しかし、家賃、広告宣伝費等固定費の負担はあり、経営が継続できるか、或いは廃業かという状況。エステは休業の協力を依頼する業種ですが、100㎡以下は協力依頼の対象外とされ、今回の支援金の対象になりません。
東京都や神奈川県、愛知県では、面積で支援の有無を区別せず、100㎡以下であっても休業すれば、支援金の対象としています。
売り上げが前年同月比50%以下という要件も、新規開業の場合もあることから柔軟に適用する必要があります。
Q2、そこで、経営継続支援金の対象者を思い切って拡げ、実質、国の持続化給付金に上乗せとなる支援金へ対象と金額を拡充することを求めますがいかがですか。
答弁:井戸敏三兵庫県知事 新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言に伴った外出自粛要請や休業・営業時間短縮要請の影響を受け、県内中小事業者は売上減少など厳しい事態に直面している。
このため、本県では、50%以上売上が減少した中小事業者全てを対象とする国の持続化給付金の活用を基本としつつ、これに加える形で、休業や時短の要請に応じた事業者を支援する経営継続支援金を創設した。
他府県においても類似の給付金が検討されている。その考え方や給付額、対象事業者などは様々であるが、本県としては、休業等を要請し、これに応えた事業者に対してその事業継続や再起の一助となる制度としたものである。
新たに創業して間もない場合の売上減少の要件については、事業歴が3カ月以上あって、50%以上の売上げ減少を確認できれば、支給要件を満たすこととしている。
このように、要請に応えて休業等を実行し、感染拡大の収束に共に取り組む中小事業者を、支援金の趣旨に立脚しながら、できる限り柔軟に支援していく。
最後に教育についてです。
学校休業が始まり2か月が経過しようとしています。
学校に行くにはまだ感染が怖い、でも学校に行きたい、友達に会いたい、勉強はどうしたらいいのか、などいろいろな感情や不安が子どもや保護者から寄せられます。
本補正予算案では、休業中の学習支援としてICT環境の整備、遠隔学習支援事業などが計上されています。
しかし、早急に必要なのは、子どもに対して、状況を把握し、学習、生活へのアドバイスを日常的に行えるようにすることです。
またパソコンやタブレットによる指導は、WIFI環境の有無など、すべての家庭でというのは、困難です。京都市では、KBS京都と連携し、小学4年生から中学3年生を対象にした番組に、京都市教育委員会指導主事などが出演し、テレビでの学習支援をおこなう予定だそうです。
Q3、そこで、兵庫県も、例えば、サンテレビなどと連携し、子どもたちの学習支援を行えるようにすべきだと考えますが、いかがですか?
学校再開の際は、科学的根拠に基づき、子どもも保護者も納得いく形でおこなうこと、感染防止の万全の体制を整えて臨むことを求めますが、いかがですか?
答弁:教育長 今回の臨時休業中の対策として、県立学校においては、ICTを活用し、学校ホームページに載せた課題やクラウド上の課題、さらに、授業動画や生徒の学習評価などを行うことができる学習支援アプリを活用している。
小・中学校では、主に課題プリント等での学習を行っており、授業動画や体操動画の配信、文部科学省や民間の学習支援サイトも紹介している。また、児童生徒の状況の把握については、電話等の活用や家庭訪問で対応している。サンテレビとの連携については、市町によって使用している教科書が異なることから、県が行うことは考えていない。
学校再開については、緊急事態宣言や特定警戒都道府県の指定の動向及び県や近隣府県の感染状況などから総合的に判断する。その際、国の学校再開ガイドラインに基づき、マスクの着用、消毒、換気の徹底はもとより、密閉・密集・密接の「3つの密」とならない措置を行うこととする。
子供たちのため、学校が早期に再開できるよう、教育委員会としても、5月6日までの外出自粛を是非お願いしたい。