政策・見解・議員団活動

  • 2020年04月17日
    申し入れ

    緊急事態宣言にもとづく休業要請をおこなうなかでの新型コロナウイルス感染症対策についての緊急申し入れ

    新型コロナウイルス感染症対策への日々の対応へのご尽力に、敬意を表します。

    県は、緊急事態宣言にもとづき、4月15日〜5月6日まで一部の事業者に対して休業要請をおこないました。

    兵庫県の感染状況については、依然、予断を許さない状況で、いっそうの感染拡大防止策を講じることは必要と考えます。

    同時に、感染拡大防止策として実効あるものにするには、自粛要請、休業要請にともなう損失に対する補償が必要不可欠です。

    また、この間、新型コロナウイルス感染症の治療にあたる病院での感染などが起こり、医療ひっ迫への懸念もひろがっています。

    よって、日本共産党兵庫県会議員団として、下記のように、第4次となる申し入れをおこなうものです。

    1、感染拡大防止策として、休業・自粛要請と一体的に事業者・県民への補償をおこなうこと

    (1)知事は、休業要請にこたえた事業者の協力に対する何らかの支援を検討したいとするが、休業要請を行う事業者にかぎらず、自粛・休業要請により直接的・間接的に不利益をこうむるすべての中小・小規模事業者に対して、家賃・地代・水光熱費・リース代などの固定費への直接助成をはじめ、損失に見合う補償をおこなうこと。

    (2)創設される持続化給付金(仮称)については、収入が前年同月比50%以上減少した事業者に絞るなど厳しい要件への懸念がある。迅速さも考慮し、一律給付などを検討するよう国にもとめること。国の持続化給付金の創設に合わせ、県独自の持続化補助金を創設し、経営向上・改善を図る中小業者を応援すること。

    (3)予定されている国民1人当たり10万円の給付金支給は対象をすべての日本在住者にひろげ、簡易な手続きでただちに銀行口座に振り込まれるか、口座がない人、住民登録がない人にも福祉窓口から緊急的に支給するよう国に要請し、手立てをとること。

    (4)解雇、派遣切り、雇用内定取り消しなど、雇用に深刻な影響が発生している。県内企業に、解雇、派遣切り、内定取り消しなどを行わないよう強く要請するとともに、県職員としての雇用など、県としての独自の支援をおこなうこと。

    (5)県は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う解雇・離職者に対する県営住宅の提供をおこなっているところではあるが、家賃や敷金などの自己負担分を凍結するなど、当面無償で提供できるようにすること。合わせて、提供対象を解雇・離職者に限らず、新型コロナウイルス感染症の直接的・間接的な影響で収入が減少した県民など幅広い住宅確保困難者にまで拡げること。ネットカフェなどの休業により居住を失う方の居場所として、県営住宅への一時無償入居を可能にするか、もしくは無償でのホテル提供などをおこなうこと。

    (6)新型コロナウイルス感染者による被用者への国保による傷病手当支給について、市町での条例改正などただちに実施できるようにすることとあわせ、事業主・家族従業者、フリーランスなども支給対象に含めるよう市町に要請すること。

    (7)提出書類が多すぎるなど手続きが煩雑であることから、雇用調整助成金の支給決定が2件(3日時点)、雇用労働者向けの小学校休業等対応助成金交付件数6件、フリーランス向け対応支援金6件にとどまっている。手続きの簡素化、支給対象の拡充、相談・審査人員の増員などをおこない、大規模に迅速に支給できるよう国に手立てを求めること。県としても特別窓口を設置するなど対応できるようにすること。

    (8)県経営円滑化資金の利子補給・信用保証料補助を全額県が行い、スムーズに貸付ができるようにすること。(実質無利子融資)また、添付するセーフティネット5号認定、4号認定は市町に限らず、金融機関、信用保証協会でも認定できるよう窓口を広げるとともに相談・審査人員の増員などをおこなうこと。また、売上減少の申出兼企業確認書以外、売上明細書(日別)などの資料は求めないこと。

    (9)コロナウイルス感染拡大以前の県制度の既存債務については、当面、返済凍結し、利息を県が支援すること。県税などの納税緩和措置を徹底し、生活や生業の実態に応じ、税の執行停止を行うこと。

    (10)神戸西警察署が3月下旬に飲食を伴う会合をおこなっていたことは、危機管理上、非常に問題である。改めて網紀粛正を図ること。

    2、医療・検査体制の整備について

    (1)院内感染により、救急や新規外来休止など通常の診療体制にまで影響が拡がっている病院がでてきている。県でも、機能分化の体制をとり始めたところであるが、コロナ患者の重症者を扱う病院、中等症患者を扱う病院、コロナ患者以外を扱う病院など病院の機能分化をおこなうこと。
    空床を準備するための国の補助金の抜本的な引き上げをはじめ、感染症対応で必要となる経費は、全額公費とし、国にもとめること。
    医療関係者を感染から防護するために、防護服、N95はじめ医療用マスク、ゴーグル、消毒液などを速やかかつ十分に供給すること。人工呼吸器の供給の抜本的強化を図ること。

    (2)軽症者・無症状者を受け入れるホテルなどでの対応には、常時医師の配置も含め、万全の体制をとること。

    (3)帰国者・接触者外来以外で、意思と能力のある医療機関に、通常の患者とは別のスペースに「発熱外来」を設けてもらい、発熱した患者にはそちらを受診してもらうよう対応すること。そのためのスタッフ配置や防護服・マスク・フェイスシールドなど、医療従事者の個人防護具を、国に緊急に要請すること。

    (4)医師が必要と判断したら、帰国者・接触者相談センターを介さずとも、速やかに検査が受けられる体制をつくること。ドライブスルー方式など含め、PCR検査を拡充する手立てをとること。検査拡充に対応するために、民間検査機関や大学病院などでPCR検査ができるよう、医師会・DMAT・大学病院などの協力などでPCR検査センターをつくるなどの対応をおこなうなど体制を整えること。仕事が過重になっている健康福祉事務所、健康科学研究所などの体制補強もおこなうこと。
    とくに医療従事者、介護、障害者、保育、学童など福祉従事者などは、無症状であってもPCR検査を行うこと。

    (5)抗体検査を早期に導入すること。

    (6)コロナを扱わない一般民間病院やクリニック、保険薬局でもガウン、マスク等医療用衛生資材が枯渇している。医療用マスクや消毒液などの医療資材の提供を強めること。

    (7)オンライン診療に係る診療報酬の引き上げを国にもとめること。

    (8)自粛要請にともない介護・障害者施設、放課後デイサービス、保育・福祉施設等の自粛の影響による減収に対する補てんをおこなうこと。

    (9)院内感染などで休業を余儀なくされた病院や事業所などへの損失補填、および自宅待機等となる職員の給与補償を行うよう雇用調整助成金の活用や労災申請などで手だてをとれるよう県として対応すること。

    (10)感染者や関係者と、同時に医療従事者などへの不当な差別や偏見、誹謗中傷などの風評被害について、相談窓口を設けるなど被害の回復に努めること。

    3、国、県の補正予算での抜本的対応を求める

    (1)国が検討している補正予算について、新型コロナウイルス対策の事業規模が108兆円といいながら、一般財政からの支出は約16.8兆円、そのうち国民給付分は、約6兆円、医療体制に関わるお金は1490億円で、真に必要な部分への財政措置としては、きわめて不十分と言わざるを得ない。感染拡大防止のための自粛・休業に完全に見合う補償のための抜本的な予算増額、医療体制の抜本的充実のための予算措置をおこなうことを国に強くもとめること。

    (2)県は、国の補正予算の範囲にとどまらず、医療体制の充実、県民と事業者への抜本的な補償を行うために、高速道路の新設や調査、病床削減のための予算などを組み替えて、県独自でも最大規模の予算出動を行えるようにすること。

    以上

    兵庫県知事   井戸 敏三 様
    兵庫県警本部長 加藤 晃久 様

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